サンビストらしい身のこなし方を体得する為に、準備運動の段階でマット運動やサンボ独特の肩回し運動、腰フリ動作などを行うように指導していますが、セミナー等で「一人の時できる、簡単な運動法はありますか?」と聞かれる事がよくあります。その時、私は相撲の「四股踏み」と「鉄砲」が良いのではないですかと言うと皆さん意外な顔をされます。確かにロシア生まれの技術を指導している私が日本人であれば誰でも知っているような運動法を教えれば、その反応は当然といえば当然なのかも知れません。
前にも書いたと思いますが、日本人は元々体の使い方が下手な民族であったと思っています。この意見には異論もあるでしょうが、伝統的な空手や合気道、そして相撲の準備運動がどれも独特で、それに時間をかけていた事を考えると、戦う為に必要な体の使い方に矯正する方法が、日本の伝統的な武道の準備運動なのではないかと思うのです。
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またまた、昭和25年発行の「相撲」からですが、鉄砲はカッコして体調運足運動と書いてあります。
(鉄砲というよりも、体調運動といったほうがよいかもしれない。一般にはあまり用いられてないのであるが、専門力士は実に重要なものとして実行している。なぜかというと、相撲には最も重大な手足の運行を必要とするからである。すなわち、右手は右足と共に進退し、左手は左足と共に進退するのである。)秀ノ山勝一著 相撲より引用
ロシアに渡った時、何事においても教わる事ばかりだった私ですが、相撲の四股と鉄砲だけは、そのやり方にロシアの選手も興味が湧いたらしく、唯一教える事が出来たという懐かしい思い出があります。
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