暮・リヒテルのバッハを聴きながら

2006年12月25日 | Weblog






 リヒテルの、透明できらきらしていながら深みとどこか渋さも感じさせる「バッハ平均律ピアノ曲集」のCDを聴きながら書いています。

 特に嬰へ短調のプレリュードが、しみじみと美しく、1年を振り返る季節にぴったりです。

 この1年は、まず何よりもスウェーデン・イヤーでした。

 何度も書いたことですが、経済・財政と福祉と環境のみごとなバランス、ここまでやれる国があるという驚きと希望、そして日本の現状との落差にため息、という感じが続いています。

 それから、去年8月から始めたブログの記事を書き続けることにも、時間と精力をかなり注ぎました。

 ちょうど1年ほどで、コスモロジー教育=コスモス・セラピーと仏教-唯識について、できるだけわかりやすくしかも体系的に書くという作業は完了しました。

 続いて、環境について考えてきたこと(「自然成長型文明に向けて」とスウェーデンのこと)もまとめました。

 もちろん、シンポジウムの準備にはもっとも時間を費やしました。

 そんなこともあって(その他のこともあるのですが)、今年は1冊も本を出さずじまいになりました。

 こんなことでは物書きの端くれとしては生活にかかわるので、来年は何とかしたいと思っています。

 だいぶ前から懸案だったアドラーの翻訳から取り掛かろうかな……。

 それから『サングラハ』誌で連載した「落ち込みを克服する6つの方法」を単行本化できるといいのですが。

 「空」について、思想としてはかなりしっかりと理解できたつもりで、それがまちがいないかを確かめるためにちょっと見てみようと思った『摩訶般若波羅蜜経』が思いがけず興味深く、引き込まれて読み続けていて、全90品(「ほん」と読みます。現代風にいえば「章」のこと)のうち第70品にまで到達しました。

 年内に読了したいと思っていますが、いろいろな用事もあるのでどうなるでしょう。まあ、must化はしないことにしていますが、かなり強くpreferです。

 その影響を受けて、道元禅師『永平広録』は途中で止まってしまいました。これは、来年かな。

 帳簿のまとめ、レポートの評価、部屋の片付け、床のワックスかけ、エッセイを1本……ものすごく忙しいというほどではありませんが、そこそこに忙しい、でもちょっと考えたり、感慨にふけったりする時間もある、いい暮れにできそうです。

 でも、出産をひかえているので大事をとって長女夫婦と孫娘がこの暮正月は帰ってこないのと、次女も仕事のつごうで31日の夜にしか来られないので、ちょっとさみしい気もする暮です。




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コメント (6)
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