11日に迎えた、あの日から1年の節目。
改めて犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、月並みな言葉ではありますが、被災地の復旧・復興と、1日も早い原発災害の収束を願って止みません。
そして僕自身が明日を生きていくために、子どもと孫の代の未来へと続くように、1年前に起きた数え切れない出来事を、決して忘れずにいたいと思います。
◆ ◆ ◆
ところで東日本大震災の翌日、九州新幹線は予定通り全線開業しましたが、開業記念行事は全て中止され、静かなスタートとなりました。
僕は、筑後船小屋発博多行きの一番列車「つばめ320号」の切符を取っていました。この列車を選んだのは、博多発の一番列車が取れなかったのも理由の一つでしたが、筑後平野に住む者として、筑後船小屋、久留米、新鳥栖にとっての一番列車こそ、待ちに待った開業を迎えるに相応しいと考えたのが一番の理由です。
11日の早々に、開業記念行事は中止ということが決まり、それも当然のことと受け止めていたのですが、「祝いの言葉がない開業」も一つの時代の記録と思い、予定通り乗りに行ってきました。
震災発生から15時間、被害の全容も見えず、原発も制御不能、さらには新潟県でも大地震が発生という、先の見えない不安を感じていた中での一番列車。数十年間待ちに待った気持ちも忘れ、高揚感も期待も感じない、ただの新幹線でした。
そして迎えた一周年という節目。震災の翌日ということもあってか祝賀行事は一切なく、出発式や一周年記念イベントは、ダイヤ改定が行われる来週に持ち越しになっています。
節目のはずの今日だけど、「普段着の新幹線」の1年目を見届けようと、あの日と同じ「つばめ320号」に乗りに行ってきました。
◆ ◆ ◆
早朝5時20分、車に乗って久留米の自宅を出発。1年前と同じ、NHKラジオ第1を聞きながら、早朝の209号線を下ります。
1年前は、冷静なNHK口調ながら混乱の最中にあったラジオでしたが、今年は落ち着いたトーン。それでも震災1年の話題が続き、「震収まり災収まらず」の今を伝えていました。
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昨年は記念行事は中止ながらも、コンコースには大勢のスタッフが予定通り配置され、見物人もちらほらいたものですが、今日はさすがにガランとしています。きっと普段通りの、早朝の筑後船小屋駅の姿でしょう。
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1周年記念の飾り付けはなく、各駅に飾られた ひな人形だけが、静かにお祝いの気持ちを伝えています。
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ホームにも、人っ子一人いません。僕と同じような考えで、1番列車を迎える人がちらほらいるかと思ったのですが、同じ思いを持っていたのは、僕に触発されてやって来た職場の先輩だけでした。
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自由席用2枚きっぷと同額の「ネットきっぷ」で予約した指定席は、無人。他の乗客は自由席に2人が姿を見せただけで、総勢4人が、1年目の1番列車を迎えた乗客でした。
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6時00分、筑後船小屋発。1年前、普段どおりの内容で終わった車内放送でしたが、今日も特別な言葉はありませんでした。
白み始めた平野を走り、久留米に到着。意外にも、指定席に家族連れや出張の会社員が乗り込んできました。この先、博多駅で「のぞみ」に乗り継ぐ人たちのようです。
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数分走れば、あっという間に新鳥栖。乗客は合わせて約25人と寂しい数ですが、早朝の始発列車とあっては仕方ないのかもしれません。昨年の1番列車でも、空席の方がはるかに目立っていました。
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トンネルを抜けて下り坂を駆け下り始めれば、那珂川町。車両基地に並ぶ新幹線が迎えてくれます。
博多駅到着前の車内放送は、1年前は津波警報によるソニックの運休を伝え、マイクの後ろ側では警報音が鳴り響くという穏やかではないものでした。今日は平穏に、いつも通りの放送でした。
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30分もかからず、あっという間に博多駅着。1年前、津波警報が発令される中でも通常通りのダイヤで走った新幹線は、今日も着実にダイヤ通りの運行でした。
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1年前は、青いJR西日本の看板が掲げられたホームに停車する800系に、相当な違和感を覚えたものでした。あれから1年、すっかり博多駅もホームグラウンドになったようです。
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しばらくして、隣のホームにやってきたのは「さくら401号」。下りの始発は「つばめ」なので、この列車が「さくら」としての1番列車だったのですが、1年前は空席を残して発車して行ったものです。
今日は通勤客に加え、受験に行く高校生も乗せて3~4割程度の乗車率。新幹線のある日常は、だんだんと定着しつつあります。
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レールスター、つばめ320号、さくら401号のそろい踏み。レールスターは「こだま」としての運行で、山陽新幹線も車両の世代交代が着実に進みつつあります。
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博多駅筑紫口コンコースでは、今週末に控えた100系・300系の引退記念パネル展も開かれていました。
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一方の博多シティ側には、1周年を記念した巨大な垂れ幕が登場していました。開業時には「祝!九州」特設コーナーが設けられ、放送が中止になった「祝!九州」のCM映像を見られる唯一の場所でしたが、1周年記念の飾りつけも、今日はここだけでの展開でした。
世相を反映してか「祝!九州」のような派手やかさはないけれど、この写真を元に作られるCMも、感動の作品になることを期待しています。
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使われることのなかったイベント会場の、撤収作業が行われていた1年前。今年は平日とあって、1年前よりも人通りは多いように感じました。
改めて犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、月並みな言葉ではありますが、被災地の復旧・復興と、1日も早い原発災害の収束を願って止みません。
そして僕自身が明日を生きていくために、子どもと孫の代の未来へと続くように、1年前に起きた数え切れない出来事を、決して忘れずにいたいと思います。
◆ ◆ ◆
ところで東日本大震災の翌日、九州新幹線は予定通り全線開業しましたが、開業記念行事は全て中止され、静かなスタートとなりました。
僕は、筑後船小屋発博多行きの一番列車「つばめ320号」の切符を取っていました。この列車を選んだのは、博多発の一番列車が取れなかったのも理由の一つでしたが、筑後平野に住む者として、筑後船小屋、久留米、新鳥栖にとっての一番列車こそ、待ちに待った開業を迎えるに相応しいと考えたのが一番の理由です。
11日の早々に、開業記念行事は中止ということが決まり、それも当然のことと受け止めていたのですが、「祝いの言葉がない開業」も一つの時代の記録と思い、予定通り乗りに行ってきました。
震災発生から15時間、被害の全容も見えず、原発も制御不能、さらには新潟県でも大地震が発生という、先の見えない不安を感じていた中での一番列車。数十年間待ちに待った気持ちも忘れ、高揚感も期待も感じない、ただの新幹線でした。
そして迎えた一周年という節目。震災の翌日ということもあってか祝賀行事は一切なく、出発式や一周年記念イベントは、ダイヤ改定が行われる来週に持ち越しになっています。
節目のはずの今日だけど、「普段着の新幹線」の1年目を見届けようと、あの日と同じ「つばめ320号」に乗りに行ってきました。
◆ ◆ ◆
早朝5時20分、車に乗って久留米の自宅を出発。1年前と同じ、NHKラジオ第1を聞きながら、早朝の209号線を下ります。
1年前は、冷静なNHK口調ながら混乱の最中にあったラジオでしたが、今年は落ち着いたトーン。それでも震災1年の話題が続き、「震収まり災収まらず」の今を伝えていました。
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昨年は記念行事は中止ながらも、コンコースには大勢のスタッフが予定通り配置され、見物人もちらほらいたものですが、今日はさすがにガランとしています。きっと普段通りの、早朝の筑後船小屋駅の姿でしょう。
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1周年記念の飾り付けはなく、各駅に飾られた ひな人形だけが、静かにお祝いの気持ちを伝えています。
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ホームにも、人っ子一人いません。僕と同じような考えで、1番列車を迎える人がちらほらいるかと思ったのですが、同じ思いを持っていたのは、僕に触発されてやって来た職場の先輩だけでした。
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自由席用2枚きっぷと同額の「ネットきっぷ」で予約した指定席は、無人。他の乗客は自由席に2人が姿を見せただけで、総勢4人が、1年目の1番列車を迎えた乗客でした。
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6時00分、筑後船小屋発。1年前、普段どおりの内容で終わった車内放送でしたが、今日も特別な言葉はありませんでした。
白み始めた平野を走り、久留米に到着。意外にも、指定席に家族連れや出張の会社員が乗り込んできました。この先、博多駅で「のぞみ」に乗り継ぐ人たちのようです。
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数分走れば、あっという間に新鳥栖。乗客は合わせて約25人と寂しい数ですが、早朝の始発列車とあっては仕方ないのかもしれません。昨年の1番列車でも、空席の方がはるかに目立っていました。
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トンネルを抜けて下り坂を駆け下り始めれば、那珂川町。車両基地に並ぶ新幹線が迎えてくれます。
博多駅到着前の車内放送は、1年前は津波警報によるソニックの運休を伝え、マイクの後ろ側では警報音が鳴り響くという穏やかではないものでした。今日は平穏に、いつも通りの放送でした。
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30分もかからず、あっという間に博多駅着。1年前、津波警報が発令される中でも通常通りのダイヤで走った新幹線は、今日も着実にダイヤ通りの運行でした。
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1年前は、青いJR西日本の看板が掲げられたホームに停車する800系に、相当な違和感を覚えたものでした。あれから1年、すっかり博多駅もホームグラウンドになったようです。
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しばらくして、隣のホームにやってきたのは「さくら401号」。下りの始発は「つばめ」なので、この列車が「さくら」としての1番列車だったのですが、1年前は空席を残して発車して行ったものです。
今日は通勤客に加え、受験に行く高校生も乗せて3~4割程度の乗車率。新幹線のある日常は、だんだんと定着しつつあります。
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レールスター、つばめ320号、さくら401号のそろい踏み。レールスターは「こだま」としての運行で、山陽新幹線も車両の世代交代が着実に進みつつあります。
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博多駅筑紫口コンコースでは、今週末に控えた100系・300系の引退記念パネル展も開かれていました。
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一方の博多シティ側には、1周年を記念した巨大な垂れ幕が登場していました。開業時には「祝!九州」特設コーナーが設けられ、放送が中止になった「祝!九州」のCM映像を見られる唯一の場所でしたが、1周年記念の飾りつけも、今日はここだけでの展開でした。
世相を反映してか「祝!九州」のような派手やかさはないけれど、この写真を元に作られるCMも、感動の作品になることを期待しています。
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使われることのなかったイベント会場の、撤収作業が行われていた1年前。今年は平日とあって、1年前よりも人通りは多いように感じました。