昨年2月、西鉄から「Fukuoka 1day Pass」なるフリーチケットが発売されました。西鉄電車の福岡~久留米間に加え、福岡、飯塚、久留米などの路線バスも乗り放題で1,500円という、大盤振る舞いの1日乗車券です。
しかし久留米での発売はないため、あらかじめ福岡で買わなければならないのが難点。「いつか使うだろう」と福岡で買っておいたのですが、はや1年…有効期限が、いつの間にか今週の木曜日に迫っていました!
払い戻してもいいけれど、せっかくの機会なので「消化旅行」を行うことに。ターゲットは、日頃乗る機会の少ない久留米のローカルバス路線です。
【25】草野線・本町⇒草野⇒田主丸中央
まずは朝9時、本町から草野線に乗り込みました。昨年3月付で廃止する旨の届出が出されていた路線ですが、沿線自治体の補助を受け存続が決定。本数を減らしつつ、走り続けている路線です。
久大本線の増発で乗客が減少傾向にある田主丸方面ですが、ことJRの駅に近い位置を走る草野線は、影響が大きかった模様。その素顔は…?
西鉄久留米を発車した時点での乗客は、5人。うち4人は、他の路線と平行する日野曽根までで降りてしまい、草野線本来の乗客は1人だけになってしまいました。
山本町から草野町にかけては、かなり狭隘な道になります。
一旦減っていた乗客ですが、草野線内での乗り降りもありつつ、田主丸に近付くにつれての乗り込みもありました。結局、最も多くの乗客を記録したのは、田主丸中央の手前の6人。久留米から「先細り」になる路線だと思っていましたが、乗らなきゃ分からないものですね。
田主丸中央着。昔は「バスターミナル」的な建物があったように記憶していますが、今は上屋だけに。それでも市営の駐輪場があり、地域の拠点バス停であることを物語ります。
6人の乗客は全てここで降りてしまったのですが、うち5人のおばあちゃん達はお友達のようです。その行き先はデイサービスか温泉かと思っていましたが…
ディスカウントストア(という名のスーパー)でした。決して本数の多くないバスに乗りあっての買物、日頃マイカーに頼りきっている人間には分からない使われ方があるようです。
【23】田主丸中央⇒常持⇒西鉄久留米
こちらは210号線経由の幹線系統。さすがに乗客は多く、田主丸発車時点で16人。久留米に近付くと、立つ人も出る混雑になりました。
ローカルな風景に見慣れると、久留米のバスセンターも都会的に見えてしまいます。
【48】若宮線・西鉄久留米⇒安武堤防⇒大善寺
若宮線は、電車と平行するものの、少し離れた安武小学校付近の集落を結ぶ路線です。
西鉄久留米発車時点では、なんと無人!市役所~JR駅までの利用者は多いはずですが、乗り場が他の系統と異なるため、気付かれにくいようです。
JR久留米駅で二人乗せて、筑後川沿いを走ります。二人は途中で降りる一方、一人が乗って大善寺まで乗り通しており、この便は電車と乗り継ぐ人がメインでした。しかし三人というのは、やや寂しい数です。
大善寺駅前に乗り入れるのは2系統、いずれも1時間ヘッドなのですが、いずれも電車の時間に合わせて運行しているため、こうして2台のバスが一緒に転回する光景も見られます。
【15】大川線・大善寺⇒大川橋
下りの15系統は、JR久留米駅から大川市を結ぶ系統ですが、西鉄電車との接続はここ大善寺駅で行われており、天神からの特急電車に接続する便利なダイヤです。ところが、電車から乗り継いだのはたったの一人。なかなか厳しい数です。
三潴町で乗り込んだ人もいましたが、城島町の楢津までに全て降りてしまい、乗客はぼく一人ぼっちに。楢津から先は筑後川沿いを走りますが、そのまま大川市まで走り抜けないのが、この系統の面白いところ。城島町青木から、大川市三又の集落を回ります。コミュニティバス的な存在感も感じますが、乗り降りはありませんでした。
結局、大川橋まで乗ったのは僕一人。でも大川橋の近くには、洋風建築の旧三潴銀行や源泉掛け流しの温泉(500円、食事セット1,000円がおすすめ)、そして重文の昇開橋が、徒歩10分圏内に揃っています。僕も温泉でゆったり足を伸ばし、しばしのリラックスタイムにしました。
【15】大川線・大川橋⇒大善寺⇒六ツ門
14時03分発のバスは、やはり僕一人。大川から城島の路地を戻ります。ただ1日に4本(休日には2本)だけ土手沿いをショートカットする路線があり、どんな使われ方をしているのか興味をひかれます。
城島の楢津からぼちぼち乗り始めましたが、最多乗客数は3人。しかも大善寺で、電車に乗り継いでいってしまいました。
大善寺から先は48系統と異なり、西鉄電車と平行する形になります。安武、津福と乗客はなく、初めての乗客を迎えたのは西鉄と離れた鳥飼から。
バスは西鉄久留米駅までは行かず、中心街の六ツ門に直行します。この点は電車にはないメリットだけど、大型店の相次ぐ閉店で、六ツ門を目的地とする用事自体が減っているのも事実。広又から西鉄久留米経由で、六ツ門、JR久留米へと回る路線にして、駅から遠いバス停と西鉄久留米をダイレクトに結んだ方が、需要も伸ばせるのでは?
【55】西牟田線・六ツ門⇒荒木⇒羽犬塚駅前
久留米のバスのローカル線の中でも、堀川バスの八女線と並んでローカル度が高いのが、55系統・羽犬塚駅前行き。羽犬塚へは船小屋方面へのバスが頻発していますが、55系統は、1日わずか4往復!興味深い路線の一つです。
西鉄久留米発車時点での乗客は9人で、中型バスということもあってよく乗っている印象。
しかし、早くも花畑駅前で下車するおじいさんがいました。久留米から花畑なら、電車の方が本数が多いのに…と思っていましたが、手にしてたのは高齢者向けフリーパスの「グランドパス65」。なるほど、バスなら無料というわけですね。
今回乗ったローカル線、いずれも高齢者の利用が多く、グランドパスの所持率も高い傾向にありました。お年寄りに頼られる一方で、利益率は低いかもなあ…
賑わっていた車内も、西町、南町と続く住宅街で次々降ろし、上津バイパスで残る乗客は1名に。ここまでは他の系統のバスも走っており、55系統本来の乗客は1名ということになりました。
荒木駅を過ぎ、三潴町の田んぼの中をひた走ります。沿線には高級旅館として名高い「ふかほり邸」もありますが、1日4往復のバスで行く人はいないだろうなあ…十連寺で最後の乗客を降ろし、三潴から筑後市の「旧道」を進みます。
「旧道」沿いは昔からの集落といった趣で、筑後市に入れば羽犬塚駅に向かう流動も多いと思われますが、1日4往復とあってはなかなか使いづらいようで、乗ってくる人はいませんでした。
堀川バスのテリトリでもある、羽犬塚駅前に着きました。
【10】鳥栖線・鳥栖駅前⇒西鉄久留米
JRでワープして、鳥栖から久留米へ国道3号線経由で結ぶ10系統に乗車。鳥栖市内を走るバスはアウトレット線を除き全て補助路線で、久留米にも増して厳しい環境に置かれています。
10系統も、2人の乗客(ご夫婦?)を乗せて16時49分に発車。国道3号線はいつも通行量が多く、10系統も遅れることがよくあります。
途中、酒井からはスーツ姿の若者2人を乗せ、久留米市内へ。国道3号線をストレートに走れば西鉄久留米駅ですが、警察署から櫛原へと迂回します。
櫛原周辺は住宅が立て込んでいて、10系統に乗るたびに乗る人・降りる人を見かけるのですが、1時間に1本ではなかなか使いにくそう。JR~西鉄を櫛原・大学病院経由で結ぶコミバス的な系統があればと、よく思います。
ちなみに電車の駅は「くしわら」、バス停は「くしはらまち」と、微妙な違いがあります。
つづく
しかし久留米での発売はないため、あらかじめ福岡で買わなければならないのが難点。「いつか使うだろう」と福岡で買っておいたのですが、はや1年…有効期限が、いつの間にか今週の木曜日に迫っていました!
払い戻してもいいけれど、せっかくの機会なので「消化旅行」を行うことに。ターゲットは、日頃乗る機会の少ない久留米のローカルバス路線です。
【25】草野線・本町⇒草野⇒田主丸中央
まずは朝9時、本町から草野線に乗り込みました。昨年3月付で廃止する旨の届出が出されていた路線ですが、沿線自治体の補助を受け存続が決定。本数を減らしつつ、走り続けている路線です。
久大本線の増発で乗客が減少傾向にある田主丸方面ですが、ことJRの駅に近い位置を走る草野線は、影響が大きかった模様。その素顔は…?
西鉄久留米を発車した時点での乗客は、5人。うち4人は、他の路線と平行する日野曽根までで降りてしまい、草野線本来の乗客は1人だけになってしまいました。
山本町から草野町にかけては、かなり狭隘な道になります。
一旦減っていた乗客ですが、草野線内での乗り降りもありつつ、田主丸に近付くにつれての乗り込みもありました。結局、最も多くの乗客を記録したのは、田主丸中央の手前の6人。久留米から「先細り」になる路線だと思っていましたが、乗らなきゃ分からないものですね。
田主丸中央着。昔は「バスターミナル」的な建物があったように記憶していますが、今は上屋だけに。それでも市営の駐輪場があり、地域の拠点バス停であることを物語ります。
6人の乗客は全てここで降りてしまったのですが、うち5人のおばあちゃん達はお友達のようです。その行き先はデイサービスか温泉かと思っていましたが…
ディスカウントストア(という名のスーパー)でした。決して本数の多くないバスに乗りあっての買物、日頃マイカーに頼りきっている人間には分からない使われ方があるようです。
【23】田主丸中央⇒常持⇒西鉄久留米
こちらは210号線経由の幹線系統。さすがに乗客は多く、田主丸発車時点で16人。久留米に近付くと、立つ人も出る混雑になりました。
ローカルな風景に見慣れると、久留米のバスセンターも都会的に見えてしまいます。
【48】若宮線・西鉄久留米⇒安武堤防⇒大善寺
若宮線は、電車と平行するものの、少し離れた安武小学校付近の集落を結ぶ路線です。
西鉄久留米発車時点では、なんと無人!市役所~JR駅までの利用者は多いはずですが、乗り場が他の系統と異なるため、気付かれにくいようです。
JR久留米駅で二人乗せて、筑後川沿いを走ります。二人は途中で降りる一方、一人が乗って大善寺まで乗り通しており、この便は電車と乗り継ぐ人がメインでした。しかし三人というのは、やや寂しい数です。
大善寺駅前に乗り入れるのは2系統、いずれも1時間ヘッドなのですが、いずれも電車の時間に合わせて運行しているため、こうして2台のバスが一緒に転回する光景も見られます。
【15】大川線・大善寺⇒大川橋
下りの15系統は、JR久留米駅から大川市を結ぶ系統ですが、西鉄電車との接続はここ大善寺駅で行われており、天神からの特急電車に接続する便利なダイヤです。ところが、電車から乗り継いだのはたったの一人。なかなか厳しい数です。
三潴町で乗り込んだ人もいましたが、城島町の楢津までに全て降りてしまい、乗客はぼく一人ぼっちに。楢津から先は筑後川沿いを走りますが、そのまま大川市まで走り抜けないのが、この系統の面白いところ。城島町青木から、大川市三又の集落を回ります。コミュニティバス的な存在感も感じますが、乗り降りはありませんでした。
結局、大川橋まで乗ったのは僕一人。でも大川橋の近くには、洋風建築の旧三潴銀行や源泉掛け流しの温泉(500円、食事セット1,000円がおすすめ)、そして重文の昇開橋が、徒歩10分圏内に揃っています。僕も温泉でゆったり足を伸ばし、しばしのリラックスタイムにしました。
【15】大川線・大川橋⇒大善寺⇒六ツ門
14時03分発のバスは、やはり僕一人。大川から城島の路地を戻ります。ただ1日に4本(休日には2本)だけ土手沿いをショートカットする路線があり、どんな使われ方をしているのか興味をひかれます。
城島の楢津からぼちぼち乗り始めましたが、最多乗客数は3人。しかも大善寺で、電車に乗り継いでいってしまいました。
大善寺から先は48系統と異なり、西鉄電車と平行する形になります。安武、津福と乗客はなく、初めての乗客を迎えたのは西鉄と離れた鳥飼から。
バスは西鉄久留米駅までは行かず、中心街の六ツ門に直行します。この点は電車にはないメリットだけど、大型店の相次ぐ閉店で、六ツ門を目的地とする用事自体が減っているのも事実。広又から西鉄久留米経由で、六ツ門、JR久留米へと回る路線にして、駅から遠いバス停と西鉄久留米をダイレクトに結んだ方が、需要も伸ばせるのでは?
【55】西牟田線・六ツ門⇒荒木⇒羽犬塚駅前
久留米のバスのローカル線の中でも、堀川バスの八女線と並んでローカル度が高いのが、55系統・羽犬塚駅前行き。羽犬塚へは船小屋方面へのバスが頻発していますが、55系統は、1日わずか4往復!興味深い路線の一つです。
西鉄久留米発車時点での乗客は9人で、中型バスということもあってよく乗っている印象。
しかし、早くも花畑駅前で下車するおじいさんがいました。久留米から花畑なら、電車の方が本数が多いのに…と思っていましたが、手にしてたのは高齢者向けフリーパスの「グランドパス65」。なるほど、バスなら無料というわけですね。
今回乗ったローカル線、いずれも高齢者の利用が多く、グランドパスの所持率も高い傾向にありました。お年寄りに頼られる一方で、利益率は低いかもなあ…
賑わっていた車内も、西町、南町と続く住宅街で次々降ろし、上津バイパスで残る乗客は1名に。ここまでは他の系統のバスも走っており、55系統本来の乗客は1名ということになりました。
荒木駅を過ぎ、三潴町の田んぼの中をひた走ります。沿線には高級旅館として名高い「ふかほり邸」もありますが、1日4往復のバスで行く人はいないだろうなあ…十連寺で最後の乗客を降ろし、三潴から筑後市の「旧道」を進みます。
「旧道」沿いは昔からの集落といった趣で、筑後市に入れば羽犬塚駅に向かう流動も多いと思われますが、1日4往復とあってはなかなか使いづらいようで、乗ってくる人はいませんでした。
堀川バスのテリトリでもある、羽犬塚駅前に着きました。
【10】鳥栖線・鳥栖駅前⇒西鉄久留米
JRでワープして、鳥栖から久留米へ国道3号線経由で結ぶ10系統に乗車。鳥栖市内を走るバスはアウトレット線を除き全て補助路線で、久留米にも増して厳しい環境に置かれています。
10系統も、2人の乗客(ご夫婦?)を乗せて16時49分に発車。国道3号線はいつも通行量が多く、10系統も遅れることがよくあります。
途中、酒井からはスーツ姿の若者2人を乗せ、久留米市内へ。国道3号線をストレートに走れば西鉄久留米駅ですが、警察署から櫛原へと迂回します。
櫛原周辺は住宅が立て込んでいて、10系統に乗るたびに乗る人・降りる人を見かけるのですが、1時間に1本ではなかなか使いにくそう。JR~西鉄を櫛原・大学病院経由で結ぶコミバス的な系統があればと、よく思います。
ちなみに電車の駅は「くしわら」、バス停は「くしはらまち」と、微妙な違いがあります。
つづく