里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ノコンギク 変化の多い花

2017-03-23 | 日記
石巻市北上町十三浜地区の大指漁港から小滝漁港まで、海沿いに細い林道が
通っています。この辺りでは今がノコンギクの盛期なので、林道沿いに咲いている
花の、色や形の違いに注目して観察してみました。
林道沿いには耕作放棄地が点在していますが、放棄されてから10年以上経つ
のでしょうね。背高の草には蔓草が絡まり、周囲の林から潅木が侵入し、すっかり
荒れた原野に戻ってしまい、平坦なことを除けば農地だった面影はありません。
そんな荒れ野に隙間を見つけては、あちこちにノコンギクが群れ咲いています。


                            写真① 2015.10.12撮影

この林道沿いのノコンギクの花は、舌状花の長さが標準より長めで、幅が狭い
ようです。ただ、同じ農道沿いでも、花色の変化が多いですね。
写真①は淡い青紫色、写真②③は白色、写真④は淡い紫色と、咲いている地点
によって少しずつ変化が見られます。


                            写真② 2015.10.12撮影


                            写真③ 2015.10.12撮影

別の山域や海岸で観察すれば、舌状花がもっと短かったり、幅が広かったりと、
より大きな変化がある場合もあります。
さらに、葉の形状や長さ・幅の違いも生じてきますから、「ノコンギク」で一括りに
できない面白さがあります。


                          写真④ 2015.10.12撮影

キク科シオン属の多年草で、本州~九州に分布する。
日当たりの良い山野、路傍や河川敷等に自生し、 草丈は50~100cm。
地下茎を伸ばしてふえる。茎は直立して上部でよく分枝し、短毛が密生する。
根生葉は卵状楕円形で、花の頃には枯れている。
茎葉は互生し、葉身は長楕円形で長さ6~12cm、幅3~5cm、先端は尖る。
縁に疎らな浅い鋸歯があり、葉の両面に短毛が生え、触るとざらつく。
花期は8~11月で、茎頂や枝先に散房花序を出し、直径2.5cmほどの頭花を多数付ける。
頭花には筒状花と舌状花があり、内側の筒状花は黄色、外側の舌状花は淡青紫色が
多いものの、白色や紫色など変化に富む。総苞片は緑色で、上部は紅紫色になる。
痩果は扁平で、長さ1.5~3mm、上端に長さ4~6mmの冠毛がある。


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