福井~東京間は、北陸新幹線経由でも東海道新幹線経由でも、時間がほとんど変わりません。そこでJR福井駅で盛んにPRされていたのが、「ぐるっと一周きっぷ」。
この名前の企画乗車券があるというわけではなく、東京に行く際には往復でルートを変え、福井~金沢~東京~米原~福井の片道乗車券にすれば安くなるという、「知恵の伝授」の広告です。なかなか珍しいPR手法だと思います。
福井から金沢へは、米原からの特急「しらさぎ」で。サンダーバードで乗った683系より、一つ先代にあたる、681系電車でした。
車内は「しらさぎ」転用時にリニューアルされたようで、くたびれた感じはありません。683系よりも車内の照明の使い方がゴージャスで、好きな車両の一つです。
北陸新幹線開業で、関西から富山への直通特急がなくなったのは不便な点の一つ。金沢駅で乗り換え改札を抜けて、新幹線のホームへと上がります。
金沢~富山間の新幹線特急券は、自由席でも1,840円かかるので、乗車券のみの1,220円で済む「平行在来線」に乗るか、思案のしどころ。ただ今回は、JR西日本の株主優待券を利用しているので、新幹線の特急券も半額。ぐっとハードルが下がりました。
先発の東京行き「かがやき」(右)には自由席がないので、続行する富山行き「つるぎ」(左)に乗車します。
富山までわずか2駅、58.6kmを結ぶショートランナー「つるぎ」は、開業前にはシャトル便と仮称されていた列車です。
8~10号車の指定席と、12号車のグランクラスは券の発売はなく、自由席は1~4号車のみで「はくたか」と同じです。短い距離でもあるので、全席自由席でも良さそうな気もするのですが。
わずか23分で富山駅に到着。
新幹線開業から2年近く経つ富山駅は、在来線の高架化工事中。反対側の北口に出る自由通路も整備中なので、乗り換え改札で通行証を受け取り、在来線の跨線橋を経由して北口に抜けられる、便宜的な措置も採られています。
その北口のシンボルロードは、イルミネーションで飾られていました。木々をくぐるように走り抜けていく富山ライトレールの電車も、いい風景です。
歩いて10分少々、環水公園まで出てきました。寒い中、公園内にはぎっしりと人が集まっています。そのお目当ては…
環水公園スイートクリスマス2016の、クリスマスファンタジア花火! 公園のイルミネーションを背景に、音楽に合わせて打ち上げる、冬の花火です。
輝く天文橋からのしだれ花火は、環水公園ならでは。
この日の夕方の降水確率は100%で、ほぼ諦めていたのですが、花火の前後だけは雨が止み、10分間の光のショーを楽しむことができました。富山市民の、日頃の行いのたまもの!?
花火の後は、イルミネーションを見ながら散策。昼間も、嫉妬するほど美しい公園なんだけど、夜の美しさもまた、ひとしおでした。
駅に戻り、地下道を黙々と歩いて駅南口へ。駅前通りの、回転ずし屋さんの暖簾をくぐりました。
回転寿司とはいえ、天然のいけすとも呼ばれる富山湾を伍する富山だけに、魚の新鮮さはさすが。新鮮さゆえに酢を控えめにできるというシメサバも、ホタルイカの沖漬けも、地酒もうまかった!
新幹線開業と同時に、駅前へ乗り入れを果たした路面電車で、中心街へと向かいます。
環状線は、開業と同時に導入された2車体連接の低床車「セントラム」が専従のイメージでしたが、通常は他線に入っている「サントラム」が運用に加わっていました。セントラムは他線で動いており、車両検査に伴う代行でもなさそう。なんでだろう?
コンビニで買い物を済ませていると、環状線の次発の電車が。今度はセントラムでした。
ぐるりと市街地を巡る環状線は、市内見物にも最適。ライトアップされた富山城址も、暖房の効いた車内から眺めることができます。
ホテル近所の桜橋電停まで乗り通すつもりでしたが、グランドプラザのイルミネーションがきれいだったので、きまぐれ下車。
グランドプラザは、百貨店と商店街に直結した全天候型の屋内広場です。イルミの下にはスケートリンクが貼られ、まちなかスケートを楽しめるようになっていました。曜日によっては学生さんは無料だとか。
冬の街を歩き、桜橋の富山マンテンホテルにチェックイン。露天風呂やサウナもある大浴場と、湯上りスペースにある生ビール(300円!)がお気に入りで、昨春に続き2回目の利用です。
鉄っちゃん的には、部屋からのトラムビューも魅力の一つ。
地元ローカルニュースでは、さっき見た環水公園の花火が。富山の夜を満喫できた、冬の夜でした。