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大時計の前で待ち合わせたのが、近郊のラッパーズ・ヴィル在住のエリー(日本人)とマヌやん(スイス人)。我ら夫婦の共通の友人であるエリーの嫁ぎ先を訪ねるのも、今回の旅の大きな目的の一つでした。
再会(といっても先月福岡で会ったばかりですが)を喜びつつ、まずは地下のロッカー(6フラン=716円×2)に荷物を預け、街歩きに出発です。
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近郊で有効の1日乗車券(26フラン=3,100円)を手に、まずは近郊電車のSバーンに乗車。1日乗車券はずいぶん高い気もしますが、もともとスイスの交通費は高めなので、すぐに元は取れてしまうのだとか。
1駅のハートブリュッケで下車し、青空と予想以上の暖かさに驚きつつ歩くこと10分。チューリッヒデザイン美術館にやって来ました。
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スイスと世界のデザイン変遷史が分かる博物館で、特徴的なのは触ることができること。特に工業製品は、さわって分かる良さというのもあるので楽しめました。
館内は撮影禁止だったので、ホールを1枚。変哲もない蛍光灯も、リズム良く並べればデザインになることも分かりました(笑)。
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トラムに乗って市内へ。市営のトラムで、市内には13系統の路線が張り巡らされているそうです。
すべてが低床の新型車というわけではなく、「青胴」の旧型車も走っていて味があります。街中を貫通する鉄道橋の橋脚も石積みで、歴史ある街並みにマッチしていました。
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旧市街で下車。細い石畳の路地が網の目のように伸び、テレビの中で見る世界のようです。
開いている店が少ないのは、日曜日だからだとか。稼ぎ時に休むなんてと思いますが、日本も昔ながらの商店街だとそうですよね。休むべき時はしっかり休むのが、スイス流のようです。
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グロスミュンスターの大聖堂。11~13世紀ころの建築物で、塔は18世紀に再建されたものだとか。再建ですら18世紀なのだから、歴史の重みが感じられます。内部の撮影は禁止でしたが、ステンドグラスがきれいでした。
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聖堂の前から見下ろした、リマト川沿いの風景です。川沿いに立ち並んだ古い建築物を背景に、時間の流れを楽しむ人々。ゆるやかに走り去る、丸みを帯びたトラムがよく似合います。
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7系統が集うトラムの中心駅、ベルビュー。いろんな方向から、ひっきりなしに電車がやって来ます。これは日本最大の路面電車の街、広島でも見たことがない風景です。
70年代には地下鉄の計画もあったというチューリッヒですが、住民投票でトラムの存続へと舵を切ったという経緯があります。それだけにトラムの存在感と信頼は、大きなものがありそうです。
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電停を抜けると、セクセロイテン広場に出てきました。いかにも街の中心といった広場で、地べたに座っておしゃべりしている人々の姿が印象的です。芝生なら不自然ではないのでしょうが、硬い石畳の上というのが面白いところ。
屋内と屋外という違いはありますが、台湾・台北駅の大ホールに座り込む旅行者の姿を思い出しました。
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広場最寄りの、Sバーンのシュタデルホーフェン駅。駅舎は19世紀の歴史あるものですが、ホームはコンクリートと鉄骨でデザインされた現代的なもので、それが不思議とマッチします。
チューリッヒ駅までは、Sバーンで1駅。ここまですべてマヌやんの先導で電車に乗ってきましたが、適宜Sバーンとトラムを使い分けていて、効率的ながらも楽しいコースでした。
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チューリッヒ駅のロッカーから荷物を出して、再び地下のSバーンのホームへ。二人の住む街、ラッパーズ・ヴィルへはS5、S7の2系統の電車がありますが、最寄り駅のケンプラーテン駅を経由するのはS7系統のみです。
Sバーンは2階建て車両ばかりで、電車タイプのものと、機関車につながれた客車タイプの2種類があります。今度のSバーンは、後者でした。
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S7系統はチューリッヒ湖の湖岸を走り、夕暮れの時間とあって、きれいな風景を眺めることができました。30分毎の電車ですが、ラッパーズ・ヴィルまで行く場合でもこの系統がオススメとのこと。
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混み合っていた車内も、郊外に向かうにつれて空いてきました。駅前にはバスが待機していて、列車に接続してすぐさま発車していきます。
Sバーンも改札フリーの信用乗車方式なので、駅と街区を隔てるものがありません。バスと電車の乗り継ぎは、数歩で済んでしまうというケースもありそうです。運賃はなかなか高めですが、利便性の高さには目を見張るものがあります。
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車内のモニタでも、バスの接続状況は一目で分かるようになっていました。
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ケンプラーテン駅で下車。片面ホームがあるだけの、住宅街の中の無人駅です。
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駅からお宅までは、歩いて5分といったところ。引っ越して間もない新居です。広々としたリビングにアイランドキッチン、いいなあ。
さっそくスイスの郷土料理・ラクレットで、もてなしてもらいました。ジャガイモに溶かしたチーズを絡めて食べる、いかにもスイス料理といったメニューでおいしかったです。ただ、まだ時差ボケの解消には至っておらず、食事中にもうつらうつらする有様。まだまだ長い旅、早寝の失礼をお許し下さい!