里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

クサギの実 二色効果

2017-02-06 | 日記
十三浜地区の漁港近くの崖下や、国道の法面にクサギが自生しているのを
花の季節に見つけていましたから、今年こそ青い実を撮りたいものと、タイミングを
見計らっていました。昨年訪れたときは、野鳥に食べられたのか青い実が残っておらず、
赤紫色のガクだけになっていて、残念な思いをしましたからね。
それで、昨年よりは半月ほど早く訪れてみました。




                            二枚とも2016.10.10撮影

藍色の実の周りにある、赤紫色の星型は萼片です。藍と赤のコントラストで2色効果を
出していて、それに鳥が引寄せられ、食べられる確率が高くなるわけです。
勿論、鳥を利用して種子を散布する戦術ですね。
果実は核果で、藍色の果皮の中に固い核がふつう4個入っていて、種子はその内に
収まっています。

なお、青い外果皮は草木染めに利用され、きれいな青色に染まるといいます。
小さなハンカチを染めるならともかく、衣服にする布を染めるとすれば、大量の果実を
集めなければなりません。暇人の私でも気が重くなりますね。


                                2016.10.10撮影

クマツヅラ科クサギ属の落葉広葉樹で、樹高3~4mの低木。
日本全土に分布し、丘陵から山地の林際や伐採跡地、道路法面などに自生する。
樹皮は暗灰色~灰褐色で縦の皮目があり、成木になると鱗片状に剥落する。
葉は対生し、葉身は広卵形で長さ8~15cm、幅5~10cm、先端は尖る。
縁には低い鋸歯があり、葉柄は5~10cmで軟毛がある。
新枝や葉を傷付けると、青臭い不快な臭気がある。
花期は7~9月で、枝先や上部の葉腋から集散花序を出し、芳香のある花を多数付ける。
花冠は白色で5裂し、裂片は平開、長さ1.1~1.3cmの広線形。
雄しべ4個と花柱は、花冠から2.5~3.5cm突き出る。
花筒は紅紫色で細く、長さ2~2.5cm、萼は紅紫色で浅く5裂する。
花後の萼は濃い赤紫色になり、深裂して平開し、中央に果実を載せる。
果実は青色の核果で、4個の核が合着して球形になっている。




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