こんなこと考えました

ニュース・映画・本・電車の中の風景などなどで、感じたり思いついた事を不定期に書き込んでいきます。

創作です

2008-12-27 21:06:19 | Weblog
  季節の始まり

 今思えば、あれが始まりの象徴だったのかもしれない。
 きっかけは、妹の幼稚園でのクリスマス会に、人工降雪器で雪を降らせるイベントに、夕食の時に妹が言った一言
「雪はきれいだったけど、すぐに消えちゃうからおもしろくなかった」
後で聞いた話だが、親父と祖父母が人工降雪器のレンタルをしていたらしい。
妹の発言の後の二人の落胆ぶりは、ぼんやりと覚えているから、そうとうなものだろう。
しばらくして気がついたのだが、親父と祖父母の行動が怪しくなったのはそのせいだったのんだろう。
地域中に得体の知れない機械を付けて回っていたし、祖父のコネで気象庁のデータを持ち帰ってきたりしていた。
母親は「解析にお金をかけすぎる」なんて始終こぼしていた。
半年もたった夏に、親父は何やら機械を作り始めた。
何をしているのか聞いたら
「ゲリラ豪雨が日常化したんだから、ゲリラ豪雪も出来るはずだ」なんて、当時の俺には訳が分からない事を言っていた。

 クリスマスがきた。両親と祖父母の何とも知れない意気込みは最高潮だったのだろう。
妹に公園に幼稚園の友達を集めるように言うと、さっさと家を出て行ってしまった。
言われた時間に公園に祖父母と行ってみると、作業服を期待とが沢山居て、親父の指示に従って動いていた。
母親はテレビ局のインタビューを受けていた。
「地球温暖化の一つの回答です。小さな所でも沢山集まれば、期待出来ます」
インタビュアーは
「強引な方法ですが、環境への悪影響は無いんですか?」
「これ以上の環境悪化なんてありません」
「これが成功すれば、砂漠に雨を降らせる事への光がともる事になります」
と、話が大げさになって行くのが何となく分かった。
 俺と妹を見つけた母親が、カメラの前に俺たちを立たせた。
「この子達が大人になる頃には、日本に四季が戻っているでしょう」と自信たっぷりに話しているのを、誇らしげに聞いていた。

親父がみんなに向かって叫んだ。
「これから、スノービューティーを起動させる! 」
妹を呼ぶと、スタートスイッチを妹に押させた。
ブゥーンという、お腹がくすぐられる振動とともに、機械が動きだした。
何もおこらない。しばらくすると公園の周りで風が吹き始め、次第に渦を巻き強くなっていった。
風のせいで寒くなってきたのと、日が陰ってきたので、ふと空を見ると、真っ黒い雨雲が公園の上に出来ていた。
作業服を着た人が、親父の合図で、雲に小さなロケットを打ち込んだ。
ロケットは雲の中で爆発したらしく、真っ黒な雲は大きく膨らんだ。
すぐにもとの大きさに縮んだら、また、風が強く吹いた。
思わず目を閉じた。小さな子の完成が聞こえたので目を開けると、雪が落ちてきた。
仰ぎ見ると、小さな白い雪が黒い雲をかき消すくらいに降り始めていた。
「雪だ」とあちこちで聞こえる。
大人も子供も無く只、雪を楽しんでいた。
何処からか「ゆきやこんこ、あられやこんこ・・・」
と歌っている声が聞こえてきた。次第に歌う声は増え、いつの間にか、自分も口ずさんでいた。

親父が機械のスイッチを切っても、雪は止まなかった。
どんどんと寒くなるので、装置は明日片付ける事とし、みんな解散する事となった。
その夜の布団の中で、「ゆきやこんこ・・・」とつぶやく子供達がたくさんいただろう。

次の日の朝、快晴の空の下。公園は真っ白になっていた。

まさか、10年も経たずに世界中が真っ白になるとは思わなかった。
シェルターに残った人類は僅かになっていた。
コタツで丸くなれるのはいつまでだろう・・・
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公務員住宅を開放せよ

2008-12-27 19:11:56 | Weblog
話題になった公務員住宅に全員が入居して、空いたふるい公務員住宅にホームレスなど小松て居る人を緊急避難させたらどうだ!
こんな時にこそ臨機応変をこつか公務員が示してくれ。
次の選挙を就職活動としか見ていない国会議員! 心意気を見せてくれ!

各地に塩漬けになっている廃墟ビルリフオームするなどして、一時的に宿泊施設にするとか考えてくれないかな。

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