里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

タカサブロウ 野草の名前

2017-02-06 | 日記
朝晩は膚寒くなってきましたから、散歩も何となく町の南側へ足が向いてしまいます。
郊外の稲田の中を歩いていると、道路沿いの畔に白い小さな花が咲いています。
しゃがみこんで観察すると、休耕田などで時々見かけるタカサブロウの花ですね。
小さな頭花ですが、中心の筒状花と周りの舌状花がちゃんと見分けられます。




                             二枚とも2016.10.5撮影

タカサブロウは明らかに人の名前からきたものでしょう。
漢字表記すれば「高三郎」、どんな人物なのか、どんないわれで野草の名前になった
のか、判っていないそうです。
でも「慎太郎」とか「益次郎」などと付けられると、地域や団体によっては「憎っくき敵」
とばかりに、足蹴にするやもしれませんから、タカサブロウで良かったとしましょう。

人名ではなく、薬効に由来する名とする説もあります。
この野草は古くから目のただれを治す薬草として知られていて、古語では皮膚のだだれ
などをタタラビと言い、ただれを治す草からタタラビソウと呼ばれ、これが転訛(てんか)
して、タカサブロウになったのだとか。


                                 2016.10.5撮影

キク科タカサブロウ属の一年草で、本州~沖縄に分布するが、史前帰化植物とする
説もある。水田や畔、水路沿いなどに自生する水田雑草の一つで、草丈は20~70cm。
茎は紅紫色で、伏した剛毛がある。茎の下部は横に這い、枝分かれし、上部は直立する。
葉は対生し、葉身は披針形で長さ3~10cm、先端は尖る。縁には低い鋸歯があり、やや
不規則に波打つ。葉柄はない。葉の両面には伏毛があり、ざらつく。
花期は8~10月で、枝上部の葉腋から花柄を伸ばし、直径1cmほどの頭花を付ける。
頭花は周りに白色の舌状花が2列に並び、内側に緑白色の筒状花が付く。
舌状花冠は細く、管状花冠は先が4裂する。
舌状花の痩果は3稜形、筒状花の痩果はやや扁平な4稜形。


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