旧ソ連で生まれた格闘技『サンボ』の研究所

サンボの技術・トレーニング法を徹底的に研究します。

おすすめの一冊

2004-11-30 11:55:46 | サンボの技術
 サンボの組み手は柔道とも違いますし、レスリングとも違います。サンボは組み手について、かなりルールが緩やかです。そのルールを利用していかないとサンボで勝ち続けるのは難しくなってきます。

 しかし、だからといって柔道やレスリング、或いは他の格闘技を研究する必要がないかと言うと、けっしてそうではありません。

 特に昔の柔道などは、キチンと組み合うなかで組み手をどうするか。という事については見習うべきところは沢山あり、サンボの選手も勉強しなければいけないと考えています。

 そこで今日は私のおすすめの本を紹介しようと思います。

 「柔道立技テクニック」著者:池田光輝

 柔道の本は数あれど、この本は、組み手について40ページ以上も書かれてあると言う、他の本にはない特徴があります。技について解説している本は沢山あって選ぶのに困るくらいですが、組み手についてここまで書いてある本は、私は見たことがありません。

 イラストによる解説ですが非常にわかりやすく勉強になる本です。

 トレーニングなどの考え方もシンプルで、恩師ニコライ・クーリック先生を思い出さずにはいられない内容でした。

 まだ見たことがない方の為に、サンボラボHPのアマゾンから注文出来るようにピックアップしておきましたので、是非どうぞ。

試合での注意事項 その2

2004-11-29 17:00:11 | サンボの技術
        -------注意事項 その2----------

          ■可能な限り中央で戦う■

 これは実際にあった話です。ある試合で、私は何度も関節で極めるチャンスがあったにも拘らず、逃がしてしまい、試合時間が残り30秒までノーポイント、非常に焦り、又、てこずっていた事がありました。

 周りは「足立!足技だ!」とか「巴から関節だ!」とかアドバイスがとんでくるのですが、私は、なかなか極まらず残りもあとわずかですから、焦り、そのアドバイスもイライラしながら聞いていました。

 その時、ふとマットの脇に目をやると、先輩サンビスト、小林伸郎さんの姿がありました。

 小林さんは日体大の柔道部一軍選手だった人で、同期には柔道の古賀稔彦さん、サンボの萩原幸之助さんなどがいらっしゃいます。サンボの世界では全日本3連覇、世界のサンボ大会でも輝かしい記録を残された伝説的なサンビストです。スキーをこよなく愛す風来坊で、東北なまりの話し方はみんなに好かれていました。

 もつれて場外に出た時、私は大きく回って小林さんの前をわざと、通りました。小林さんは例の東北なまりでポツリと「足立ー、相手逃げてるからー、真ん中で戦えー」

 この一言で私はハッと気づいたのです。「そうか!極まらないのは相手が自分の関節を恐れて、わざと場外近くで戦ってたんだ」と。次の瞬間、マットの中央で関節による一本勝ちを収めたのは言うまでもありません。

 「やっぱり天才は見るところが違うんだな」と感心するのと同時に、戦う場所を頭に入れてやらないと、勝てる試合でも勝てなくなると言う、試合での注意を学んだ出来事だったのでした。
 

学生選手権の感想

2004-11-28 16:36:13 | サンボの技術
 本日、スポーツ会館において学生選手権がありました。
ほんのちょっとしか、見る事が出来なかったのですが、私なりの感想を述べたいと思います。

 まず、柔道対レスリングといったようなものが減り、サンボの試合になってきている感じを受けました。そして、昔だったら柔道の組手でも勝てたような選手が負けてしまうような、試合も見受けられました。非常にいい傾向の様に思います。
 しかし、タックルを多く使う選手で気になったのが、まだレスリングのタックルそのまんまで、サンボ着を上手く使いこなせてない感じを受けました。離れた所からの単調な攻めだけでなく、サンボ着を上手く利用して攻めたり、足取り等も出来れば、もっと面白い試合が出来ると思います。

 関節技の技術について言えば、まだまだ研究不足のように思いました。テクニカルで勝つ選手がかなりいたのですが、実力があるのですから、もっと関節を磨けば、試合時間は短く、楽に勝ちあがれるのではないかと思います。

 久しぶりに見たサンボの試合でしたが、選手のレベルも上がっていて興味深く、面白い1日でした。


試合での注意事項 その1

2004-11-28 07:17:46 | サンボの技術
 練習と試合、前にも書きましたように、この2つは同じでなくてはいけないと思います。練習の時は、常に試合のことを考えて、逆に試合の時は練習でやってきたことをそのまま出して戦う。

 とはいえ、実際試合になると、練習の時とは少し違ってくるのは(自分あるいは相手の精神状態など)仕方ないことなのかもしれません。

 私自身、試合の時と、練習の時の感覚のズレから、大事な場面で勝てないことも、しばしばありました。

 私が試合の時に注意していたことや、後からビデオで観て気づいたことなどを何回かに分けて公開しようと思います。

----------注意事項 その1------------------

 ■試合で関節を極めた時、10秒数える■

 試合の時は相手もそうですが、自分も興奮しています。
練習ですぐに一本取れるような技でも、相手は負けたくないと、我慢することもありますし、興奮によって痛みへの反応が鈍くなくこともあります。そんな相手を見ると「あれ!この技、効かないのかな?」なんて、すぐに別の技に移行してしまいますが、これは間違いです。
 練習でキチンと極める事が出来る技なのですから、試合でも当然極まります。ただ相手の反応が鈍いだけです。
 試合の時、ずっと極めていたにもかかわらず相手が「まいった」しなくて別の技に移行した、というものを、後になってビデオで観ると、結構長い間極めてたと自分では思っていても、一瞬の事だったりします。やっぱり試合では、自分も興奮しているんです。
 ですから、試合で関節技を極めた時、10秒くらい数えてみましょう。それでも相手が「まいった」しなければ、その時別の技を考えてください。あまりない事だとは思いますが・・・。