2017年04月02日プレイリスト
「チャック・ベリー追悼~NON-STOP CHUCK BERRY~」
1. MAYBELLENE / CHUCK BERRY '55
2. ROLL OVER BEETHOVEN / CHUCK BERRY '56
3. BROWN EYED HANDSOME MAN / CHUCK BERRY '56
4. SCHOOL DAY / CHUCK BERRY '57
5. ROCK AND ROLL MUSIC / CHUCK BERRY '57
6. SWEET LITTLE SIXTEEN / CHUCK BERRY '58
7. REELIN' AND ROCKIN' / CHUCK BERRY '58
8. JOHNNY B. GOODE / CHUCK BERRY '58
9. AROUND AND AROUND / CHUCK BERRY '58
10. CAROL / CHUCK BERRY '58
11. ALMOST GROWN / CHUCK BERRY '59
12. BACK IN THE U.S.A. / CHUCK BERRY '59
13. MEMPHIS, TENNESSEE / CHUCK BERRY '59
14. COME ON / CHUCK BERRY '61
15. PROMISED LAND / CHUCK BERRY '64
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■内容の一部を抜粋
・近況
サンデー・ソングブックはもともとはサタデー・ソングブックとして1992年10月に放送がスタートして、この4月で放送24年半を迎えることになった。本年10月にはめでたく25周年になる。この番組はオールディーズの番組で、オールディーズとは古い曲のことで、古くてもいい曲、"OLDIES BUT GOODIES"という呼び方をするけれど、古いけれどいい曲をかける番組。山下達郎自身の新譜、関係各位、そうしたものの新譜がかかることもあるけれど、基本的には"OLDIES BUT GOODIES"、古いけれどもいい曲をかける番組。「レコードは全て私の個人コレクションから持ってきております。'50年代、'60年代、'70年代、'80年代、古い音源ですので今の最新新譜と比べますと音の迫力がですね、ちょっとしょぼいところがありますので、そういうところは家で補正しまして、いわゆるデジタル・リマスタリングってやつですが、それで持ってきております。完全家内製手工業の番組でございます。台本ありません。放送作家いません。ディレクターのヤマギシくんと、技術のマルヤマくん、そしてアシスタントのミヤモトくん、この4人だけで構成しております。サンデー・ソングブック、今年度もはりきってまいりたいと思います」と達郎さん。
・PERFORMANCE 2017
先週26日(日)は群馬の前橋。本日は宇都宮、北関東シリーズで宇都宮市文化会館。今週辺りから少しずつ詰まってきて4月7日(金)は浜松、来週の日曜は松本というスケジュール。
・NON-STOP CHUCK BERRY
3月18日にチャック・ベリーが亡くなったので追悼特集。チャック・ベリーはロックンロールの代名詞と言われる人で、達郎さんの世代に関してはチャック・ベリーに影響を受けてない人は誰一人いないという偉大なロックンローラー。日本ではロックンロール的なギター=チャック・ベリーというものにも関わらず'70年代に入るまで、日本でレコードらしいレコードは発売されていない。'70年前後に日本コロムビアがMCAレーベルを獲得したときにチェス・レーベルが初めて日本でまとまったかたちで再発された。達郎さんの上のベビー・ブーマーの人たちも日本でチャック・ベリーをろくすっぽ聴いてるわけではない。達郎さんも日本の放送で中学・高校の時に聴いたことはなく、FENでかかってる以外は日本でほとんどかかったことはなかったという。でも、アメリカ、イギリスで、特にビートルズ、ローリング・ストーンズを代表するブリティッシュ・インベージョンがアメリカに上陸したときにチャック・ベリーが再び脚光を浴びて、'50年代の全盛期に勝るとも劣らない人気を博した。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、デイヴ・クラーク・ファイブ、ビーチボーイズ、そうした幾多のバンドからチャック・ベリーを学んで、それからルーツ・ミュージックへと下がって聴いたと達郎さん。1926年生まれだから達郎さんのお父様と同世代。2017年3月18日逝去90歳。達郎さんにとって大事なミュージシャンはノンストップで追悼特集をする。2003年のジェームズ・ブラウン、2010年にテディ・ペンタグラス、それに次いで3人目。ノーナレーションで前半、後半かけられるだけ。今週はチャック・ベリー追悼特集「NON-STOP CHUCK BERRY」。
前半は8曲。デビュー曲の「MAYBELLENE」は1955年、全米R&BチャートNO.1、全米チャート5位。今聴くとフォーク、ブルース、カントリー、いろんな要素が入っていて、この頃はまだルーツ・ミュージック然とした響き。「ROLL OVER BEETHOVEN」は1956年、全米R&Bチャート2位、全米チャート29位。ビートルズのヴァージョンでよく知られている。「BROWN EYED HANDSOME MAN」は1956年、全米R&Bチャート5位。「SCHOOL DAYS」はチャック・ベリーの代表作のひとつ。1957年、全米R&BチャートNO.1、全米チャート3位。「ROCK AND ROLL MUSIC」はビートルズで有名な曲。1957年、全米R&Bチャート6位、全米チャート8位。「SWEET LITTLE SIXTEEN」は1958年、全米R&BチャートNO.1、全米チャート2位。後にビーチボーイズが「SURFIN' USA」と改題してヒットさせた。当初はビーチボーイズのクレジットだったが、今ではチャック・ベリーのクレジットになっている。「REELIN' AND ROCKIN'」はイギリスのグループがたくさん取り上げていることで知られる1958年の作品。「JOHNNY B. GOODE」は1958年、全米R&Bチャート2位、全米チャート8位。1977年に打ち上げられたボイジャーという探査機、いつか地球外の知的生命体に発見されることを期待してレコードが積んである。世界各国の音楽とか文化がそこに入っていて、チャック・ベリーの「JOHNNY B. GOODE」も収録されている。
後半7曲、全15曲。「AROUND AND AROUND」はアニマルズで知られている曲。1958年の作品。「CAROL」はローリング・ストーンズのヴァージョンで知られている曲。チャック・ベリーのヴァージョンは全米R&Bチャート9位、全米チャート18位。「ALMOST GROWN」は達郎さんが個人的にいちばん好きな曲。1959年、全米R&Bチャート3位、全米32位。「BACK IN THE USA」も有名な曲で1959年、全米R&Bチャート16位、全米チャート37位。ロックンロールの時代は1950年代の中盤から後半にかけてだが、いわゆる冷戦の時代でアメリカの国力がいちばん繁栄を極めていた頃。なので十代が消費に関わってくるという社会学的な背景がある。十代が熱狂する音楽ということで大人が眉をひそめた時代に作られたので「アメリカに住んでてよかった」というアメリカ讃歌。そのB面が「MEMPHIS, TENNESSE」でアメリカではB面なのでヒットしなかったがイギリスでベスト10ヒットになった。「COME ON」はローリング・ストーンズのデビュー曲として知られている。1961年の作品。最後は達郎さんの好きな曲で「PROMISED LAND」。1964年、全米41位。今日かけた曲の前半から後半の途中までドラムが全部スウィングしてる、ハネてるのにチャック・ベリーのギターは8ビートを刻んでいる。これが当時のロックンロールの大きな特徴。1964年の「PROMISED LAND」、もうブリティッシュ・インベージョンがはじまったときにはしっかりと8ビートになっている。このようにしてロックンロールのかたちが形成されていった。ギター・リフについてはチャック・ベリーを抜きには語れない。来週はカヴァー・ヴァージョン。チャック・ベリーの音楽が'60年代の若いミュージシャンに与えた計り知れない影響を有名ヒット曲とともに振り返る。
・番組の最後に
「新年度になりましたのでスポンサーが変わりました。呉工業が入ってくれたんですね。呉工業と言いますとですね、テノケアというね、手を消毒するスプレーを僕、愛用してたんですが、残念ながら絶版になってしまいました。再発してくれませんかねぇ(笑)。とても愛用してたので、ふふ。そんなことはいい(笑)。新しくいろいろなスポンサーが入っていただきましたが、最近はスポンサーまでいろんなことを言う方がいらっしゃるのお見受けしますが、なんてたってこんなオタクな番組にスポンサー付いていただけるだけで全くありがたいことでありましてですね。新しいスポンサーのみなさん、よろしくお願いします」と達郎さん。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2017年04月09日は「チャック・ベリー追悼~COVER VERSIONS~」
http://www.tatsuro.co.jp