ちょっと真面目なお話・・・
平昌オリンピックでは日本選手の活躍がとても素晴らしかったです。また日本選手に限らず他国の選手や或いは予選落ちしたようなレベルの選手であってもさすがオリンピックに出場する選手というのはスゴイなぁと率直に感心させられました。
それで何に「スゴイ」と感じたかというと、カッコイイとかカワイイとかそういうミーハーなことでは勿論なく、当たり前のことであるがあくまでも競技者としての体力、技術そのものについてである。一体どれほどのトレーニングを行い、経験を積めばあのようなレベルに達することが出来るのか?
話は変わって、前記したオリンピックなどを始めとする「競技スポーツ」に対して、「登山」というのは少し異なり「生涯スポーツ」とされている。生涯スポーツの概念がそもそも「老若男女、だれもがスポーツに楽しみを求め、健康づくりや社交の場として行うスポーツ、身近な生活の場に取り入れられているスポーツ」ということである。ただここでややこしいのが、登山というのは非常に分類が多く、それこそ里山歩きからハイキング、一般登山、雪山登山を含む本格的登山、アイスクライミングやロッククライミング、山岳登攀、高所登山、果ては海外の高峰の極限的登攀まで・・・等々と多種多様である。そこで前記の生涯スポーツとしての概念に照らし合わせてみると生涯スポーツと言えるのはハッキリ言って里山歩きやハイキングまでのことであって、それ以上の本格的登山やクライミング、山岳登攀、高所登山になるともはや生涯スポーツというものではなく、限りなく競技スポーツに似た挑戦的スポーツ(勝手な造語ですみません。今まで以上のことに挑戦する。今まで出来なかったことが出来るようになる為に努力するなど)というものになってくると言えます。
そういうことを前提とした上で今回のタイトルの「登山に必要な体力、技術を身に着けるということ」を記したいと思います。
僕は自分自身のことを話したりするのを極度に嫌う人間(秘密主義??)なので、今までに人にこういう話をしたことが殆どありませんが、一応指導したり、導いたりしている人間の責任や役目として登山に取り組むにおいての意識や考え方、自分が行ってきた経験や実践していることを伝えていくことも必要かなと最近考えています。
よく当方の山行に参加される方々から頻繁に言われることが「体力に自信がない・・・」「なかなか○○(技術に関すること)が出来るようにならない・・・」などです。ただそれを聞く度に「何か体力トレーニングしてますか?」「満足に出来るようになるくらい数こなしました?」と思う次第です。「体力に自信がなければ体力を向上させるしかない」、「技術に関することが出来ないのであれば技術を向上させるために反復練習を繰り返すしかない」。もっと簡単に言うと「出来ないことが出来るようになるには努力するしかないでしょ!」とズバリそれだけのことなのです。
よく「江口さんはスゴイ体力ありますよね!」「登り方スゴイ綺麗で上手ですね!」などと褒めて(?)いただくことがありますが、それはそれだけ長い期間実践して経験を重ねてきているということが勿論ですが、それ以上にその裏で常日頃から努力しているからその結果に他ならないのです。しなかったらズバリただの中年オヤジです! たまに経験の浅い方がそこそこ難しい所をパッパッと上手に登られるのを見たりすると「嗚呼、僕なんかこれだけ登り込んでようやくこれなのにスゴイなぁ~ なんか僕はマジで素質ないのかなぁ~」と正直落ち込んだりすることも多々あります。
話が逸れましたが、もし今現在自分のめざす目標の山やコース、夢があって、けれども不足しているものがあると思うならとにかくトレーニングされることをお勧めします。例えば8の字結びが出来るようになりたければとにかく何十回、何百回と反復トレーニングすれば出来るようになります! 体力を付けたければトレーニングすれば体力はつけれます! 簡単なことはそのようにトレーニングをしてでも自分を高めたいと思うか、それともトレーニングしてまでも高めたいと思はないか。それだけのことです。ただ一つ大事なことは登山の場合は不足していることがあれば場所が場所だけに重大且つ致命的なことに繋がりかねないということです。そういうことからすると本格的登山を志す方は心して取り組む必要があると言えます。
ちなみに僕の場合は①プロの山岳ガイドとして安全に仕事を遂行する為に、②一人の登山者として今現在以上に成長したい(より挑戦的なことをしたい)という2つのことにおいて必要な体力や技術を維持、向上させる為に日頃からトレーニングに励んでいます。
仕事柄日常的に数多く山に登っています。特に僕の場合はロープを使うような本格的登山が9割以上です。従ってザックリですが本格的登山を含めた登山活動を熱心に行われている一般の方の10年分位を1年で行っているという自負があります。日常的にそれだけ密度の濃い登山を行っていますがそれだけではとても足りないのでそれら山行の合間に下記トレーニングを行っています。
ちなみに僕が通常行っているトレーニング
※時期によって内容は異なります(特にクライミング系は)。あくまでこのブログを書いている本日現在の内容です。
※名称等は専門用語を使うと分かり辛いのでいわゆる一般的な呼ばれ方で書いています。
※山行続きで現地滞在の場合は宿泊先の部屋、温泉施設のスペース等を利用して行っています。
※あくまでも僕が僕の体と相談しながら考えて行っているトレーニング内容を紹介しているだけなので同じことを真似されませんように。
■体力に関すること
*ランニング(約7km/週3回)
*筋トレ(バーベルやマシン等を使用しないで自分の身体だけを使った自重トレーニング/下記内容を週2~3回)
・腹筋(55回×2種類×3セット)
・背筋(50回×3セット)
・腕立て伏せ(50回×3セット)
・スクワット(100回×3セット)
・踵の上下(段差に立って 60回×3セット)
■技術に関すること
*クライミング(特にボルダー的なこと。自宅ホームボルダー壁での登り込み/週2~3回)
*ダブルアックスでの素振り(100回×5セット/週3回/主に冬季間のみ)
*ロープワーク(束ね方や結び方、セッティングなど)
■柔軟性に関すること
*ストレッチ(全身を所要約1時間×週3回)
登山を始めて29年です。ほぼ間を開けることなく頻繁に登ってきて、トレーニングをしてきて、それでもなお満足の行く登りが出来たと思えたことは僅かです。例えば赤岳鉱泉に至るアプローチでさえも「もっと上手く歩くことは出来ないのかな~?」といつも考えながら歩いています。 赤岳鉱泉から中山乗越への登りでさえも「シンドイなぁ~もっと体力を付けねば!」と思うことはしょっちゅうです。
ましてやより本格的技術としてのことになると尚更です。例えば懸垂下降技術。今までに数千回は行ってきていますが今までに緊張しなかったことはないし、いつももっと上手く出来ないものかと考えながら行っています。それにポカミスのようなヘマをすることも多々あります。雪山でのテント設営、撤収においても何百回と行ってきてるがそれでも「完璧」と思えたことは一度もありません。
これだけやってきてもですよ!!!
習うことは簡単、しかしそれを自分のものにするということ(身に着ける)は本当に難しいのです。
でも今まで出来なかったことが出来るようになろう! 今まで以上の自分になりたい! と思うなら当たり前のことなのです。
その為には努力するしかない。そしてそうやって手に入れるからこそ満足や喜びも大きいのです。
もしご自身において体力、技術を身に着けたいと望まれるなら、トレーニングを行いましょう!
但しご自身がめざす目標や夢に合わせた内容で行うようにしてくださいね。あくまでの登山において体力、技術を身に着けるためのトレーニングですから。トレーニングの為のトレーニングとなっては本末転倒ですからね。
頑張りましょう!
熱く・楽しくいこう!
平昌オリンピックでは日本選手の活躍がとても素晴らしかったです。また日本選手に限らず他国の選手や或いは予選落ちしたようなレベルの選手であってもさすがオリンピックに出場する選手というのはスゴイなぁと率直に感心させられました。
それで何に「スゴイ」と感じたかというと、カッコイイとかカワイイとかそういうミーハーなことでは勿論なく、当たり前のことであるがあくまでも競技者としての体力、技術そのものについてである。一体どれほどのトレーニングを行い、経験を積めばあのようなレベルに達することが出来るのか?
話は変わって、前記したオリンピックなどを始めとする「競技スポーツ」に対して、「登山」というのは少し異なり「生涯スポーツ」とされている。生涯スポーツの概念がそもそも「老若男女、だれもがスポーツに楽しみを求め、健康づくりや社交の場として行うスポーツ、身近な生活の場に取り入れられているスポーツ」ということである。ただここでややこしいのが、登山というのは非常に分類が多く、それこそ里山歩きからハイキング、一般登山、雪山登山を含む本格的登山、アイスクライミングやロッククライミング、山岳登攀、高所登山、果ては海外の高峰の極限的登攀まで・・・等々と多種多様である。そこで前記の生涯スポーツとしての概念に照らし合わせてみると生涯スポーツと言えるのはハッキリ言って里山歩きやハイキングまでのことであって、それ以上の本格的登山やクライミング、山岳登攀、高所登山になるともはや生涯スポーツというものではなく、限りなく競技スポーツに似た挑戦的スポーツ(勝手な造語ですみません。今まで以上のことに挑戦する。今まで出来なかったことが出来るようになる為に努力するなど)というものになってくると言えます。
そういうことを前提とした上で今回のタイトルの「登山に必要な体力、技術を身に着けるということ」を記したいと思います。
僕は自分自身のことを話したりするのを極度に嫌う人間(秘密主義??)なので、今までに人にこういう話をしたことが殆どありませんが、一応指導したり、導いたりしている人間の責任や役目として登山に取り組むにおいての意識や考え方、自分が行ってきた経験や実践していることを伝えていくことも必要かなと最近考えています。
よく当方の山行に参加される方々から頻繁に言われることが「体力に自信がない・・・」「なかなか○○(技術に関すること)が出来るようにならない・・・」などです。ただそれを聞く度に「何か体力トレーニングしてますか?」「満足に出来るようになるくらい数こなしました?」と思う次第です。「体力に自信がなければ体力を向上させるしかない」、「技術に関することが出来ないのであれば技術を向上させるために反復練習を繰り返すしかない」。もっと簡単に言うと「出来ないことが出来るようになるには努力するしかないでしょ!」とズバリそれだけのことなのです。
よく「江口さんはスゴイ体力ありますよね!」「登り方スゴイ綺麗で上手ですね!」などと褒めて(?)いただくことがありますが、それはそれだけ長い期間実践して経験を重ねてきているということが勿論ですが、それ以上にその裏で常日頃から努力しているからその結果に他ならないのです。しなかったらズバリただの中年オヤジです! たまに経験の浅い方がそこそこ難しい所をパッパッと上手に登られるのを見たりすると「嗚呼、僕なんかこれだけ登り込んでようやくこれなのにスゴイなぁ~ なんか僕はマジで素質ないのかなぁ~」と正直落ち込んだりすることも多々あります。
話が逸れましたが、もし今現在自分のめざす目標の山やコース、夢があって、けれども不足しているものがあると思うならとにかくトレーニングされることをお勧めします。例えば8の字結びが出来るようになりたければとにかく何十回、何百回と反復トレーニングすれば出来るようになります! 体力を付けたければトレーニングすれば体力はつけれます! 簡単なことはそのようにトレーニングをしてでも自分を高めたいと思うか、それともトレーニングしてまでも高めたいと思はないか。それだけのことです。ただ一つ大事なことは登山の場合は不足していることがあれば場所が場所だけに重大且つ致命的なことに繋がりかねないということです。そういうことからすると本格的登山を志す方は心して取り組む必要があると言えます。
ちなみに僕の場合は①プロの山岳ガイドとして安全に仕事を遂行する為に、②一人の登山者として今現在以上に成長したい(より挑戦的なことをしたい)という2つのことにおいて必要な体力や技術を維持、向上させる為に日頃からトレーニングに励んでいます。
仕事柄日常的に数多く山に登っています。特に僕の場合はロープを使うような本格的登山が9割以上です。従ってザックリですが本格的登山を含めた登山活動を熱心に行われている一般の方の10年分位を1年で行っているという自負があります。日常的にそれだけ密度の濃い登山を行っていますがそれだけではとても足りないのでそれら山行の合間に下記トレーニングを行っています。
ちなみに僕が通常行っているトレーニング
※時期によって内容は異なります(特にクライミング系は)。あくまでこのブログを書いている本日現在の内容です。
※名称等は専門用語を使うと分かり辛いのでいわゆる一般的な呼ばれ方で書いています。
※山行続きで現地滞在の場合は宿泊先の部屋、温泉施設のスペース等を利用して行っています。
※あくまでも僕が僕の体と相談しながら考えて行っているトレーニング内容を紹介しているだけなので同じことを真似されませんように。
■体力に関すること
*ランニング(約7km/週3回)
*筋トレ(バーベルやマシン等を使用しないで自分の身体だけを使った自重トレーニング/下記内容を週2~3回)
・腹筋(55回×2種類×3セット)
・背筋(50回×3セット)
・腕立て伏せ(50回×3セット)
・スクワット(100回×3セット)
・踵の上下(段差に立って 60回×3セット)
■技術に関すること
*クライミング(特にボルダー的なこと。自宅ホームボルダー壁での登り込み/週2~3回)
*ダブルアックスでの素振り(100回×5セット/週3回/主に冬季間のみ)
*ロープワーク(束ね方や結び方、セッティングなど)
■柔軟性に関すること
*ストレッチ(全身を所要約1時間×週3回)
登山を始めて29年です。ほぼ間を開けることなく頻繁に登ってきて、トレーニングをしてきて、それでもなお満足の行く登りが出来たと思えたことは僅かです。例えば赤岳鉱泉に至るアプローチでさえも「もっと上手く歩くことは出来ないのかな~?」といつも考えながら歩いています。 赤岳鉱泉から中山乗越への登りでさえも「シンドイなぁ~もっと体力を付けねば!」と思うことはしょっちゅうです。
ましてやより本格的技術としてのことになると尚更です。例えば懸垂下降技術。今までに数千回は行ってきていますが今までに緊張しなかったことはないし、いつももっと上手く出来ないものかと考えながら行っています。それにポカミスのようなヘマをすることも多々あります。雪山でのテント設営、撤収においても何百回と行ってきてるがそれでも「完璧」と思えたことは一度もありません。
これだけやってきてもですよ!!!
習うことは簡単、しかしそれを自分のものにするということ(身に着ける)は本当に難しいのです。
でも今まで出来なかったことが出来るようになろう! 今まで以上の自分になりたい! と思うなら当たり前のことなのです。
その為には努力するしかない。そしてそうやって手に入れるからこそ満足や喜びも大きいのです。
もしご自身において体力、技術を身に着けたいと望まれるなら、トレーニングを行いましょう!
但しご自身がめざす目標や夢に合わせた内容で行うようにしてくださいね。あくまでの登山において体力、技術を身に着けるためのトレーニングですから。トレーニングの為のトレーニングとなっては本末転倒ですからね。
頑張りましょう!
熱く・楽しくいこう!