銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

ゆートピア21(東京・亀有)

2023-01-28 06:22:00 | 銭湯
#ゆートピア21






JR常磐線
#亀有駅
▲JRの亀有駅


▲階段をおりて


▲北口にむかう


▲北口の斜め前にこち亀の像がある


▲北口をまっすぐ進んで


▲左の横断歩道をわたる

▲右のマクドナルドに沿って歩くと

▲隣のとなりに

▲ゆートピア21がみえてくる



▲年末におとずれたが生憎の臨時休業だった。ざんねん


▲そして1ヶ月ぶりに訪れたときの写真



▲到着


写真は開店前なので開店時の雰囲気が伝わりにくいと思うのだが、ここは駅前にあるということで利便性があってなのか非常に繁盛していた。
中に入って左をみれば受付のフロントがあり、その前に長い行列ができていた。ものすごい人だかりである。
前に並んでいた高齢者が自分に顔を向けると、すぐそばにあった冷蔵庫のビールを指さして「飲みたいね」と気軽に話しかけてきてくれた。いかにも下町らしいやりとり。
ロビーはソファやテレビ、血圧計などがところ狭しと並び、人との距離感が近い休憩所になっている。
しばらく待って受付の前に立つ、目の前に座るのは80代ぐらいの男性と女性。おそらく夫婦だろう。
ここは変則的なルールになっていて、女性はサウナを利用すると下駄箱の札を預け、利用しないなら出す必要がない。
男性の場合は、どちらにしても下駄箱の札を預ける必要がある。
男女でルールが異なる理由はよく分からないのだが、とりあえずそういうルールになっていた。
札を出して、かわりにロッカーの鍵を受け取る。このタイミングで貸しタオルのことを思い出して、「貸しタオルありますか?」と訊ねると、最初は無いと言われて(それじゃあ買うかな)と思うと、「忘れたなら貸すよ」と下からフェイスタオルを出してくれた。
ただ少し怒った口調で「最初に言ってくれれば貸すけど、お金(入浴の料金)に入ってないからね」とやや不満気な様子だった。
ほかの銭湯とかわらずいつもと同じやりとりをしたつもりだったのだが、なにか琴線に触れてしまったようだ。ただ帰りのときは特に咎められることもなかった。昔気質の人という感じである。


出典:東京銭湯ホームページ引用


女湯は左側で男湯は右側。
のれんをくぐると、やはり予想通り混雑しており、活気に溢れる雰囲気だった。年配者は顔見知りをみつけるとなにかと立ち話をしていた。
ロッカーは入って右側に集中していたので、着替えている最中にほかの客とバッティングしてしまう。この構造的な問題はちょっとストレスを感じた。
そそくさと服を脱ぐと浴室の扉をあければ、浴室内は湯気で充満し、人いきれでいっぱいだった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室内の全体をみると、まず右片隅にサウナ室がある。料金は追加300円で、銭湯のサウナだから決して広くはないけれども、それなりに重厚感あるオールドな味わいがあった。


真ん中に島カランがあり、カランのシャワーは可もなく不可もないといったところ。ただきちんと出てくる。
ここは立ちシャワーが2つあるのだが、サウナ前にある立ちシャワーは問題なかったものの、左側手前の立ちシャワーは故障していた。
交換しなければならない部品が現在は生産していないのでしばらく使えませんと書かれてあった。中古から調達するか、まったく新しくするしかないのだろう。
その代わりに立ちシャワーの下には休憩用の椅子が置かれてあった。立ちシャワーで休憩したのはここが初めてだった。


浴槽はL字型をしていて、右側が手前に延びてきている。
その一番前にあるのが水風呂で、蛇口からはずっと水が出っぱなしだった。手を入れてみたところかなり冷たく感じた。およそ14度前後かと思われる。


その奥が寝湯で、みた感じだとジェットが出ていないように感じたが、実際に入ってみるときちんとジェットが噴出していた。水まくらもきちんと機能し、温度は43か44度ぐらいとそこそこ熱い。
奥の壁沿いにかけては主浴槽で、お湯の湧出口には麦飯石(ばくはんせき)が置かれてあった。
音読み表記から分かる通り、麦飯石というのは中国で薬効のある石として知られ、ミネラル成分を出すと同時に様々な汚れを吸着除去してくれるという優れもの。湯船の成分を最適化してくれる奇跡の石とされている。
個人的には大々的に喧伝されるほど効果があるのかやや眉唾な部分もあるが(一定期間使用すると石の穴がつまり寿命が訪れるので本当の効果を期待するなら定期的に交換する必要がある)、とにかく「体のシンまで温めて」くれるそうだ。主浴槽はバイブラにもなっており、温度は寝湯と同じ44度ぐらい。


そして左の隣は座湯で、こちらは入りたかったけど終始人がいたので入れないままだった。お湯は共有していたので温度は主浴槽とおなじだったと思う。最後の左端は薬湯で深浴槽になっていた。
この日は日曜日なので特別な薬湯を使用し、東京銭湯がオリジナルで開発した江戸シリーズのうちの江戸翡翠というものを使っていた。
おなじ江戸シリーズの江戸黒も高貴な匂いで好きだったけれども、この江戸翡翠もセンスある上品な匂いが心地よかった。なのでつい長湯してしまい、これは自宅のお風呂にもほしいと思った。


奥の壁はチップタイルで、河童の女児たちがイルカに乗って楽しんでいる様子が描かれている。虹が掛かり幻想的な絵にもなっている。この題材は他の銭湯でも見たことがあった。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらは女湯


客層は半分以上が高齢者だったが、家族連れや若い人もちらほら見かけた。かなり背の高い外国人もいて、ジロジロ見ると失礼なのでパッと見であったが、2メートル近くあったかもしれない。様々な日本人客もいて、古い銭湯だけれども客層のバリエーションは豊富である。まさに現代社会が標榜する多様性をかいま見ることができた。


かなりの人気店なのでとにかく人が多くて客同士の会話が終始活発だった。
地域における交流の場としての役割をしっかり果たしているようで、人との繋がりを感じることができる銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 亀有
経路 マクドナルドの近くまで歩く
周辺の環境 駅前

●空間演出
建物外観 古い建物
壁画・眺望 河童の女児
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 ふつうの広さ
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 水風呂、寝湯、バイブラ、麦飯石、座湯、薬湯
サウナ あり
温度 44℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 昔気質
清潔さ きれい
貸しタオル できれば持参を推奨(0円)
備え付け あり

◆人
受付 80代の夫婦
客層 高齢者や若者、中年


【案内】

住所
〒125-0061
葛飾区亀有3−30−12

電話番号
03-3602-5574

アクセス
常磐線「亀有」駅下車、南口より徒歩2分

休日
土曜

営業時間
16:00−24:30

※東京銭湯ホームページ転載

行き方が超めんどくさい常磐線の亀有駅

2023-01-26 07:21:00 | 日記

銭湯をめぐって今まで色んな場所を訪れてきたが、JR亀有駅の常磐線ほどふざけた路線はないと感じた。

簡単に説明すると、おなじ常磐線なのに降りる駅によって強制的に途中下車させられ、他社の路線に乗せられ、再び常磐線に合流する。
こんな訳の分からないことはない。

当初は亀有駅に行くため路線図を見ると、JR常磐線の駅として表記されていた。なので、JR山手線に乗って日暮里駅まで行き、常磐線に乗り換えた。
ここまでは問題なし。
ところが亀有駅は各駅停車駅なのに、やってくる電車はすべて快速。なんと常磐線はオール快速電車なのだ。じゃあ、各駅停車の駅はどうやって降りればいいんだ!という話になる。

案内板をみると、各駅停車は北千住で乗り換えて下さいとあった。
なので常磐線の快速に乗って、仕方なく北千住に降りる。
ところがどっこい。
ここでも常磐線の快速しかない。いつ各駅停車が来るのか? そう永遠に来ない。しかも不親切なことに、この謎解きの説明がまったくなかった。
北千住駅をうろついていると、Googleマップの検索であることに気づいた。乗り換え案内がすべて東京メトロ千代田線になっていたのだ。
亀有や金町に降りるためにはJR常磐線で北千住に降りると、JRの各駅停車を肩代わりしている東京メトロ千代田線に乗らなくてはいけない。
この答えを導くのにまったく無駄な時間を要してしまった。
北千住駅の構内は東京メトロ千代田線と直接つながっている通路があるので、そこを通って千代田線に乗り換える必要がある。千代田線に乗り換えるからとJRの改札口をいったん出てしまうと、千代田線に乗る際に再び初乗り運賃を払う羽目になる。とんでもないトラップだ。
自分の場合は、JRを使う場合に東京の遠方なら決まって「都区内パス(760円)」を購入している。
それだと東京23区内の路線を何度も乗り降りできるので、一度JR北千住駅を降りて東京メトロの千代田線に乗るという方法も問題なかったが(北千住駅の千代田線改札口はJRのきっぷが使える)、そうでなかったら無駄なお金を払うことになっていた。

そして、千代田線に乗ると北千住→綾瀬→亀有→金町と各駅停車が続いているのでそれでおしまいと思いきや、綾瀬駅からも北綾瀬行きの路線が分岐しているので、北綾瀬行きの千代田線に乗ってしまうと綾瀬駅でも降りないといけない。
日暮里駅から三つ目の駅を降りるのに、二度も乗り降りしなければならない。
超めんどくさくないですか?
よく亀有や金町の住民たちは猛抗議しなかったなと思ったら、開業当初から相当な苦情があったようだ。

なぜこんな訳の分からない仕組みになったのかというと、千葉方面から爆発的に増えた都心に向かう乗客をさばくために編み出した裏技だったのだが、開業当時は当然ながら混乱の極みだったようである。50年間もの間耐えてきた住人たちがついに訴訟を起こし、2022年1月半ばには裁判の口頭弁論がはじまった。
専門家からすると明らかな負け戦らしいのだが、それでも抗議の意志を示したかったのだろう。

色んな事情が交錯しているのである程度は仕方ない面もあると思う。
しかし、迷路のような路線を少しでも親切に案内することができなかったのかと思うのと、亀有駅を東京メトロに売却してしまったほうがよっぽど混乱がなかったのではないか?
既得権にしがみついて住人に理不尽さを強いたという点においては、鉄道における現在進行形の黒歴史である。

すえひろ湯(東京・大井町)【リニューアル】

2023-01-21 06:52:00 | 銭湯
#すえひろ湯




JR京浜東北線
#大井町駅
▲JR京浜東北線の大井町駅

▲エスカレーターでのぼり

▲改札口

▲右に進んで

▲エスカレーターで降りる

▲降りたら阪急ホテルが見えるのでその裏側に出る

▲ホテルの中にある通路を通る


▲通路を抜けたところ

▲出たら左にまがり

▲ちょっと歩いてストップ

▲右に進む。収納スペースの看板が目印

▲またすぐに立ち止まり、左に向いて

▲左折する。バリー工業が目印

▲あとは真っ直ぐ進むだけ


▲右手にすえひろ湯が見えてくる


▲2022年12月16日にリニューアルオープンしたばかり





▲到着


入り口をみると、ロゴマークとか部分的におしゃれになってるが、建物自体はそんなに変わってないような?という印象を抱く。
靴をぬいで右の扉をあけようとすると、説明文には電子マネー等は左のフロント、現金は右の券売機で受け付けるとある。この時は小銭があったので券売機でチケットを買うことに。
入浴料料は500円で、フェイスタオルのレンタルは50円だった。やはり昨今の潮流をトレースしており、クラフトビールなるものが売っていた。自分は基本的にお酒を飲まない人間なので相場はよく知らないのだが、750円は率直に高いなと思った。


受付のフロントに立つのは20代ぐらいの女性2人。胸のところに青色で「す」と書かれた白色のスウェットのような作業服を着ていて、フロントまで近づくが2人とも目を合わせてくれない。なので券をどっちに渡していいのか戸惑ってしまった。


大学生ぐらいの小柄な女性にチケットを渡してタオルを受け取ると、男湯は左側で、女湯は右側だった。
のれんをくぐって脱衣場に入ると、こちらもまったくリニューアル前と変わらず。左奥にある巨大な鏡は健在で、入り口そばにある斜めに設置されたドレッサーもそのまんまだ。
綿棒などのアメニティはなく、ティッシュがあるのと、ドライヤーは直差しだったので無料だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室の扉をあけると、浴室も変わっていない。唯一以前と違うのは、左壁沿いに休憩用の青い椅子が並んでいたことか。
これはサウナを使う人たちがととのうために使うものだろう。自分はサウナを使わなかったものの休憩用にちょうど良かった。座ってるとついウトウトして眠りそうになってしまった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


ここは幾何学的な要素をちりばめられた作りをしていて、当時としてはかなり先鋭的な銭湯だったと思う。カランは六角形を描き、立ちシャワーは銀色のパネルで覆われ、はかとなく近未来的な雰囲気も漂う。


出典:東京銭湯ホームページ引用


ただ、やはり設備をそのまま引き継いでいるので、一時代前の古い銭湯という感じは否めない。黄ばんだ時計もそのまんまなのは驚いた。
もともと再開予定が晩夏あたりだったので大がかりなリニューアルはしないだろうなと予想していたが、ここまで変わってないとは思ってもみなかった。


浴槽は入って右奥の間仕切り壁側に並び、手前が一人用の寝湯で、奥となりに電気風呂がある。一人用で、続いて奥が座湯。こちらは二人用で、さらに隣が主浴槽なのだが、マイクロバイブラの浴槽になる。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲女湯。左から寝湯、電気風呂、座湯、マイクロバイブラ、一番奥が水風呂


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲真横からみた湯船


ともにすべて温度は42、3℃といったところ。旧末広湯よりも少し熱めの温度に変わっている。
最後一番奥にあるのが露天風呂をイメージした岩風呂であるが、もともと薬湯の湯船であったものに「薬」の文字が×(バツ)でつぶされ、風呂の文字の前に「水」が手書きで追加されてあった。
手を突っ込んでみたところ自分の体感だと14℃ぐらいか(Googleの口コミでは12℃とあった)。それなりに冷たい水風呂である。


そして、その水風呂の前に、サウナがある。おそらくリニューアルの際にもっとも力を入れて、なおかつ会社が投資した場所だろう。扉には使用料が600円とあってビックリ。ベースの入浴料が500円であることを考えるとかなりお高くかないかと感じてしまった。東京でも強気の価格設定である(全面リニューアルした巣鴨湯で450円、松本湯だと500円)。しかもサウナはサウナだけで完結せず、水風呂や外気浴と連動してはじめて涅槃の境地に達することができる。
すえひろ湯は残念ながら住宅やオフィスに囲まれているので外気浴のスペースがない。このあたりも含めて満足いくサウナ体験がしにくいのではないかと思った。それでこの値段なのかとOMG(オーマイゴット)と嘆息。
そのためかなのか分からないけど、他のリニューアルした銭湯と比べて客数が少なかった。昼時だったので、暇な時間帯だったせいもあると思うのだが…。


出典:東京銭湯ホームページ引用


客層は非常にバランスがとれており、若い人も中年もお年寄りもいる。
以前来た時よりは多くの客がいたが、オープンして間もなくでこれはちょっと寂しい気もした。
色々とリニューアルした銭湯を見てきたけど、ここまで変わっていないところは珍しい。一方で、都市部の駅近なのでポテンシャルは十分ある。
サウナの価格をみなおして、サービスを増やして、もう少し華やかな演出に力を入れれば一層の集客を見込めるのではないかと感じた。



【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 大井町
経路 公園近くまで歩く
周辺の環境 公園、マンション

●空間演出
建物外観 マンション銭湯
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 入り口目の前のロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 寝湯、電気風呂、座湯、マイクロバイブラ、水風呂
サウナ あり
温度 43℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(50円)
備え付け あり

◆人
受付 20代の女性
客層 若者や高齢者


【案内】

住所
〒140-0014
品川区大井1−42−4

電話番号
090-4326-0485

アクセス
京浜東北線「大井町」駅下車、徒歩4分

休日
火曜

営業時間
15:00−25:00、土・日曜は10:00−25:00

※東京銭湯ホームページ転載

風呂なし物件論争

2023-01-18 12:22:00 | 銭湯考

先日、朝のテレビ番組モーニングショーで風呂なし物件を選ぶ若者が増えているという報道がなされ、それがYahoo!に掲載されて話題になった。

風呂なし物件はほとんど昭和時代の遺構のような古いアパートではあるが、都心にありながら3万ほどとかなりの格安で借りることができる。
いまだと東京の銭湯は一回につき500円。単純計算すると毎日通うとして15000円。つまり実質的な家賃は30000万+15000円で45000円になる。
回数券は10回で4500円なので、回数券を買えば銭湯代は月13500円になる。

この話題が掲載されると、Yahoo!のコメントではお金がないから仕方なく選んでるのだろうという意見が大半だった。
たしかに金銭的な余裕があれば、あえて風呂なし物件を選ぶ人は少ないだろうとは思う。一方で銭湯がすぐそばにあれば、これはこれで十分アリな気がする。

というのも、若い人たちに話を聞くと、一人暮らしの場合はお風呂に入らない人が多い。お風呂に水を入れて、お湯を沸かして、使い終わったら洗って、という一連の作業が億劫なのだ。お風呂を使えば水道代やガス料金が掛かるため金銭的な負担も当然ながら増える。

現在の銭湯は、日常的に体を洗う場所というよりもリラクゼーションへと変貌を遂げており、新しく改装された銭湯はスーパー銭湯なみに充実した設備を用意している。毎日そうしたお風呂に入れるというのはむしろ贅沢な気がする。
これは個々人の状況によって大きく変わるだろうが、風呂なし物件は見方によっては合理的な判断なのである。

一方でデメリットもある。
銭湯業界は全体的に見ると斜陽で、近くの銭湯がずっと存続してくれる保証はない。突然、廃業しますという張り紙が張られることもありえる。
個人経営のところは毎日営業しているわけではないので、このへんも見極める必要がある。理想としては複数の銭湯が営業をしてると安心できるだろう。
基本的に15時ぐらいから開店して、ほとんどは夜中まで営業しているが、早いところは22時ぐらいで閉店する。
夏場は日中に大汗をかいてもすぐにシャワーを浴びることはできず、しかも銭湯の帰りに再び汗をかいてしまうなんてシチュエーションは十分ありえる。
このように自分の都合でお風呂に入れない不便さや、天候によっては大雨の中でも通わなくてはいけないストレスを感じる時もあるはずだ。
家賃を低くおさえる代わりに毎日広いお風呂に入れるメリットとともに、不便さとトレードオフする覚悟は必要である。

こうした風呂なし物件が若者に支持される背景には、“銭湯の再評価”があると考えられる。近年のサウナブームに後押しされた形もあるだろうが、今の20代は子どもの時にスーパー銭湯に通った経験があるだろうから大衆浴場への抵抗もなく、銭湯自体がリノベーションによって設備の充実をはかり、特にデザイナーズ銭湯は非日常空間の演出に優れている。

近年はお金の使い方で合理的に判断する若者が増えてきたことと、銭湯の再評価が一致して風呂なし物件を選ぶ若者が増えてきたのではないかと思う。
色々と賃金のあがらない問題や物価高騰など暗い話題があるが、そうした中でそれらに対応できる新しい選択肢が増え、新しい体験ができるというのは決して悪くないのではないかと考えている。





第一日立湯(東京・亀有)

2023-01-14 07:58:00 | 銭湯
#第一日立湯





JR常磐線
#亀有駅
▲JR亀有駅。いわずと知れた「こちら亀有派出所」の舞台となった街だ




▲階段を降りて


▲改札口を振り返ったところ


▲左の北口にむかう


▲地図の右に見える「亀有東集い交流館」の文字あたりに第一日立湯がある


▲出口ちかくに両津の像があった


▲まっすぐ進み


▲日高屋を通って


▲横浜家系ラーメンとTSUTAYAに挟まれながら通り過ぎて


▲ここでいったん止まると


▲右斜めに進む




▲大通りに出るのでそのまま渡って


▲直進し


▲ここで立ち止まって


▲右折


▲すると第一日立湯がみえてくる


▲到着


ちなみにであるが、写真を撮っていたら、なぜか上下ジャージっぽい服を着た高齢者(60後半から70代前半)の男性が無言で自分のそばにくっついてくる。
写真を撮っていたことに不満があるのかと思い、「なんですか?」と尋ねるとそっぽを向いたまま反応なし。気持ち悪いなと思いつつ、再び銭湯の写真を撮ろうとするがずっとそばをつくっついてくる。「なんですか?」と再び聞くも、ふたたび無反応。普通の人じゃないと思い、そのまま銭湯の中に入ると、なんと銭湯の入り口まで着いてきた。
銭湯の関係者なのかと思ったが、それ以上は入ってこなかった。
とりあえず下足箱に靴を入れて中に入ると、高齢者もさすがに入ってこなかった。受付は入り口の右側にあり、フロント形式。座るのは50代ぐらいの女性だ。
「こんにちは」と挨拶して「貸しタオルありますか?」と訊ねると、「ありますけど10円になりますが大丈夫ですか?」と聞かれた。もちろんノープロブレムなので入浴料とタオル代あわせて510円を支払う。
受付の女性はすごく感じのいい人で、浴室にある備え付けなんかも丁寧に説明してくれた。
入浴手続きのついでに、先ほどの無言でついて回ってきた高齢者のことを訊ねると、日立湯とはまったく無関係とのことだった。そうなると、なぜ無言でまとわりついてきたのか謎だった。
下駄箱の鍵を渡してロッカーの鍵を受け取り、脱衣所に向かう。右側が男湯で、左側が女湯だった。
のれんをくぐって中に入ると、脱衣所のスペースは決して広くないものの、手入れが行き届いていて清潔感に溢れていた。
脱衣所の奥には小さいながら素朴な坪庭があり、これまたささやかであるが池があって二匹の大きな鯉が優雅に泳いでいた。その奥にトイレがある。
脱衣所に入った後でも受付の女性が姿を見せてくれて、先ほどの高齢者のことを熱心に聞いてくれた。帰りの時もなにかと気遣いを見せてくれて、こちらが申し訳なくなるほどだった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室に入ると、浴室も通常の銭湯と大きさは変わらないが、入った瞬間からとても清潔であることが分かった。
島カランは2つあるが、どちらもシャワーがついておらず、左右の壁のカランのみにシャワーが取り付けられている。
このシャワーは面白い構造をしていて、操作するハンドルがぶら下がり棒になっている。それを真ん中にあわせるとシャワーが出る仕組みだ。棒を真ん中からズラすとシャワーが止まる。
かなり古い作りなので昔はこんな形のハンドルがあったのかと驚きだった。初見だったので、子どものように色々といじってしまった。
左隅っこには立ちシャワーがひとつだけあり、お湯のみではあるが快適だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴槽は奥にあって3つに分かれている。
左が深浴槽で横並びに座湯が連なり、温度はそこそこ熱めの45℃ぐらい。長く入っていたら太ももが赤くなってしまった。
真ん中は円形の浅浴槽で、斜め前後に計4つのジェットが噴出している。温度は43℃ぐらいとちょっと熱いぐらい。
そして最後の右の薬湯はぬるめで、41℃ぐらいか。この日はワイン湯だった気がしたが、解説を見るのを忘れてしまった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


客層は見事なまでに全員高齢者。男湯に関しては客同士の会話は一度も聞こえてこなかった。亀有というと下町のイメージが強かったので意外である。一方で、女湯はお祭りの集まりかと思うほど活発に会話が交わされていた。


設備に関しては決して飛び抜けたものはなかったもものの、とにかく浴室全体が清潔感に溢れ、受付の対応は素晴らしく、まさに王道を貫く理想の銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 亀有
経路 北を右斜めに進む
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 
壁画・眺望 山脈と渓流が流れるタイル絵
統一感 あり
置物 なし
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 座湯、ジェットバス、薬湯
サウナ 現在は休止
温度 41~45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 とても素晴らしい
清潔さ きれい
貸しタオル あり(10円)
備え付け あり

◆人
受付 50代ぐらいの女性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒125-0061
葛飾区亀有5−48−12

電話番号
03-3605-0532

アクセス
常磐線「亀有」駅下車、徒歩5分

休日
月曜
祝日は営業

営業時間
男湯16:00−22:00(最終入店21:30)、女湯16:00−21:45(最終入店21:00)

※東京銭湯ホームページ転載