教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

「子ども園(仮)」の制度化について

2010年10月04日 21時10分44秒 | 幼児教育・保育

 現在、政府内で「子ども園(仮)」が審議されているのはご存じの通り。このたび、国務大臣等から成る「子ども・子育て新システム検討会議」の作業グループが、「幼保一体化」ワーキングチームを発足したとのこと。基本制度と「子ども指針(仮)」との検討も同時並行で行い、来年3月に法律案を提出するのだとか。「子ども指針(仮)」は、幼稚園教育要領や保育所保育指針のような教育(保育)課程のことでしょう。どうやら、「子ども園(仮)」をつくる作業が本格化したようです。でも、法律案を「予算非関連」で出そうとしているのは、どうなんでしょうね。どこまで本気なんでしょうか。まずは制度を作るのが優先、ということでしょうか。
 私としては、「子ども園(仮)」の制度化にあたって、保育所の論理(養護>教育)が優先されないよう祈るばかりです。幼稚園と保育所とは果たす役割も違うし、通園する子どもや利用する家庭のニーズも違います。施設が一緒になるのは今の時代致し方ないんでしょうが、それぞれには無視できない意味と特性があります。いっしょくたにして、ぐちゃぐちゃに混ぜてしまわないよう、気をつけてもらえたらと思います。そんなことになったら、保育者にとっても、子どもにとっても、保護者にとっても、我が国にとっても不幸な結果を生むと思います。ワーキングチーム(WT)には、幼児教育学や発達心理学に長年かかわってきた学者や、実績ある保育者も加わるようです。そのあたりをしっかりと主張してくださればいいなぁ、と思います。

 忙しすぎて自分で宣言したことができてませんが、仕事柄重要な情報を得たのでメモ。

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