Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

ことでん展に誘われ【1日目(後)】高松市街地はヨーロピアン!?

2017年08月17日 | ■旅と鉄道

 ことでん仏生山周辺の乗り放題を生かし、帰路は瓦町駅で下車しました。駅ビルを擁し、何台もの自動改札が並ぶ改札口は、地方私鉄の駅離れしています。
 コトデン瓦町ビルは1997年に「そごう」としてオープンするも、そごう本体の破綻のあおりで、コトデン(当時。現在は「ことでん」と表記)そのものの経営を揺るがす存在に。2001年には天満屋として再スタートを切るも、2014年に撤退しています。


 2015年10月には直営の複合ビル「瓦町FLAG」として再出発。昨年1月の訪問時は夜で閉店後だったため、今回初訪問です。
 ファッション関係の専門店や、1フロアまるごとのジュンク堂、アカチャンホンポなど、充実したテナントが揃ってます。車なしでも寄り付きやすい、駅ビルならではのラインナップ。それにしては、お客さんの入りが今一つのような…?


 8階は高松市の行政サービスのフロア「IKODE瓦町」。窓口は平日20時まで、土休日も18時30分まで開いており、これは便利!
 市民活動センターや図書館のサテライトもあり、街中、それも駅ナカにあると便利な施設ばかりです。


 9階のレストランフロア、いい感じの店で埋まっているのに、ガラン…平日夕方で食事には早い時間だけど、お茶する人も何人かしか見えません。
 先行きが大丈夫か不安になるFLAGだけど、まだまだテナントを誘致している段階だとか。比較的賑わっていた地下のスーパーも、この6月にできたばかりで、活気が出てくることを祈っています。


 屋上では、ビアガーデンを開催中。9階のイタリアンレストランの運営とあって、メニューはシャレた感じです。夕方6時、会社帰りのサラリーマンがぼちぼち集まってきていました。


 芝生の広場では、地べたで思い思いにくつろぐ若者たちの姿がありました。若者が集まる「拠点」は、地方都市にとって強みの一つ。瓦町ビル3度目の船出、ぜひ成功してほしいです。


 ことでんに乗り一駅、こちらもアーケード街に直結した駅・片原町駅で下車しました。
 瓦町とはうって変わって、下町情緒のある駅。併設のスーパーは、瓦町駅のスーパーと同じくらいの買い物客でごった返していました。ホームにある、昔ながらの長い木製ベンチも、通勤客で埋まっています。


 片原町のアーケードでは、電車が堂々と横切って行きます。
 広い道幅、自転車の乗車や駐車もOK、街路樹あり。15年前の大学生時代、初めて見た時にはアーケード商店街の概念を覆され、衝撃を受けたことを思い出します。


 駅から徒歩10分弱のビジネスホテル「東宝イン」に投宿。じゃらんからの予約で、6,450円でした。
 お安めの割に、浴室の置いてあったシャンプーが「TSUBAKI」だったのは、それだけで好感です。


 旅装を解く間もなく、すぐさま再出発。宿最寄りのバス停「ホテルオークラ高松」(!)から、県立病院方面のことでんバスに乗車し、卸センター前で下車しました。30分~1時間毎の運行なので、時刻表の事前チェックは必須です。
 目的地はここ、宮脇書店の総本店。全国最大の店舗数を誇る書店チェーンの、総本山です。外観は本棚のようでユニーク。


 しかし立地はバス停の名前が示す通り、およそ書店とは無縁の港湾地区です。外観も、書店というより物流センターのよう。逆に卸の中心地だからこそ膨大な本の数が揃う、メガ書店と言っていいでしょう。
 店内撮影禁止なので載せられませんが、本の数、すごいです。圧倒的です。ことちゃんが「本の海」と例えたのも納得です。本好きなら1日といわず、1週間は楽しめるんじゃないでしょうか。


 建物の背後には、観覧車まで。土日のみ、17時まで限定で回っているんだそうです。
 ただ土日は、バスが手前の県立病院で折り返しになってしまいます・・・。


 日が暮れれば、ご覧の通り。宮脇書店以外、ほとんど明かりのない港湾地区なので、日没後に女性がひとりバスで訪れるのは、避けた方がよさそうです。


 帰りのバスは、高松駅まで乗り通しました。夜の高松駅前、いい雰囲気です。


 駅から歩いて5分の、アイリッシュパブ・ザ・クラックを訪ねました。ことでん高松築港駅のホームにある、本邦唯一(?)のホーム上パブの本店です。
 昨年1月、たまたまホーム店に出ていたオーナーとのお話が面白く、寒さも忘れ2時間近く長居してしまいました。いつか、本店を訪ねてみたいと思っていたのです。






 「パブ」の語源は、「パブリックハウス」。酒好きの大人だけでなく、お酒の飲めない人や、子どもにも開かれた本来のパブでありたいというのが、オーナーの願いです。
 平日の夜とあって子どもの姿はなかったけど、ノンアルでゆったりと過ごすグループ客も楽しそうでした。


 1人2,500円の「ビアクルーズ」なら、2人でも席を予約できます。まず予約と思っていたので、ビアクルーズが何たるやは知らないままでした。
 正体は、5種類のビールと、最高に合うおつまみをセットにした、究極の飲み比べセット。左から順に楽しんでいきます。店の看板・ギネスもうまかったけど、香川産うどん小麦使用の「スペシャルエール」、スコットランドの「パンクIPA」がメチャうまでした。


 もちろんこれだけで終われるはずもなく、瀬戸内の海の幸で作った「高松BAYのフィッシュ&チップス」の揚げたてを堪能。組み合わせは、伊勢角屋麦酒。
 築港駅では売っている「ことちゃんIPA」のオリジナルでもある、「ザ・クラック エブリデイIPA」も味わい、満足、満足。次回は、ことでんの車内でパブ気分の「アイリッシュ・パブトレイン」にも乗ってみたいです。


 すっかり飲んでしまい、築港駅に着いた頃には、ビアパブステーションの営業が終わっていました。あぶないあぶない、下手に営業していたら、おかわりしてしまうところでした。


 酔い覚ましに歩こうと、瓦町駅まで出てきました。


 高松市街地の特徴でもある、縦横無尽に伸びるアーケード街を散策。瓦町駅前付近は静かになってきていたけど、再開発マンションがそびえる丸亀町アーケードあたりは、まだまだ人通りがありました。
 高い天井が吹き抜ける、G街区「丸亀町グリーン」と呼ばれるエリア。デザイン性にすぐれるだけでなく、周辺のテナントも大手・一流が揃っていて、商業地としても一級であることが分かります。


 A街区の近未来的なアーケードの中にある、百十四銀行高松支店。新旧のデザインが共存している様は、ヨーロッパの街並みのようです。


 写真には収まり切れないほど大きな、ドーム広場。ここまで来ると片原町駅の方が近く、乗降客が多いのも頷けます。
 15年前に魅了されたアーケード街は、地方都市の冬の時代にあってなお、進化を続けているようでした。

ことでん展に誘われ【1日目(前)】遠路はるばる、仏生山へ

2017年08月17日 | ■旅と鉄道
 高松の電鉄会社「ことでん」のキャラクター・ことちゃんにハマっている、我々夫婦。高松市仏生山の雑貨店で「ことでん展」をやっているというので、遠路はるばる久留米から訪ねてみました。


 8月17日(木曜日)、久留米駅8時16分発の「つばめ」で出発。盆明けとはいえ、まだまだ休みの人も多いようで、家族連れの姿も目立ちました。
 全体的には空いていて、通勤客の動きは鈍いようです。


 博多駅で「こだま736号」岡山行きに乗り換え。3時間半かけて、各駅に停車しながら岡山を目指します。


 今回使ったきっぷは、広島の日本旅行のフリーツアー「バリ得こだま」。九州からでも通販で購入可能、ネットで申し込んでから24時間も経たずに発送されてきたので驚きました。
 値段は7,600円。ネット割の10,970円よりだいぶ安いものの、同じプランの大阪行きより400円高いのは、どこか納得できないところがあります。


 往復で合計800円分付いてきたクーポンを活用し、ブランチ代わりの駅弁を買って700系「レールスター」に乗り込みます。
 4列ゆったりシートの「レールスター」も、2000年のデビューから20年近く経過し、だいぶ年季が…。僕の指定された席は不快な臭いが漂っていて、とても3時間半は耐えられそうもなく、自由席に移動しました。


 「ひかり」を追われ、ほぼ「こだま」専業となったレールスター。目玉だった個室は閉鎖され、「業務用室」になっているのは残念です。
 こだまの割引きっぷは子ども用が安く、ファミリーの利用にはうってつけだと思うんですが。防犯上の問題があるのなら、扉だけ撤去して「セミコンパートメント」にする方法もあるのでは。


 電話室も多くが「業務用室」に。車販準備室ももちろん使われておらず、自販機も全台撤去済みです。
 サイレンスカーも廃止。情報端末「旅指南」も撤去済み。「ひかりレールスター」全盛期を知る者としては、悲しくなってしまう旅路でもあります。


 「こだま」の旅の魅力は、まさの鈍行列車のそれと同じ。焦らず急がず、何本もの「のぞみ」「さくら」に道を譲ります。
 利用者も心得たもの。ホームの自販機で買い物したり、喫煙所で一服したりと、有効に時間を使う人が多く見られました。


 厚狭駅で時間があったので、改札階に降りてみたものの、売店などはなし。改札を出ることはできないので、買い物を楽しめるのは そこそこ大きな駅に限られます。
 ただ大きな駅だからといって停車時間が長いとは限らないので、ご注意を。


 「のぞみ」も停車する、活気ある中核市・福山では・・・


 ホームから城の鑑賞を楽しめました。


 図書館で借りた本を大量に持ち込み、空調の効いた車内でゆったり過ごせば、走る読書室。岡山までの3時間半は、退屈せずに過ぎていきました。
 岡山で、高松行き快速「マリンライナー」に乗り継ぎ。


 たまには贅沢というわけで、2階建てグリーン車を奮発してみました。とはいえ追加料金は980円。「ちょっと贅沢」の範疇です。
 天井にまで回り込んだ窓からは、いつもよりちょっと「上から目線」の車窓を楽しめました。


 瀬戸大橋では、10分間の海上散歩。青い空と、海と、島々。夏らしい風景が広がります。


 先頭には、グリーン車の「展望席」もあります。先客があり今回はかないませんでしたが、一度乗ってみたい特等席です。


 13時20分。博多から5時間で、ようやく高松にたどり着きました。
 ホームでは、新型特急電車8600系と初対面。四国の特急列車の、質素なイメージを覆してくれるデザインです。これも乗ってみたかった!


 JR高松駅から、徒歩3分のことでん・高松築港駅へ。さっそくバス停の「ことちゃん」がお出迎えです。夫婦でカメラをパシャパシャ。


 窓口で「ことでんおんせん乗車入浴券」1,000円を購入。うちわの形の切符…というか、うちわそのものが切符になっています。
 電車と仏生山温泉の入浴(タオル付)は、これ1枚でOK。電車も仏生山までの往復だけではなく、仏生山駅から320円の区間内が1日乗り放題です。


 自動改札はICカード「Iruca」専用なので、有人改札のラッチをくぐって入場です。普通の切符も磁気カードではなく、有人改札で入鋏してもらいます。


 琴平線の、黄色い電車が到着。元京急の電車で、関東の人には懐かしい存在では。
 築港発時点ではガラガラだった電車も、繁華街の片原町、瓦町ですっかり満員に。後は降りる一方で、街への気軽な足になっているのが分かります。


 築港から17分で、仏生山へ。ことでんの車両工場のある駅で、志度線以外の電車が集います。最近、全国メディアでもしばしば露出のある工場でもあります。


 乗降客の多い仏生山駅。駅前の電車は保存車に見えるけど、裏の線路は工場につながっていて、現役の電車であることが分かります。


 反対側から見ると、こんな感じ。路地裏に突然電車が飛び出してきたような、面白い風景です。


 駅前は、昔ながらの商店街といった風情。都会の私鉄沿線ならありふれた物かもしれないけど、地方の街では珍しい風景かもしれません。
 昔はもっと賑わったのかなとも思える一方、最近できたようなカフェもあって、住みよさそうな街に見えます。


 目指す雑貨屋「TOYTOYTOY」も、まさにそんな店の一つでした。古い家を改装、中庭のウッドデッキでつないでいます。
 通りに面した側がギャラリー、奥が雑貨屋です。いつもはオーナーさんの友人の展示が主だそうですが、今回は特別にことでんが協賛し、展覧会をやっているのだとか。


 ことでん公式の展覧会の割には、なかなかシュールな内容です。天井からぶら下がっているのは、ことちゃんの抜け殻(笑)。自立しているのは、パーカーです。


 ことちゃんの化石(爆)。石と化しても、ちゃんと うどん食ってます。
 ツイッターやLINEスタンプでも、相当ぶっ飛んでいることちゃんだけに、許容範囲はだいぶ広いのだなと感じました。


 中庭には、防災グッズとしても有効な「ことめっと」の実物もありました。
 思ったより小さな展覧会でしたが、見学者は絶えず、大人気。LINEスタンプのバッチのガチャは早々に売り切れてしまったとかで、遠方のファンとしては、通販での再販を切望します!


 さらに歩き、駅から徒歩10分の温泉「仏生山温泉」まで来ました。
 一見して温泉と思えない建物は、みかんぐみ出身の建築家・岡 昇平さんの作品。父の堀った温泉の経営を自身でも行う、生い立ちもユニークな温泉です。


 館内も温泉ばなれした雰囲気。でも、たたみでゴロゴロというくつろぎ方が、一番良く似合う空間でもあります。


 一冊200円の古書販売。カウンター?を支えているのは、よく見たら白く塗ったカラーコーンです。買った本は浴室に持ち込みOKで、ぬるめの露天風呂でゆっくり読書する人も見られました。
 掛け流しの温泉もほどよいヌルヌル感で、いい湯でした。中庭を脱衣所、内湯、露天風呂が囲む構成もユニーク。ゆったりする人が多くて、なかなか露天風呂が空かないのも、人気の証でしょう。西鉄沿線にも、こんな温泉があればなあ。


 カフェで、今回の旅1杯目のさぬきうどんを、ぞぞー。ダシが効いてて、うまかった!
 ちなみに仏生山温泉は、入浴料が600円、タオルは150円、うちわも売り物で300円。温泉だけで1,000円超えとるやんけ!




 仏生山温泉では、まち全体を宿泊施設に見立てた「まちぐるみ旅館」という取り組みもやっていて、ちょうどチェックインに訪れる人も見かけました
 僕も泊まりたかったけど、夏休みとあって満室で残念!また訪れることになりそうです。


 200円の古本は、仏生山駅のホームでも売っています。


 向かい側のホームには、ことでん100周年記念電車の「ことでんひやく号」が入ってきました。 
 ことちゃんと ことみちゃんがラッピングされた、見ているだけでも楽しくなる電車です。週末には座席の1つ~2つを、ことちゃん&ことみちゃんが占拠します(笑)。


 ラッシュに備え、4両に増結。高松では、ボリュームある通勤輸送が健在です。
 連結後は、ドアを何度も開け閉め。前後に2往復させてブレーキのチェックと、念入りな点検が行われていました。こんなに念入りな連結作業は見たことがなく、ことでんの安全第一の姿勢を感じたのでした。