Sunday Songbook Playlist

2007年05月06日 | Sunday Song Book

<05月06日プレイリスト>
[ロジャー・ニコルス特集 Part 3]
人生の扉/竹内まりや "DENIM"5月23日発売ニュー・アルバム
SOMEBODY WAITING/EYDIE GORME "IT WAS A GOOD TIME" '71
I'M GONNA FIND HER/STEVE LAWRENCE
"THIS IS STEVE & EYDIE Vol.2" '71
ALWAYS YOU/LINDA BALL '67
WHEN LOVE IS NEAR/ORIGINAL CASTE '71
HAVE YOU HEARD THE NEWS/VIKKI CARR
"LIVE AT THE GREEK THEATRE" '73
SOME THINGS NEVER CHANGE/森山良子 "IN LONDON" '73
BE GENTLE WITH MY HEART/ROGER NICHOLS & A CIRCLE OF FRIENDS
"BE GENTLE WITH MY HEART" '94
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
タツローさんも大型連休明けから仕事に復帰。コマーシャルのリミックスと、また新しい仕事が入ってレコーディングがはじまる。竹内まりやさんは全国キャンペーン真っ最中。

・人生の扉
5月23日発売、竹内まりやのニュー・アルバム『Denim』(デニム)の収録曲で核となる曲。

・ロジャー・ニコルス特集
3週目なのでだんだんと濃~いところへ。なるべくレアなもの、CD化されてないもの、そういうおたくなやつ。本日のプレイリストはヒット・ソングはおろか、チャートインした曲は1曲もない。
ロジャー・ニコルスという作曲家は'60年代終わりから曲を書き始めて、'70年前後で全盛期を迎えた。当時のロックンロール音楽と趣きを異にする、どちらかというとミドル・オブ・ザ・ロード、一時代前のソングライターの傾向が強い人。ロジャー・ニコルスが書く曲を積極的に取り上げたのは、ラスベガスのショーで歌うクラブ・シンガー、ジャズ・ヴォーカルに近いようなアダルト・シンガーがほとんど。'60年代に活躍した人ばかりなので、ヴェトナム戦争が激しくなりロックの時代となった頃には、ミドル・オブ・ザ・ロードのシンガーは全くヒット・ソングが出なくなった。

・SOMEBODY WAITING
イーディー・ゴーメは夫のスティーブ・ローレンスと共に'60年代を代表するミドル・オブ・ザ・ロードのシンガー。1971年、MGMレコードからのアルバム『IT WAS A GOOD TIME』のA面1曲目。プロデュースド・バイ・ドン・コスタ。エンゲルベルト・フンバーディングのレコーディングもある。

・I'M GONNA FIND HER
イーディー・ゴーメの夫スティーブ・ローレンス。二人ともジャズ・シンガー志望だったがロックンロールの時代に入り、ロックンロール・エイジのソングライター、キャロル・キング、バリー・マンといった作家の曲を歌ってヒット曲をたくさん出した。'70年代に入り40の声を聞く頃にはクラブ・シンガー然とした作品を歌いはじめる。スティーブ・ローレンスとイーディー・ゴーメの夫婦名義のアルバムもたくさん出している。1971年、RCAレーベルから出た2枚組のアルバム『THIS IS STEVE & EYDIE Vol.2』から、スティーブ・ローレンスのソロ・ヴォーカル作品「I'M GONNA FIND HER」。アレンジはドン・コスタ。
こうした曲のほうが今手に入らないし、コンディションの良いアルバムがない。レコードおたくが喜ぶようなやつはどんどんCD化されるが、ミドル・オブ・ザ・ロードのロック・エイジから見向きもされないようなシンガーのものはかえって手に入れにくい。手に入ってもひじょうに盤質が悪い。
「すごく余談ですけれど、EARTH, WIND & FIREのコンディションの良いアルバムが全然ないんですね。シールドしてあるアルバムを何年も探していますが1枚も手に入りません。文化のいびつさをアナログ盤で感じる今日この頃であります」とタツローさん。

・ALWAYS YOU
タツローさんも持ってなかったので友達から借りてきたロジャー・ニコルス最初期の曲。いかなるコンピレーションCDにも入ってない。欧米では日本ほど熱狂的なロジャー・ニコルスのファンがいないので、たぶんそういうことになっている。1967年にリンダ・ボールという人が歌ってるシングル盤。特集の1週目でかけたサウンダウナーズの「ALWAYS YOU」は1968年のリリース。それより1年前に[JERDEN]というインディーのレーベルから出たが全くヒットしなかった。プロデュースはロジャー・ニコルス。ロジャー・ニコルスとトニー・アッシャーの共作。

・WHEN LOVE IS NEAR
ちょっとは日本で知られた曲。「MR.MONDAY」という大ヒット曲で知られるオリジナル・キャストが出した最後のシングル。アルバム未収録だったので長い間聴けなかったが、日本のソニーが出したベスト盤にボーナス・トラックで収録された。日本ではスマッシュ・ヒットした。邦題は「朝やけの二人」。
「優しい人たち 歌いましょう 真夜中の暗闇に日が差してくるわ 私たちの歌が祈りに変わるまで」というポール・ウィリアムスらしい優しい歌。

・HAVE YOU HEARD THE NEWS
ヴィッキー・カーも'60年代に活躍したミドル・オブ・ザ・ロードのクラブ・シンガー。「HAVE YOU HEARD THE NEWS」は1973年にコロムビアから出した2枚組のライヴ盤『LIVE AT THE GREEK THEATRE』に収録されている曲。

・SOME THINGS NEVER CHANGE
これもレア。「SOME THINGS NEVER CHANGE」は森山良子が1973年にロンドンで録音したアルバム『IN LONDON』に収録されている。ロジャー・ニコルスとジョン・ベティス(カーペンターズ)のコンビで書かれた曲で、この曲は森山良子以外のヴァージョンは確認されていない。これが唯一のレコード化されたヴァージョン。
このアルバム『IN LONDON』にはバリー・マンの「COME EASY」も取り上げているが、この曲も森山良子しかレコーディングしてないという。このアルバムのライナーを朝妻一郎さんが書いているので、おそらく当時、朝妻一郎さんが代表していたフジパシフィックという音楽出版社が、アービン・アルモやスクリーン・ジェームズの日本代行をやっていたので、そこからオファーしたのではないだろうか。

・BE GENTLE WITH MY HEART
ロジャー・ニコルスとポール・ウィリアムスは1967年頃からコンビを組んで幾多のヒット・ソングを出したが、1972年頃に仲たがいをする。かなり悪い形で仲たがいをしたそうで、それからロジャー・ニコルスは隠遁といってもいいぐらい、ぱったりと作品が激減する。'80年代まではぽつぽつとCMをやったりしていて、ヒット・シーンから後退する。'80年代初期に離婚を契機にオレゴンで隠遁する。貸しビルやビルのオーナーの大家とかで、ほとんど音楽活動はしなかった。'90年代に入り再婚した頃から音楽的な意欲が出てきて、ミュージカルを手掛けたりする中で、1994年突然アルバム『BE GENTLE WITH MY HEART』を出す。ROGER NICHOLS & A CIRCLE OF FRIENDSという名義で2枚組の3面を使ったアルバム。実に『ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDS』から28年振りのロジャー・ニコルス名義のアルバムだった。アルバム・タイトル曲の「BE GENTLE WITH MY HEART」は奥さんのテリー・ニコルスとシェイラー・オコネルの共作。

・竹内まりやゲストのニュー・アルバム『Denim』特集
5月13日、20日の発売日直前の2週間は竹内まりやゲストのニュー・アルバム『Denim』特集。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
05月13日・20日は、お待ちかね
「竹内まりやニューアルバム『Denim』特集(ゲスト:竹内まりや)」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする