Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

2017年8月26日・西鉄ダイヤ改定【2】西鉄バスも新ダイヤに・電車の話題も続く

2017年08月28日 | ■旅と鉄道
 8月26日の西鉄ダイヤ改定では、バス路線の大きな改変も行われました。一方、西鉄電車では今後も、さまざまな動きが予定されています。
 ダイヤ改定の翌日と翌々日、変わったところ、変わるところも訪ね歩いてみました。


連接バス郊外延伸、通勤の強い味方に?


 昨年から市内中心部で運行されている、“都心循環BRT”こと連接バス。今回のダイヤ改定で、郊外の車庫から都心循環に送り込むまでの回送運行が「特快」となり、乗客が乗れるようになりました!
 朝の郊外から都心方向、夕刻の都心から郊外方向が中心だけに、通勤客の強い味方になりそうです。


 早朝の特急電車を大橋で降り、一般バスで那珂川営業所へ。福岡市内を運行するバスの多くが在籍する一大ターミナル、ずらりと並ぶバスは壮観の一言です。


 黄色い流線形の車体が目を引く連接バスも、「回送」ではなく「W特快」の表示を出して待機中。
 「W系統」は本来、大橋~天神間のバス路線の系統名。那珂川まで入る便には振られない系統のはずだけど、まあいいか。1日に上り4本、下り3本の特別運行です。


 車庫から長い車体をくねらせ、8:00発の連接バスが乗り場に姿を現しました。営業開始2日目だけに、
 「あ、長いやつだ」
 と、お連れさんに話す人もいますが、他の乗客は当たり前のように乗っていきます。いつも見てた車両に乗れるようになった、という感覚なのかな。


 バス停には目立つ黄色で「W特快停車バス停」の表示がされています。


 大柄な車体だけに、車内はゆったり。座席も多く、通勤には強い味方になるんじゃないでしょうか。朝4本、20分毎のバスを狙う人が増えそうな気がします。
 途中バス停からは、初乗り目当ての母子連れも乗車。連接バスの注目度は、なかなか高いものがあります。


 大橋駅のロータリーに、長い車体が入っていきます。回送区間の営業運転化というと簡単そうだけど、バス停のチェックや警察との協議など、苦労は多かったんじゃないかと思います。
 連接バスの購入には、都心循環用バスとして福岡市からの補助も入っているはずで、「目的外使用」に対する整理も大変だったんじゃないかな。


 2両目のドアは那珂川、大橋駅のみで乗降可能。しかし渡辺通りから“BRT”の区間に入ると、突如ドア扱いが始まります。降車時はICカード専用で、慣れない人は戸惑うはず。
 しかし天神ソラリアステージ前には案内員が出ていて、降車客にガイドしていました。ダイヤ改定のフォローは抜かりなしです。


 渡辺通りから先は、すっかり連節バスが日常となった区間に。一旦は混んだ車内も、再び空きました。
 おおむね20分間隔の運行なので、連接バス同士がすれちがうシーンも多くあります。


 博多港国際ターミナルに到着。独特の「まっ黄色のお尻」を振りながら(笑)、転回場へと帰っていきました。


 ターミナルをぶらぶら見物して、今度は博多駅方面の“BRT”に乗車。


 蔵本バス停で下車しました。
 ワシントニアパームを背景にした連接バス、どこか異国な雰囲気すら感じます。


西鉄香椎駅前バスロータリ完成、立派なターミナルに変貌


 蔵本からは、都市高経由のバスで香椎へと向かいます。
 以前なら地下鉄箱崎線と西鉄貝塚線を乗り継いだんだろうけど、「ホリデーアクトパス」を手にして以来、バス利用が増えました。


 JR香椎駅前で下車。区画整理事業もいよいよ佳境、駅前広場の外形が見えてきました。


 そして、もう一つの香椎駅こと西鉄香椎駅にも、立派な駅前広場とバス乗り場が完成。昨日から、路線バスの乗り入れが始まりました。


 駅前広場の屋根は、どこか南欧風。


 駅と広場の間にある木、確か地上時代の西鉄香椎駅にもあったように記憶しています。
 立派なバス乗り場ながら、乗り入れるのは西鉄香椎折り返しの便のみで、経由便は従来通りの路上バス停へと分かれてしまったのは惜しいところ。経由便を広場に乗り入れると余計な時間がかかってしまうという事情は分かるのですが…
 西鉄とJRの駅を相対させて、間に駅前広場とバス乗り場を配置するような計画にはできなかったものかと、いまさら言っても遅い戯言も出てしまいます。


 2006年の高架化から9年、高架下の店舗もだいぶ充実してきました。乗降客数は3,500人と、久留米の西鉄花畑駅の半分以下ながらずっと店が多いのも、香椎という街そのものの大きさゆえでしょう。




 せっかく香椎まで来たので、10年ぶりくらいにアイランドシティにも足を伸ばしてみました。


 天を衝くような、2つのタワーマンション。


 広大な人工の自然に映る、新しい住居たち。街びらきの頃に生まれた子どもも、もう小学校の中学年です。
 香椎、千早、六本松、九大学研都市…同時進行で開発が進行する福岡は、どこまで大きくなってしまうのでしょうか。


 そしてこの巨大な新都市の公共交通を、西鉄バスが一手に担うというのも、福岡らしい一面です。
 地下鉄乗り入れの案は立ち消えになり、都市高速の延伸は決定。西鉄バスが、より速達性を増して都心とを結ぶことになるんでしょう。


福岡空港国際線ターミナルへの新ルートを試す


 大橋駅に戻ってきました。西鉄大橋駅への特急停車は、福岡市南部での拠点性を高める施策の一環。そのもう一つの取り組みである、大橋駅~福岡空港国際線のバスに試し乗りしてみました。
 特急停車を前に、今年の3月25日から走り始めた新路線です。


 国際線ターミナル行きは、系統番号なしの無番。那珂川営業所から大橋駅を経由するものと、大橋駅始発の便があります。
 出発時刻は分かりやすく、毎時00分、30分に統一。18分、48分に到着する上り特急から、ゆとりを持って乗り継げるダイヤです。


 空港までは直行ではなく、主要バス停に止まる快速運行。日赤通りでは各バス停に停車し、大橋駅周辺の細かな需要を拾います。
 きよみ通りに入れば、停車するバス停は山王一丁目のみ。昼間は渋滞も少なく、比較的スムーズなルートです。ラッシュ時はどうなのかな。


 福岡空港国際線ターミナルでは、2階の出発ロビーまで乗り入れてくれるのはラクですね。


 出発ロビー目の前に停車する西鉄バス。ちょっとミスマッチな感も(笑)。


 日曜日の午後、出国者で賑わう時間帯です。


 せっかく空港まで来たので、空港内シャトルバス(無料)で国内線にもお邪魔してみました。


 大改良工事が進む国内線。営業しながらの改築に苦労が伴うのは、鉄道駅と同じです。新しいビルを少しずつ建て、古いビルを少しずつ壊す、の繰り返し。


 1月にオープンした国内線の目玉施設、「the foodtimes」へ初訪問!福岡の名店が揃ったフードコートです。


 福岡勤務時代は天神でたまに食べていた、風月のビーフバター焼きとひさびさに再会です。ガッツリ系なサラリーマンの味方は、旅行者にもきっとウケるはず。


 いっぱいのお腹を抱え、シャトルバスで国際線へバック。国際線ターミナル1階から出発するバスも、ずいぶん多彩になってきました。特に別府行き、太宰府行きは、インバウンドの皆さまで大混雑です。
 別府、黒川など名だたる観光地に並んで、「大橋」の行き先も加わりました。


 大橋駅行きに乗り込んだのは、僕の他に2名。インバウンドとは無縁です。


 今のところ、あまり乗客は多くないと聞く路線ですが、特急停車後のこれからが本領発揮する路線のはず。
 天神地下街や地下鉄の混雑に巻き込まれないのはラクで、天神大牟田線沿線からの、メインルートに育ってほしいものと思います。


雑餉隈~下大利で進む高架化、昭和の駅の香りもあとわずか

 2020年度の完成に向けて工事が進む、天神大牟田線の高架化事業。高架柱が立ち上がり、高架化後の姿が少しずつ描けるようになってきました。
 一方、旧来からの駅舎が残っていた雑餉隈・春日原の仮駅舎化も、迫りつつあります。


 まずは雑餉隈駅で途中下車。昨年夏まで住んでいた街なので、馴染みの駅です。それだけに次第に変わりゆく風景は、期待でもあり、寂しくもあります。


 質実剛健、飾り気のない橋上駅舎も、残りわずか。




 来年1月からの仮駅舎化が、すでに予告されています。


 すでに駅の両側は、すっかり工事現場と化しています。高架化後の駅舎の形が見えてくるのは、もうしばらく先になりそうです。


 あいかわらず庶民的な下町情緒漂う銀天町。高架化され踏切の音が聞こえてこなくなると、少し寂しくなりそう…個人の所感ですが。






 一方、春日原駅はすでに高架駅の工事が始まっています。




 2面2線だけに、大きな規模の駅になりそう。花畑のように、様変わりしそうです。


 現在の駅の仮駅化はアナウンスされていないものの、そう遠くはないように思います。


8000形電車、間もなくラストラン…「旅人」車両交代へ

 僕ら世代には寂しいニュースも入っています。現在は二日市~太宰府の観光電車「旅人」で残るのみの、1989年デビューの特急電車・8000形の引退が9月16日に決まりました。
 たぶん最後になるであろう、短い8000形の旅を楽しみます。




 ラッピングだけでも、車両の印象はずいぶん変わるもの。幼い頃から乗って来た8000形とは、別物の電車という感じがします。
 昼間に二日市~太宰府の普通電車として往復する姿も、全盛期の特急運用とはまったく異なるものです。








 しかし赤いクロスシートが並ぶ車内は大きく手が加えられておらず、全盛期の面影を探せます。久留米~福岡間で座れる機会は少なかったけど、座れればゆっくりくつろげて、天国の電車でした。


 平成元年製。もう29歳になるんですね。
 しかし同い年の京阪8000系がリニューアルされ、今年は特別車両のプレミアムカーまで新設されたのを見ると、こっちももっと活躍できたはずの車両だったとも思います。


 最新鋭の設備だったはずのLEDインフォメーションも、フルカラーモニタ全盛の今では、古めかしくも映ります。


 観光PRコーナーになっている一角には、公衆電話が付いていたんだよなあ。JRでも新幹線や最新鋭の特急にしか付いていない設備で、格の違う電車だと感じられました。
 通勤電車でもローカル線でも、めいめいが電話を手にしている時代になってからも、ずいぶん時間が流れました。






 そして鉄道少年としては、最前部の展望席が何よりの魅力でした。側窓も大きく、当時は日本最大と言われたものです。西鉄福岡で行列してもたいてい座れず、大牟田から乗る時こそチャンスでした。
 普通運賃だけで乗れる特等席は、貧乏な小中学生時代、手の届く範囲でできる特別な経験でした。


 6両・2ドアの表示が見られるのも、あとわずか。ラストランまで、無事故で走ってほしいものです。




 太宰府は観光客でいっぱい。博多方面のもう一つの「旅人」にも、大行列ができていました。

2017年8月26日・西鉄ダイヤ改定【1】特急大橋停車&通勤時の特急増発

2017年08月28日 | ■旅と鉄道
 8月26日、西鉄天神大牟田線では3年ぶりとなるダイヤ改定が行われました。
 一般にも報じられた最も大きなトピックは、やはり特急の大橋停車です。大橋駅そのものの利便性向上だけではなく、交通結節点としての機能強化を狙った西鉄の戦略やいかに。
 さらに従来は急行が速達輸送担っていた通勤時間帯にも、特急が登場。スピード通勤に向けた工夫と、苦心の跡も見えるダイヤを追ってみました。


朝の上り特急登場!県南からの通勤が時間短縮

 今回のダイヤ改定は大橋停車が大きくクローズアップされ、福岡近郊の輸送改善にのみスポットが当たったような印象があります。しかし朝の上り、深夜の下り特急の設定は、まぎれもなく遠距離客向けのダイヤ改善です。
 まずはダイヤ改定の翌日(27日・日曜日)に、朝の上り特急に乗車してみました。


 久留米駅の、新しい休日ダイヤ。従前のダイヤでは朝始発・午前5時56分の特急が上った次は、8時55分まで特急がありませんでした。
 今回の改定では、休日ダイヤで3本(6:57、8:08、8:27)の特急が設定。さすがに7時台の設定は厳しかったようですが、休日の通勤はもちろん、お出かけにも助かる列車です。


 乗り試すのは、大牟田駅を6時26分に発車して、6時57分に久留米を出発する特急。久留米までは改定前の急行のスジをほぼ踏襲しており、停車駅も同じ。久留米から先が、特急運転に変わった格好です。
 これまで大牟田から宮ノ陣や小郡に行っていた人は、花畑で14分後の急行を待つことになります。ちなみに平日ダイヤでは、乗り換え時間がもう少し短くなるよう配慮されています。
 

 停車駅は二日市、大橋、薬院。大橋は、本当に特急停車駅になったんですね。朝の特急増発も、大橋という一定需要のある駅をカバーできるからこそ、実現できたのかもしれません。


 5000形・7両編成の特急電車が入線。今回、通勤時の特急設定にあたって8両編成が復活しないか期待していたのですが、実現しませんでした。
 というのも下大利や春日原駅が7両対応のため、8両運転とするためにこの2駅を通過する「快速急行」なる種別が、2010年まで存在していたのです。特急なら8両運転も可能、ラッシュ時の混雑緩和に一役買うか!と期待していましたが、そこまでの需要はないと判断されてしまいました。


 休日とあって、空席を残して発車。通勤する身としては、座れる電車はありがたいものです。
 ダイヤ改定前、7:01、7:21、7:31と雁行していた急行のうち、7:01が抜け落ちてしまった小郡駅を通過。ホームに乗客の姿はありません。隣のホームに止まっている、7:05の「筑紫より急行」へ乗っているものと思います。


 多くの乗客が待つ、西鉄二日市駅に到着。先週までの急行が特急に変わってしまっても、特に戸惑うことなく乗客たちが乗ってきました。
 二日市以北は、あまりスピードが上がりません。ラッシュ時でダイヤが詰まっているものと勘違いしそうだけど、高架化工事の影響です。二日市~大橋間9分は、昼間の特急と遜色ありません。


 大橋駅に到着。待機していた普通電車から、おおぜいの乗客が乗り継いできました。特急停車からまだ2日目ですが、もともと急行しかない時間帯だったので、乗り換え相手が急行から特急に変わっただけ。特に戸惑われているような様子はありませんでした。
 久留米から大橋まで26分。過去最速の早さで、大橋駅に立つことができました。とりあえず、今日はここまで。


大橋ってどんなトコ?副都心でもあり、交通結節点でもある街


 今回、特急停車駅に昇格した大橋。そもそもどんな街なんでしょう? 近所に3年半住んでいた経験に基づく、個人的なイメージは以下の通りです。




 西口は、カラオケ屋やパチンコ、不動産屋に飲食店が集積しています。
 核となるデパートや大型スーパーがあるわけでもなく、かといって八百屋や魚屋があるような昔ながらの商店街というわけでもありません。ちょっとした繁華街といった雰囲気です。


 繁華街を抜ければ、集合住宅が立ち並ぶ住宅街。膨張を続ける、福岡市の人口の受け皿の街の一つでもあります。


 一方、東口は通称「日赤通り」と呼ばれる幹線道路。道幅は太くて通行量も多く、ロードサイド型の店舗も立地しています。
 南区役所も日赤通り沿い。区役所の上は、市内の各区役所同様、集合住宅が載っています。保健福祉センターや図書館分館も並び、南区の行政の核となる場所です。


 駅南側で筑紫野・鳥栖方面と那珂川方面の道が分岐し、自動車交通上の要衝でもあります。


 このことからバス路線も、大橋駅を発着、あるいは経由する路線が多くあります。新たに開通した外環状線経由で福大方面に向かう「外環1番」や、今年3月には福岡空港行きのバスも新設されました。
 那珂川から天神方面へ直行していたバスも、定時性を増すため、大橋での系統分割が進んでいます。交通の要衝というのも、大橋の一つの顔です。


 九州大学の大橋キャンパスも、大橋駅から徒歩圏内。元は九州芸工大という単科大学だったので、規模はさほど大きいわけではありませんが、学生街としての側面も持っています。


 そんな大橋駅の利用客数は西鉄の中でも、西鉄福岡(天神)、薬院に次ぐ第3位。これが数年前だと西鉄福岡(天神)、西鉄久留米、大橋、薬院の順だったのですが、久留米と薬院が入れ替わってしまいました。
 大橋自体は横ばいから微増。天神大牟田線全体では漸減傾向にある中、利用者数を維持しているのは健闘している方です。毎時2本の速達列車が増えるのは、大橋周辺の人にとってもバスに乗り継ぐ人にも朗報だったと思います。




 大橋駅そのものも、ショッピングゾーンの一つ。スーパーの「にしてつストア」や、「西鉄名店街」などを備えています。


 大橋駅高架化が完成した1978年から大規模なリニューアルは入っておらず、ちょっと昭和な雰囲気も残る高架下。


 特急停車に合わせて改装にも着手されており、2年後には完成の予定です。


大橋以南、二日市までの各駅の利便性も向上

 今回の特急停車は、大橋駅利用者3万5千人のためだけのものではありません。従来、大橋駅を特急が通過する際には普通電車を待たせていましたが、改定以降は特急と普通を乗り継げるようになりました。
 これによって大橋駅以南、二日市までの各駅の利用者にとっても、福岡天神までの実質的な所要時間の短縮につながります。


 大橋駅での上り電車の緩急接続シーン。急行と普通の接続は、従前から1時間に4回行われてきました。
 12時07分に普通電車が到着すると、慣れた様子で乗客が降りて来て、急行が到着すると吸い込まれて行きます。12時11分発の新型9000形の急行、特に福岡天神方面の1両は満員でした。


 次の12時16分着の普通電車は、新たに特急と接続するようになった電車です。予想に反して、あまり乗客が降りてきません。前の普通から9分と間隔が詰まっているので、利用客が少ないのかな…?


 と思っていたら、特急が入って来るとかなりの乗客が降りて来て、乗り継いで行きました。「特急に乗り換えられる」という感覚が、まだなかったということでしょうか。
 特急3000形・観光列車「水都」の混雑度は、8分前の急行と似たような程度でした。


 恩恵を受ける駅の一つ、大橋駅の1つ南の井尻駅。普通電車しか停車しない地上駅ながら、平成27年度の1日の利用客数は21,520人を誇ります。
 これは天神大牟田線でも、福岡、薬院、大橋、久留米、二日市に次ぐ堂々6位の数字。春日原や下大利といった急行停車駅はおろか、特急停車の大牟田、柳川をも大きく上回ります。




 駅周辺は昔ながらの商店街。スーパーも2店舗があり、歩いて数分で住宅街に抜けてしまうコンパクトな街です。JRの笹原駅も徒歩圏内。幹線道路や都市高速も近くて、車での動きやすさもあります。
 僕自身も3年半住んだことがあり、住み心地のいい街でした。


 ダイヤ改定前、井尻駅から西鉄福岡へ行こうとした場合、例えば11時台前半はこんなダイヤになっていました。

井尻11:04(大橋で急行に乗り換え)11:16西鉄福岡…所要時間12分
井尻11:13(大橋で特急退避)11:28西鉄福岡…所要時間15分
井尻11:23(大橋で急行に乗り換え)11:37西鉄福岡…所要時間14分

 30分サイクルのダイヤなので、この繰り返しになります。
 改定後は大橋で特急に乗り継げるようになったことから、以下のようなパターンの繰り返しに。

井尻11:05(大橋で急行に乗り換え)11:17西鉄福岡…所要時間12分
井尻11:14(大橋で特急に乗り換え)11:25西鉄福岡…所要時間11分
井尻11:24(大橋で急行に乗り換え)11:38西鉄福岡…所要時間14分

 平均時間にすれば、1分と少しの短縮。単に特急に抜かれるだけの停車がなくなった分、心理的な時間短縮効果はさらに大きいように感じられそうです。
 もし今も井尻住まいだったら、特急の大橋停車にはもろ手を挙げて喜んだろうと思います。


特急増発で生まれた珍風景・特急が急行を追い抜く!


 これまで西鉄天神大牟田線では、特急が急行に追いつかないようなダイヤが組まれていました。
 今回のダイヤ改定では平日朝の1回のみ、小郡駅で特急が急行を追い抜くダイヤに。初めて実現する「世紀の瞬間」に、ダイヤ改定後初の平日となる8月28日に立ち会ってきました(←大げさ?)。


 朝8時前の西鉄久留米駅。福岡方面への始業時間に間に合うには少し遅めの時間なので、ラッシュが過ぎ去ってひと段落といった空気の漂う時間帯です。


 新しい久留米駅の上り平日ダイヤ。6時56分発、8時06分発が、今回設定された特急です。
 6時56分発の特急には、続行で6時58分の急行が追走し、従来久留米以南から急行停車駅に通勤していた乗客にも配慮されています。8時01分発の急行と、06分の特急か注目のペアです。


 急行が特急に追い越されるダイヤになったはずですが、案内板には、特にそのような表示は見当たりません。


 案内放送では、「8月24日のダイヤ改正で、福岡へは後の特急が先着」と繰り返し放送されていました。しかしホームで待っていた乗客の8割くらいは、8時01分発の急行電車に乗車。目的地が特急通過駅なのか、スマホで音楽聞いてて気付かないだけなのか!?
 久留米、宮ノ陣と停車しても空席があり、ゆとりの着席通勤は理想的な姿です。


 小郡では、5分停車がアナウンスされました(時刻表上は4分)。4番ホームに停車するなかなか発車しない電車に、外へ出て来て「ホントに急行?」と方向幕を確認するサラリーマンの姿も。
 朝の時間に想定外の5分の浪費は、なかなかきついものがあります。


 といっている間に、久留米側から特急が追い上げて来て、あっという間に追い越していきました。
 「世紀の瞬間」だけに何人かギャラリーがいるだろうと思ってましたが、撮影していたのは僕一人。貴重なシーンになりました(笑)。


 なお特急の7分後には花畑発の急行が追尾していて、従来の大牟田からの急行利用者にも配慮されています。


 二日市には8時29分に到着。久留米からの所要時間は28分で、昼間の急行の22分よりかなり遅めでした。
 続く二日市発8時45分の特急は、従前から設定されていたものです。「水都」の間合い運用の普通電車からの接続を受け、二日市を発車しました。


 さすがに大橋~福岡間では満員電車になりましたが、一番混む福岡方の先頭車でも「ぎっしり混雑」という程ではありませんでした。
 西鉄福岡ではすぐに折り返し作業にかかり、方向幕がクルクルまわる間に撮れたのがこの写真。さすがに、大橋発着の急行までは今回、設定されていません。


 今日も元気に、行ってらっしゃい!

 というわけで、天神大牟田線の特急の変化を、2日に渡って見てみました。改善点はいろいろありますが、久留米人としては、福岡まで32分もかかるようになったのはやはり痛い!時速110km運転が始まった2008年ダイヤ改定の28分に比べ、わずか10年足らずでずいぶん遅くなったように感じます。
 減速運転の原因となっている高架化工事の終了後には、せめて30分には戻してほしいと、願わずにはいられません。

 大牟田~久留米間では特急増発の恩恵も受けられましたが、宮ノ陣や小郡にとっては、通勤時の急行が減らされた影響も小さくないはず。悲喜こもごもがつきものの、ダイヤ改定ではありました。


ダイヤ改定こぼれ話


 各駅に掲示された「ダイヤ改正」のポスター。新型9000形車両が主役、色合いも「西鉄レッド」が基調です。
 「今回のダイヤ改正より冊子版時刻表の販売は行いません」は、ファンとしては残念なところ。おかげで新ダイヤの分析にも苦労しました。しかし駅窓口でのダイヤグラムの配布は、今回も健在。毎度思いますが、一体誰向けなんだろう?


 今回、大橋駅特急停車記念nimocaが発売されましたが、枚数はわずか500枚!50枚の割り当てしかなかった久留米駅でも、早々に売り切れてしまいました。
 当の大橋駅で発売されなかったことが、今回のダイヤ改定で最大の謎として終わりました。