河童橋の近くに遅い朝日が射し始めました。橋への石段に張り付くような霜を踏みしめながら上ります。早い時間に着いたので上高地の空気を一日ゆっくり味わえます。せっかくですので少し歩きまわってみようかという気持ちになりました。
下流方向を振り返ると、焼岳が朝日を浴びてこちらに迫ってくるようです。以前見た時は山頂付近にわずかに水蒸気が漂っていましたが、この日は目を凝らしてもそれらしい様子はありません。大正池に近い白樺の森が、霞沢岳の肩から差し込む陽射しで浮き上がって見えます。
まだ朝日が届いていない梓川の川岸に立ちました。絵のようなアルプスの展望です。右手前の明神岳の後ろに少し雪が付いた北アルプスの峰々のパノラマがくっきりです。木々の間から岳沢あたりのまだ残る紅葉が見えます。 (11月1日撮影)