#松の湯
2021年2月28日閉店



東京メトロ東西線
#浦安駅

▲千葉県の浦安

▲路線図はこんな感じ





▲階段を降りて




▲改札口の南口にでる

▲でたところ

▲浦安駅を振り返る

▲右に進むと

▲交番があるので、そっち方面に進む

▲交番の裏側が大通り。この大通りに沿って進むだけだ



▲横断歩道も渡り

▲すき屋を横切り






▲駅から歩いて5分ぐらいのところで到着。このまま海方面に向かえば巨大なネズミたちが棲息するエリアがある

▲薪で沸かしてるようだ




▲古風な看板が歴史を物語っている



▲裏側から見た煙突

▲到着
下足箱に靴を入れて中に入れば、目の前がロビーで、奥側にはなにやら物販かなにかなのか割引の文字が見える。そこでは若い女性が座っていて、「いらっしゃいませ」と挨拶をしてくれた。
フロントは左側で、座るのは70代ぐらいの女性。受付の前には先客の女性が立っており、トレイにはお金が置いたまま。店主の女性がスマートフォンで操作している最中だった。よく分からないシチュエーションである。とりあえず待っていると、店主が電話を掛け始めて、そのときに自分が待っているのに気がついたらしく「普通でいいの?」と聞いてきたので、普通ってなんだと思い、「普通とはなんでしょうか?」と聞き返すと、先客の女性に「(電話が)通じないみたい」と伝えた後で、「入浴だけ?」と聞かれたので、とりあえず「はい」と答えてから、「貸しタオルとかありますか?」と訊ねると、「だから!」と怒られた。
「あわせて550円だけど大丈夫?」と聞かれたあとに「手ぶらタオルなら安いからね」とタオルにミニボトルのシャンプーとコンデショナー、ボディソープまで付けてくれた。破格の安さだ。
東京なら、安いところでも700円は余裕で越えていただろう。
「せっかく買ったから持ち帰ってね」と言われて「はい、ありがとうございます」と言うと「いってらっしゃい」と優しく言ってくれた。
気丈だが人情味溢れる女将さんという感じだった。

▲入り口の横にあった案内に気がつかなかった。こっちが「普通じゃない」コースだ
男湯は右側で、のれんをくぐると一般的な銭湯と同じで、壁沿いをロッカーが並び、真ん中に長いすとテーブルがある。
ドライヤーは当然ながら有料で20円。洗面台は小さなタイプのもので、古い体重計と、設備は最低限しかないという感じだ。
扉をあけて中に入ると、薬湯の匂いが漂ってきた。
カランは島カランが一つと、左右の壁にも並び、シャワーのヘッドは小さな首だけが回る古いタイプ。
かなり使い古されたのか勢いはあるものの、ほとんどのシャワーに拡散の歪みがあった。
そして熱い!
シャワーを浴びているだけですっかり体が火照り、もう湯船に入らなくてもいいんじゃないかと思うほどだった。
ここは元々サウナがあったらしく、室内の右端には緑色のタイルに覆われたサウナが鎮座していたのだが、残念ながら故障中の文字が見える。
浴槽は奥にあって、2つに分かれる。
右が広めに確保された主浴槽で、勢いのあるジェットバスが見えた。
黒を混じらせた濁り気味の赤色をしており、漢方薬湯のじっこうだ。ほかの銭湯と比べてずいぶんと色が重い。
足を入れるとかなり熱く感じた。温度計は見当たらなかったが、おそらく45℃以上と思われる。
ここは入る前から入浴客がずいぶん長湯していたのでそんなに熱くないのかな?と思ったけど、単に客が熱湯に慣れているだけか。やはりカランのお湯が熱いと原則的に浴槽のお湯も熱い。
その左となりにあるのが深浴槽でバイブラ仕様。こちらも温度は同じだった。
壁絵は珍しく、将棋の駒が無数に描かれている。
仕切り壁はよくある田舎の湖畔に西洋風の建物が並ぶタオル絵だ。
ここの銭湯は、2019年に公開されたインディーズ映画「メランコリック」の舞台になった場所で、銭湯のアルバイトを始めた主人公が、この松の湯で夜な夜な殺人事件が起きていることを知るという物語である。
ポスターをみると、ちょうど殺害されてる方が男湯のようだ。

出典:メランコリック公式ホームページ引用
たしかに建物はだいぶ老朽化が目立ち、殺人事件が起きても納得しそうな雰囲気である。なかなかここまでくたびれきった建物は珍しいだろう。
松の湯の公式Facebookによると(SNSをやってたことにびっくり)、松の湯は100年の歴史があり、建物は40年前に建てられたとか。もっと古いかと思ってたが…。
松の湯が閉店するのも、こうした老朽化が原因らしい。
一応建前上は長期休業の形式をとっているが、建て直しを余儀なくされてるとなると財政に余裕のあるところが手を差し伸べない限り再開は難しいだろう。
客層は高齢者がメインだったが、若い人を複数見かけた。帰りも大学生ぐらいの若者とすれ違ったので、日頃から若い客が多いところのようである。
浦安市は銭湯が2つのみで、ここで松の湯が消えてしまったら、あとは1つだけになってしまう。
最後に残った銭湯が、地域すべての客を総取りにできると考えたら大間違いで、銭湯が消えるということは、その地域の銭湯文化が消滅することを意味する。
松の湯が消えてしまうことは、浦安市の同業者にとっても不幸なことだろう。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 浦安
経路 夢の国方面
周辺の環境 住宅
●空間演出
建物外観 古い建物
壁画・眺望 将棋の駒
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう
★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 最低限の設備
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 ジェット、バイブラ、薬湯
サウナ なし(壊れたまま)
温度 45℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 昔の人らしい接客
清潔さ ふつう
貸しタオル なし(タオルセットは入浴料込みで550円)
備え付け なし
◆人
受付 70代の女性
客層 高齢者や若者
【案内】
営業時間・営業期間
15:00~23:00
休業日
なし
電話
047-323-6484
住所
千葉県浦安市猫実4-21-3
交通アクセス
浦安駅より車
駐車場
4台
※ニフティ銭湯ホームページ転載