ボクシングの元ジュニアミドル級・世界チャンピオンだった輪島功一さんが
「ボクシングのスピードには2つある。
1つはパンチのスピード
もうひとつは体のスピード」
とコメントされていたことを、ふと思い出しました。
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普段、“技”とか“技術”とか何気に使っていますが、これにも2つの意味があります。
1つは、背負い投げとか内股とか、私たちが一般的に“技”と言っているもので説明の必要はないでしょう。
もう1つは、姿勢であるとか、力を発揮しやすく且つ相手に力を最大限伝える強い関節角度のことです。
ロシアンパワー養成法の156ページをご覧ください。あの握り方・肘の角度が相手の攻撃を防ぎ、自分に有利な体勢を導き出しています。
掴みかたと強い関節角度であって、投げとか関節技ではありませんが、あれも、れっきとした“技”なのです。
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一般的な“技”を習得し、実力を向上させるには、正確さと戦術の緻密さが重要です。したがって練習では負荷をかけた方法や実戦ではあり得ない不自然な反復練習を行ってはいけません。
ロシア式トレーニングは、もう一つの“技”を習得するために、とても効果的だと思っています。(力の伝え方は前者の“技”にも活かされますが)
一般的な“技”が正確な反復練習によって習得できるように、もう一つの“技”も正しい動作の繰り返しによって、身につくのです。
特にトレーニングらしき事をしていないのに、力が強い選手は、何らかの事情(環境や習慣など)で後者の“技”が備わっていると考えるべきです。
しかし、もともと力が強い選手は、体力を高める方法を行わないため、最終的には正しいトレーニングをしている選手に負けることになるでしょう。
また、従来のウエイトトレーニングで結果を残している選手も確かにいます。しかしながら、そういった選手はトレーニングで筋力を高め、実戦では効率の良い力の伝え方に切り替えられるごく一部の天才であり、真似をしてはいけないと私は思います。
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