2012/01/10 OnAir - 1st. Week - ナイアガラDJトライアングル
01.The Beatles:Rock and Roll Music
02.佐野元春:Bye Bye C-Boy
03.ブルー・コメッツ:ウェルカム・ビートルズ
04.The Monkees:I Wanna Be Free
05.The Hospital:BEE MEN(恋の蜜蜂男)
06.うなずきトリオ:B面でうなずいて(大滝Remix)
07.金沢明子:イエロー・サブマリン音頭
08.アロハ・ブラザース:恋はボリショイ
09.宇宙人(ナレーター:中本修)+谷啓:これが宇宙人の声だ + 愛してタムレ(大滝Remix)
10.Crosby, Stills & Nash:Marrakesh Express
11.Ben Folds Five:Jackson Cannery
12.トリオこいざんす:イヤーかなわんわ
13.John Lennon:Whatever Gets You Thru the Night
14.John Lennon:Imagine (from album "Acoustic")
15.落合博満:サムライ街道
16.黛ジュン:天使の誘惑
17.Salena Jones:WHISKY(ウイスキーが、お好きでしょ)
18.オックス:ガール・フレンド
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■内容の一部を抜粋
・ナイアガラDJトライアングル
今夜はいつもの番組枠を拡大して特別番組を二部構成でお送りする。今回の放送ではじまって以来99回目。そして100回目を迎える。ナイアガラ・トライアングル Vol.2のメンバー、大瀧詠一さん、杉真理さんをゲストに迎えてのDJショー。題して「ナイアガラDJトライアングル」。
・99回目
第一部は午後9時10分から午後10時45分までの1時間35分。
・ナイアガラ・トライアングル Vol.2
1982年のリリース。当時のアルバム・チャート2位。今年はその『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』がリリースされて30周年。ラジオで三人が揃うのは十年振り。スタジオにはスタッフが気を利かせて『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』のポスターが貼ってあるという。
・アルバム・ジャケットのサイン入りパネル
当時、『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』のアルバム・ジャケットを大きくしたパネルがあって、三人のサイン入りパネルをふたつ作ったという。ひとつは現在行方不明。もうひとつは大瀧さんの家にあるそうだ。昨年、そのパネルをテレビ番組に提供したことがあったとか。奥田民生さんと真心ブラザーズがコラボレーションして「A面で恋をして」を歌った(確かCX系「僕らの音楽」)。そのときに「何か出してくれ」という要望があり提供したという。
・GO! GO! NIAGARA
大瀧さんは35年前にはじめたラジオ番組「GO! GO! NIAGARA」のマスター・テープを全部持ってるそうだ。現在そのリマスタリングを行ってる。しかし機材が変わるのでその度に新しくやり直してるという。だから全く終わらないとか。締め切りがないので終生続くかもしれないと。
・ビートルズ
リスナーから「ナイアガラDJトライアングル」のためにお題を募った。最初のお題は「ビートルズ」。『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』のテーマのひとつが「ビートルズ」だったとか。元春はアルバム『Abbey Road』、『Let It Be』といった解散間際から聴いてるそうだ。杉さんは「A Hard Day's Night」の頃からなので1963年か64年。小学生の頃に出会って「とにかく学校で教わらない音楽だったので衝撃的だった」と話している。大瀧さんはビートルズが出たときだから1964年の1月から聴いてて中学から高校にかけてという感じだったとか。
・Rock and Roll Music
元春の選曲。元春が子どもの頃生まれてはじめて聴いたビートルズの曲。3歳上のいとこの女の子がビートルズの大ファンで、彼女が夢中になってるビートルズってどんなのか知りたくて、彼女がいないときに部屋に忍び込んでシングルをターンテーブルに乗せて聴いてみたとか。そのシングルが「Rock and Roll Music」だった。いとこの彼女を喜ばせたくて小学3年生くらいのときにカタカナで「トゥザミネモザロックンロールミュージック」と覚えたそうだ。そしていとこと公園に自転車で散歩に行くときに、彼女の後ろで自転車をこぎながら大きな声で「トゥザミネモザロックンロールミュージック」と歌ったらば、彼女が振り向いて「どうやってあんたそれ覚えたの」って元春に興味を示してくれたという。元春のロック・パフォーマーとしてのいちばん最初の出来事だとか。
・Bye Bye C-Boy
杉さんの選曲。杉さんはビートルズにあこがれて小中高大学とバンドを組んだそうだ。でもどうしたらビートルズっぽくなるのかわからなかったという。そんなときに大学で組んでたバンドでコンテストに出たら、あるバンドがホルンを2つ入れてまるで『SGT.Peppers』みたいなサウンドをやってたそうだ。リードシンガーは黒いサングラスをかけてピアノを弾いてて、杉さんはかっこいいと思ったとか。こんなにビートルズっぽく日本語でできるのか衝撃を受けた曲、それが「Bye Bye C-Boy」だったそうだ。当時、ステージに袖で「佐野くん、何曲くらい曲持ってるの?」と訊いたところ「600曲」と元春少年は答えたという(「はったりでしたけれどね」と元春)。
この曲は元春が16歳か17歳の頃に書いた曲で『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』に収録できたことがうれしかったという。いつかレコーディングしたいと思っていたがファースト・アルバムにはなじまない曲で宙ぶらりんになっていたとか。十代の頃に会ってた杉さんとトライアングルに参加して再会したことは何かの縁を感じる出来事だったそうだ。
・ウェルカム・ビートルズ
大瀧さんの選曲。1966年にビートルズが来日公演を日本武道館で行った。大瀧さんはテレビで来日公演を見て、いちばん感激したのは前座のドリフターズが歌った「のっぽのサリー」だったという。「おもしろかったんだよね」と大瀧さん。ビートルズを迎えるのに当って前座が歌ったのが「ウェルカム・ビートルズ」だった。ブルー・コメッツのスタジオ録音から。
・I Wanna Be Free
続いてのお題は「B面でも恋をして」。
元春が13歳、14歳の頃、テレビで「モンキーズ・ショー」をやっててその番組を見るのが好きだったという。元春が初めて買った7インチ・シングルは「モンキーズのテーマ」で、「モンキーズ・ショー」のテーマ曲だった。そのB面に収録されていたのが「I Wanna Be Free」。A面はアップテンポのポップ・ロックだったが、B面はフォーキーで、ロマンティックなスローの曲だった。何度も何度も聴くうちにB面の「I Wanna Be Free」のほうが好きになったそうだ。元春の選曲。
作詞作曲はボイス&ハート。モンキーズはアルドン・ミュージックという音楽出版社のドン・カーシュナーがテレビ局と組んではじめたプロジェクトだった。だからほとんどのアルドン・ミュージックの作家がモンキーズにつぎ込まれた。ビートルズに対抗して作られたアイドル・グループということだが、大瀧さんは「単純に儲けたかっただけじゃないの」という意見。スティーブン・スティルスもピーター・ヌーンの同伴でモンキーズのオーディションに行ったとか。
・BEE MEN(恋の蜜蜂男)
杉さんの選曲。1980年の初頭にホスピタルというインチキ・グループがいた。「ライブカプセル」というカセットのCMで外人のモデルがナース姿でニューウェイブ風の曲を演奏しているというものがあった。でも実は演奏しているのは杉さんのバンドで、リード・ヴォーカルはサンディさんだった。需要がありレコードになったがB面を急遽作ることになった。その曲が「BEE MEN(恋の蜜蜂男)」。作詞作曲は杉さん。現在は杉さんのアルバム『SONGWRITER』のボーナス・トラックに収められてるそうだ。
・B面でうなずいて(大滝Remix)
大瀧さんの選曲。トライアングルの「A面で恋をして」の前にレコーディングしたうなずきトリオ。実は大瀧さんによればうなずきトリオもトライアングルの一環のつもりだったとか。1982年1月1日に発売されたうなずきトリオの「うなずきマーチ」のB面が「B面でうなずいて」。このB面はスタッフ(高平哲郎さん)が製作したもので大瀧さんは関わってない。今回は市販版を大瀧さんが特別編集したスペシャル・エディション。
・イエロー・サブマリン音頭
続いてのお題は「抱腹絶倒」。
元春の選曲。クレイジーキャッツ・リスペクトの一曲。大瀧詠一プロデュース作品。大瀧さんによればプロデュース作品の中でいちばんの自信作だとか。実はこの曲の最初のアイディアは杉さんだったとか。1979年に遊びで作ったそうだが、杉さんの大学の後輩、竹内まりやさんに頼んで歌ってもらおうと思ったが勇気がなくて、大瀧さんのところに持っていったという。
・恋はボリショイ
杉さんの選曲。「恋はボリショイ」はアロハ・ブラザースのロシアをテーマにした曲。「ロシア大使館に持っていくと喜ぶかもしれないね」と元春。一回、東京タワーのイベントでロシア人の前で歌ったことがあるそうだ。ロシアのイベントが直前に行われた後で「ソレチガイマスヨ」と怒られるんじゃないかと思ったと杉さん。
・これが宇宙人の声だ + 愛してタムレ(大滝Remix)
大瀧さんの選曲。「抱腹絶倒」というお題が難しかったとか。宇宙人の声というのがあまり面白くなかったから自分で編集して「びろ~ん」を入れたそうだ。
・伊藤銀次さんのコメント
「伊藤銀次です。今日は何やら大瀧さんと佐野くんと杉くんのナイアガラ・トライアングル Vol.2のメンバーが集まって、何やら楽しいことをしてるという噂を聞きましてですね、わたくしもナイアガラ・トライアングル Vol.1の一員としてしゃしゃり出てですね、一言二言言わしていただきたいなと思っております。『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』30周年ということでおめでとうございます。まさかですね、まさかなんて言うと大瀧さんに怒られるかもしれませんけれど、『ナイアガラ・トライアングル Vol.1』をやってたとき、そのVol.2が出て、しかもですね、たくさんの人に支持されるなんて思いもよりませんでしたけれど。ようやくナイアガラというものが世に認知されたのかなんて、Vol.1として先輩面して喜んでおりますが(笑)」
・Marrakesh Express
伊藤銀次さんのコメントに続いて、銀次さんからトライアングルにちなんで「好きなスリーピース・バンドの一曲」というお題。
元春の選曲はクロスビー、スティルス&ナッシュの「Marrakesh Express」。元春が多感な頃にラジオで聴いた曲だとか。杉さんはクロスビー、スティルス&ナッシュとはっぴいえんどを一緒に聴いていたそうだ。大瀧さんは高校生の頃、1964年65年にバーズを聴いて、イギリスのバンドではホリーズを聴いていた。バッファロー・スプリングフィールドは細野晴臣さんが聴いていたとか。大瀧さんは製鉄会社に就職して事務の仕事を三ヶ月間くらいやってて、音楽を全く聴いてなかった時期があるそうだ。1967年から1968年にかけてエアポケットなんだとか。その頃に出たのがバッファロー・スプリングフィールドとかモビー・グレープ。細野さんに言われてバッファロー・スプリングフィールドを聴いてて、1969年にバーズとホリーズが一緒になってやると聞いたときは驚いたが期待したそうだ。はっぴいえんどはカントリー・ロックや西海岸のフォーク・ロックを意図してやっていたとか。
・Jackson Cannery
杉さんの選曲。ベン・フォールズ・ファイブの「Jackson Cannery」。ピアノのベン・フォールズを中心にしたベース、ドラムのトリオ。本当はジャズもうまい人たちだけれど悪ぶってるんじゃないかと杉さん。
・イヤーかなわんわ
大瀧さんの選曲。トリオこいさんずの「イヤーかなわんわ」。この曲で紅白歌合戦に出場した。1960年か1961年の曲。作詞は岩谷時子さんで作曲は宮川泰さん。
・堂島孝平さんのコメント
「『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』30周年おめでとうございます。堂島孝平です。『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』の30周年に寄せて自分がコメントできるなんていうのは僕はとても幸せなことだと思っております。30年前というのはですね、僕、堂島孝平は5歳ということで、まだ何にもよくわかってなかったときであります。リアルタイムで『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』を知っていたわけではなくてですね、むしろ佐野さん、杉さん、そして大瀧さん、個人のアルバムを先に聴いていまして。その御三方が一緒にやってるというその『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』を聴いたのが、僕二十歳くらいのときです。これからも是非僕のあこがれる、そしていつまでもかっこいい先輩方でいてもらいたいなと思います。宜しくお願い致します」
・Whatever Gets You Thru the Night
堂島孝平さんのコメントに続いて、堂島さんからのお題は「今年の干支にちなんで龍、ドラゴン」。堂島さんは年男だそうだ。
元春の選曲はジョン・レノンの「Whatever Gets You Thru the Night」。ジョンは1940年生まれで干支は辰。生きていれば今年72歳だった。1974年の全米NO.1。エルトン・ジョンが助け舟を出してビートルズ解散後初めて1位を獲った曲。
・Imagine (from album "Acoustic")
杉さんの選曲。元春と同じく辰年生まれということでジョン・レノンを選曲。名曲「Imagine」のアコースティック・ヴァージョン。生ギター一本で歌ってるライヴ・ヴァージョン。大瀧さんは途中の「ユ、ウーウウ」と歌うところがロイ・オービソンだと指摘。
・サムライ街道
大瀧さんの選曲。PP&Mの「Puff, The Magic Dragon」を考えてたそうだが誰かと被りそうなのでやめて、ドラゴンズにちなんで選曲。曲はダウンロード販売で購入したとか。
・天使の誘惑
次のお題は「誘惑」。
元春の選曲は黛ジュンさんの「天使の誘惑」。元春は黛ジュンさんの大ファンだったとか。大人調の演歌よりライトなポップスが大好きだったそうだ。当時のシングルには「ハワイアン・ロック」と書いてある。どこがハワイアンなのかと元春。大瀧さんによるとスチール・ギターが入ってるので「ハワイアン」と言ってたそうだ。スチール・ギターを弾いてるのはライオンさん(小林潔)。多羅尾伴内楽團でスチールを弾いてるのもライオンさん。アロハ・ブラザーズでも1曲だけ参加してもらったとか。'60年代当時の日本のポップスは「ベースがみんなピックド・ベースでかなりグルーヴィーな演奏だ」と元春。ベースは江藤さんでドラムは石川さんのコンビだと大瀧さん。ほかのもすごいらしい。当時イタリアの歌曲が日本のポップスでよく取り上げられていたのはサンレモ音楽祭という音楽イベントが当時あり、'60年代以前はアメリカン・ポップスよりヨーロピアン・メロディーが日本では主流だったかららしい。戦前からラテン音楽が流行っていたのは日本語が乗りやすいからだと大瀧さん。
・WHISKY(ウイスキーが、お好きでしょ)
杉さんの選曲は「ウイスキーが、お好きでしょ」。今回はサリナ・ジョーンズのヴァージョン。もともとは石川さゆりさんがジャズを歌うというオファーだったのでジュリー・ロンドンをイメージして「Cry Me A River」みたいな曲を作ろうとしたのだとか。
・ガール・フレンド
大瀧さんの選曲。「誘惑」は「Temptation」。「Temptation」といえばテンプテーションズ。テンプテーションズといえば「My Girl」。ということで「マイガール」という歌詞が出てくるオックスの「ガール・フレンド」。