銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

照の湯(東京・小岩)

2022-04-30 06:09:00 | 銭湯
#照の湯
・スーパーレトロ銭湯
・お湯は熱め
・高齢社会の縮図







JR総武線
#小岩駅

▲総武線の小岩駅。ここは東京の端っこで、お隣から千葉県になる




▲階段をおりて


▲改札口


▲南口方面にでる


▲バスロータリーがあり、本来はこのまま右に進むのだが


▲今回は分かりやすいように一端、目の前の横断歩道を渡る


▲右を向けばフラワーロードの入り口がみえてくる


▲フラワーロードという商店街


▲このまま真っ直ぐ進んで






▲ひたすら真っ直ぐ






▲ここでようやくストップ


▲みぎの横断歩道を渡る


▲レモンという喫茶店が目印


▲すると赤い看板がみえてくる


▲これは資生堂のお店とコインランドリーが合体したもの。なかなかレアな組み合わせだ


▲入り口


▲左の隣にあるのは自動車会社で、かなりいろんな建物が入り組んでる


▲木の後ろには煙突がそびえ立つ


▲開店前の様子




▲開店の3分前に再び訪れたが、すでに開いていた


▲車椅子のお客さんも来てるようだ


▲年季の入りっぷりがすごい。廃墟のようである


▲到着


扉をあけて中に入ると、左に番台があるが、誰もおらず。
「すみませーん!」と三回ほど脱衣場に響くボリュームで連呼したが、まったく反応なし。
そのうちに女湯に人影が見えて、女性客はそのままスルーして入っていった。
男湯も高齢の客が来たけど、「いないの?」と聞かれて「そうなんですよ」と言うと、そのままお金を払わずに中に入っていった。
なんなんだ、ここは一体!?


5分ぐらい待っていたら、「待たせちゃってすみません!」と背後から女性店主が箱を持って現れた。
見た感じは80代ぐらいの女性で、「先に入ってください」と言われて「お金は…」と聞くと後でいいですからと言われた。
「マスクもしてないので」と口に手を当てて気まずそうな様子でもあった。
その前に「貸しタオルがありますか?」尋ねると、受付の奥からタオルを取り出してくれた。
帰りのときはお金を払って「ありがとうございました」と言うと「ありがとうございます。ごめんくださいませ」と言ってもらえた。


出典:東京銭湯ホームページ引用


脱衣場は中を見渡すと、けっこう広めで、至るところに花(たぶん造花)や動物のぬいぐるみ、猫の写真や猫のカレンダー、猫のクッションなどが置いてある。
入り口から想像できたことだが、中もかなり古寂びた感じで、天井の一部が剥がれていたり、先ほどの入り口のところだと床がきしんで沈んだり、なんとか誤魔化しながらやってきたのだろう。
間仕切り側には大きな資生堂の看板が目立つが、隣で資生堂の販売店を経営しているためか。男湯の看板には男性用と書かれてあり、男性用化粧品は当時としてはかなり珍しかったのではないかと想像する。


▲女湯


▲男湯


扉をあけて浴室に入ると、珍しいことに入り口のすぐ横に立ちシャワーがある。
通常だと浴室の隅っこにあるが、こちらは入り口のすぐ真横だ。
シャワーのヘッドは低いところに設置してあり、身長が150センチ代の人を想定してるような低さだった。
頭上のスピーカーからは、誰もが知る有名な童謡がずっと繰り返し流れていた。
この童謡と古びた建物の組み合わせがなんともいえない哀愁を誘う。


島カランは2つあり、左右の壁にもカランが並ぶ。
この手の古い銭湯は原則的に設備が良くないが、ここも例に漏れずシャワーの拡散具合は良くないものの、勢いはハンパなく強い。むしろ強力すぎるぐらいだった。


浴槽は奥にあって、3つに分かれている。右が主浴槽で、一番広めに確保された湯船で、5人ぐらいは入れるだろうか。温度は45℃ほど。
底に張られてあったタイルがすっかり磨り減ってしまい、縁の部分は退色して地肌がむき出しになっていた。
真ん中は深浴槽で、足を突っ込んだところ最初は感覚が鈍くて大丈夫かな?と思ったが、すぐに足裏が痛くなってきたのでかなり危険であることに気がついた。推測になるが48℃以上はあったと思う。
自分が浴室にいる間は、真ん中の湯船に入る猛者は誰もいなかった。
最後の左は2人ぐらいしか入れないスペースで、ここが一番ぬるくて42、3℃あたりだろうか。
全部白湯で、ジェットなどは皆無。真ん中にバイブラらしきものがあったが、あくまでも「らしきもの」であって、ちゃんと機能してるものではなかった。
真ん中と右側の湯船の間には、瓶を傾ける女性の像があり、左側の浴槽には口を開けたライオンの像があった。どちらもお湯は出ていなかったが、創業当時はここからお湯が湧出していたのだろう。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲女湯


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲男湯


壁絵は青く塗られているだけで、なにも描かれていなかった。女湯側は板が剥がれ、下地も痛んでる様子。こんな感じだからもう絵は描けないのだろう。
間仕切り側にだけ豆タイルで西洋の牧歌的な風景が広がっていた。


出典:東京銭湯ホームページ引用


客層は見事なまでに高齢者で、島カランのところでは高齢者が高齢者の世話をしていた。いわゆる老々介護というものであるが、そのお世話してる人がすでに80代半ばぐらい。通常ならお世話される側である。浴室から出る時は杖をついた男性を高齢者2人が前と後ろで支えていたが、その支えてる2人もかなり腰が曲がっており、超高齢化社会の縮図を見てる思いがした。


こうして建物も古ければ、お客さんもすべてが高齢者で、1人だけ60代ぐらいの男性がいたが、その人がすごく若く見えたのだからすごい世界だ。
至るところが激しく損傷しており、創業当時からまったく変えてこなかったのだろう。昭和のまま時間が閉じ込められた空間は、まさに生きた博物館だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 小岩
経路 フラワーロードを歩く
周辺の環境 商店街

●空間演出
建物外観 超レトロ
壁画・眺望 花が飾られてある
統一感 あり
置物 ぬいぐるみとか花、猫関連
照明 薄暗い

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 広い
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 白湯
サウナ なし
温度 43~48℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 80代ぐらいの女性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒133-0056
江戸川区南小岩6−26−19

電話番号
03-3658-4972

アクセス
総武線「小岩」駅下車、徒歩8分

休日
第2、4土曜

営業時間
15:00−24:00

※東京銭湯ホームページ転載

小松湯(東京・新小岩)【閉店】

2022-04-26 06:13:00 | 銭湯
#小松湯
2022年4月29日閉店

・メンテナンスは完璧
・実直な作り
・陸の孤島にある銭湯





JR総武線
#平井駅

▲公式には小松湯の最寄り駅が新小岩駅とされているが、ほかの最寄り駅であるJR平井駅や都営地下鉄新宿線の船堀駅も歩けば等しく30分前後掛かる。
網の目のように鉄道が整備された東京にあって、目指す場所は陸の孤島である


▲方向としては南口方面

▲階段をおりて


▲改札口


▲地図を見ると真ん中下が現在地で


▲右の見切れた荒川に架かった小松川橋を渡った先に小松湯がある


▲右が南口


▲まっすぐ進んで商店街へと進む






▲そのまま直進


▲大通り(ゆりの木橋通り)に突き当たったら


▲左に見える小松川小学校沿いに向かう


▲横断歩道を渡って、小学校の横に来たところ


▲ひたすら直進




▲京葉道路に到着。この目の前の横断歩道を渡って


▲左折する


▲ふたたび真っ直ぐ歩けば


▲橋の入り口


▲ひたすらのぼっていく




▲荒川がみえる。こうやって橋を歩いてみると、川幅の広さが実感できる(荒川の川幅は平均1500mだそうだ)


▲橋を歩くだけですごい時間が掛かった






▲ようやく荒川を渡り終えると


▲今度は中川。中川も広い




▲ちょうど川を通り過ぎたところ。住宅地(左側)の高さが右の川よりも低いことが分かる。川が氾濫したらとんでもないことになるだろう


▲そうならないことを祈る


▲下りきったら


▲右に向いて


▲直進


▲公園を通り過ぎて




▲道なりに歩く


▲左折。目の前の建物がものすごく古い




▲すぐに右折


▲あとは真っ直ぐ歩けば




▲右に小松湯がみえてくる


▲煙突を解体する工事のお知らせ


▲左にはコインランドリー


▲裏側には煙突がみえる。住宅を兼ねた建物なので、おそらく解体するのは煙突だけと思われる


▲到着


▲中に入ると閉店の張り紙が張ってあった。外では写真を撮ってる人もいた


中に入ると狭い下足箱のスペースになっていて、右に進めば左側に受付がある。
座るのは50代ぐらいの女性。決して愛想があるタイプの人ではなかったが、丁寧な対応だった。
貸しタオルをお願いすると、後ろからカチンカチンのタオルを出してくれた。
一般的に乾きすぎたタオルは良くないとされるが、それは一般論の話で、個人的には乾ききった硬いタオルが大好きだ。
受付のスペースの後ろにはもうひとつスペースがあるのだが、そこは休憩所のようで椅子とテレビが奥に設置されており、それがあまりに無機質なので、こんな休憩所もあるのかと驚いた。ここまでぬくもりの感じられない空間は珍しい。
入り口は、男湯が左側で、女湯は右側。


出典:江戸川区浴場組合ホームページ引用


のれんをくぐって中に入ると、脱衣場はごくふつうの作りで、真ん中に座るテーブルがあり、左側にロッカーが並ぶ。
とても清潔感があり、無駄を排除されているので心地いい。


出典:江戸川区浴場組合ホームページ引用


扉をあけて中に入ると、やや狭い浴室になっていて、真ん中に島カランがあり、左右の壁にカランが並ぶ。
右手前には立ちシャワーが2つ。
島カランは蛇口が3つで、左が5つ。右が6つほどと少な目だ。
天井も低く、若干の窮屈感が気になる。
シャワーの出はきちんとしていて、使いやすく、立ちシャワーも問題なし。全体的にきれいで、問題箇所は一切見あたらなかった。


出典:江戸川区浴場組合ホームページ引用
▲男湯


出典:江戸川区浴場組合ホームページ引用
▲女湯


浴槽は2つに分かれていて、左側が白湯で、右側が薬湯。
白湯は左半分がバイブラの浅浴槽で、右が深浴槽の座湯。水枕がついていたが、これもちゃんと機能していた。
白湯の温度は44~45℃ほどで最初に入ったときはかなり熱く感じた。
薬湯は3人ぐらいしか入れない小さなスペースだが40℃ほどとかなりぬるめ。なので常連客が長湯して話し込む姿が見られた。


出典:江戸川区浴場組合ホームページ引用
▲男湯


出典:江戸川区浴場組合ホームページ引用
▲女湯


この日の薬湯はカモミールだった。


壁絵はチップタイル絵で田舎の風景が描かれているが、壁の真ん中から下半分のみで、上半分はなにもなし。このへんは経費を削ったか。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲男湯


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲女湯


客層はやはり高齢者がメインであるが、男湯に関しては若い人がチラホラいた。
客同士の会話も活発で、両腕に入れ墨を入れた人がハサミを握ってカタギの人の髪の毛を切ってあげたり、背中を洗ってあげていた。
女湯の脱衣場からは絶えず話し声が響き、地元の人たちにとって大切な交流の場という感じだった。


全体的に清潔感があり、設備はすべてきちんと機能しており、しかもお客さんはかなり多くてにぎわっているし経営者も若いので、なんでこれで閉店してしまうの?!と不思議だった。
客の立場なので表面的にしか見ていないのだが、まだまだ営業を続けられる状況と思えてしまうただそれでも閉店するということは、なにかしらの事情があるに違いない。


ここはどの最寄り駅からも歩いて30分前後は掛かるという辺境の地であるため、完全に地元の人向けの銭湯だろう。
昨今のようなデザイナーズ銭湯に作り替えてリクレーション目的で客を呼び込むにはかなり難しい立地場所である。
そのように考えると、閉店する理由の中にはいずれ先細りが見えていたこともあったかもしれない。
周辺には銭湯があるものの歩くとかなり距離があるため、ここがつぶれてしまったら途方に暮れる人たちもいるだろう。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 平井、新小岩
経路 中川沿い
周辺の環境 住宅、川

●空間演出
建物外観 古い建物
壁画・眺望 チップタイル絵
統一感 あり
置物 特になし
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 良い
浴槽の種類 バイブラ、座湯、薬湯
サウナ なし
温度 40~45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 50代の女性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒132-0032
江戸川区西小松川町27−15

電話番号
03-3651-3602

アクセス
総武線「新小岩」駅よりバス。「東小松川一丁目」下車、徒歩5分

休日
水曜、土曜

営業時間
15:00−21:00



※東京銭湯ホームページ転載

岩の湯(東京・地下鉄赤塚)

2022-04-23 05:15:00 | 銭湯
#岩の湯

・看板ネコのいる銭湯
・スタイリッシュなデザイン
・猫びよりで取り上げられる





東京メトロ副都心線
#地下鉄赤塚駅

▲地下鉄赤塚駅。なぜ駅名に地下鉄と付けるのかというと、近くに東武下赤塚駅があるのでそれと区別するためだろう


▲お隣は成増で、成増といえばモスバーガー発祥の地である




▲地図をみると左上方面に進む


▲出口1をでて


▲目的地は、下赤塚小学校のちょっと上あたり


▲エスカレーターであがって




▲改札口


▲出口1を目指す








▲階段をのぼり




▲ようやく地上がみえてきたら


▲左に曲がる


▲曲がったところ


▲踏み切りがあって


▲まだ真っ直ぐ進む




▲セブンイレブンが見えてきたら

▲左折する


▲そのまま歩いて




▲突き当たりにきたら


▲右折


▲坂道をあがって






▲ここで立ち止まる


▲左折


▲あとはもうみえてくる






出典:板橋区浴場組合ホームページ引用




▲到着


さっそく靴箱に靴を入れると、自分の靴のサイズ(27.5)にしては靴箱が小さくて蓋がしまらなかった。仕方なく斜めにして入れることに。
中に入ればすぐ目の前に受付があり、フロントに座るのは、50代後半か60ぐらいの女性。
目線を下に落として耳近くに右手を置いていたのでてっきり電話中かなと?思ったら、なにか考え中のご様子だった。
目の前に立っても反応はなく、「こんにちは」とこちらから挨拶するとようやく視線をあげてくれて、貸しタオルありますか?と訊ねると、出してくれた。
貸しタオルは無料らしいが、後で使ってみると生乾きの臭いがしたので、結局ほとんど使わなかった(外で日光浴してなんとか乾かした)。
ここは看板猫がいることで有名な銭湯らしく、フロント周りをみるとさりげなく猫のデザインがあしらわれていたり、入口横には扉の開いたゲージとトイレが設置してあった。三匹もいるらしいが、残念ながら一匹もみかけなかった。
左奥にはトレンディードラマが全盛期の頃の平成らしい感性を漂わせるロビーが広がっていて、帰りにはおば様たちが会話を楽しんでいた。


出典:板橋区浴場組合ホームページ引用

入口は左が男湯で、右が女湯。
のれんをくぐると脱衣場はそこそこ広くて、右手前側に洗面台があり、ドライヤーは無料だった。綿棒も置いてあった。


出典:板橋区浴場組合ホームページ引用


浴室に入ると、一般的な銭湯とは違ってスタイリッシュなデザイン。
建物は古いけど、今の時代でも見劣りしないセンスを感じた。
右手前に立ちシャワーが2つ並び、カランは横列に並ぶ。
カランのシャワーはやはり古いとあってそれぞれみんな出がまばらで均一性がなかった。


出典:板橋区浴場組合ホームページ引用


出典:板橋区浴場組合ホームページ引用


浴槽は左側にあり、奥に掛けて続いている。手前がシルク風呂で、温度は41℃程度か。4人ぐらいが入れるスペースで、ちょうど先客が2人ほど入っていた。
手前の空いたスペースに足を入れると、前の人が足を伸ばしたままだったので踏んでしまい、かなり焦った。
足下が見えないシルク風呂なのになんで引っ込めてくれないんだァー!と内心思いつつ、「すみません!」と謝ると、踏んだ相手はどうやら知的障害者の青年だったらしく、痛くもなかったのかポカンとした表情をしていた。


奥隣が白湯の主浴槽で、バイブラが半分、残りが座湯だった。
温度は44℃ぐらいと熱めだったのであまり人が入っていない様子。
浴槽の入り口側(右側)は、足下のタイルが足つぼにになってて、踏むと足裏が痛い。
通路を隔てて奥に水風呂がある。こちらは2人が入れるぐらいで、水温は14℃ぐらいだろうか。かなり冷たいと感じた。そして一番奥にサウナが設置してある。


浴槽はこれでおしまいなのだが、庭の一画には外気浴スペースがある。3人ほどが滞在できて、浴室内のイスを持ち運んで涼むことができる。
周囲は外壁で覆われているのでもちろん外から見られる心配がないし、きれいに剪定された庭を眺めながらゆったりした時間を楽しむことができる。


実はここを知ったきっかけというのが、猫びより(3月号)という雑誌にあるコーナー「東京猫びより散歩」で岩の湯が紹介されていたことだった。
ネコ好きなので看板猫がいるならばと足を運んだのだが、先述したとおり残念ながら不在(あるいは休憩中?)だったらしく出会えなかった。
雑誌の中では、毎回挨拶しても返事をしてくれない入浴客のおじいちゃんがいたらしく、猫を撫でてる姿を見て声を掛けたら初めて話をしてくれたという感動エピソードがあって、それを読んで店主の女性が客とのコミュニケーションを重視してる人なのかと思ったら、まさかこちらから声を掛けないと挨拶がくれないとは思ってもみなかった。
帰りの時はふつうに対応してくれたし不満はなかったが、メディアが発信するイメージというのはあらためて鵜呑みにできないものだと感じた。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 地下鉄赤塚
経路 北へ歩く
周辺の環境 住宅、商店街

●空間演出
建物外観 ビル?
壁画・眺望 特になし
統一感 あり
置物 猫に関連したもの
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 ふつう
シャワーの出 やや悪い
浴槽の種類 シルク風呂、バイブラ、座湯、水風呂
サウナ あり
温度 41~44℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 50代ぐらいの女性
客層 高齢者がメイン


【案内】

住所
〒175-0092
板橋区赤塚6−12−2

電話番号
03-3930-3750

アクセス
東武東上線「下赤塚」駅下車、徒歩5分

休日
金曜

営業時間
15:30−23:00
日曜は13~21時

※東京銭湯ホームページ転載

中銀カプセルタワービルー理想と現実

2022-04-21 06:45:00 | 日記







新橋を最寄り駅として汐留のすぐ後ろにあるのが、昭和を代表する建物である中銀カプセルタワービルです。
こちらは2022年4月12日から解体が始まりました。
報道でも伝えられているように、黒川紀章さんが設計した建物で、メタボリズム(新陳代謝)の思想を前面に押し出した集合住宅になります。
一つひとつがカプセルの形状になっており、老朽化したら部品のように取り替えていくという当時としては画期的な考えでした。いまで言うSDGsの嚆矢といったところでしょうか。

野心的な試みではありましたが、完成してから一度もカプセルを交換することなく、解体の日を迎えています。
机上のうえでは理想的に思えることも、実際にやってみると上手くいかないということは多々ありますが、この建物もその類だったということでしょう。







建物は開業当時(1972年)の近未来像をそのまま落とし込んだ形でデザインされており、今見ても非常にユニークで洗練された建物だと感じられます。
同時に、その時代の人たちが追い求めた理想の姿は郷愁感にいざなってくれます。
建物の斬新さだけでなく、古き良き時代のノスタルジックさが今も多くの人たちを魅了しているのかもしれません。

ちなみにカプセルの中はといいますと、5畳という狭い空間になっており、テレビやオーディオ機器、ベッドなどはあったものの、家事に必要なキッチンや洗濯機はありませんでした。
食事は外食で済ませ、洗濯はコンシェルジェに頼むということを前提とした設計だったようです。
つまり居住空間に一切の仕事は持ち込まず、趣味や娯楽、休憩に特化した空間だったわけです。売り出し文句は都会の前哨基地、セカンドハウスでした。

このカプセルタワーは何かに似てるなと思ったら、ネットカフェでした。
ネットカフェも非常に狭い空間の中に、パソコンやベッドがついていて、食事サービスやシャワーまで完備してております。最近は自由に出入りできて、機能面に関してはまさに瓜二つです。
このように捉えてみると、中銀カプセルタワーは時代の嗜好性さえも先取りした建物だったのかもしれません。 






ここ数年前からはボイラーが破裂してシャワーが利用できなくなったり、階下にあったコンビニも撤退するなど、いろいろと不便を強いられたようです。熱烈なファンだった人たちも次第に離れていきました。


理想を掲げ、おおくの人々が建物の永続性を求めましたが、結局は半世紀で幕を閉じました。
今回の存続と解体をめぐる一連の流れは、どんな物事にも必ず終わりはやってくることを明示する出来事だったように感じられます。











えびす湯(東京・飛鳥山)

2022-04-16 06:27:00 | 銭湯
#えびす湯






都電荒川線
#飛鳥山駅

▲都電荒川線の飛鳥山駅。名前のとおり、飛鳥山公園の目の前にある駅だ。
飛鳥山は、渋沢栄一さんが晩年に住んでいた場所である

▲路線図はこんな感じ。王子駅の隣に位置する


▲飛鳥山方面へと歩き


▲ちょうど桜が咲き始めた頃だった。飛鳥山を桜の名所にしたのは八代将軍徳川吉宗である。吉宗は隅田川の堤にも桜を植えており、今の桜並木の原型を作り上げた人と言えるのかもしれない






▲この時は五分咲きぐらいだった


▲駅を出たら右折


▲あとは真っ直ぐ行くだけ










▲鞄屋さんのところで立ち止まると


▲右を向けば、えびす湯がある。歩いて2~3分といったところか


▲薪で沸かしてるようだ


▲古いコインランドリー






▲春の嵐が吹き荒れる日だった


▲到着
 

左が男湯で、右が女湯だった。
下足箱に靴を預けて引き戸を開けると、右側に番台があり、座るのは40代半ばぐらいの男性。独特の雰囲気を放っていたが人当たりのいい挨拶をしてくれる。
貸しタオルをお願いするとビニール袋から取り出してくれて、10円だった。
入店した直後は全体的に薄暗く、電灯は間仕切り壁のところしか点灯していなかった。古い蛍光灯なので、なおさら暗い。
ロッカーは真ん中にある島ロッカーと、左壁に並ぶ。そのロッカーの横にはコンビニで売ってる廉価版の漫画本が陳列され、頭上には過去の薬湯のポスターが隙間なく貼られてあった。
全体的に古いけれども、きちんと整理されているという印象だ。


入店したときは開店してまもなくの時間帯だったためか誰もおらず、どうやら自分が一番客だった。
大抵は開店前に常連客が並んでいるが、ここはそうした光景は見られず。ただ、その後すぐに常連客ぽい人が入ってきて、番台の店主と親しげに話していた。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲脱衣場の注意書きには、「脱衣場で体操禁止」と書かれてあった


浴室の扉を開けると、浴室も脱衣場同様に綺麗で、なおかつスペースに余裕がある。
島カランと左右の壁にもカランが並ぶが、その島と壁の間がかなり広めだ。
立ちシャワーは右に1つと、左には2つ。左にある立ちシャワーはパーティションがなく、単にヘッドとハンドルが取り付けられてあるだけ。
カランのシャワーはとにかく勢いがあって使いやすく、古い銭湯なのにメンテナンスがしっかりしている。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴槽は奥にあって、2つに分かれている。
左が浅浴槽で、真ん中にひとつだけジェットがあり、右は深浴槽のみ。
浴槽は形式的に分かれているものの、真ん中の下でつながっているので、実質ひとつの湯船だ。
薬湯はローズマリー。青緑色で、絶妙な匂いを漂わせていた。
温度は43℃ぐらいで、最初に入ったときは熱く感じたが、慣れれば気持ちいい。


浴槽の左にあるのがミストサウナで、外観はかなり立派な作りだった。
扉を開けて中に入ると、蒸気が吹き出してくるほどではなく、湿度はたしかに高いけど、これをミストと呼べるんだろうか?といった感じ。
室温も微妙なところで、夏のうだるような暑さ程度である。これが真夏だと外気温とほとんど変わらないだろう。
座るところに簀(す)の子が置いてあり、だいたい4人ぐらいのスペース。ギリギリまで詰めれば6人が入れるかもしれない。


出典:東京銭湯ホームページ引用


壁絵は古典的かペンキ絵で、真ん中に富士山が描かれていている。部分的に剥がれており、描かれてからだいぶ年数が経っているだろう。


客は、自分以外だと高齢者がひとりのみ。その人はさっさと入浴して出て行ってしまったので、ほとんど独占状態だった。
女湯からは少し話し声が聞こえていたが、それも途中から聞こえなくなり、あまり客の入ってない銭湯のようだ。
すごく静かなのと浴室をほとんど独り占めできたので、つい長湯してしまった。
浴槽の設備はジェットがひとつだけだったり、確かにほかの銭湯と比べたら乏しいものの、全体的にきちんとしているのでなぜこんなに客が少ないのか不思議だった。
個人的にとても快適で、また来たいと思える銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 飛鳥山
経路 飛鳥山すぐ横
周辺の環境 飛鳥山

●空間演出
建物外観 昔ながらの建物
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 漫画本
照明 薄暗い

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 広くてきれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 ジェット、薬湯
サウナ ミストサウナ
温度 43℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(10円)
備え付け なし

◆人
受付 40代半ばぐらいの男性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒114-0023
北区滝野川1−1−20

電話番号
03-3910-7392

アクセス
京浜東北線「王子」駅下車、徒歩3分

休日

月曜
祝日は翌日休

営業時間
15:00−24:00

※東京銭湯ホームページ転載