随煩悩1:心には20もの現象的な煩悩がある

2006年04月06日 | メンタル・ヘルス



 これまで、マナ識の4つの根本煩悩、意識の6つの根本煩悩について学んできました。

 もうこれだけでも、嫌になってしまうくらい、人間の心のマイナス面をしっかりと、的確に、しつこいくらい見せつけられました。

 しかし唯識というドクターは、病気に関する情報提供をさらに詳しくやってくれます。

 たいていの、ふつうの人、つまり凡夫の日常にありふれた付随的な悩み=「随煩悩」が20種類もあるというんです。

 根本煩悩という病因があるんですから、いろいろ症状が出てくるのは当たり前といえば当たり前なんですが、それにしてもあまりにもはっきり詳しく言われると、そうとうショックです。

 この煩悩のリストは、私も読むたびに、あまりに自分の日常の心の状態に当てはまっていて、がっかり、うんざり、しょんぼりしてしまうほどです。

 いかり(忿・ふん)
 うらみ(恨・こん)
 ごまかし(覆・ふく)
 悩ませ悩むこと(悩・のう)
 ねたみ(嫉・しつ)
 ものおしみ(慳・けん)
 だますこと(誑・おう)
 へつらい(諂・てん)
 傷つけること(害・がい)
 おごり(憍・きょう)
 内的無反省(無慚・むざん)
 対他的無反省(無愧・むき)
 のぼせ(掉挙・じょうこ)
 おちこみ(惛沈・こんじん)
 まごころのなさ(不信・ふしん)
 おこたり(懈怠・けだい)
 いいかげんさ(放逸・ほういつ)
 ものわすれ(失念・しつねん)
 気がちっていること(散乱・さんらん)
 正しいことを知らないこと(不正知・ふしょうち)

 このリストを丁寧に読みながら、自己診断をしてみてください。

 一つも身に覚えがないという方はおられませんよね?

 ここで大切なのは、「そんなに強くはない」、「それほど頻繁ではない」というのを、心の中で「ない」と言い換えて誤魔化してしまわないことです。

 症状の程度は軽くてもあるものはある、少なくてもあるものはある、と判断-診断しないと、病気を見過ごしてしまうことになります。

 見過ごしてしまうと、当然、治療をしません。

 治療をしないと治りません。

 心の底から健康になって爽快な人生を送りたいのなら、心の病気の症状を見過ごさず、ちゃんと自覚する必要がある、ということなのです。

 慢性病のまま、うじうじ、ぐじぐじ、不快感や痛みはあるんだけれど、めんどくさい、こわいから、治療したいくないという方、強制はできませんが、でも治療したほうがいいんじゃないでしょうか。

 そのためには、症状をチェックして自覚したほうがいいんじゃないでしょうか。

 強くお勧めします。



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コメント (4)
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