銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

お玉湯(東京・赤羽岩淵)

2022-12-31 08:32:00 | 銭湯
#お玉湯





東京メトロ南北線
#赤羽岩淵駅
▲南北線の赤羽岩淵駅。ここが東京の北限で、それ以降は埼玉になる


▲階段かエスカレーターをのぼり

▲改札口

▲改札口を抜けたら出口3番をめざす


▲3番出口がみえてきたら、右に進む

▲右に向いたところ

▲横断歩道を渡り

▲あとはひたすら真っ直ぐ進むだけ



▲お寺がみえてきて


▲JRの京浜東北線や高崎線をくぐり


▲右にお玉湯がみえてくる


▲開店直前。写真には写ってないが何人か高齢者が座って待っていた


▲そして開いたところ


出典:東京銭湯ホームページ引用


▲到着


中に入ると、左側のところに下足箱が並び、靴を入れて奥に進むと左側に受付がある。座るのは60代ぐらいの男性。
後ろ髪が長く、昭和フォーク世代を想起させる容貌だ。正面に立つと、店主は少し驚いた様子で壁にもたれ掛かっていた体を起こして対応してくれた。
「貸しタオルありますか?」とたずねると、バスタオルか小さいタオルか聞かれたので、フェイスタオルのみをお願いすることに。
フェイスタオルは受付の横に乱雑に積み重ねられ、そこから良さげなのをチョイスしてくれた。正直、衛生的に大丈夫だろうか?とは思ったものの、無料だったので文句は言うまい。
タオルは使い終わったらカゴに入れてほしいと言われる。
ここはロビーと呼べるスペースはないのだが、端っこの壁沿いに長椅子が並ぶ。
女湯は左側で、男湯は右側だった。


のれんをくぐると、予想していたよりも脱衣場が小さく感じたのと、やや雑然した様子だった。
ひだり側にある洗面台には客の私物らしき物が無造作に置かれ、整理整頓に関してはユルいところらしい。テレビは間仕切り壁の上にあったが、電源は入っていなかったのでとても静かだった。
服を脱いで浴室の扉をあけると、浴室もまたとても小さい。
目の前の島カランはカランが4つほどしかなく、ひだりの壁にもカランが並ぶが、こちらもそんなに長くはない。
カランはシャワーを出してみたところやたらと熱くて、ギリギリ耐えられるほど。途中で止めないとそれだけでのぼせてしまうほどだった。
手前右側にはサウナがあったが、中は真っ暗で、扉は養生テープで閉ざされていた。コロナの影響で自粛なのかそれとも単に壊れていて使えないのかは不明。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴槽は奥から右手前にかけてL字型で並んでいる。左から見ていくと左端にあるのが薬湯で、2人ほどが入れる広さだが詰めないと入れないし、縦長なので人が出入りする度になにかと気を使ってしまう。
温度はけっこう高めで44℃ぐらいだった。なのにここでは意外と長めに入る人が多い。この日はラベンダー湯でいい匂いがした。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらは女湯


その右隣にあるのが主浴槽。すぐ隣にジェットバスの座湯が2つ続く。そこから右奥がバイブラで、手前にかけてなにもない白湯が続く。
白湯の浴槽は温度が43℃と適正温度だ。ちゃんと温度計がつけられていて、おそらく正しく表示されていると思われる。
そして最後の一番右手前にあるのが水風呂で、ひとり用のスペース。遊び心でアヒルちゃんが浮いていた。手をつっこんでみたところ、想像よりもぬるくて、たぶん30℃ぐらいだろうか。このあたりの温度になると正確に分からないが、だいたいそれぐらいに感じた。冷たい水風呂が苦手な自分も入れるぬるさだった。


壁絵は日本庭園を撮影した写真フィルムで、いちべつすると綺麗にみえるが、よくよく見ると湿度による攻撃で端っこ部分の剥離が進んでいた。これは風呂屋の宿命で仕方ないことだろう。


客層は高齢者か中高年。最初入ったときは、開店直後であったにも関わらず先客1人だけと寂しいものだった。
あまり人気のないところなのかと勝手に思っていたところ、次々と人が入ってきて、気がつけば満員御礼。人いきれに埋まっていた。
通常だと開店直後に沢山の常連客が入って、その後は一気にひけるパターンが多いが、ここはそうしたパターンとは違うところのようだ。なので可能なら開店直後が狙い目である。
ちなみに女湯の方から子どもの金切り声が響いていていた。その子どもと対話する声は高齢者ぽかったので、おばちゃんが孫を連れてきたのかもしれない。
ここは最低でも43℃だし、カランのシャワーは異常に熱かったし、子どもには叫びたいほど厳しかったのかも。


マンション銭湯ということで空間は決して広くはなく、かつ老朽化が所々みて取れた。
お玉湯という名前から連想される方もあるかもしれないが、神田にも同じ名前の銭湯があって、どうやら神田のお玉湯からのれん分けしたところらしい。
どういった経緯でそうなったのか分からないけど、改めて銭湯業界というのは横のつながりが多いことに驚かされる。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 岩淵赤羽
経路 環八を川に向かって歩く
周辺の環境 荒川

●空間演出
建物外観 マンション
壁画・眺望 日本庭園の写真
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう

★設備
休憩所 受付前
脱衣所 小さい
シャワーの出 ふつう(ただし熱すぎた)
浴槽の種類 水風呂、バイブラ、ジェット、薬湯
サウナ あり(ただし稼働していない)
温度 43~44℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 マイペース
清潔さ 微妙
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし

◆人
受付 60代ぐらいの男性
客層 高齢者や中高年


【案内】
住所
〒115-0052
北区赤羽北1−25−13

アクセス
埼京線「北赤羽」駅下車、徒歩7分
南北線「赤羽岩淵」駅下車、徒歩7分

休日
水曜

営業時間
15:45−23:00

※東京銭湯ホームページ転載

万年湯(東京・新宿)

2022-12-24 08:14:00 | 銭湯
#万年湯





西武新宿線
#西武新宿駅
▲改札口


▲改札口を抜けて階段を降りて





▲外に出たところ

▲左に進み



▲歌舞伎町一番街がみえてくる

▲中に入っていこう


▲ずっと真っ直ぐ

▲右に大きな建物がみえてくるが

▲東宝ビルディングだ


▲巨大ゴジラをみることができる

▲ひだりにシネシティ広場。ここらへんがいわゆるトー横と呼ばれている。トーホーシネマズ横あたりでたむろする子どもたちのことをトー横キッズと呼ばれる

▲家庭に居場所がなかったり問題を抱えた若者たちが寝っ転がったり、椅子を持ち込んで座りながらダベったりしていた。歌舞伎町らしい刹那的で自由な風景


▲イベントがあるときはこうして人が集まる。これはコロナ前に行われたラグビーワールドカップ日本大会の時の様子






▲誰もマスクなんかしてなかった


▲トー横を過ぎて




▲左に大久保病院がみえてくる




▲その先に見えるのは大久保公園。いつもイベントをやってるところだ


▲この日は焼き芋フェスなるものをやっていた


▲すごい行列




▲ちなみに大久保公園一帯は、夕方から夜にかけて私娼の女性たち(パパ活女子。あるいは立ちんぼ)が立っている



▲その先へと歩くと


▲大通りにでる


▲この大通りをいったん渡り


▲右折する


▲ちょっと歩けば




▲ドン・キホーテがみえてくる。ここを左折する


▲歩いているのはイケメン通り





▲狭い道の両端には、韓国料理屋さんが軒を連ねている






▲若い女の子や親子連れ、カップルなどが沢山いた



▲再び大通りにでて


▲ローソンのところを右折

▲ちょっと歩いて


▲右折する


▲その奥に進むと


▲万年湯がある






▲二階にコインランドリーがある風変わりなところだ


開店前に到着すると、10人前後の高齢者たちが扉があくのを待っていた。公式では15時開店になっているが、実際は5分前ぐらいにお店が開き、待ちかまえていた人たちが続々と入っていく。
下足箱のスペースはすぐに人でギュウギュウ詰めになった。


▲熱気がすごい


様子を見ながら落ち着いた頃を見計らって中に入ると、受付は直進した左手にあり、その手前に小さな券売機がある。簡潔な説明なので迷うことなく購入。
ただ、券売機の設置が不安定なので、おつりのボタンを押すと機体が前後に傾いて困惑した。
受付に座るのは、50代ぐらいの女性。言葉使いはとても丁寧で人当たりはとても良かったが、多くの客をさばくのに精一杯だったためか少し険しい表情をされていた。
「フェイスタオルありますか?」とたずねると、タオルは受付の横に積まれ、その隣に小さなカゴがある。
帰りにこの小さなカゴの中に返してほしいと言われる。
奥には狭いながら休憩スペースが用意され、壁にはテレビがある。ただ電源は入ってなかった。
入り口は男湯が手前(左側)、女湯が奥(右側)だった。


のれんをくぐると、木目調のロッカーが目に飛び込んでくる。ここは和風をコンセプトにした銭湯で、カラーは木をイメージしたものばかり。統一感がしっかりと貫かれていた。
左側はドレッサーで右側にロッカーがある。ロッカーはL字になっているので、真ん中付近で着替えていると右側と奥の人たち両方から板ばさみにされる。可能なら端っこを使ったほうがいい。
脱衣場は外気を取り込んでいたのでかなりヒンヤリしていた。風呂上がりだとすぐに汗がひくのでちょうどいい。


浴室の扉をあけて中に入ると、島カランが2つある。といっても島カランは両方とも短く、右側にある間仕切りのカランが一番長かった。 
シャワーの出はそれなりに使いやすいが、2016年にリニューアルしたので今は6年は経過しているとあってかシャワーの一部が均等に出ていなかった。鏡も水あかで曇っていた。
このように水回り設備は5~6年で問題が出てくるようだ。


左の手前にくぼんだスペース立ちシャワーがある。立ちシャワーの勢いも弱く、デザイナーズ銭湯だと設備がしっかりしてるという印象を持っていたが、それもリニューアル当初に限った話か。
右手前にシャンプーや石鹸の備え付けがいくつも置いてあって、自分で持ち運んで使い終わったら元の場所に戻す。


左壁に目を移すと、壁を掘り下げられたところに水風呂がある。左右に段差があり、かなり浅い作りだった。人が入ると水が溢れるので、真横にある島カランのところでシャワーを浴びていたら突然足もとが冷たくなってビックリした。


湯船は左を手前にしたL字型で、その一番手前にあるのが薬湯の熱湯。
白濁のお湯で一見すると微細泡のシルク風呂のようにも見えるが、お湯に溶かす袋が浮いていたので薬湯だろう。
手を突っ込んでみたところ、めちゃくちゃ熱くて48℃近くだろうか。
デザイナーズ銭湯でこんなに熱いお湯があるのはかなり珍しい。最近はサウナブームに触発されてか昭和回帰の流れが起きているのかもしれない。
ただ熱すぎてほとんどの人が利用していなかった。これではなんのための設備か分からないので、もう少し低めのほうがいいのではないだろうか。
奥にある主浴槽の白湯で、至って普通というか、少しぬるいぐらいの40℃前後。なので入るときもまったく抵抗がなく、いつまでも入っていられそうだった。
主浴槽の左側がバイブラで、真ん中に電気風呂、右端に座湯のジェットがある。


壁絵はチップタイル絵の鶴の一群。シルエットを描いたようなもので、抽象性の高い絵になっている。
以前来たときは浴室内がかなり暗かった記憶があったが、今回はむしろ明るい印象を受けた。といっても間接照明が基本なのですごく明るいわけではないが、視認性になんら不都合はなかった。
客層は高齢者がやはりメインながら、時折若い人たちが入りに来てて、中高年もちらほら見かけた。


ここは新大久保のど真ん中にあるということで観光客が押し寄せる地域ではあるが、入浴客はそうした観光とは無縁の高齢者ばかり。ただ、そうした観光客が来なくてもかなり繁盛してるので、むしろこれ以上来られたら大変かもしれない。
新大久保や新宿はあらゆる欲望がうずまく場所であるが、万年湯はそれらとは対照的に控えめで伝統を重んじる日本らしさを堅守する銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 新宿、新大久保
経路 新大久保中心部へ
周辺の環境 商店街

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 鶴の一群
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 和風で綺麗
シャワーの出 ほぼ問題なし
浴槽の種類 薬湯、水風呂、バイブラ、座湯、電気風呂
サウナ なし
温度 40~48℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 50代と80代ぐらいの女性
客層 高齢者がほとんど。一部若者


【案内】

住所
〒169-0072
新宿区大久保1−15−17

電話番号
03-3200-4734

アクセス
山手線「新大久保」駅下車、徒歩5分

休日
土曜

営業時間
15:00−24:00

※東京銭湯ホームページ転載

喜代乃湯(仙台・仙台)

2022-12-17 06:47:00 | 銭湯
#喜代乃湯






JR東北・北海道新幹線
#仙台駅

▲JR仙台駅





▲新幹線が到着するとすごい人であふれかえっていた。さすが東北随一の大都市である


▲とりあえず南口方面へと降る


▲降りたら右にむかい

▲新幹線の出口


▲左側をみると大変にぎわってるが


▲むかうのは東口になるので右に進む


▲さらに右を進んで

▲エスカレーターで降りて


▲大きなコンコースにでる


▲真っ直ぐすすみ


▲駅から出て左に向いたところ

▲地図をみたら右斜め方面に進む


▲目指すはだいたいここらへん

▲階段かエレベーターで降りて


▲仙台駅を左にみながら真っ直ぐすすみ

▲Biviという商業施設にぶつかるので


▲右に進む


▲そのまま歩いて

▲横断歩道も渡り




▲大通りに出るので


▲その大通りを左折する


▲ここでひたすら直進




▲ビル群に囲まれて整理された街並みを歩いていると、はるばる仙台まで来たのに東京に来たような感覚だ









 


▲右にあるアンパンマンミュージアムを横切り


▲横断歩道をわたったら

▲右折する


▲あとはほぼ真っ直ぐ









▲ここでストップ


▲左折すると


▲喜代乃湯がみえてくる




▲右手前に見えるのはスナック。今も営業してるのか微妙な雰囲気


▲左はコインランドリー。このへんはお約束だろう


▲入り口はというと真ん中の奥にある

▲こちらに案内があった


▲この薄暗さがなんとも昭和チックな感じで好きだ


▲階段をあがれば、入り口に到着


入り口に入るまえに高齢の女性とすれ違い、「いらっしゃいませ」と挨拶をしてくれた。
のれんをくぐって中に入ると左右に下足箱がある。
足を置く場所がかなり狭いので、靴を脱ぐときにバランスを崩してズッコケそうになった。
入って目の前にあるのが歴史を感じさせる椅子の一群で、横列にズラッと並んでいる。コロナを警戒して間引きされていたが(一つずつ間をあけて使用禁止の張り紙が貼ってあった)、座ってる人は誰ひとりとしていなかった。
ロビーの奥はちょっとした食事処のような畳敷きがあり、往事はそれなりに賑わいがあったのかもしれない。当時は健康ランド的なものを目指していたのだろう。
受付のフロントは左側で、座るのは60代半ばぐらいの男性。
「こんにちは」と挨拶をして、「貸しタオルありますか?」と訪ねると「貸しタオルはバスタオルしかないですねぇ」と言われたので購入することに。
タオルはどこだろと手前のショーケースを眺めていたが、どうもタオルは置いてなかった(関東の古い銭湯だと大抵はショーケースから自分で取ってと言われる)。怪訝そうな表情で店主がみていたので、受付のところにあるのかと気が付き「タオルをお願いします」と言うと、下あたりから出してくれた。「(タオルは)220円で入浴料あわせて660円です」と言われた。やはり神奈川や東京と比べると入浴料は若干安い。
先ほどの入り口から見て右側に浴室の入り口がある。その途中には自販機が並び、左側が女湯で、右側が男湯だった。


のれんをくぐると、やや広めの脱衣場になっていて、ロッカーが金属製なのでプールの更衣室を思い出す。風情はすこし削がれるが、管理の面では合理的だろう。創業当時はこうした作りが流行っていたのかもしれない。
ロッカーはコインリターン式で、100円を投入する必要がある。鍵はバンド式。いつもは足首に掛けるのだが、このタイプだと手首しかつけられないのであまり好きではない。
奇妙なのは、受付が二階にあったのに、浴室は一階にあることだ。この不思議な構造はなにか理由があるのだろうか?(だったら受付もはじめから一階にしてほしかった)
浴室へと降りる階段は外階段のように幅が広くしっかりしたものだった。
薄暗い階段を降りると、引き戸の扉が目の前にあらわれ、開けるとやはりビル銭湯ということで天井は低く、平面のスペースも横長と狭いものだった。
カランは五角形のような島カランが3つほど奥にかけて点在し、壁沿いにもカランが並んでいる。
ただし島カランのほうはことごとく壊れていて、ハンドルもすべてもぎ取られていた。
壁沿いのカランは初めてみるカタチのもので、すべてホースシャワーなのだが、先端部分がかなり細い形状。操作方法も奇妙なものだった。
というのも、右にあるハンドルを上向きにひねってONに合わせるが、ちっともお湯がでない。
なんだろうこれ??と困惑と失望にさいなまれながらよくよく見ると、ヘッド部分にプッシュボタンがあった。それを押すとお湯が出る仕組みだった。
しかしなぜ二重操作が必要なのか理解に苦しむのと(お湯の出しっぱなしを防ぐためか)、先ほども書いたようにヘッドが小さいので、出てくるお湯がシャワーではなくジェットである。
そのため出てくるお湯の幅が狭すぎて、どうしても使いづらい。必然的に洗うのに時間が掛かる。しかもボタンを押しながらでないと使えないので、片手がふさがり、不便きわまりなかった。みんなよく我慢して使ってるなと思った。自宅のシャワーの方が3倍快適だ。
さらにもう一点付け加えると、カランの蛇口のお湯を出したら、お湯じゃなくて文字通り熱湯だった。飛び跳ねたお湯が腕に当たったときは、あまりの熱さに自分が飛び跳ねそうになった。
カランのお湯が熱かったのはたまたまだったのか分からないけど、ここまで熱いお湯がでてきたのは初めてだったから驚いたし、危ないと思った。


湯船はむかって右側に並び、手前がやや深めの主浴槽になっている。温度は42℃ほどでちょうどいい案配だった。同じ湯船の間にはステンレスの棒で区分され、バイブラが奥側にあった。
ちなみに主浴槽の手前の部分はかつて超音波があったであろう痕跡が見て取れたが、まったく稼働せず、案内プレートもほとんどの文字が消失していた。
主浴槽の奥隣に一人用の湯船があるが、こちらも42℃ほどの白湯で、なにかあるわけではない。ボタンらしき跡が見えたが、これも壊れたまま直すことなく放置されていた。
一番奥にあるのは円形の水風呂で、むき出しのホースが引っ張られており、それで水をためていた。手を突っ込んでみたところ常温の水だった。水道水をダイレクトに取り込んでるから当然といえば当然である。こちらもほぼ一人用の広さ。


そして水風呂があるということは、サウナがあるということである(必ずしもそうとは限らないけど)。
そのサウナの目の前(向かって左側)にラドン湯の浴槽があったが、こちらも壊れたままらしく閉鎖されていた。他が壊れたままのことを考えると、ラドン湯も再起することはないだろう。


ところでサウナの前に立つと注意書きが張ってあった。
読んでみるとサウナの閉鎖する時間などとともに、最後の行では「ロッカーの鍵を使ったいたずら書きをやめてください」と記されてあった。
扉を開けて中に入ると、座るところは三段ほどの階段になっているが狭いためにかなりの勾配となっている。テレビなどは設置しておらず、まさにこれでいいんだよ的なシンプルな作り。
それと先ほどの注意書きが気になって壁を眺めてみると、無数のいたずら書きが壁一面にビッシリと覆っていた。
しかもみんな汚い字なのでなんて書いてあるのかほぼ解読不能。書いてるというか彫刻の域に達してるほど彫り込まれていた。たしかにこれはヒドい。
なんとか読める文字をみつけると、自主規制で紹介しないが同性愛者を揶揄する言葉が書き殴られていた(しつこく何度もなぞった痕跡もあった)。
エジプトのピラミッド建設の時代からいたずら書きというのはあったらしいので、こういう行為は文化を超越した人間の本能的行動なのかもしれないけど、ここまで書くか?という感じである。これでは入浴客の民度を疑ってしまう。
温度はそんなに熱くなくて、90℃ぐらいかなという感覚だった。


室内は全体的に印象深い白のタイルをベースにしていて、創業あるいは改装?当時としてはかなり斬新な銭湯だったのではないかと思われる。それだけに所々壊れていたのは残念だった。


客層は高齢者はほとんど見かけず、中高年か若者がほとんど。人数分は5~6人ほどで混雑はしていなかった。
ただ元々スペースが狭いので、キャパシティとしては10人前後が限度かもしれない。それ以上になると窮屈だろう。


ここは夕方頃にたずねたのだが、階段の薄暗さと建物自体が古いゆえに全体的に哀愁感が漂い、えもいわれるノスタルジックな気分に浸ることができた。
老朽化や設備不良はどうしても目につくが、輝いていた頃の精神が今も息づく毅然とした雰囲気をもつ銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 仙台
経路 北東へ進む
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 昭和なビル
壁画・眺望 特になし
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 無機質な感じ
シャワーの出 かなり特異
浴槽の種類 バイブラ、水風呂
サウナ あり
温度 42℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル なし(購入220円)
備え付け なし

◆人
受付 60代の男性
客層 中高年や若者


【案内】

住所
仙台市宮城野区 小田原1-8-5 第一喜代乃湯ビル 2F

交通・
アクセス
JR「榴ヶ岡駅」出入口1より徒歩11分

TEL
022-256-5749

営業時間
16:00~22:00
《日》14:00~22:00

店休日
月曜日

駐車場
15台

※みやラボホームページ転載

日進湯(さいたま・大宮)

2022-12-10 06:02:00 | 銭湯
#日進湯





埼京線
#大宮駅
▲JR大宮駅。新幹線もある駅なので、かなり大きな駅である




▲階段をのぼり


▲さらにグルッとまわって


▲もう一度のぼる


▲北改札口をめざそう


▲北改札口


▲出たところ


▲北改札口から右に進むと西口になる


▲西口を出たところ。駅前はかなりの大都会で驚いた


▲大宮駅を振り返る


▲近くの地図をみるとちょうど右斜めの点線ルートの先に日進湯がある


▲きらやか銀行のすぐ下だ


▲アルシェを横切りたいので


▲アルシェまで歩き


▲左の階段を降りる


▲ここを降りて


▲右の道に進む(ローソンを横切る)


▲そのまま真っ直ぐすすむ




▲左に大宮ソニックシティがみえてくる






▲りそな銀行がみえてきたら近い


▲この横断歩道を渡り


▲左にむくと


▲日進湯が目の前にある








▲到着


▲中に入ったところ




ごらんの通り下足箱のところから男女に分かれている。左が女湯で、右が男湯。
サンダルをあずけて扉を開けると、すぐ左手に番台があり、座るのは70代ぐらいの女性。
自分が入ったときは店主が番台から降りて冷蔵庫にドリンクを補充したりとテキパキと動いていた。
対応はどちらかといえばぶっきらぼうな方であるが、気心しれたら気兼ねなく話せる感じの人である。
「貸しタオルありますか?」とたずねると、「貸しタオルは20円ね」と間仕切りにある積み重なったタオルを指して、「タオル使うの?」と聞かれた。貸しタオルがあるかどうかたずねて使うかどうか聞かれたのはここが初めて。「使います」と言って下ろしてもらい、入浴料とタオル20円で合計470円を支払った。


脱衣場はこじんまりとしており、いかにも下町にある銭湯という感じ。レイアウトは本当に昔ながらの形をそのまま残していて、店独自のアレンジはほぼ見あたらなかった。
真ん中に島ロッカーがあり、右側には小さな坪庭がしつらえてある。頭上の棚には常連客用の用具が所狭しと肩を寄せ合っていた。
販売商品のケースの隙間にはいろんなキャラクターのグッズやぬいぐるみが置かれ、その間に挟まれていたのは謎掛けで、「日進湯とかけまして、自宅のペットで飼っていると鳥とときます。その心は、いつもコンドル」。
実際に浴室にしても脱衣場にしても、かなり混んどる。なかなか地元で人気のところのようだ。


扉をあけて浴室に入ると、浴室もまた昭和の風景を忠実なまでに再現(というかそのまま残)している。絵に描いたような昭和の銭湯そのものである。
真ん中に島カランがあって、左右の壁にもカランが連なる。
カランのシャワーは軒並み勢いが弱くてちょっと残念。
浴槽は奥に並び、2つに分かれている。
左の狭いほうが深浴槽で、温度は44℃ぐらいだろうか。足を入れると少々きついなと感じた。
右の広い方は浅浴槽で、おなじぐらいの温度。おそこちらも44℃ぐらいで、真ん中にバイブラがついているだけだった。
どちらとも白湯なので、きわめてシンプルな浴槽である。


出典:埼玉県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用


壁絵は富士山の絵で、すそ野がキャンバスの両端まで広がり、その下には牧歌的な日本人の原風景と呼べる田舎の景色が描かれている。
壁絵の下には鯉を描いたタイル絵。コイコイ(来い来い)と縁起を担いだもの。
間仕切り壁のところにもタイル絵が飾られ、どんな角度からどう切り取っても昭和の銭湯だった。


浴室にしても脱衣場にしても建物はたしかに古いけれども手の行き届いた清潔感があり、きちんと管理している様子が伺える。
客層は全員高齢者で、若い人はまったく見かけなかった。
今まで色々な銭湯を見てきたが、ここまで昭和の銭湯を完璧に再現(保存?)したところはないかもしれないと思った。それほどまでに完成された昭和の銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 大宮
経路 西にむかう
周辺の環境 住宅地

●空間演出
建物外観 日本家屋
壁画・眺望 富士山、鯉
統一感 あり
置物 ぬいぐるみ、謎掛け
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 小さいけどきれい
シャワーの出 勢いが弱い
浴槽の種類 バイブラ
サウナ なし
温度 44℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ぶっきらぼう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(20円)
備え付け なし

◆人
受付 70代の女性
客層 高齢者

【案内】

浴場名
日進湯

ふりがな
にっしんゆ

〒330-0854
浴場所在地
さいたま市大宮区桜木町2-478

開店
3:00 PM閉店9:00 PM(令和4年8月訂正)

週休日
月、金

※埼玉県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載

浜口温泉(大阪・安立町)

2022-12-03 06:59:00 | 銭湯
#浜口温泉






阪堺電軌阪堺線
#安立町駅
▲安立町駅。大阪にあるチンチン電車の駅である


▲東京の荒川トラムと同じ風景であるが、やや錆びついた感は否めない



▲電車はこんな風に鮮やかなペイントで彩られていた


▲ちかくの地図をみると浜口温泉はすぐ目と鼻の先である


▲安立町駅の横にコカ・コーラの販売機がみえると思うのだが

▲自販機に沿った奥を眺めると、すでに浜口温泉がみえている




▲右奥に煙突がみえる

▲駅から15秒で到着


▲ここは密集した住宅街の中にありながら、駐輪場と駐車場も完備しているのでなかなか便利






▲到着

看板には温泉とあるけど、ここは温泉をそなえた銭湯ではない。大阪では銭湯=温泉みたいなところがあるので、そういったつもりでとらえる必要がある


のれんをくぐって玄関口に入ると、男女の入り口が左右にわかれていた。ということで受付は番台である。


▲下足箱のスペース。みぎが男湯


サンダルをあずけて扉をあけると、中央(男湯からしたら左側)に受付があり、座るのは40代半ばぐらいの女性。銭湯業界ではめずらしくきちんと化粧をしている。愛想はなかったけれど品のある対応だった。
「こんにちは。貸しタオルありますか?」とたずねると、すぐ横から取り出してくれて「バスタオルは?」と訊ねられたので「フェイスタオルだけで大丈夫です」とこたえた。帰りのときはスマホをいじっていたので、この辺は若い世代なんだなと思った。受付が高齢者だと基本的にテレビ(それもサスペンスドラマがほとんど)しかみてない。


脱衣場は縦長の作りで横幅はすこし狭い。しかし狭いことで人との距離を縮ませてくれる気がした。いかにも下町の銭湯らしい作りである。
驚いたのは、古い銭湯なのにとにかく綺麗なことだった。
整理整頓はもちろんのこと、床をみてもチリひとつ落ちていない。これはお店がしっかりしているだけでなくお客さんのマナーが良いあかしでもあるだろう。
手前にはぶら下がり棒が片隅に置かれ、奥にかけて油絵が飾られてある。間仕切り壁には招き猫がさりげなくあった。
左側の洗面台には淡白なブルーのタイルで装飾され、随所にはかとない昭和の精神に触れることができる。
浴室の入り口は磨り硝子で、熱帯魚とともに裸体の若い女性が描かれていた。こういう真面目一辺倒ではないアクセントも個人的には好きである。
全体的に無駄がそぎ落とされ、建物は古いけれど研ぎ澄まされており、“簡潔こそ知恵の魂”というが、洗練された空間は経営者の誠意と知性の発露でもある。


浴室の扉をあけて中に入ると、浴室も奥まったレイアウトだった。左右にカランがならび、右手前には立ちシャワーが一つだけ。この立ちシャワーはハンドルが一つだけの常温の水がでるもの。盛夏だとちょうどいい案配だったので浴びていて気持ちよかった。
カランのシャワーは、なんとプッシュ式である。昨今のスーパー銭湯と原理は変わらないが、古いカランでプッシュ式はここではじめて遭遇した。見た目は古すぎて最初はどこを押したらいいのか戸惑ってしまった。シャワーの出は右側の列が良くて、左側は微妙だった。


浴槽はいくつかあるのだが、最初は入り口の目の前にバイブラ(気泡)の浅浴槽が鎮座している。2人ぐらいが入れるスペースで、温度は41℃ぐらいだろうか。なかなか快適だった。お湯に慣れるのにちょうどいい湯船だろう。
そこから奥を眺めてみると、左側の間仕切りに主浴槽が連なる。
間仕切りの壁には田園風景のチップタイル絵が飾られてあった。関東ではお馴染みの絵である。


主浴槽は一つの湯船であるが、手前が深浴槽で、奥が浅浴槽に分かれていた。
浅浴槽はジェットバスと電気風呂が取り付けられ、温度は43℃ぐらいと意外と熱い。関西は基本的にぬるいと聞くけど、決してそんなことはない。最初に入るときはちょっとキツく感じた。


そして入った瞬間から気になるものがあったのだが、それが主浴槽の頭上にそびえたつ筒状ステンレスである。天井まで伸びており、なんだコレは?!と思いながらよくよく見ると、筒の中には螺旋の階段が取り付けられてあった。
ただ一階の浴室はそれで終わりではなく、階段をのぼるまえに浴室の奥側をみると、さらに設備は続いている。
真ん中に水風呂があり、みぎが薬湯、ひだりにスチームサウナがあった。
周辺のまわりにはレンガ風の凝ったタイルが施され、ヒミツ基地のような、大正ロマン風のような、そんな雰囲気でワクワクさせてくれる。
みぎにある薬湯に入ると奥が電気風呂仕様で、電気風呂ではない手前でも入ると肌が微妙にピリピリする。
薬湯の種類は解説がなかったけれど、漢方薬湯のじっこうだろう。温度は40℃ぐらいとぬるめ。
真ん中の水風呂は2~3人用の広さでまあまあ冷たくて、18℃ぐらい。
そして左にあるのがスチームサウナで、これはほんとに凄かった。


スチームサウナだから大したことないだろうと舐め腐って余裕のヨッちゃんで扉をあけると、ブワッと熱気が襲いかかり、入った瞬間は熱いじゃなくて顔がイタい!だった。それぐらいめちゃくちゃ熱かった。
しばらくしないうちに汗が滝のように流れてできて、こんなに本格的とは思ってなかったので度肝をぬかれた。
砂時計をもちこむ人がチラホラいたのでここの習わしのようだが、軟弱の自分には真似できなかった(すぐに逃げた)。


そして、先ほど紹介したステンレスで囲まれた螺旋階段をのぼると、しばらくぐるぐる回れば、天井の低い扉が目の前にあらわれる。
扉あけて外にでると、屋根に近い高さなので風通しがよく、屋根もあるので日差しをさえぎってくれる。
お湯はバイブラの白湯で、温度は41℃ほどだろうか。誰でも入れる温度だ。
さらにここの特徴としては縁の部分に椅子が取り付けられていた。外気浴の椅子というよりも足湯のような使い方をするものかもしれない。
ただし椅子の高さが比較的高いので、自分のような短足だと床に足がつかない。
仕方なくブラブラさせるしかなかった。


全体を通してみると、特筆すべきなのはとにかく綺麗であること、設備がすごく充実してること、そしてなによりも入浴料が300円と破格の安さであることだ。
このご時世でよくこの値段で経営できるなと感心してしまった。サービスは満点なのに過剰に金儲けをしようとする野心は一点も感じさせないホスピタリズムの塊のようなところである。教科書に載せたくなるような素晴らしい銭湯だった。





【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 安立町
経路 すぐ目の前
周辺の環境 駅、住宅

●空間演出
建物外観 古い建物
壁画・眺望 チップタイル絵
統一感 あり
置物 招き猫
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 超きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 バイブラ(ぬるめ)、ジェットバス、電気風呂、薬湯、水風呂、露天風呂
サウナ あり(ミストサウナ)
温度 40~43℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 品がある
清潔さ 古いけどきれい
貸しタオル あり(10円)
備え付け なし

◆人
受付 40代ぐらいの女性
客層 高齢者


【案内】
住所
大阪府 大阪市 住吉区清水丘1-31-15

アクセス
-駐車場3台 駐車場有り 但し銭湯までの道が非常に狭い

TEL
06-6671-0526

定休日
月曜日

営業時間
月曜日: 定休日
火曜日: 14時00分~0時00分
水曜日: 14時00分~0時00分
木曜日: 14時00分~0時00分
金曜日: 14時00分~0時00分
土曜日: 14時00分~0時00分
日曜日: 14時00分~0時00分

料金
12才以上 300円
6才以上  120円
6才未満  60円

※サウナイキタイナホームページ転載