教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

新年のあいさつ、兼2021年の振り返り(オンライン授業のルール作りなど)

2022年01月03日 22時30分43秒 | 教育研究メモ
 2022年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 昨年末は振り返ることができませんでしたので、振り返りをかねて新年のあいさつを申し上げます。
 昨年は、引き続き全学部の教務委員長を務めました。それに加えて、教育学部1期生の小学校の本実習の主任を務めることになってしまって、80人近い実習生の指導と実習運営に気を遣い続けた1年間でした。2020年に引き続きコロナ禍の影響を受けて、何かと不自由な1年でしたので、学生教育も万全とはいえず、心身の調子も優れず(回復できる状況も作れず)、かなり苦しい思いをしました。
 教務委員長としては教務事務・教務委員の皆さんと協力していろいろ仕事をしてきましたが、一番の大仕事は、オンライン授業のルール・事務手続きを整えたことです。もともと本学にはメディア授業の仕組みがなかったので、ゼロからのルール作りとなりました。オンラインの利点と欠点とを両方確実に踏まえてルール化することは、とても難しかったです。ルール化した後もいろいろあり、試行錯誤の連続でした。とはいえ、コロナ禍前の「旧に復す」ことなく、オンライン授業の欠点をカバーしながら、平時・緊急時ともに活用できるオンライン授業の仕組みを整えたつもりです。とくに、コロナ禍の先行き(ウィズコロナからアフターコロナに切り替わるかどうか)もまだ見えませんし、オンライン授業をめぐる政策・社会動向はいまだ動き続けているので、今後対応する際の軸が必要だと思いました。そのため、「学び・健康・つながりの保障」(文教生の健康・つながりを保障しながら、学びを止めない)というオンライン授業の理念を立てて、それを目的化して、ルールをつくりました。独自の理念まで備えた学内のガイドラインは珍しいと思いますが、先行き不透明のなか、本学が時代に流されず、埋もれず、緊急時にも対応しつつ、追いついていくためには、絶対に必要だと思って明文化したものです。
 実装されてからは、オンライン授業を受けさせている場合ではない欠席させるべき場合(例えば健康回復が優先される場合)や、学修習慣の形成上オンライン受講を認めるべきでない場合(例えばただの遅刻やさぼり)など、実際の運用上、判断は容易ではありません。しかし、オンライン授業の判断基準をしっかり定めて判断の経験を積み上げておかないと、今後絶対に時代に追いついていけないと思い、何とかお役目を務め続けております。

 こんな状況でしたので、研究の方は常に低空飛行といった感じでした。様々な科研費のプロジェクトに呼んでいただいているので頑張りたかったのですが、最低限のところで精いっぱいでした。とはいえ、自分の専門分野や関心の輪郭がはっきりしてきたのは収穫だったかもしれません。私は教育学者の端くれであり、専門とするのは教育会史はもちろん、教育学史、教育史教育論です。そのほかに、現代教育制度の概要・課題の研究や、日本史の探究的な授業研究にも手を出してきましたが(そのきっかけも行きがかり上やむなく、でしたが)、これらは間違いなく私の教育学・教育史研究の基礎づくりにつながっています。研究を続けて、2020年代の教育学・教育史研究史になにがしか貢献していきたいです。
 とまあ、そういう思いだけはあるので、現実として時間とエネルギーが足りないのが本当に苦痛です。何とか研究時間を捻出して、やるべき研究とやりたい研究を着実に進めていきたいです。

 おかげさまで、妻も娘(2歳半)も元気で、仲良く暮らせています。思うようにいかない毎日ですが、これだけは本当に恵まれています。今年も、みんな元気に、仲良く暮らしていけるようにしたいです。
コメント
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