銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

蒲田温泉(東京・蒲田)

2017-11-27 07:31:34 | 銭湯 温泉
京急蒲田駅を降りると、線路沿いをそのまま川崎方面へ歩けば、出村商店街が見えてくる。
「出村」とは、かつて雑色と蒲田の間にあった駅名らしく、出村商店街はその名残である。そうした商店街の中に、蒲田温泉がある。
昭和の色彩を今も保ちつつ、新しい魅力も発見できる温故知新の銭湯だった。



▲京急蒲田駅下車


▲川崎方面へと歩く













▲ようやく商店街の入り口がみえる


▲商店街の中へ




▲すると、左手に銭湯の文字。蒲田温泉を発見


▲入り口のアーチ






▲寂れた商店街の中で、ひときわ輝く蒲田温泉


入り口に入ると、目の前にあるのがプラスチックの券売機。この券売機は、ちょっと大きめの銭湯だとたまにお目に掛かる代物である。
入浴券を買って、右にある下足箱に靴を入れると、中に入って左手にあるのがフロント。
そのフロントにチケットを差し出す。ただ貸しタオルは、ここでお金を支払う必要がある。
フロントに座るのは60代ぐらいの女性。対応が素晴らしかった。


それと、フロント前、入り口から見たら右側になるのだが、重厚感あるソファーが並び、その奥にはテレビが置かれてある。座ると、なんだか自宅のようなリラックスできる雰囲気。
それとロビー奥にある階段入り口には、大宴会と書かれた看板があり、どうやら上階は宴会場らしい。
このあたりから、蒲田温泉が温泉地をイメージして作った銭湯であることが分かる。


受付を済ませて男湯ののれんをくぐると、脱衣場なのだが、いきなり目の前にあるのが大きな柱。その柱の後ろに島ロッカーがある。あとは、両壁にもロッカーが並ぶ。
外観からして古い銭湯のため、建物内も古色蒼然としたイメージをもっていたが、中はかなり新しい。それと、一つひとつのロッカーが大きいので、使い勝手もよかった。
あとは浴室入り口付近に、洗面台と体重計、扇風機があるぐらいか。とてもシンプルである。


浴室に入ると、最初の印象としては、狭い浴室だなと思った。ここが本当に有名な蒲田温泉なのか?と疑問に思うぐらいである。
島カランが真ん中に伸びているのだが、浴室が縦長なので横幅が狭く、カランに座ると、後ろが若干気になる。


それと、右手前にサウナ、そのサウナの隣に小さな水風呂。実体は一人用だが、頑張れば二人入れるかもしれない。それと、奥には小さなカラン。


他の銭湯と同様に、浴槽は浴室奥にあるのだが、左側が黒湯、右側に白湯と大きく二つに分かれている。
白湯は手前側が赤外線+バイブラと超音波(ジェットバス)。さらに仕切られた奥に、電気風呂とラジウム鉱石だった。
温度は、42℃ほど。以前どこかのサイトでめちゃくちゃ熱い銭湯として紹介されてたので、意外と熱くなくて拍子抜け。


それと、左側にある黒湯は、低温と高温に分かれている。低温のほうが間口が幅広く、高温は小さく狭い。
黒湯のある銭湯は仕方ないのだが、所々黒ずんでいるので汚くみえる。
低温は、白湯とおなじく42℃ほどだろうか。一応温度計はあるのだが、すべてめちゃくちゃな数字でまったく当てにならない。
肝心の高温だが、入るとそこそこ熱い。熱い銭湯として知られる湯船はこのことなのだろう。
ただ意外にもその熱い湯船はこれだけ。また、めちゃくちゃ熱いかというと微妙なところだ。
温度計が当てにならないので自分の肌を頼りに推測すると(自分の肌感覚もあたり当てにならないが)、47℃ほどか。これなら、ほかの銭湯でもたまに遭遇する温度だ。


入浴客は、ほかと変わらず中高年ばかり。駅から少し遠いので地元客中心かと思いきや、客同士の会話は一切なかった。
天井はそんなに高くないが、ビル型にしては高いほうかもしれない。
あと壁画が浴室奥ではなく、入り口手前側。山と田んぼ、それと花の絵だが、表現方法が現代的だ。


蒲田温泉はネットでもしきりにみるので前々から知ってはいたが、駅から遠いのでなんとなく気が向かなかった。
今回は時間に余裕があったため、たまたま足を運んでみたのだが、実際に来てみると、正直来て良かった銭湯である。


設備そのものが、まあまあ良かったということもあるが、個人的にはどちらかというと雰囲気や接客の素晴らしさに感心した。
随所にもてなしの精神が散りばめており、予想してたよりも違った形ではあるが、人気がある銭湯というのはこういうことなのかと、また新たな発見のある銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 京急蒲田
経路 線路沿い
周辺の環境 商店街
●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 現代風と子ども向けのような絵。山と裾野に色彩豊かな田んぼと、抽象的な花の絵。山の上には満月がある
統一感 あり
置物 特になし
照明 明るい
★設備
休憩所 フロント前。重厚感がある
脱衣所 新しくてきれい
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 赤外線+バイブラ、超音波(ジェットバス)、電気風呂、ラジウム鉱石、黒湯
サウナ あり
温度 42℃、47℃
棚 なし
男女入れ替え なし
■サービス
接客 愛想が良くて丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり
備え付け あり
◆人
受付 60代ぐらいの女性
客層 中高年


【案内】

住所
〒144-0053
大田区蒲田本町2−23−2

電話番号
03-3732-1126

アクセス
京浜東北線「蒲田」駅よりバス。「蒲田本町」下車、徒歩1分

休日
無休

営業時間
10:00−25:00


※東京銭湯ホームページ転載

幸の湯(東京・糀谷)

2017-11-20 07:16:57 | 銭湯 温泉
京急蒲田の隣にある糀谷駅を下車して住宅街の中へ歩くこと10分。暗闇の中に煌々と照らされた幸の湯を見つけることができる。


▲糀谷駅下車


▲駅前はかなり開けた場所だ


▲降りて左手にある商店街方面へと歩く


▲商店街を通って






▲ちょっと歩けば住宅街の中へ






▲右折したり左折を繰り返す






▲しばらくすると住宅街に似つかわしくないネオンがみえてくる


▲幸の湯に到着


歩いて10分ほど。帰りは京急蒲田へ直接歩いてみたが、ほとんど変わらなかった。これなら糀谷駅から歩いても蒲田駅から歩いてもどちらでも良かったかもしれない。


建物の前に立つと狭い通路の左右に下足箱があり、その先にフロントがみえる。靴を入れて自動扉を開け、受付に座る60代ぐらいの女性に「貸しタオルありますか?」と尋ねると、「二枚ですか?一枚ですか?」と聞かれる。
初めから二枚使うか聞いてくるなんて、なんてサービスのいい銭湯だと思った。
それでお金を支払おうとしたら、「自販機を使ってください」と言われた。左に自販機があるのを全然気がつかなかった。


右側に休憩所があって、ここは珍しくソファーの椅子ではなく、キッチンにあるようなテーブルと椅子。カウンターもある。
それと個人経営の銭湯にしてはかなり充実した自販機。ビールだけの自販機もあり、ここで宴会をしてくださいと言わんばかりである。ただ自分が訪れた時は、一人の客がテレビをみているだけだった。


男湯ののれんをくぐって中に入ると、狭い脱衣場で、壁際にロッカーが並び、あとはマッサージチェアや洗面台もあるが、ごちゃごちゃした感じだ。扇風機は一台のみ。


浴室に入ると、ここもそんなに広くないが、変わった作りをしている。
まず目に飛び込んでくるのが、奥にある階段。この階段を登るとサウナと水風呂があるのだが、結構高い階段だ。サウナや水風呂でフラフラになってると結構危険そうである。
それと階段の下右側にある壁画。虹が掛かった原っぱに鹿や小動物が描かれている。


入口に戻ると、左側手前にあるのが、横に並ぶカランが縦に三列ほど。ちなみにシャワーの勢いはちょうど良く、使い勝手は理想的だと思った。
その奥に露天風呂の入口。露天風呂は温泉になっている。温度は熱めで44℃ぐらいだろうか。外気浴用のベンチもあるが、バス停にあるようなのっぺりした感じのベンチだった。


それと浴室右側の手前に立ちシャワーが2つと、その奥に温泉の浴槽。2人ぐらいしか入れないが、温度はちょうどいい感じで、42℃ほどか。
源泉名は「温泉 幸の湯」。
泉質は、無色透明で微かになんとなく温泉ぽい匂いもするが、温泉と言われなければ気がつかない程度だ。


その温泉の奥に、白湯の湯船。こちらは結構大きい。手前に電気風呂があって、主浴槽、その奥に座湯、ボディージェット、ハイパワージェット


そして奥は最初に紹介した階段がある。サウナは入らなかったが、水風呂は入った。この水風呂もおそらく温泉(冷鉱泉)だと思うのだが、めちゃくちゃぬるい。今まで体感した中で一番ぬるい温度だった。20℃ぐらいがちょうどいいと感じる脆弱体質の自分ですら不満を感じるほどだったので、20℃以上は間違いないだろう。他の入浴客は不満に感じないのだろうか?(あと蒲田あたりはぬるい水風呂が傾向としてあるような気がする)


一番混みそうな時間帯だったが、駅から離れてて住宅地のど真ん中ということなのか、あまりお客さんは入ってないような気がした。
しかし平日の夜に混み合う銭湯は極力入りたくないので、設備は充実してるし、個人的にはまた来たいと思える銭湯だった。
それとビールが好きには、最高の銭湯に違いない。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 糀谷
経路 商店街を抜けた住宅街
周辺の環境 住宅街
●空間演出
建物外観 マンション
壁画・眺望 原っぱと虹と動物たち
統一感 あり
置物 特になし
照明 明るい
★設備
休憩所 フロント横。テーブルタイプ
脱衣所 ちょっと狭い
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 電気湯、座湯、ボディージェット、ハイパワージェット、露天風呂、水風呂
サウナ あり
温度 42℃、44℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり
備え付け なし
◆人
受付 60代ぐらいの女性
客層 中高年ばかり。一人だけ入れ違いで若い人がいたぐらい


【案内】

住所
〒144-0034
大田区西糀谷1−25−15

電話番号
03-3741-4321

アクセス
京浜急行線「糀谷」駅下車、徒歩5分

休日
月曜

営業時間
6:00−23:00
11~14時は昼休み


※東京銭湯ホームページ転載

あたり湯(東京・大森町)

2017-11-13 07:19:20 | 銭湯

京急大森町駅を降りると、目の前の商店街をまっすぐ歩き、途中右折した先に「あたり湯」がある。
外見も店内も落ち着いた雰囲気で、芸術志向の高い銭湯だった。


▲大森町駅を降りて


▲商店街をまっすぐ進む








▲ここで右折する


▲右折したところ


▲住宅街の中へ。この辺になると、もうだいぶ暗くなる


▲今度は左折


▲細い路地に入り


▲煙突がみえる


▲隙間から、あたり湯を発見




▲あたり湯に到着


ぱっと見、看板が新しい感じなので、最近リニューアルした銭湯かな?と思って中に入るが全然そんなことはなく、まったく古い建物だった。
入った左側にフロントがあって、右側のスペースがちょっとした休憩所になっている。
休憩所はものすごくシンプルで、ソファーとテーブルしかない空間だった。
壁際には、シャンプーや石鹸などの販売品がきれいに並べられている。
そして照明がすごく暗い。ギリギリ本が読めるかどうかの暗さだ。このへんがいかにも昔の雰囲気を漂わせ、なんともいえないアンニュイな気分にさせる。

出典:大田連合会ホームページ引用


フロントでお金を支払って中に入ると、脱衣場はそこそこの広さ。そして整然としている。横長で、ここもフロント同様にシンプルだ。
それとやはり古さが際だつ。ロッカーは開くと勝手に閉まるので開けっ放しができず、着替えるのに苦労した。


浴室に入ると、右側のすぐ目の前にサウナがあるのだが、その日は故障中。故障中の張り紙が張ってあるのに、常連客だろうか? ウッカリ入ってしまう人がいて、慌てて出てくる姿がおかしかった。
それと真ん中に島カラン。といってもかなり短い。浴室は横長なので、それに合わせて島カランも短くなっている。
左壁のカランは大きな鏡があるのだが、シャワーはついていなかった。
それと、ここのカランはパイプがむき出しである。こういう演出(?)は初めてだが、正直、見た目はあまり良くない。

出典:大田連合会ホームページ引用

出典:大田連合会ホームページ引用

出典:大田連合会ホームページ引用


正面奥に浴槽。浴槽もまたシンプルで、L字型のような形をしているが、種類は2つだけ。
右側が薬湯で、左側が白湯のバイブラ。
薬湯が40℃で、白湯が44℃だ。
最初に、熱いほうと知らずに白湯に入ったのだが、足を入れた瞬間にかなり熱いと感じた。
最近はずっと低温なところばかりだったので久しぶりの熱さに戸惑うが、次第に体が慣れてくると、やっぱりこれぐらいの温度がいいなと思えてくる。
ただ、残念なのはサウナもあって(この日は壊れてたけど)、お湯も熱いのに水風呂がないことだ。
ここほど水風呂の恋しくなるところはなかった。

出典:大田連合会ホームページ引用


室内は白を基調として、天井は昔ながらの高く開放的な空間。あと壁画が珍しくペンキ絵でない。現代美術のような立体的な構造をしている(壁画彫刻と呼ぶものだろうか? このへんは疎いのでよく分からない)。
それと特筆すべきは、脱衣場と浴室内にも歌謡曲が流れることだ。かなり文化性の高い銭湯だと思った。


あとは昔ながらの銭湯にしては、薬湯が40℃と低いなあと思ってたら、しばらくして3歳ぐらいの小さな女の子がお父さんと入ってきた。
さすがに最初は温度の低い薬湯に入っていたが、しばらくして、
「パパ、隣入っていい?」と何度も聞いきて、パパは「熱いよ?」と言うが、入っていいとも悪いともいわず、「パパ入ってていい? 大丈夫だと思う」とずっとねだるように聞いていた。
自分は途中であがったのでそれからどうしたかは分からないが、たしかにこういう小さな子が入ってくる銭湯だと、低めの温度も用意しなければダメだろう。
このへんで、意外と子どもにも配慮した親切な銭湯なのかなと思った。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 大森町
経路 商店街を抜けた先。サミットの目の前
周辺の環境 住宅街やサミット
●空間演出 作った感じではない昭和感満載
建物外観 要所要所に、美的演出のこだわりを感じさせる
壁画・眺望 壁画彫刻(海と船か?)
統一感 あり
置物 フロント下に色んな小物が綺麗に飾られていた
照明 フロントは暗い。浴室内は普通
★設備
休憩所 フロント前
脱衣所 ふつう
シャワーの出 やや使い勝手が悪い
浴槽の種類 バイブラ、薬湯
サウナ あり(ただし、その日の男湯は壊れていた)
温度 40℃、44℃
棚 入り口横に小さな棚がある
男女入れ替え なし
■サービス
接客 ふつう
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(ちょっと変な臭いがした)
備え付け なし
◆人
受付 60代ぐらいの男性
客層 中高年や親子連れ


【案内】

住所
〒143-0015
大田区大森西3−11−27

電話番号
03-3761-7601

アクセス
京浜急行線「大森町」駅下車、徒歩10分

休日
月曜

営業時間
15:30−23:30


※東京銭湯ホームページ転載

ヌーランドさがみ湯(東京・雑色)

2017-11-07 07:24:26 | 銭湯 温泉

京急雑色駅を降りて、左手にある商店街をしばらく歩けば、途中にヌーランドさがみ湯がある。
銭湯にしては大きなビルの建物で、二階はリクライニングシートのある別室や宴会のできる食事処があるなど、充実した設備の銭湯だった。


▲雑色駅下車


▲改札口を背にして左手方面に歩く




▲商店街の大通りに出て






▲途中で左折すると




▲ヌーランドに到着。開店10分前だったが、すでに開いていた


建物の中に入ると、外見通り一般の銭湯というよりもスーパー銭湯に近い感じだ。
入り口には暴力団や入れ墨を入れた人は入れませんと断ってある。


入って右側には下足箱があるのだが、なぜか奥にスロットマシンがある。
入り口左側には、フロント。そのフロント横にチケットの自販機。
ちなみに、ここの銭湯は入浴だけのチケットと、全館利用できるチケットの二種類が用意されてある。
全館利用といっても、実質リクライニングシートの別室が利用できるだけなので、入浴のみのチケットでも十分堪能できるのだが、なにを血迷ったのかその日は全館利用のチケットを買ってしまった。
休日料金で1550円。後で思い返すとかなり高額であるが(銭湯3回分!)、そのときはスーパー銭湯感覚で訪れたので、まあこんなものだろうという感じだった。
フロントには30代ぐらいの女性が立っていて、すごく丁寧で愛想も素晴らしい。さすがこういうところは接客も違うなと感心した。
それとヌーランドの利用が初めてだったので、「ここ初めてなんですけど…」と店員さんに伝えると、わかりやすく説明してくれた。
説明中にビニールのバックを手渡されて、その中には、部屋着とバスタオル、フェイスタオル、さらにサウナ用のカギが入っている。
くわえて歯ブラシと(男のみだろうけど)ひげ剃りもつけてくれる。
腕に巻くカギにはバーコードがついていて、食事を頼むなどの際は、これを読みとって注文する仕組みだ。会計は最後に支払う。


フロントで手続きを済ませると、そのまま脱衣場へ。脱衣場は無駄がなくシンプル。このへんも家族経営の銭湯にありがちな個人の趣味は一切入っていない。
ちなみに左壁のロッカーは初めからカギがついていて、「銭湯のみ」を利用する人のためのロッカー。
全館利用者は、フロントで指定された鍵を渡されるので、そのロッカーを探す必要がある(だいたい真ん中あたり)。


浴室に入るとパッと見、スーパー銭湯と通常の銭湯をほどよく混ぜたような感じだろうか。
左手前に立ちシャワーが2つあって(しかし、片方はシャワーのヘッドがなく、使えなかった)、その奥にヌーランドの売りである黒湯の天然温泉が鎮座している。さらに奥には、横方向の島カランが、縦に並ぶ。


右側は、手前がサウナ。サウナの目の前には、小さいながら水風呂。水風呂はかなり冷たい。温度計を見ると14℃である。
自分の限界値16℃以下なので逡巡しつつも、一応チャレンジしてみたが、やはりキツい。
品の無い表現になるが、睾丸がヒリヒリして痛かった。


水風呂の奥には、バイブラの白湯。バイブラは泡というよりも噴水のような感じである。温度は40℃と低め。
その奥が寝湯と電気風呂。それと、一番奥がハイパワージェット。温度は41℃だ。


さらに浴室奥に扉があって、その先に露天風呂がある。
扉を開けると左右に階段があり、左側はスタッフ用なので右側に降りると、小さなL字型をした黒湯の天然温泉。こちらも温度は浴室内と同じ42℃である。
周囲は、きれいに整えられた小さな庭があり、雰囲気がとても素晴らしかった。くわえて開店直後だったためか、自分一人で独占状態。
秋風が心地よく、都心にある銭湯とは思えない静謐な空間になっていた。
ただ残念なのは、後で作ったもなのかスペースが小さいために外気浴のできる場所が一切なかったことだ。
全体的にみると非常に合理的で無駄がなく、不満は特になかったのだが、ただ反面、面白味に欠けるというか、個性の感じられない銭湯でもあった。


それと全館利用ということで、リクライニングシートのある部屋を使ってみたのだが、たしかに時間を気にせず過ごす場所としては、快適な空間だった。
二階にあがると、部屋着を着た人だけが入れる部屋があって、中は壁際にテレビ、それとテレビを中心に放射状にリクライニングシートが並んでいる。
そのリクライニングシートの隣にはテーブルがあり、そこで食事をすることができる。
利用客は意外というかほとんどおらず、しかも大半は仮眠目的だったので、小さな子どもが突撃してこない限りは静かだった。
ただテレビはつけっぱなしなので、テレビの音だけは終始響いている。
ためしに食事も頼んでみたが、横のテーブルに置いてある電子チャイムを押すと、すぐさま奥の扉から店員さんがやって来る。
食事も運んでくれるので、そのテーブルで食べるのだが、テーブルが横のためちょっと食べにくい。食事を頼んでから一時間ほど経つと、食べ終わったか様子を見に来る。空なら回収してくれる仕組みだ。
サービスも親切だし、客も少ないために安穏とした空気が漂っており、支払った金額の利用価値はあったなと感じた。


ところで京急の雑色駅周辺には銭湯がいろいろあるのだが、線路の反対側に第五相模湯というのがある。
その前の第一から第四まではどこに行ったんだろう?と思っていたら、実はこのヌーランドがかつて第三相模湯と名乗っていたという。
ということは、第五と系列店か?
それと、ほかに第一や二、四はどうしたのか気になるところだが、名前を変えても系列店が存続するというのは今の時代だと珍しいかもしれない。
ちなみにヌーランドはどういう意味かというと、ヌード(裸)+ランドのことらしい。
銭湯をそう表現する仕方もあるのかと、知ってナルホドと思った。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 雑色駅
経路 商店街
周辺の環境 商店街
●空間演出 
建物外観 ビル
壁画・眺望 特になし
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう
★設備
休憩所 ほかにない充実ぶり
脱衣所 シンプルで機能的
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 水風呂、黒湯、バイブラ、寝湯、電気風呂、ハイパワージェット、露天風呂
サウナ あり
温度 40℃、41℃、42℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 丁寧で愛想がよい
清潔さ きれい
貸しタオル あり
備え付け あり
◆人
受付 30代ぐらいの女性。ほかに従業員多数だが、ほとんど女性ばかり
客層 中高年や子ども


【案内】

住所
〒144-0055
大田区仲六郷2−7−5

電話番号
03-3739-1126

アクセス
京浜急行線「雑色」駅下車、徒歩3分

休日
無休

営業時間
10:00−23:00
火曜日は入浴のみ営業(休憩施設はclose)

※東京銭湯ホームページ転載