旧ソ連で生まれた格闘技『サンボ』の研究所

サンボの技術・トレーニング法を徹底的に研究します。

学習上の注意

2015-12-05 13:39:00 | サンボの技術
サンボを学習するときに、

ルール上、サンボでしか

使えないものとか

いかにもサンボっぽいものとか

そのような投げ技を習得するのは、

他の競技を行っている方には

とても勉強になるかと思います。

また、サンビストも

他の競技を勉強することで

それをサンボに活かすことが

できると思いますので

とても、イイことだと思います。


ただ、サンボを教える側の立場から

サンボを学習する上での

アドバイスさせていただくと、

サンボというのは

戦術、及びその考え方が

イチバンのミソなので

そこを学習のポイントに

していただきたいのです。

将棋で例えるなら

飛車とか角を手に入れる・使う。

それだけではなく

どうやって『詰み』にもっていくか

そこが大切ということです。

北辰会のチェックスパーを(精度と言う面は

この際、無視して)ご覧ください。



青の選手は戦術の一部として

脇の下の組手を

つくりたいワケなんですが、

そのためのひとつの方法として

足取り1(外側から引っ掛けるもの)を使っています。

サンボの戦術の中には、このように、一つの投げ技を使い

狙いの組手をつくるといった方法が頻繁に使われます。

リスクが少なく、仕掛けが早いこともあり

やはり、手技を使用することが多いのですが

使う種類を間違えてしまうと

逆に王手をかけられてしまうのです。

動画の場合、足取り2(内側から)を

使うのは大きな間違いです。

足取り1と足取り2では

相手の防御反応が違うので

戦術を遂行することが

かえって難しくなってしまうのです。

そうなった場合でも

その後の対処法を知っていれば

致命的なミスとはなりませんが

目的が達成できない分

時間の無駄になってしまいます。

今まで何度も説明していますが

サンボは技術より戦術重視なのです。

本場ロシアの選手やコーチに

単品の技術を教えてもらうのは

簡単なことで、彼らも親切に教えてくれます。

ただ、肝心の戦術面については

よほどのことが無い限り

内緒にしておきたいワケで・・・

ロシアが強いのも

実はそこがミソなワケなんですよ。

なので、サンボを学習するとき

或いは研究するとき、個々の技術ではなく

戦術に目を向けるようにしてください。

もちろん、聞いて教えてもらえるのであれば、

より近道なのは間違いありません。


北辰会のセミナーでは

基礎技術と同時に戦術面も必ず指導します。

上の理由でそれがサンボの指導だからです。


したがって

ちょっと珍しいような技術を披露して

「これがサンボです!

皆さんやってみてください、

さあ、次はスパーリングです。」

というようなものは

サンボの指導ではないって事なのです。