平成29年3月のJR新ダイヤ。九州では、肥薩線観光列車「やませみ・かわせみ」の運行開始や、九州新幹線の通常ダイヤ復帰など、小粒ながらも明るい話題に恵まれました。一方で日豊本線「にちりん」のワンマン化という、一歩踏み込んだ合理化も進められています。
福岡県周辺でも、明暗それぞれ変化が見られた今回のダイヤ改定。初の平日となった3月6日(月)、見分に出かけてみました。
JR久留米駅で待ち受けたのは、7時48分発の吉塚行き特急「有明4号」。新幹線開業後も通勤時のみ残った、鹿児島本線の在来線特急の1本です。
博多着8時29分と、福岡への通勤にはうってつけの時間。混み合う快速電車を避け、快適に通勤しようという人で、乗降口には列ができました。
自由席は9割以上の乗車率で、相席を嫌いデッキに立つ人もいます。とはいえ自由席はわずか3両。最大で11両を連ねた、「リレーつばめ」時代の面影はありません。
指定席とグリーン席が半室ずつの1両は無人で、なんだかもったいない気もします。
「有明4号」そのものはダイヤ改定前から走っていた列車で、今回の新ダイヤでの変化は、鳥栖駅以北。佐賀~吉塚間に増発された「かもめ104号」を、鳥栖で連結するのです。
鳥栖駅での特急連結は2005年の寝台特急「さくら」廃止以来なので、実に11年ぶりの復活。今日は初日とあって、社員さんが数人、立ち会っていました。
日中は「みどり」の運用に入る「有明」編成に、ソロリソロリと「ハウステンボス」編成の「かもめ」が近づいてきました。社員さんに加えギャラリーも見守る中で、11年ぶりの連結劇が始まります。
とはいえ両編成の併結は、早岐駅で毎日行われてきたもの。特にトラブルもなく、あっさりと完了しました。
従来からあった「有明 博多・吉塚」に対し、「かもめ 博多・吉塚」は今回、初お目見えの方向幕です。
両編成間の貫通扉も、しっかり開かれました。
混雑していた「有明」に対し、「かもめ」編成はガラガラ。新ダイヤ初日では、まだ行動パターンを変え辛い時期なのかもしれません。定期も書き換わる4月には、混雑するようになるのでは。
それにしても朝の上り特急、佐賀駅では7時台だけで17分、29分、38分、56分と、4本も発車するようになりました。佐賀市のベッドタウン化、ますます加速!?
多くの特急が止まる二日市駅も、朝通勤時の上り特急は通過。二日市から博多までの特急料金は300円なので、気軽に乗ってくる人で溢れても困るという判断なのでしょう。
南福岡駅では、通勤客で満載の普通電車を追い越し。他に原田や太宰府信号所でも追い越しがあり、通勤時の特急運行が普通電車に及ぼす影響は大きいものがあります。
今回の増発に対しても、「純増」という選択は取りづらかったものと思います。
さて、今回の併結劇で最も とばっちりを被った形になるのは、有明4号の常連客でしょう。久留米以南の発車時刻は変わらないまま、鳥栖での連結作業の分、博多到着は8分も遅くなったのです。
気付かないまま今日を迎えた人は、受難だったのでは? 博多に到着するやいなや、猛ダッシュで降りて行った人が、少なくとも10人はいました。朝の8分は貴重、お疲れ様です!
博多で3分停車の後、1駅間は普通電車となって終点、吉塚には8時32分着。
博多ほどではないけど、8両の電車から乗客が残らず降りれば、そこそこの数になります。
吉塚駅周辺は官庁街。一般的な公務員の出勤時刻は過ぎているけど、時差出勤組ならベストタイムの時刻です。駅前のダイヤモンド交差点は、青になるとスーツ姿で埋まりました。
というわけで、僕も人波に乗り九大病院へ。
外来棟のサブウェイで、朝食にしました。
吉塚駅には、ダイヤ改定にまつわるこんな告知も。わずか2分早くなるだけとはいえ、終電とあっては死活問題でもあります。
上りの快速電車に乗り、折尾へ。
1月2日に高架化されたばかりのホームに、今回初めて降り立ちました。これまでの時代がかった雰囲気から一新、広々とした明るいホームです。
現在は過渡期の姿で、現在の鹿児島本線下りホームは最終的に、筑豊本線の短絡線(現在は折尾駅鷹見口経由の路線)になります。
短絡線は現在のダイヤだと昼間は1時間に1本、2両編成の電車が発着するだけ。ちょっと立派すぎかな。
現在は北口、東口、西口、そして別駅舎の鷹見口の、計4つも出口がある複雑な折尾駅。乗り換え案内も、4つの出口を用いて案内されています。
最終形で出口は1つにまとめられる予定で、最新型のLEDでなされる煩雑な案内も、過渡期の姿といえます。
階段の壁面は、レンガ調。旧駅のデザインをオマージュしたのかな?
地平レベルのコンコースは、まだ仮設の状態。
旧駅のレンガアーチ造の通路も、一部にまだ残っています。
駅舎自体は仮のものですが、高架橋とホームを見ていると、完成形も目に描けるようになってきました。
現在完成している高架橋は、鉄筋を伸ばしっぱなしの状態。旧線路を撤去後、新たな高架橋が建設される予定です。
駅前のオリオンプラザビル1階には、高架化事業の広報室があり、複雑な工程も分かりやすく知ることができます。
新駅舎は、鹿児島本線と筑豊本線の高架に挟まれた、三角地帯にできるそうです。デザインは旧駅舎に似たものになるようだけど、ちょっと窮屈な感じ。駅の印象も、だいぶ変わることになりそうです。
昔ながらの堀川運河の景観も、変わっていくのかな。
いろんな思い出のある旧ホームの取り壊しが、着々と進んでいました。
折尾から、さらに鹿児島本線を上ります。旧線路の撤去はこれからの模様。
戸畑で下車。ホームからもよく見える、若戸大橋へと歩きました。
赤いつり橋の下を、ミズスマシのように軽やかに往復する船が、若戸渡船です。
戸畑と若松を、トンネルと橋の2本が結ぶ今も、市民の足です。
運賃は100円。充分安いように感じるけど、僕が中学生の頃(20年前)はナント20円でした。
当時の時刻表に乗っている運賃の中でも、もっとも安いということで有名だったものです。
エンジン音を轟かせ出航し、橋の下を航行すれば、わずか3分で若松着岸。あっという間の船旅でした。
渡船場にはバス乗り場があり、市営バスがシームレスに接続しているのは立派。
しかし僕は港町の風を感じたくて、岸壁沿いを歩いて駅へと向かいました。続く
福岡県周辺でも、明暗それぞれ変化が見られた今回のダイヤ改定。初の平日となった3月6日(月)、見分に出かけてみました。
JR久留米駅で待ち受けたのは、7時48分発の吉塚行き特急「有明4号」。新幹線開業後も通勤時のみ残った、鹿児島本線の在来線特急の1本です。
博多着8時29分と、福岡への通勤にはうってつけの時間。混み合う快速電車を避け、快適に通勤しようという人で、乗降口には列ができました。
自由席は9割以上の乗車率で、相席を嫌いデッキに立つ人もいます。とはいえ自由席はわずか3両。最大で11両を連ねた、「リレーつばめ」時代の面影はありません。
指定席とグリーン席が半室ずつの1両は無人で、なんだかもったいない気もします。
「有明4号」そのものはダイヤ改定前から走っていた列車で、今回の新ダイヤでの変化は、鳥栖駅以北。佐賀~吉塚間に増発された「かもめ104号」を、鳥栖で連結するのです。
鳥栖駅での特急連結は2005年の寝台特急「さくら」廃止以来なので、実に11年ぶりの復活。今日は初日とあって、社員さんが数人、立ち会っていました。
日中は「みどり」の運用に入る「有明」編成に、ソロリソロリと「ハウステンボス」編成の「かもめ」が近づいてきました。社員さんに加えギャラリーも見守る中で、11年ぶりの連結劇が始まります。
とはいえ両編成の併結は、早岐駅で毎日行われてきたもの。特にトラブルもなく、あっさりと完了しました。
従来からあった「有明 博多・吉塚」に対し、「かもめ 博多・吉塚」は今回、初お目見えの方向幕です。
両編成間の貫通扉も、しっかり開かれました。
混雑していた「有明」に対し、「かもめ」編成はガラガラ。新ダイヤ初日では、まだ行動パターンを変え辛い時期なのかもしれません。定期も書き換わる4月には、混雑するようになるのでは。
それにしても朝の上り特急、佐賀駅では7時台だけで17分、29分、38分、56分と、4本も発車するようになりました。佐賀市のベッドタウン化、ますます加速!?
多くの特急が止まる二日市駅も、朝通勤時の上り特急は通過。二日市から博多までの特急料金は300円なので、気軽に乗ってくる人で溢れても困るという判断なのでしょう。
南福岡駅では、通勤客で満載の普通電車を追い越し。他に原田や太宰府信号所でも追い越しがあり、通勤時の特急運行が普通電車に及ぼす影響は大きいものがあります。
今回の増発に対しても、「純増」という選択は取りづらかったものと思います。
さて、今回の併結劇で最も とばっちりを被った形になるのは、有明4号の常連客でしょう。久留米以南の発車時刻は変わらないまま、鳥栖での連結作業の分、博多到着は8分も遅くなったのです。
気付かないまま今日を迎えた人は、受難だったのでは? 博多に到着するやいなや、猛ダッシュで降りて行った人が、少なくとも10人はいました。朝の8分は貴重、お疲れ様です!
博多で3分停車の後、1駅間は普通電車となって終点、吉塚には8時32分着。
博多ほどではないけど、8両の電車から乗客が残らず降りれば、そこそこの数になります。
吉塚駅周辺は官庁街。一般的な公務員の出勤時刻は過ぎているけど、時差出勤組ならベストタイムの時刻です。駅前のダイヤモンド交差点は、青になるとスーツ姿で埋まりました。
というわけで、僕も人波に乗り九大病院へ。
外来棟のサブウェイで、朝食にしました。
吉塚駅には、ダイヤ改定にまつわるこんな告知も。わずか2分早くなるだけとはいえ、終電とあっては死活問題でもあります。
上りの快速電車に乗り、折尾へ。
1月2日に高架化されたばかりのホームに、今回初めて降り立ちました。これまでの時代がかった雰囲気から一新、広々とした明るいホームです。
現在は過渡期の姿で、現在の鹿児島本線下りホームは最終的に、筑豊本線の短絡線(現在は折尾駅鷹見口経由の路線)になります。
短絡線は現在のダイヤだと昼間は1時間に1本、2両編成の電車が発着するだけ。ちょっと立派すぎかな。
現在は北口、東口、西口、そして別駅舎の鷹見口の、計4つも出口がある複雑な折尾駅。乗り換え案内も、4つの出口を用いて案内されています。
最終形で出口は1つにまとめられる予定で、最新型のLEDでなされる煩雑な案内も、過渡期の姿といえます。
階段の壁面は、レンガ調。旧駅のデザインをオマージュしたのかな?
地平レベルのコンコースは、まだ仮設の状態。
旧駅のレンガアーチ造の通路も、一部にまだ残っています。
駅舎自体は仮のものですが、高架橋とホームを見ていると、完成形も目に描けるようになってきました。
現在完成している高架橋は、鉄筋を伸ばしっぱなしの状態。旧線路を撤去後、新たな高架橋が建設される予定です。
駅前のオリオンプラザビル1階には、高架化事業の広報室があり、複雑な工程も分かりやすく知ることができます。
新駅舎は、鹿児島本線と筑豊本線の高架に挟まれた、三角地帯にできるそうです。デザインは旧駅舎に似たものになるようだけど、ちょっと窮屈な感じ。駅の印象も、だいぶ変わることになりそうです。
昔ながらの堀川運河の景観も、変わっていくのかな。
いろんな思い出のある旧ホームの取り壊しが、着々と進んでいました。
折尾から、さらに鹿児島本線を上ります。旧線路の撤去はこれからの模様。
戸畑で下車。ホームからもよく見える、若戸大橋へと歩きました。
赤いつり橋の下を、ミズスマシのように軽やかに往復する船が、若戸渡船です。
戸畑と若松を、トンネルと橋の2本が結ぶ今も、市民の足です。
運賃は100円。充分安いように感じるけど、僕が中学生の頃(20年前)はナント20円でした。
当時の時刻表に乗っている運賃の中でも、もっとも安いということで有名だったものです。
エンジン音を轟かせ出航し、橋の下を航行すれば、わずか3分で若松着岸。あっという間の船旅でした。
渡船場にはバス乗り場があり、市営バスがシームレスに接続しているのは立派。
しかし僕は港町の風を感じたくて、岸壁沿いを歩いて駅へと向かいました。続く