『ロシアンパワー養成法』P110
【袖口は上から?下から?】では
結論として袖口は上から掴む方が
合理的であると説明しました。
相手に力を伝えるのはコンタクトしている所、
つまり掴んでいるところからです。
当たり前と言えば当たり前の話なんですが、
相手に力を伝える重要なポイントなのに
意外と深く考えている方が
少ないように思います。
ワタシが所有している柔道の本で
組手に関して詳しく書いてあるものを
探してみると
『柔道立技テクニック』池田光輝著
『無敵王者の柔道』藤井省太著
『柔道 組手入門』柏崎克彦著
などが主だったものです。
とても詳しく解説してあるので
柔道をされる方にはとてもおススメの本です。
・・・ハナシを元に戻します。
さて、上に紹介した3つの本には
釣り手の握り方は載っています。
また、柔道の基本組手からの
攻防も詳しく載っています。
しかし、袖の握り方については
どこを掴むといった説明や
「遊びがないように絞るように握る」
といった記載はあるものの
掴み方そのものについての
生理学的・戦略的な説明を
見つけることができませんでした。
ワタシが袖(袖口あるいは袖口に近い)の
掴み方について考え始めたのは高校のときです。
多分一年生の頃だと思いますが
他校の柔道部OBの方から
袖の掴み方を教えてもらいました。
それまでは、そんなことを気にしてもいなかったので
とても理論的な説明に感動した覚えがあります。
しかし、ハバロフスクで教わったとき
コーチのホランスキーは
口をすっぱくして
「袖は上から掴むように」と言われました。
今までやってきたこととは逆なので
ワタシは、ちょっと混乱します。
22歳の時にモスクワスポーツ単科大学で
サンボを学んだ時は
先生にもコーチにも袖の掴み方で注意されることは
ありませんでしたが、周りをみてみると
皆、上から掴んでいます。
・・ので、ワタシもマネして
上から掴むようにしてみました。
『ロシアンパワー養成法』の
チューブを使ったトレーニングと
上から掴む方法がマッチして
いい感触を掴んで帰国。
ところが、タイミングよくというか
悪いというか
日本のサンボ界では大先輩にあたる方から
指導を受けた際、こういわれます。
「袖を上から掴んだら
投げのときに相手を引っ張り出せないだろ!
それでは上達しないから
下から掴め、下から」
上から掴むことに慣れて
いい感触だったのに
もう大混乱です。
どうしていいかわからなくなりました。
ワタシの出した答えは
投げのときは下から掴む
関節に行くときは上から掴む
といった今考えると
アホみたいなことをしていた訳です。
それがきっかけとなり
今ではよく知られるようになった
動き方そのものが
わからなくなる精神的な病
イップスとなったワタシは
現役を退くことになるのです・・・
しばらくサンボを離れて
30歳過ぎてから
解剖学的・生理学的な知識も増え
もう一度、自分の脳ミソで
しっかり考えてみることにしました。
長かったイップスからも脱出し、
選手としてではありませんが
サンボに復帰し、その後
『ロシアンパワー養成法』の執筆に
至ることになります。
・・ハナシが脱線しました。
さて、袖は上から掴むか、下から掴むか
この結論は既に『ロシアンパワー養成法』に
記した通りですが、説明がながくなるため
書けなかったことも沢山あります。
上から掴むことの利点のひとつは
「掴むことそのものの行為で
相手を戦術的にコントロールできる」
掴むということは
指の屈曲運動です。
下から掴んだ場合、指の屈曲だけでは
相手をコントロールすることができません。
何かプラスα、手首を返したり
押さえつけたりといった動作が必要です。
握るというエネルギーは相手に
伝えることができません。
しかし、上から掴んだ場合
指の屈曲運動分のエネルギーが
無駄なく相手に伝わり
相手は前に引っ張られます。
そしたら、相手は防御反応で
踏ん張る動きをするわけで
戦術的には「前に動くことを制限した」
ことになるのです。
・・・・自分で書いといて
言うのも何ですが
読むだけで疲れそうな
長い文章になってしまいました。
~~~~~~~~~~~~
ここから宣伝です。
現在サンボラボSHOPで販売している
『Самбо 組手と戦術』DVD全6巻では
グリップの秘密や様々な組手の方法を
詳しく解説しています。
サンボだけでなく柔道・柔術等
着衣の格闘技をされる方には
参考になるテクニックが満載です。
ちょっとしたコツで戦い方が
大きく変化します。
是非、サンボラボSHOPに立ち寄ってください。
サンボラボSHOP
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/12/befb1abc192076e598179033085286ff.jpg)
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結論として袖口は上から掴む方が
合理的であると説明しました。
相手に力を伝えるのはコンタクトしている所、
つまり掴んでいるところからです。
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意外と深く考えている方が
少ないように思います。
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どこを掴むといった説明や
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といった記載はあるものの
掴み方そのものについての
生理学的・戦略的な説明を
見つけることができませんでした。
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掴み方について考え始めたのは高校のときです。
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ありませんでしたが、周りをみてみると
皆、上から掴んでいます。
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投げのときに相手を引っ張り出せないだろ!
それでは上達しないから
下から掴め、下から」
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投げのときは下から掴む
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記した通りですが、説明がながくなるため
書けなかったことも沢山あります。
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掴むということは
指の屈曲運動です。
下から掴んだ場合、指の屈曲だけでは
相手をコントロールすることができません。
何かプラスα、手首を返したり
押さえつけたりといった動作が必要です。
握るというエネルギーは相手に
伝えることができません。
しかし、上から掴んだ場合
指の屈曲運動分のエネルギーが
無駄なく相手に伝わり
相手は前に引っ張られます。
そしたら、相手は防御反応で
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