2022年06月12日プレイリスト「ニューアルバム『SOFTLY』特集 PART 1」
1. フェニックス / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
2. LOVE'S ON FIRE / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
3. ミライのテーマ / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
4. RECIPE / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
5. CHEER UP! THE SUMMER / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
6. 人力飛行機 / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
7. うたのきしゃ / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
8. パレード (ACOUSTIC LIVE) / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム 初回盤ボーナス・ディスク
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■内容の一部を抜粋
・近況
今日は6月12日。あと十日でニュー・アルバム『SOFTLY』が発売になる。通算14枚目のオリジナル・アルバムで、『RAY OF HOPE』以来11年ぶり。昨日、6月11日から全国ツアー「PERFORMANCE 2022」がJ:COMホール八王子(八王子市民会館)からスタート。ここのところ放送取材と雑誌取材、それにリハーサルが重なり、今日の放送もちょっと前倒しで収録しているそうだ。なので昨日、うまくいってるはず。今週は17日(金)の広島ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ。「ようやくツアーがはじまりました。3年ぶり。頑張ってやってみたいと思います。お待ち申し上げております」と達郎さん。
・全国ホール・ツアー「PERFORMANCE 2022」
3年ぶりの全国ホール・ツアー「PERFORMANCE 2022」は6月から11月までの24都市47公演。6月11日(土)のJ:COMホール八王子(八王子市民会館)から11月22日(火)の那覇文化芸術劇場なはーとまでの全47公演。
詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp
・ニューアルバム『SOFTLY』特集 PART 1
今週はニュー・アルバム『SOFTLY』の特集。今日は前半部分。来週19日に後半部分。今回は御多分に洩れず初回盤ボーナス・ディスクが付いてるので、時間があれば紹介するつもりとのこと。いつものように新譜紹介「ニューアルバム『SOFTLY』特集 PART 1」。
・ニュー・アルバム『SOFTLY』
ニュー・アルバム『SOFTLY』は6月22日に発売。11年ぶりのオリジナル・アルバムで通算14枚目のオリジナル・アルバム。初回盤のCDは二枚組、通常盤のCD、アナログ・レコード(15曲入りなので二枚組)、カセットテープという4形態で発売する。初回盤のみボーナス・ディスクが付いていて、2021年12月3日にTOKYO FMホールで行われた番組1500回記念のアコースティック・ライヴの音源を7曲収録。
詳しくはアルバム特設サイトにて。
https://tatsurosoftly.com
・フェニックス
2021年にNHKのSDGsのキャンペーンのために曲を書いてくれというオファーがあり、2003年にNHKの環境番組のために主題歌を書いており、それと内容が全く同じなので、じゃあその曲を使ってくれないかと打診。2003年の曲なので、ちょっと音が古いので、いっそのことアカペラにしようということにして、アカペラに仕立てることにした。でも曲が長いので、アカペラでフル・ヴァージョンはキツいので、スッキリと60秒にまとめることにした。この曲をアルバムに入れるか入れないか、アルバムのどこに入れるのかにすごく迷って、結局、すったもんだした挙句頭に持ってきた。「フェニックス」2021年ヴァージョン。アカペラ。
・LOVE'S ON FIRE
ニュー・アルバム『SOFTLY』のリード曲「 LOVE'S ON FIRE」。アルバムの2曲目。いろいろな時代でいろいろなスタイルの音楽が語られる。でも音楽的に仔細に分析すると要素という意味ではそんなに変わらない。R&Bとかダンス・ミュージックという意味では70年代のディスコからはじまって、いわゆる踊らせる要素としては、そんなに変化がなく、それをアレンジとか楽器法で変わり、アナログからデジタルになったり、ドラムからマシーンになったり、あとはサンプリングになったり、そういうもので編曲とか楽器法でテイストが変わるんだけれど、作り方はそんなに変わらない。そういう編曲的なファクターに昔から興味があって、どっちかというとシンガー・ソングライターというよりは作家的な願望が強いので、最近のグローバル・トップ40とか聴いてると、ある種の傾向が見られる。そういうものの仲間に入れてという感じで作ってみた。昔からの作風とうまくコンバインして、舐めるようにくっけてみた。そういうようなトライの一曲。「LOVE'S ON FIRE」。
曲をかけ終えて。
割と今の時代の空気感という感じでアレンジを考えたので、古くからのリスナーからは「こういう新しいことをやらないでほしい」というお便りも来るそうだ。昔からそういうようなことを言われたが、ボブ・ディランの映画『NO DIRECTION HOME』を観ても、何十年も経つとあまり効果がない。ましては達郎さんはもう古希まえなので、何を言われてもびくともしないという。「好きなことやらしてもらいます。すいません。悪しからず(笑)」と達郎さん。
・ミライのテーマ
3曲めは「ミライのテーマ」。2018年の細田守監督の『未来のミライ』のオープニング・テーマ。細田監督の作品は自分の生活を反映したものが多く、『未来のミライ』は子どもが生まれて子育ての奮戦から発想されたもの。この曲も新しい命が生まれるという感慨を父親の側から観察した歌を作ろうとしたという。
曲をかけ終えて。
今回は既発のシングル曲をミックスし直し、生楽器と歌は全部オリジナルで、シンセサイザーとかデジタル楽器に関しては、同じ音だけど全部録音し直して、2022年の今のオーディオはデジタルが発展しているので、11年分(正確にいうと12,3年)の音を全部揃えなければならないので、聴感はほとんど変わらないのだけれどオーディオ的に揃えることでやっている。「ミライのテーマ」はこういうミックスの感じでやると、ちょっとシュガーベイブぽくなる感じ。新しい命を見つめる歌で、山下達郎版「こんにちは赤ちゃん」。
・RECIPE
最新シングルで2019年の「RECIPE」。木村拓哉さん主演のドラマ『グランメゾン東京』の主題歌。フレンチの食材とか調理法、素材がずらっと並んで仕立てたラヴ・ソング。ちょっと捻ったシングル。
曲をかけ終えて。
曲を書いたときに木村拓哉さんが「全部で何種目ありますよね?」と言ったのをよく覚えてると達郎さん。
・ライヴ会場限定の特典の直筆のサイン色紙
ツアー前半の4会場、6月11日(土)のJ:COMホール八王子(八王子市民会館)、17日(金)の広島ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ、21日(火)の倉敷市民会館、25日(土)の愛媛県県民文化会館の会場で、ニュー・アルバム『SOFTLY』を予約、もしくは購入すれば、ライヴ会場限定の特典の直筆のサイン色紙をその場でもれなくもらえる。チケットがなくても予約、購入は可能とのこと。詳しくはアルバム特設サイトにて。
https://tatsurosoftly.com
「ワーナーの戦略です、はい」と達郎さん。
・CHEER UP! THE SUMMER
5曲めは2016年のフジテレビのドラマ『営業部長 吉良奈津子』(主演は松嶋菜々子さん)の主題歌「CHEER UP! THE SUMMER」。松嶋菜々子さんのデビュー作のNHK朝ドラ『ひまわり』は現在再放送中。主題歌は「ドリーミング・ガール」。「CHEER UP! THE SUMMER」はミックスをし直してリフレッシュしたら、なんとなくシュガーベイブ的な感じが出てきたそうだ。「おじさんになってもまだまだ夏は終わらないという、そういうおじさんの応援歌であります」と達郎さん。
曲をかけ終えて。
2曲めから5曲めのでイケイケな感じで、アルバム・タイトルのSOFTLYとは裏腹な感じ。
・人力飛行機
ちょっとだけ落ち着いてるのが6曲め。純粋新曲の「人力飛行機」。この曲で一緒にレコーディングした、シュガーベイブのメンバーだったドラムの上原裕さんは、80年代終わりから90年代にかけて音楽足洗ってた時代がある。90年代に復帰して、復帰第一作で頼んだのが1998年のアルバム『COZY』に入ってる「ドーナツ・ソング」。それから25年ぶりに一緒にやることになった。ドラムが上原裕さんで、ベースが伊藤広規さん、キーボードが難波弘之さん、それに達郎さん、後から佐橋くんがスライド・ギター。ベースが伊藤広規さんだけれど、アルバム『GO AHEAD!』の頃のマターに戻って、まるで『GO AHEAD!』の頃の音になっている。「人力飛行機」というタイトルは一種のメタファー、暗喩で、自分の若い頃の記憶を辿って、まだ何もはじまってないときに、何になりたいとか、どういうことしたいとか、漠然とした夢があって、今はなかなかデジタル化、AI化、エレクトロニクス至上主義、そういうようなものでなかなか難しい時代になり、そうした時代にアナログ回帰というようなスピリットで、どうやって生きていこうかという、一種の若者応援歌。自分の若かった頃の記憶を呼び戻して作った一曲。
曲をかけ終えて。
若い頃は夢を持つということは重要だけれど、「夢は必ず叶う」という歌はたくさんあっても、でも実は夢というのは叶わないことの方が多い。夢を叶える努力は必要だけれど、夢が叶わなかったときにどうするかという教育が日本の場合ない。そこで挫折したときにどうやってメンテナンスするか、そういうようなことが立ち遅れてる気がする。これから先の若い人たちのために、そういうようなことを大人は考えなきゃいけないんじゃないかな、と取材ではずいぶん話した。それの結果、夢を持つことにシニカルになる発想も出てくるが、ある程度の獲得目標とか、いい意味での上昇志向は若い人は特に必要なんで、そういうところのバランスが歪かなと考えつつ作った曲でもある。
・うたのきしゃ
「うたのきしゃ」は2018年の細田守監督の『未来のミライ』のエンディング・テーマとして作った。ちっちゃな男の子がいろいろと思い悩むのを、大人がよしよしとするような歌。チャック・ブラウンに代表されるゴー・ゴー・ビートというワシントンD.C.のビート。ちっちゃな子が好きな汽車をテーマにしている。
1曲めの「フェニックス」を除いて今週の前半部分の曲は全部60代の作品。「しみじみとしちゃった、今」と達郎さん。
・パレード (ACOUSTIC LIVE)
初回盤のみボーナス・ディスクが付いていて、2021年12月3日にTOKYO FMホールで行われた番組1500回記念のアコースティック・ライヴの音源を7曲収録。1974年、21歳に書いた「パレード」。あれから48年も経ってしまったと達郎さん。
■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2022年06月19日は、「ニューアルバム『SOFTLY』特集 PART 2」
http://www.tatsuro.co.jp