来年春と予告されていた、nimoca、SUGOCA、はやかけん、そしてsuicaの各ICカードの相互利用が、2010年3月13日(土)スタートと正式にリリースされた。福岡の鉄道ユーザーにとって待ちに待ったサービスだが、あくまで今回は「統合」ではなく「相互利用」。他社線で利用する際には、注意したい点がある。
既出の内容も含めて、福岡県人の視点としてまとめてみた。
福岡と東京が1枚のカードで
今回相互利用が始まるのは、西鉄グループ(昭和バスでも導入予定)の「nimoca」、JR九州の「SUGOCA」、福岡市地下鉄の「はやかけん」、そしてJR東日本などの「suica」。いずれか1枚のカードをタッチすれば、それぞれの会社の電車・バスに乗れる。お財布を複数のICカードで膨らませることはなくなり、便利になることは間違いない。
また各カードの、電子マネー機能も相互利用できる。首都圏では駅ナカ店舗はもちろん、市中のコンビニやファーストフードなどでも広く使えるので、活用したい。ただしsuica電子マネーの相互利用は一部で「順次実施」となる模様。
東京の私鉄・地下鉄・バスには乗れません
今回、在福3社と共に相互利用化されるsuicaは、首都圏はもちろん、仙台、新潟でも使えるJR東日本のICカード。東京へのお出かけ・出張の際にも、切符を買わずに、日常使っているカードで電車に乗りこなせる。
注意したいのは、suicaを使えるのがJRと、埼玉ニューシャトル、東京モノレール、りんかい線、伊豆急、仙台空港鉄道に限られること。私鉄、地下鉄の各線は別のICカード「PASMO」エリアとなるので、使えない。PASMOエリアにも「suica使えます」と大書きしてあるが、相互利用カードは対象外となる。
ポイントは相互利用先で付きません
各ICカードで実施されている、ポイントサービス。電車・バスはもちろん、電子マネー利用時も、相互利用先でのポイント付与はない。相互利用を活用して1枚のカードにまとめたいと思う方は、一番頻繁に利用する会社のカードを選ぶようにしたい(別記事も参照)。
なおポイントでトクしたいのであれば、相互利用化後も各社のカードをそれぞれ持つのが一番だ。
相互利用先でオートチャージは使えません
クレジット口座からカードへ自動的に入金される、「オートチャージ」機能。クレジットnimocaやsuicaの他、JR九州でも3月から発売される「JQカード」で利用できる。
電車・バス利用時に残高が一定額を切った際にチャージされるが、相互利用先の改札ではオートチャージが行われないのでご注意。カード残高が、なるべく多くなるような設定(5000円を切ったら、5000円チャージするなど)にしておきたい。
西鉄バスの乗り継ぎ割引はnimoca限定
今回のリリースで予想外だったのは、これ。西鉄バス同士を90分以内で乗り継ぐと、運賃が最大80円割引となる「乗り継ぎ割引」サービスは、nimoca以外では適用されないことになった。
西鉄バスの乗り継ぎ割引は、単純な他路線への乗り継ぎだけではなく、同じ路線のバスに再度乗ったり(途中下車的な利用)、あるいは逆方向のバスに乗ったり(往復乗車的な利用)しても適用される、汎用性の高い割引。知らず知らずのうちに割引されていることも多く、割引額も高いので、バス利用者はぜひnimocaを選択したい。
貝塚線でnimoca利用スタート、筑肥線も
相互利用リリースの同日には、西鉄貝塚線へのnimoca導入も同時にアナウンスされた。貝塚駅を介して福岡市地下鉄とつながる貝塚線は、両者の乗り継ぎ利用が多く、IC化が見送られてきた経緯があったが、今回、晴れて導入が決定した。
なお、同様の理由で見送られてきたJR筑肥線(姪浜を介して地下鉄と相互乗り入れ)のSUGOCA導入はまだリリースされていないものの、同日には導入されるものと思われる。
各社から記念カードも発売
共通化を記念して、発行4社局それぞれからの記念カード発売も発表された。
デザインは、各カードのキャラクターがバンドを組み、発行社局のキャラクターがボーカルをつとめるというもの。キャラクターのテイストが違いすぎるため、どのように1枚のカードにまとめるかは注目していたが、なんとかまとまったようだ。ただsuicaとTOICA、ICOCA、Kitaca相互利用記念カードのデザインの方がよかったようにも…
SUGOCA、nimocaは1万枚、はやかけんは7千枚、suicaは3万枚の発行となるが、いずれも即日完売は必至。特にSUGOCAは、当日の大行列が予想される。
広くない福岡都市圏で3つのカードが並存する形となったため、少々複雑なことになってしまった今回の相互利用。それでも細かいことを気にしなければ、何も考えずに「はい、タッチ」で電車・バスに乗れるようになり、利便性は飛躍的に向上する。公共交通機関を取り巻く環境は厳しさを増すばかりだが、ICカードで活気を取り戻せるのか。今後も要注目である。
既出の内容も含めて、福岡県人の視点としてまとめてみた。
福岡と東京が1枚のカードで
今回相互利用が始まるのは、西鉄グループ(昭和バスでも導入予定)の「nimoca」、JR九州の「SUGOCA」、福岡市地下鉄の「はやかけん」、そしてJR東日本などの「suica」。いずれか1枚のカードをタッチすれば、それぞれの会社の電車・バスに乗れる。お財布を複数のICカードで膨らませることはなくなり、便利になることは間違いない。
また各カードの、電子マネー機能も相互利用できる。首都圏では駅ナカ店舗はもちろん、市中のコンビニやファーストフードなどでも広く使えるので、活用したい。ただしsuica電子マネーの相互利用は一部で「順次実施」となる模様。
東京の私鉄・地下鉄・バスには乗れません
今回、在福3社と共に相互利用化されるsuicaは、首都圏はもちろん、仙台、新潟でも使えるJR東日本のICカード。東京へのお出かけ・出張の際にも、切符を買わずに、日常使っているカードで電車に乗りこなせる。
注意したいのは、suicaを使えるのがJRと、埼玉ニューシャトル、東京モノレール、りんかい線、伊豆急、仙台空港鉄道に限られること。私鉄、地下鉄の各線は別のICカード「PASMO」エリアとなるので、使えない。PASMOエリアにも「suica使えます」と大書きしてあるが、相互利用カードは対象外となる。
ポイントは相互利用先で付きません
各ICカードで実施されている、ポイントサービス。電車・バスはもちろん、電子マネー利用時も、相互利用先でのポイント付与はない。相互利用を活用して1枚のカードにまとめたいと思う方は、一番頻繁に利用する会社のカードを選ぶようにしたい(別記事も参照)。
なおポイントでトクしたいのであれば、相互利用化後も各社のカードをそれぞれ持つのが一番だ。
相互利用先でオートチャージは使えません
クレジット口座からカードへ自動的に入金される、「オートチャージ」機能。クレジットnimocaやsuicaの他、JR九州でも3月から発売される「JQカード」で利用できる。
電車・バス利用時に残高が一定額を切った際にチャージされるが、相互利用先の改札ではオートチャージが行われないのでご注意。カード残高が、なるべく多くなるような設定(5000円を切ったら、5000円チャージするなど)にしておきたい。
西鉄バスの乗り継ぎ割引はnimoca限定
今回のリリースで予想外だったのは、これ。西鉄バス同士を90分以内で乗り継ぐと、運賃が最大80円割引となる「乗り継ぎ割引」サービスは、nimoca以外では適用されないことになった。
西鉄バスの乗り継ぎ割引は、単純な他路線への乗り継ぎだけではなく、同じ路線のバスに再度乗ったり(途中下車的な利用)、あるいは逆方向のバスに乗ったり(往復乗車的な利用)しても適用される、汎用性の高い割引。知らず知らずのうちに割引されていることも多く、割引額も高いので、バス利用者はぜひnimocaを選択したい。
貝塚線でnimoca利用スタート、筑肥線も
相互利用リリースの同日には、西鉄貝塚線へのnimoca導入も同時にアナウンスされた。貝塚駅を介して福岡市地下鉄とつながる貝塚線は、両者の乗り継ぎ利用が多く、IC化が見送られてきた経緯があったが、今回、晴れて導入が決定した。
なお、同様の理由で見送られてきたJR筑肥線(姪浜を介して地下鉄と相互乗り入れ)のSUGOCA導入はまだリリースされていないものの、同日には導入されるものと思われる。
各社から記念カードも発売
共通化を記念して、発行4社局それぞれからの記念カード発売も発表された。
デザインは、各カードのキャラクターがバンドを組み、発行社局のキャラクターがボーカルをつとめるというもの。キャラクターのテイストが違いすぎるため、どのように1枚のカードにまとめるかは注目していたが、なんとかまとまったようだ。ただsuicaとTOICA、ICOCA、Kitaca相互利用記念カードのデザインの方がよかったようにも…
SUGOCA、nimocaは1万枚、はやかけんは7千枚、suicaは3万枚の発行となるが、いずれも即日完売は必至。特にSUGOCAは、当日の大行列が予想される。
広くない福岡都市圏で3つのカードが並存する形となったため、少々複雑なことになってしまった今回の相互利用。それでも細かいことを気にしなければ、何も考えずに「はい、タッチ」で電車・バスに乗れるようになり、利便性は飛躍的に向上する。公共交通機関を取り巻く環境は厳しさを増すばかりだが、ICカードで活気を取り戻せるのか。今後も要注目である。
よろしくお願い致します。
今後もICカードの続報はお送りしますので、のぞきに来て下さいね。