ブログを書くことのできない、余裕のない毎日を過ごしております。遠隔授業形式になってから、学生からのメールが増えました。下記は、学生から質問を受けて回答したのですが、お蔵入りするのも(せっかく時間も使ったし)もったいないので公開します。ちなみに、質問者の学生さんには、ありがたいことに、満足していただけたようなのでホッとしました。
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(質問)
先生は、反抗期の生徒や自分の子ども・兄弟にどのように接するのが良いとお考えですか?
(回答)
私だったら、反抗期とはどういう時期かというところから考えるかな。
反抗期とは自立をしようとしている最中の時期であり、それでいてまだ自分だけでは自立することは難しいという時期です。自立をしたいけど、できない自分もいる、自分がどうしたいのかもはっきりわからない。そんなモヤモヤにあふれた時期です。また、周囲の大人も、それまで依存していたり指示に従ったりしていた子どもの姿が頭に残っていて、まだ切り替えができずに、つい指示したり、信用することができずに手出ししてしまったりする時期です。子どもはそういう大人の態度にイライラします。自分でやりたい、できるのに、まだ回りは自分のことを子ども扱いして指示ばっかりしようとする、とね。自分の事を信用していないな、と思って、大人に対する不信感も募ります。自己防衛で先回りしたり、無視したりして、大人の言うことを聞かないことも増えます。自己防衛のために、言うことを聞かないように自分で習慣化するとでも言いましょうか。そんな状態にあるのが、反抗期という時期です。
だから、基本方針は、本人の意思を尊重し、必要な支援をしてやることかな。具体的には、「やりたいこと」や「やろうと思っているけれどできないこと」をしっかり聞いてやることがまず必要かなと思います。すでに関係がこじれているなら少し時間がかかると思うけれど、「自分の考えを聞いてくれる」、「自分を尊重してくれる」と思わせることが大事です。そうすることで、多少やれていなくても「やろうとはしているのだな」と周りも思うことができて、じっくり関わることが出来ます。また、何を助けてやるべきかも、わかります。
子どもに必要なことを勝手に大人が決めてかかるのではなく、子どもと一緒に考えていくことが大事ですね。反抗期の子どもは、何も出来ないのではなく、「出来るようになりたい」と思って挑戦を始めている(もしくは挑戦したいと思っている)人たちです。大人のやるべきことは、挑戦させてやって、見守り、失敗したら一緒に考えてやることなのではないでしょうか。
子どもの考えは未熟・甘いかもしれないけれども、まだ自立し始めたところですから未熟なのは当然です。人は経験の中で学び、成長しますので、自分で考えさせ、やらせていかないと、いつまでも未熟のままで体だけ大きくなってしまうかも。せっかく「自分でやりたい・決めたい」という意欲が出てきたのですから、うまくその意欲を発揮させてやりたいものです。うまくいけば、勝手に自分で成長していってくれますよ。
幼児教育や保育(福祉施設では高校生まで保育という言葉を使います)では基本なのだけど、教育は「養護」の土台あって始めて可能になります。「養護」というのは、たとえば「生命の保持」と「情緒の安定」がそれにあたります。安全で肯定的な環境において、安心して自分を出せるようになってこそ、人は一歩を踏み出すことができるのです。反抗期の子どもはすでに一人の人格です。大人の言うとおりに動かせるものではない。子ども自身を直接変えられないとすれば大人ができることは一つ。肯定的な環境をつくってやることです。これを「環境による保育」とか「環境を通した保育」とかと言います。
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(質問)
先生は、反抗期の生徒や自分の子ども・兄弟にどのように接するのが良いとお考えですか?
(回答)
私だったら、反抗期とはどういう時期かというところから考えるかな。
反抗期とは自立をしようとしている最中の時期であり、それでいてまだ自分だけでは自立することは難しいという時期です。自立をしたいけど、できない自分もいる、自分がどうしたいのかもはっきりわからない。そんなモヤモヤにあふれた時期です。また、周囲の大人も、それまで依存していたり指示に従ったりしていた子どもの姿が頭に残っていて、まだ切り替えができずに、つい指示したり、信用することができずに手出ししてしまったりする時期です。子どもはそういう大人の態度にイライラします。自分でやりたい、できるのに、まだ回りは自分のことを子ども扱いして指示ばっかりしようとする、とね。自分の事を信用していないな、と思って、大人に対する不信感も募ります。自己防衛で先回りしたり、無視したりして、大人の言うことを聞かないことも増えます。自己防衛のために、言うことを聞かないように自分で習慣化するとでも言いましょうか。そんな状態にあるのが、反抗期という時期です。
だから、基本方針は、本人の意思を尊重し、必要な支援をしてやることかな。具体的には、「やりたいこと」や「やろうと思っているけれどできないこと」をしっかり聞いてやることがまず必要かなと思います。すでに関係がこじれているなら少し時間がかかると思うけれど、「自分の考えを聞いてくれる」、「自分を尊重してくれる」と思わせることが大事です。そうすることで、多少やれていなくても「やろうとはしているのだな」と周りも思うことができて、じっくり関わることが出来ます。また、何を助けてやるべきかも、わかります。
子どもに必要なことを勝手に大人が決めてかかるのではなく、子どもと一緒に考えていくことが大事ですね。反抗期の子どもは、何も出来ないのではなく、「出来るようになりたい」と思って挑戦を始めている(もしくは挑戦したいと思っている)人たちです。大人のやるべきことは、挑戦させてやって、見守り、失敗したら一緒に考えてやることなのではないでしょうか。
子どもの考えは未熟・甘いかもしれないけれども、まだ自立し始めたところですから未熟なのは当然です。人は経験の中で学び、成長しますので、自分で考えさせ、やらせていかないと、いつまでも未熟のままで体だけ大きくなってしまうかも。せっかく「自分でやりたい・決めたい」という意欲が出てきたのですから、うまくその意欲を発揮させてやりたいものです。うまくいけば、勝手に自分で成長していってくれますよ。
幼児教育や保育(福祉施設では高校生まで保育という言葉を使います)では基本なのだけど、教育は「養護」の土台あって始めて可能になります。「養護」というのは、たとえば「生命の保持」と「情緒の安定」がそれにあたります。安全で肯定的な環境において、安心して自分を出せるようになってこそ、人は一歩を踏み出すことができるのです。反抗期の子どもはすでに一人の人格です。大人の言うとおりに動かせるものではない。子ども自身を直接変えられないとすれば大人ができることは一つ。肯定的な環境をつくってやることです。これを「環境による保育」とか「環境を通した保育」とかと言います。