Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

越後酒めぐり&北陸新幹線の旅【2】並行在来線で巡る富山・高岡・金沢

2015年04月25日 | ■旅と鉄道

 2日目の4月25日朝は、富山・マンテンホテルで目覚めました。立山連峰ビューの部屋をリクエストしていましたが、山峰は残念ながら雲の中。立山あおぐ特等席(富山市のキャッチフレーズ)とはいきませんでした。
 自慢の屋上大浴場も同じく残念な眺めでしたが、広い浴槽に露天風呂まであり快適。畳敷きの湯上りサロンにはマッサージ機や生ビールサーバー(しかも300円)も用意され、温泉旅館のようです。これでセミダブル7,500円は、なかなかお値打ちに感じられました。


 宿泊施設では、市内電車の乗車券2枚が配布されるという太っ腹ぶり。市の補助で、以前から半額利用券は配られていたのですが、新幹線開業をきっかけに大サービスされていました。
 富山駅までの乗り入れルートを、改めて朝陽の下で観察。右折時に信号でひっかかり、時間の面では、駅前通り電停から歩いていた頃とあまり変わらない印象です。でも歩く距離が縮まったという点では、間違いなく便利になったといえるでしょう。


 路面電車の背後に新幹線改札、やはり新鮮な光景でした。


 富山の路面電車ルネサンスはこれで完成ではなく、あいの風とやま鉄道の完全高架化後には、南の市内線と北のポートラムが結ばれ、相互直通運転になる予定です。完成までは地下道を迂回せねばならず、ちょっとストレス。
 駅北の幅の広いシンボルロードを北へ歩き、環水公園へとやって来ました。昨夏に訪れて、すっかり気に入ってしまった運河の公園です。


 公園内には、世界一眺めがいいと評されるスタバがあります。休日昼間は席を探すのも難しいほどですが、まだ朝の9時過ぎとあって、テラスに空席を見つけることができました。さわやかな朝の公園を見ながらのモーニングコーヒーは、千金の味です。
 犬好きの集いの場にもなっているようで、大小さまざまなワンちゃんを連れた人たちが、犬談義に花を咲かせていました。


 環水公園からは、運河を船で巡る「富岩水上ライン」が発着しています。前回は郊外の岩瀬浜からの片道コースだったので、今回は、公園から途中の中島閘門までを往復するコースにしてみました。
 この春、新幹線開業に合わせて導入された「fugan」が出航を待っていましたが、岩瀬浜行きとのこと。LRTを連想させる流線型のデザインは公園の景観ともマッチしていて、乗ってみたかった!中島閘門コースには最終便のみ、fuganが入ります。


 ひとまわり小さな「もみじ」に乗って出航。電動の船は静かで、水面を滑っていくかのようです。
 両岸はきれいに整備され、ところどころには水のオブジェがあります。ただ経費節減のため!?常時動いているわけではなく、クルーズから見られるかどうかは運次第とのこと。


 近隣の高校のカヌー部が、練習に勤しんでいました。


 コースのハイライト、中島閘門へ。上流の市街地側と、海面レベルとなる河口側の高低差をクリアするため、水を出し入れして船を上下させる、パナマ運河式の昇降設備です。
 前後を鉄門に閉ざされ、囲われた状態で水を抜かれて、船体が2.5m下がります。次第に周りの風景が見えなくなり、なんだか不思議な感覚にとらわれました。


 扉が開けば、河口までの運河が姿を現しました。中島閘門コースはこの先すぐで引き返し、今度は水を引き入れて2.5m上昇します。岩瀬浜まで行けないのは残念ですが、下降と上昇、2度楽しめる点ではお得なコースと言えます。




 さらに船を降りて、中島閘門の操作室を見学できるという楽しみも。ちょうど岩瀬浜行きのfuganがやってきて、外から下降の様子を眺められるという余得もありました。


 楽しい「運河体験」を終え、公園を散策して駅へと戻ります。富山市内の大通りには花が飾られ、鮮やかな都市景観を演出。未来的なLRTも、街並みによくマッチしていました。


 朝活をめいっぱい楽しんだ富山を離れ、「あいの風とやま鉄道」乗り場へ。今回第3セクターに移管した4社のうち、とやま鉄道は唯一ICカード(ICOCA)を導入しているので、手持ちのSUGOCAをかざして乗車しました。公共交通先進地の面目躍如。路面電車や地鉄電車との共通化がなされなかったのは残念ですが…
 新型521系電車で、一気に高岡へ駆け抜けました。


 高岡駅は、新幹線開業で特急が来なくなってしまった駅。しかし駅も駅前も大規模な再開発を終えており、新幹線駅とは違う、もう一つの街の顔にしていこうという気概が見えました。
 路面電車は、富山より一足早く駅乗り入れを果たしており、低床電車が白基調のきれいな乗り場に発着します。


 藤子・F・不二雄の出身地でもあり、ドラえもん電車も走っています。


 駅前には高層ビルがそびえ、大都会の駅前のよう。飲食店やホテルの他、図書館や生涯学習センターも入っており、17万人規模の地方都市ながら、官民同居でこれだけのスケールを生み出しているのです。


 さらに驚いたのが、県立高校もこの施設に入居していること。エレベータで上がった7階から11階が「校舎」になっているのだとか。土曜日だからお休みでしたが、一度見学してみたいものです。


 同じ施設内のラーメン屋さんで、富山ブラックを昼ごはんにしました。以前富山市内の「名店」で食べたものは、あまりの塩辛さにカルチャーショックを受けたものでしたが、こちらは比較的マイルドに仕上げられていました。


 高岡駅構内のサイン。経営移管に伴う切り替えは徹底されておらず、「北陸線」の文字が残っています。駅名板も、まだ半分はJR仕様のままでした。まあまだ「JR北陸線」の方が馴染みあるし、困る人もそういないでしょうけど。


 富山までの電車は、まだ数少ない「とやま鉄道」カラーでした。例に漏れず県境で会社はくっきり分かれており、山深い倶利伽羅駅から先は、IRいしかわ鉄道になります。
 IRは営業区間が短く、ほぼ全区間が金沢都市圏。ICカードが導入されなかったのは、惜しい点です。


 金沢駅は、観光客で溢れ返っていました。新幹線開業に伴い、観光客は2倍増とも3倍増とも言われていて、4年前の鹿児島を見ているようです。
 金沢市内をバスで巡ろうと思えば、北鉄の観光地周遊バスが「定番」でしたが、JRバスがより狭いエリアで100円循環バスを走らせ集客していました。交通系ICカードが使えるのもセールスポイントで、遠来の観光客も安心して乗れます。


 近江町市場で下車。金沢の台所とも呼ばれる市場は観光客で溢れており、外国人観光客の姿も目に付きます。


 お昼は食べたばかりだけど、ついつい寿司に手が伸びてしまい、隅でパクリ。うまい!




 腹ごなしに、金沢城址をぶらりぶらり。金沢といえば名勝・兼六園が名高いですが、こちらもきれいに手入れされており、気持ちよく散策できました。


 隣接する尾山神社には…


 和風とも洋風とも断じられない、ユニークな神門。凱旋門にエッフェル塔を載せたデザインとされる、初代通天閣を彷彿とさせる…なんて表現したら、失礼でしょうか!?しばらく見ていたくなる、1800年代の建築物です。




 長町の武家屋敷跡を、ぶらりぶらり。明日の市議選を控え、狭い路地にも選挙カーが入ってきますが、候補者名の看板が茶色なのは景観への配慮…かな?






 今や、金沢を代表する観光地とまで言えるようになった、21世紀美術館。見てさわって体感できる、僕のような芸術に明るくない人間でも楽しめる美術館です。2度目の訪問でも、楽しむことができました。


 今度は北鉄バスで、金沢駅へバック。夕食は駅前の飲み屋さんで、加賀野菜や海の幸を肴に、地酒を味わいました。のどぐろの刺身、とろける美味しさでした!


 満腹になったお腹を抱えて、金沢駅へ。すっかり金沢のシンボルになった「もてなしドーム」は、夜はまた違った表情を見せてくれます。


 反対側の駅舎は大きいながらにシンプルですが、駅前広場は美しく整えられており、抜かりはありません。駅前には新しいホテルが林立しており、「駅裏」ではないもう一つの玄関です。
 新幹線開業に沸く金沢、しばらく勢いは止まりそうにもありません。