2月も終わりに近付いていますが、年末年始の旅のふりかえりもようやく佳境。仙台空港から九州へ帰るため、仙台駅から仙台空港鉄道に乗りました。
仙台空港の被害はニュースでも多く報じられてきましたが、空港に乗り入れる鉄道も、地下トンネルの水没や総合指令所の破壊など、壊滅的被害を受けました。それでも全線復旧は約半年後の10月1日と、被害の大きさを考えればかなりの早さだったと思います。
自動改札機に、多くの利用者が行き交う仙台駅。電車が到着する度に人波が押し寄せ、100万都市の交通インフラの勢いを感じます。東北本線の復旧は4月になってからで、これだけの利用がある鉄道が止まった影響も大きかっただろうと思いました。
さて空港鉄道の始発駅は東北本線の名取ですが、電車はすべて仙台駅に乗り入れ。2両ワンマンの電車は、帰省客でいっぱいです。
高架を走る空港鉄道の車窓からは、片付かない田畑や、ひっくり返ったままの車が見え、(恐らく地域外の人が大部分であろう)乗客も、神妙な視線で車窓に見入っていました。
仙台駅から25分で、空港着。わずか2両の電車とはいえ、満員の車内から一斉に降り立つと、結構な人波になります。
駅のコンコースでは、仙台空港鉄道の「復興への軌跡」として、写真展が開かれていました。
飛行機までは時間を取っていたので、まずは屋上の展望デッキへ。100円の入場料が要ります。
滑走路はすっかりきれいになり、大量の海水、土砂、がれきとともに飛行機が流されていたあの映像の姿から1年も経っていないとは、信じられないほどです。
津波からわずか数日で滑走路を復旧して災害支援の拠点になり、4月13日には臨時便として旅客便を再開、そして9月25日には空港機能が完全復旧。米軍の協力も得ながら成し遂げた偉業に、ただ頭が下がるばかりです。
空港の周囲にもレンタカー屋や駐車場が並び、周辺の経済活動も回っている様子。隣り合うように、被害を受けたままの家屋が残されているのが、仙台空港周辺の今です。
空港周辺を歩いてみても、様々な光景が「隣り合って」います。
できあがったばかりの駐車場の後ろに立つ、立ち枯れした木。
がれきの山の向こう側には、発着する飛行機。
家や木々が流され、さえぎるものがなくなった空港周辺は、日が陰ると強い風の冷たさが増してきます。
仙台空港だけは、何事もなかったかのように煌々と明かりを灯していますが、多くの人の努力の賜物であることを、忘れてはいけないと思いました。
お土産品があふれるターミナルビルで、ごっそりお土産を買い込んで、帰りの飛行機へ。本来、福岡行きはIBEXエアラインの運航なのですが機材故障とかで、昨年末にははやばやと欠航が決定。ANAの臨時便が、2時間遅れで飛びました。
福岡までは、あっという間の2時間。東北に比べれば暖かいかなと思った福岡は、期待したほどではありませんでした。