旧ソ連で生まれた格闘技『サンボ』の研究所

サンボの技術・トレーニング法を徹底的に研究します。

基礎技術と戦術

2022-03-29 17:30:00 | サンボの技術
柔道に無いような

投げ技なんかをやって

「これがサンボです」

みたいにやっている方もいますが

あくまで基礎技術だけなので

サンボを紹介していることにはならないと

ワタシは考えています。

動画で解説している隅返しや足取りなども

単に投げだけを説明してもサンボ的な説明ではありません。

投げの基礎技術と戦略的準備の方法を説明しないと

ただの真似事でしかないと思っています。

動画は組んでからの戦略的準備として

クロスステップを使いますが

組むまでのところでも様々な戦略的準備を使用します。

ここが一番大切なところなのです。

飛び十字やビクトル投げ、

少し変わった飛行機投げを

やっても、ワタシが

「それはサンボではない。」

というのは、そういうことなんです。

逆に柔道で使っている投げと同じでも

戦略的準備の方法とセットならば

それはサンボなんですが、

わかっていただけますか。




伸張反射

2022-03-20 19:12:00 | サンボの技術
前回の投稿で

肘伸展→前腕回内の理屈は

おわかりいただけたと思います。

でも、ロシアンパワー養成法の

チューブプルの秘密は

まだまだあります。



この画像はワタシの左手で

相手の襟を切ったところです。


ここでも、肘伸展と前腕回内を

利用していますが切った後

肘の角度90~120度の

袖を上から持つグリップを

作りたいワケです。

手を引くって考えますが

実は勝手にそのグリップは完成します。

チューブプルは腕を伸ばすとき

肘伸展と前腕回内をきっちり行うことと

リズミカルに行うことが大切です。

なぜなら、反射を利用したいからです。

筋肉の中には筋肉を伸びを

感知しているセンサーがあります。



画像二枚目の筋紡錘、

1a群線維というのがそれです。
(画像は理学療法ハンドブック第一巻より)


肘伸展と回内によって

逆方向に動かす筋肉が引き伸ばされ

センサーが感知→伸張反射によって

肘は屈曲方向、

前腕は回外方向へ収縮するのです。

伸展・回内から時間が経ってしまうと、

反射が利用できないので、

トレーニングでは

リズミカルに動かし、

反射をうまく利用できるように

癖づけるのです。

以上の理屈により、

しっかり肘伸展・前腕回内で

相手の組手を切ったら、

勝手に親指が上で

肘が120度くらいに曲がりますので

袖を掴んでいる手は引かなくてよい。

というワケです。

・・・ロシアンパワー養成法の

チューブを使ったトレーニングは

チューブを使った筋トレではないことが

おわかりいただけましたか?



肘と前腕の関係

2022-03-16 17:33:00 | サンボの技術
ロシアンパワー養成法の基本種目、

チューブプルは肘を伸ばすときに

前腕を回内します。

親指が上を向いている状態を

中間位として、前腕を内にひねるのを

回内、外にひねるのを回外と言います。

肘を曲げるときには回外です。

前回のパジェーシュカですが

袖を掴んでいる肘は伸展なので

前腕は回内するのが正解です。

肘伸展→前腕回内

肘屈曲→前腕回外


カラダのメカニズムを考えると

とっても自然な動きになります。

このような説明をしなくても

チューブプルをやっている人は

フツーにできる動作なのです。

チューブプルは広背筋のトレーニング!

そんな次元の話は最初からしていません。

わかっていただけますよね?

空手の正拳突きも

同じ理屈でやっているのでは?

そう考えていますがいかがでしょうか。






ネの字の投げ

2022-03-15 16:12:00 | サンボの技術
相手には大きな力を伝える。

でも、こっちが使うエネルギーは最小限にする。

手から相手に大きな力を伝えようとする場合

力が逃げやすいのが肩です。

ロシアンパワー養成法でも

体力を向上させるトレーニングとは別に

肩周辺を強化するトレーニングがあるのは

そのためですし、動画のような

肩のロックを使う方法と

そのメカニズムを理解しないといけません。

椅子に座って、手のひらを腿に当て

上から垂直方向へ力を加えてみましょう。

肘が曲がっていると上半身の

いろんな筋肉を使わないと

大きな力を加えることができません。

今度は肘を伸ばしてやってみましょう。

さっきよりは楽だと思いますが、それでも

強く抑えようと思ったら

いろんな筋肉を使いますね。

では、肩を前に出すようにして

その肩に顎を乗っけるようにしてみましょう。

大きな力で腿を抑えつけることができ

且つ、筋力に頼っていないことがわかりますよね。

動画のパジェーシュカ(足払い)では

鎌状の足が強いので、そこまで厳密に

肘伸展、肩ロックは使っていませんが

この使い方を練習しておくことで

Z脚のザツイープ(Z小外)などで

大いに役に立ちます。