白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

白馬三山~大雪渓の上を涼風が渡って行った

2015年08月07日 18時22分00秒 | 登山

8月6日は広島に原爆が落された日。

追悼の気持ちを抱きながら、白馬三山の縦走に出かけた。

登山口の猿倉まではバイクで行ったので、満車状態の駐車場に停められた。

今また登山ブームなのだろう。午前5時半だが、猿倉荘の前にはたくさんの登山者が準備をしていた。

ほとんど登山届など出したことが無いのだが、今回は指導員が二人、しっかり見張っていたので登山届を書いた。

猿倉から大雪渓を登り、白馬岳~杓子岳~白馬鑓ヶ岳~鑓温泉~猿倉のコース。

それを見た指導員は、「え!これを日帰りでやるんですか?このコース行ったことはあるんですか?』

やや詰問口調で言う。それはそうなのだろう。ガイドブックには2泊3日のコースになっている。

このコースはほとんど毎年行っているということで納得してもらう。

 

登山道を40分ほど歩くと白馬尻に着く。ここからは白い雪が谷を埋め尽くす大雪渓が見える。

ベンチに座って涼風に吹かれながら、ここで1日を過ごしても飽きないだろう。

今日は黙って通過。ひたすら山頂を目指す。

 

大雪渓の上を涼風が吹き渡って行った。

天然のクーラーは最高だ。

僕が登っていく時間帯は、この雪渓は大体晴れているが、登り切って山頂から見下ろすといつも霧が巻いて来る。

それがこの谷の生理なのだろう。

 

樹林帯があり、雪渓があり、お花畑があり、岩場があり、温泉がある。

このコースには山の魅力のほとんどすべてが詰まっている。

全国から登りに来る人たちが絶えないのも無理はない。

この山に毎年登れるのも信州に住んでいるからだ。

一番最初に登ったのは、もう40年程前のことだ。

あの頃一緒に登った人たちの中で、今も山に登り続けている人はほとんどいない。

 

頂上直下にある山荘は静かだった。

宿泊者は既にたち、この日の宿泊者はまだ来ない。

ここから見る杓子岳、白馬鑓ヶ岳の姿は格別だ。

 

稜線にはトウヤクリンドウが咲いている。他にも色とりどりの高山植物が咲いてにこやかに迎えてくれる。

 

 

最近は夕立が午後早くにやって来る傾向がある。前日は13時30分にやって来たという。

白馬山頂には9時頃着いた。10分程の滞在で先を急ぐ。

杓子岳は何度も登っているので、頂上には寄らずトラバース。

白馬鑓ヶ岳を経て、岩場混じりの急な斜面を下り、鑓温泉には12時に着いた。

温泉に入ろうと思ったが、結構混んでいたのでパス。

ここからの下りが嫌になるほど長い。尾根をいくつも越え、雪渓を横切り、樹林帯の中を歩く。

猿倉には14時着。

バイクで15分程下ったところに、大日方の湯という露天風呂がある。

そこで汗を流し、体をほぐす。

夕立にも合わず、予定通りの時間で行動出来て満足のいく山旅だった。