銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

稲荷湯(東京・神田)

2019-07-30 06:55:02 | 銭湯





JR神田駅から出世不動通りを経由して5分ほど歩くと稲荷湯に到着する。
古いビルの銭湯であるが、中は新しくて綺麗な銭湯だった。


【稲荷湯】をザックリいうと
◎バイブラ等あり
・ランナーが集まる銭湯
・中はきれい
・クールダウンができない








▲出発は、JR神田駅


▲西方面(皇居側)へと進む




▲ガードレールの中をくぐり




▲ガードレールを出たところ


▲地図でみると、ここ


▲右の細い方の道を進む。これが「出世不動通り」と呼ばれている










▲大きな道路にでて


▲渡って


▲まだまっすぐ


▲左に目を向けるとJP(日本郵便株式会)のでっかい本社ビルがみえる


▲ここを左折








▲稲荷湯がみえてくる


▲到着


入り口からきれいな印象だ。皇居まわりにある銭湯では一番新しい方かもしれない。傘立ての横にはランナーシューズ用のラックが置かれてある。
実際、ランナーの人たちが入り口付近に集って談笑をしていた。
皇居の周辺コースから少し離れてはいるものの、それでも呼び込む魅力があるのだろう。


狭いスペースの下足箱に靴を預けて扉を開けると、半円を描いたフロントが目の前にあって、座るのは80代ぐらいの女性。
「こんにちは」と言うと反応はやや薄いものの、ちゃんとこちらの目をみてくれる。
貸しタオルを聞くとないらしく、新しいタオルを購入。入浴料併せて590円。



出典:東京銭湯ホームページ引用


フロントはす向かいには、小さな休憩所。椅子と漫画本が並んでいた。
右側が男湯で、のれんをくぐるとやや狭い脱衣場ながら多くの人でごったがえしていた。とくに若者が目立ち、ランナーをしてる人たちだろう。引き締まった体がうらやましい。


脱衣場は右側にロッカーが並び、左は手前から古いマッサージチェア、さび付いたアナログの体重計、洗面台と並ぶ。
真ん中には細長いテーブル。
全体を見渡すと新しくてきれいではあるが、諸々のアイテムが古い銭湯であることを教えてくれる。  


浴室への扉を開けると、こちらととてもきれいだ。
真ん中に島カラン。左右の壁にもカランが並び、手前左に立ちシャワーが一つ。あとは、奥に浴槽である。


カランのシャワーはすべて固定であるが、右の壁のみホースタイプが2つあった。どちらも拡散するタイプで、けっこう勢いがある。
それとシャワーの温度がとても熱い。なので浴びてるだけで体がポカポカ暖まってくる。
備え付けもあるが、入り口付近にあるので、元に戻すのが面倒だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴槽は、まず泡づくしである。それと区分けされてないので、実質的に一つの湯船だ。
L字型をしていて右が手前に突き出ている。その右側奥に勢いあるバイブラ。
左は、ハイパージェット、ボディジェット、ハイパージェットと交互に並ぶ。
ハイパージェットにしてもボディジェットにしてもその圧の案配が絶妙で、とくにボディジェットはずっと入っていられる気分だった。
ただ、温度が43℃前後だったので、ちょっと熱めである。
若いグループが突然ドドッと入ってきて、湯船に入ると「うわっ。スッゲェあつい!」と叫んでいたが、たしかに慣れてないと熱いかもしれない。


入ってる建物がビルということで、構造的に屋根は低く、すこし圧迫感がある。
壁絵は女湯に富士山があり、男湯は柔らかな曲線の緑をたたえた山稜。しかし一部雪をかぶっていた。
雲の表現だけは平安絵巻みたいな描写である。


入浴客は、若い人たちが多く、高齢者もいるものの、どちらかというと高齢者の方が少数派か。
あと指摘しておかなければならないのは、ここはクールダウンがまったくできないことである。


というのも、立ちシャワーを使ってみたところ、なんと水側のハンドルがスッポリ抜けていた。だからお湯は使えるのものの水は浴びることができない。
もちろん水風呂もなければ外気浴もできないので、あとはそのまま脱衣場にでるしかない。
ところが脱衣場もそんなにクーラーが利いてるわけでもなく、扇風機も古いので「強」にしても実質「弱」状態。
若い入浴客がしきりに「暑い暑い」「汗がなかなか引かないよ」と苦悶してたが、自分も心の中で「うんうん」とうなずいていた。
建物はきれいだし、場所もいい所にあるのだが、体を冷やす設備がことごとく機能してないとなると昨今の銭湯としてはどうなんだろう?と思ってしまった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 神田駅
経路 出世不動通りを歩く
周辺の環境 ビル

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 富士山、里山
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 フロント前
脱衣所 やや狭いがきれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 バイブラ、ボディジェット、ハイパージェット
サウナ なし
温度 43℃前後
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル なし(販売130円)
備え付け あり

◆人
受付 80代ぐらいの女性
客層 高齢者もいるが若者が多い


【案内】

住所
〒101-0047
千代田区内神田1−7−3

電話番号
03-3294-0670

アクセス
東京メトロ丸ノ内線「大手町」駅下車、徒歩5分。
JR「神田」駅下車、徒歩6分

休日
日曜

営業時間
14:50−24:00
祝日は22:30まで営業

※東京銭湯ホームページ転載

横浜温泉チャレンジャー(横浜・十日市場)

2019-07-27 06:34:13 | 銭湯 温泉





JR横浜線の十日市場駅を降りて、バスに揺られること20分。そこからさらに徒歩で5分ほど歩くと横浜温泉チャレンジャーに到着する。
シンプルな浴槽ではあるが、泉質の高い温泉施設だった。


【横浜温泉チャレンジャー】をザックリいうと
◎美人の湯(メタホウ酸)の温泉
・横浜の僻地にある温泉施設
・介護色濃厚の湯船
・チャレンジャー精神を今に伝える




▲十日市場駅


▲開けた方にバスターミナルがある




▲駅前の地図。大まかに言うと、左下の「霧が丘」方面に進む。
途中近くには、若くして亡くなった某有名女性歌手のお墓もある




▲乗車するバス停は、65系統「若葉台中央行」なので、2番のところにむかう




▲ちょうど来ていた


▲このバス停のバスに乗る




そして20分ほど乗車すると





▲「地区公園」というところに降りる


▲後ろに振り返ったところ


▲こちらに進む




▲横断歩道を渡り


▲左にまがると、横浜温泉チャレンジャーの看板がみえる






▲入り口


▲看板通り進む






▲案内板






▲到着


▲ちなみに周りの風景




▲緑あふれるのどかな景色だ



▲横浜というとイメージは都会だけど、ホンモノの都会は一部だけで、ちょっと外れればこんな感じである


自動扉を開けて中に入ると、公共施設的な雰囲気の入り口。右に下足箱があり、オレンジと緑に分かれている。
下足箱の鍵がそのまま脱衣場の鍵となるため、女性はオレンジ、男性は緑を使わなければならない。
それとリターン式なので100円を用意しておく必要がある。
下足箱の奥に券売機。シンプルで、大人と子ども、延長券のみ販売(あと個別浴室のチケットもあったような記憶が…)。
ここは時間制のシステムで、3時間滞在が決められている。


出典:横浜温泉チャレンジャーホームページ引用
▲右が玄関口で、下足箱、券売機、休憩所の入り口と続く


その下足箱の対面(つまり入り口左側)にフロント。フロントには60代ぐらいの上品な女性が立っている。ここはみんな品のある人ばかりだ。
ほかのオプション(アメニティグッズの購入)などはフロントの受付でやり取りする。
貸しタオルがないので、タオルを購入。110円。
それとスタンプサービスをやってて、この日は2倍とあった。
「今日はスタンプ2倍デーですからね」と嬉しそうに言われたが「いえ、結構です」とむげなく断ると、険しい表情にかわり、しばらくフリーズ。
すぐ後に来たお客さんは「お、今日2倍じゃん!」と喜んでいたので、ここでは常連客に喜ばれるサービスのようだ。空気を読んでもらうべきだったか…。
ちなみにスタンプをためるとどんな特典があるのか聞きそびれてしまった。


左の廊下を進めば浴室になるが、とりあえずちょっと休憩しようと思い、右の休憩室に立ち寄った。


出典:横浜温泉チャレンジャーホームページ引用


ここは食堂「一色亭」もあって、自販機も充実してる。


▲なんとカップラーメンが100円。南アルプスの天然水が90円。デフレ価格である



▲座敷。子ども向けの遊び場も一画にもうけられているため、小さな子ども連れの家族が利用していた



▲コミック(マンガ)コーナーも。比較的古いけれども、メジャーなマンガもある


時間制限があるので、ぼちぼち行くかと、休憩室をでると出口を真っ直ぐ進んだ左手に男湯ののれん。
脱衣場はやや無機質で、公共施設的な雰囲気だ。



出典:横浜温泉チャレンジャーホームページ引用
▲こちらは女湯だろう


この脱衣場の奥が、外気浴のできるテラスになっている。ロングチェアーなどもあって快適であるが、問題なのは浴室から直接でられず、こちらの脱衣場を経由しなければならないことだ。
なので、いちいち体を拭かなければならないので面倒くさい。


浴室に入ると、横長の作りである。


出典:横浜温泉チャレンジャーホームページ引用

目の前の奥壁際に浴槽があり、手前側はカランが並ぶシンプルな作り。右側に島カランもあるが、だいたい、こんな感じ。


カランは、シャワーがホースタイプで温度調節もできるが、一部スーパー銭湯のように数秒で止まるものと、固定シャワーのように出しっぱなしにできるものとある。
それとシャワーのお湯も温泉で、口に含めると微かにメタホウ酸の匂いが広がる。


浴槽は3つに分かれてて、右側にあるのが寝湯。3人ほどが使えるもので温度は41℃ほど。


メインとなる真ん中は、温泉以外なにもなくて43℃ほど。左はジェットバスがついていて同じく43℃。
子どもにとってこの温度はちょっとキツいかもしれない。


壁には古典的な富士山の絵が描かれているが、ところどころハゲており、絵自体もプロが描いたというよりも上手なスタッフが描いたような絵にみえる。
扉の出入り口には富士山の絵を触らないでくださいと注意書きがあったが、なぜ触りたがるのか意味不明だ。注意書きの通りけっこうボロボロだった。


客層はやはり高齢者が多いものの、地元の人たちなのか家族連れや中年男性がちらほら見られる。


運営元が介護をやってる関係か、浴槽がすべて浅いなど安全に配慮しており、浴室全体は薄暗く、基本的に静か。なので雰囲気も若干暗めで、このあたりは好みの分かれるところだろう。ただ、個人的にはこういう寂しい雰囲気は嫌いじゃないので、案外マッタリできて居心地よかった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 十日市場
経路 バスで向かった集合住宅地
周辺の環境 集合住宅地

●空間演出
建物外観 介護施設
壁画・眺望 ステンドグラス、富士山
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 食事処やイベント会場
脱衣所 ふつう
シャワーの出 かなり勢いがある
浴槽の種類 寝湯、ジェットバス
サウナ なし
温度 43℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 感じが良い
清潔さ ふつう
貸しタオル なし(購入は110円)
備え付け あり

◆人
受付 60代ぐらいの女性
客層 高齢者がメイン


【案内】

所在地 
神奈川県横浜市旭区上川井町2287番地

​TEL (045)922-5590

営業時間・定休日/料金
9:00 - 22:00

第3水曜日定休日

大人(3時間)600円
子供(3時間)300円

※横浜温泉チャレンジャーホームページ転載




提柳泉(東京・三ノ輪)

2019-07-23 06:26:59 | 銭湯





日比谷線の三ノ輪駅を降りて、南に10分ほど歩いた住宅街のところに提柳泉がある。
住宅街の中でありながら吉原にも近く、風俗街と住宅地の境界にある銭湯だ。

【提柳泉】をザックリ言うと
◎サウナ、水風呂あり
・ビル銭
・ちょっと設備が古い
・薬湯がいっぱい


※写真
上:提柳泉入口
中:吉原
下:見返り柳








▲三ノ輪駅


▲出て、左を向いたところ。こちら側(南方面)に進むが


▲とりあえず目の前の横断歩道を渡る


▲渡ったところ


▲あとはほぼ真っ直ぐ南に進む












▲ここからスカイツリーがみえてくる








▲地図


▲いま歩いているのは、どて通りというところで


▲右側(地図だと左になってるが)にかの有名な風俗街の吉原


▲ちょっと先を進むと


▲柳がある


▲見返り柳と呼ばれるもので


▲ここで遊女とお別れをしたところらしい。震災やなにやらで色々と移転してるそうなのだが…。




▲床屋さんがあるところを曲がる




▲到着。お疲れ様でした


▲ビルなのかマンションなのかいまいち分かりにくい建物


で、早く着いたので



▲吉原公園まで足を運んでみた。左に見えるのが吉原のメイン通り


▲そして右側が、住宅街。まさに住宅街と風俗街の境界がこの公園だ


公園では、なにやら写真撮影をしてる二組(女性とプロカメラマンのコンビが二組)がいて、それを取り囲むようにおじさんたちがベンチに座ってスマホとにらめっこしてる。
新しく働きはじめた女性がお店用に写真撮影をしているのだろうか? そしておじさんたちは目当てのお店を探しているのだろうか?
一方で複数の犬を引き連れた若い女性がいたり、老夫婦が休憩してたりと不思議な空間である。


提柳泉に戻ると



▲階下はダンス教室らしい


▲階段をのぼる




のぼると、ひらけたロビーに出て、左側に古い券売機がある。券売機にて、チケットを購入。
左手前に椅子がL字型に並び、右側にフロント。その時は誰もいなかった。
声を掛けようかと思っていると気配を感じ取ったのか、奥から50代ぐらいの女性が姿を見せた。
「貸しタオルありますか?」と尋ねると、「どうぞ」と示されたところにフェイスタオルが山積みになっていた。



出典:東京銭湯ホームページ引用
▲奥の扉から女性が現れた



タオルを手にして男湯ののれんをくぐると、けっこう広めの脱衣場。
天気が良く窓も解放されていて、とても気持ちがいい。ラジオが流されており、昼間の安穏とした雰囲気だ。
ただ、奥左側に開けられた扉前に立つと、青いメッシュがあるが外から丸見えである。風紀上、大丈夫なのだろうか?


それと脱衣場は入ってすぐ手前に常連用のロッカーがあるが、あとは左側をぐるっと普通のロッカーが囲む。
真ん中にはテーブルがあって、右奥に洗面台が2つ。
ティッシュや綿棒などアメニティが置いてある。ドライヤーは無料。扇風機も2つあるなど(12段階調整できる優れ物!)利便性が高い。


扉を開けて浴室内に入ると、奥行きがあるが横幅は狭いなという印象。
すぐ左手にサウナ。サウナは140円追加で入れるが金曜日は無料らしい。


少し奥に入ると、大きく分けて右側が浴槽。左側がカランである。
カランは横並びで配置されており、入浴客が背中合わせになる。



出典:東京銭湯ホームページ引用
▲写真からだと奥が浴室の出入り口


右の浴槽は、手前が水風呂。見た感じなんの変哲もないが、かなりぬるく、お店は「提柳泉式交互浴」を進めている(具体的な手順は忘れた)。


その奥隣が主浴槽となる。下は金属の網状が敷かれていて、そこからバイブラが吹き出している。温度は43℃ほど。
その主浴槽の奥側に座湯が2つ並び、その一番奥にとりあえず作った感じの小さなボディジェット。ボディジェットと言っても、小さなジェットが横と後ろについてあるだけである。


主浴槽とのころには、ラミネートが張られてあり、そこにはテレビ東京の「アド街ック天国」に紹介されたことに加え、「ふろともランニングクラブ」というものがあるらしく、その紹介も兼ねていた。


その主浴槽のさらに奥に薬湯。アロマバスというのか、この日は青色の薬湯だった。温度は40℃ほどで、ぬるい。
今度は、奥ではなく左側にも浴槽があって、こちらも薬湯。りんご湯とあったが、単に赤く染めただけの気が…。
それとこの薬湯に関しては熱湯にしてるらしく「水で薄めないでください」と注意書きがある。
ほかの銭湯だと水で「埋める」と表記するが、ここでは「薄める」。



出典:東京銭湯ホームページ引用


さらに浴室全体の一番奥にも浴槽があって、入ると露天風呂と思ったのだが、露天風呂“風”の薬湯である。
なぜなら完全室内かつ、窓もすべて閉め切ってあったから。
お湯は漢方の薬湯で、温度は40℃ほど。温度は一番低かったかもしれない。



出典:東京銭湯ホームページ引用


ということで、ここは薬湯が3つもある。
客層は高齢者がいるものの、外国人や若者もおり、高齢者の方がむしろ少なかったかもしれない。浴槽も客層もバリエーション豊かである。


全体的にみると設備の老朽ぶりが所々目立って少し汚いなという印象を持ったが、サービスに関してはとても充実しており、下町観光やランニングで寄るにはもってこいの銭湯だろう。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 三ノ輪
経路 まっすぐ南
周辺の環境 住宅地と風俗街

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 広い
シャワーの出 勢いがあるが、当たり外れがある
浴槽の種類 バイブラ、座湯、ボディ、薬湯、露天風薬湯、水風呂
サウナ 
温度 40~43℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 普通
清潔さ ちょっと汚いかも
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし(と思った)

◆人
受付 50代ぐらいの女性
客層 高齢者、若者、外国人


【案内】

住所
〒111-0031
台東区千束4−5−4

電話番号
03-3871-2395

アクセス
東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅よりバス。「吉原大門」下車、徒歩1分

休日
月曜

営業時間
13:00−23:00
日曜、祝日は12:00から営業


※東京銭湯ホームページ転載

翁湯(横浜・石川町)(リニューアル)

2019-07-20 07:25:43 | 銭湯





石川町駅を下車して寿町を目指せば、寿町勤労者福祉会館の二階に翁湯がある。
所在地の寿町は三大ドヤ街の一つで簡易宿泊施設に囲まれた場所ではあるが、建物は最近再建されたということでかなり綺麗な建物だった。


【翁湯】をザックリいうと
◎熱湯あり
・受付は感じの良い老夫婦
・めちゃくちゃ綺麗
・客は高齢者ばかり









▲石川町駅

ちなみに翁湯の最寄り駅となる石川町であるが、ここはかなり無茶ぶりな駅である。
なぜかというと日本最多の女子高生が集まる駅であり、東アジア最大規模の中華街があり、今回の目的地である寿町は日本三大ドヤ街だからだ。


▲色んな特異性がドレッシングされた石川町駅

こうした不思議な景観を生み出したのは、港に近いことがすべての原因だろう。
外国人居留地に滞在していた中国商人(主に広東省出身者)が中華街を生み出し、布教活動におとずれた欧米人がミッション(キリスト教)系の女子高を乱立させて、港湾が日雇い労働者を呼び寄せたからだ。
ある意味、宿命的な結果なのかもしれない。



▲その駅から横浜スタジアム方面へと歩き


▲このガード下を左にくぐる


▲ガード下


▲するとすぐ右手に細い道がみえる


▲進めばいきなりラブホテル街


▲ここは鶯谷か


▲左を曲がったところ




▲ここの大通りを渡り


▲渡ったところ


▲ここら辺からドヤ街である。ドヤ街と呼ばれるのは、宿(ヤド)を反対に呼んだ言葉だから。寄せ場とも言われる


▲写真に写ってないけど、路上に座り込む人が目に付く(しかも雨の中)


▲右は保育園。こういうところに保育園があることが衝撃的だった。
その手前には公園があって、小中学生ぐらいの子どもたちが無邪気に遊んでいた


▲さらにもう一つ大きな大通りを渡ると


▲寿町勤労者福祉会館である


▲裏側に回る必要がある


▲スナックや飲み屋さんが軒を連ねている




▲建物の案内


▲階段がみえる


▲翁湯は、2019年6月1日にリニューアルオープン


▲階段をのぼる


▲到着


▲お疲れ様でした


▲二階から眺めた風景


ここは2015年に一度ビルごと解体されて、再建された施設である。
なので、ほかの銭湯に見られるように建物の躯体はそのままにリニューアルした作りではなく、すべて一から作り直している。
このような新しい施設はかなり新鮮だ。しかもまわりはご存知の通りドヤ街で昭和の風景をいまも残している。このコントラストはまぶしい。


入り口に入ると、新しい建物の匂いが微かに感じ取ることができる。
入り口は完全なバリアフリーで、周辺に住む高齢者たちに配慮したものだろう。
「いらっしゃいませ」ととても感じのよい挨拶で出迎えてくれるのは、もう80近いと思われる高齢夫婦。
リニューアルするような銭湯だと跡継ぎの若い人が中心となって切り盛りするものだが、このあたりは寿町の特殊性か。


下足箱は木で作られたもので、靴を入れようとすると、なんと入らない(汗)
それを見ていた男性店主に、「ごめんなさい、小さくて」と言われて、「下の方は大きいから」と案内してくれたのだが、たしかに下の下足箱は大きいものの、それでも自分の靴だとはみ出してしまう。
仕方なく斜めに立てなんとか入ったのだが、下足箱全部小さすぎ!
ちなみに靴のサイズは27.5なので、それぐらいなら工夫してなんとか入るものの、それ以上になるとたぶん入らないかも…。


いきなりのイレギュラーな歓迎であったが、気を取り直して左手を見ると券売機がある。
入浴券の下にタオルセット150円とあったので、ここは貸しタオルがないのかと思いボタンを押すと、貸しタオル20円の文字が下に。
失敗したなと思ったが、もう手遅れだった(言えば融通がきいただろうけど)。
タオルセットは、タオルにミニシャンプーとボディシャンプーがついたものだ。


フロントは券売機の対面にあって、チケットを出すと女性の店員さんがタオルを渡してくれた。



出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用


奥は休憩室で、上がりのところに畳が敷いてある。このへんは新しくも昭和っぽい。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用


フロント横が男湯の入り口で、中に入ると脱衣場はそんなに広くないものの、まぶしいぐらい綺麗なところだ。



出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用


真ん中に島ロッカーが二つならび、あとは入ったところから右側奥に多目的トイレ。
このトイレがこれまた重厚感あるシェルターみたいなトイレである。壁があまりに分厚いので見るからに無駄な堅牢さだ。
そのトイレの横に洗面台。
最近の銭湯にありがちなアメニティは一切なく、ドライヤーは3分20円。
設備こそ超最新であるが、サービスは昔のまんまである。
一番手前にある体重計も古い。


浴室に入ると、息を呑むような美しさである。
白いタイルが全面に張られており、ビルにしては天井が高く、とてもシンプル。近年の銭湯で流行ってるシックな感じとはやや異なり、温故知新という言葉を思い浮かばせる雰囲気だ。
全体を写したビジュアルが紹介できないのは残念である。


カランは島カランが手前にあり、短いもので、奥の壁伝いにあるカランが右奥まで続いている。
立ちシャワーは、手前右奥にあり、あと左がすべて浴槽。
といっても、浴槽はシンプルに徹した二つのみで、手前側が少し横幅が狭く、奥側が大きめ。
温度は手前(向き合うときは左)が45℃で、奥(右)は、43℃。
ほかの銭湯と比べるとそこそこ熱い。
油(ペンキ)絵はないものの、歌川広重の「神奈川 台之景」の浮世絵が飾られている。



出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用


客層は、予想通り高齢者ばかり。こういうところでは下町のような活気はまったくみられず、時が止まったような静けさだった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 石川町
経路 ラブホテルとドヤ街
周辺の環境 簡易宿泊施設

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 神奈川(台之景)
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 フロント奥
脱衣所 きれいの一言
シャワーの出 勢いがあり使い勝手が最高
浴槽の種類 熱湯とぬる湯
サウナ なし
温度 43℃、45℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 人あたりが良い
清潔さ とてもきれい
貸しタオル あり(20円)
備え付け なし

◆人
受付 80代前後の男女
客層 高齢者


【案内】

住所
〒231-0026 
横浜市中区寿町4-14

電話
045-641-9930

営業時間
13:00〜21:00

定休日
毎週日曜日

※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載


みどり湯(東京・西大井)

2019-07-16 07:00:41 | 銭湯





西大井駅を下車して、東側に歩くこと5分。古びた住宅街の中にみどり湯をみつけることができる。昭和後期の雰囲気を色濃く残す懐かしい感じの銭湯だった。

【みどり湯】をザックリいうと
◎サウナあり
・駅から近い
・古い住宅街の中にある
・受付ははっちゃけたおばあちゃん

※写真
上:みどり湯入り口
中:西大井駅前
下:みどり湯の煙突








▲西大井駅




▲西大井駅周辺


▲みどり湯に向けて出発






▲ここを曲がって






▲横断歩道を渡る


▲左に向いたところ


▲右側に煙突がみえる。が道がわかりにくい場所にある




▲ここを右折


▲右折したところ


▲道なりに進む








▲ここを左




▲するとみどり湯がみえてくる




▲外装工事中だった


▲到着


下足箱はよくある感じの作りで、右の扉を開けるとその奥にフロントがある。
フロントに座るのは、70代ぐらいの女性。
「貸しタオルありますか?」
とたずねると
「ありますよ!」と言って、その後になぜか「かりるの?」と聞き返されて(えぇっ…?)と思いつつ「はい」とこたえ、「これ貸しタオルね」とピンク色のフェイスタオルを渡された。
ちなみに、ピンクのタオルには謎の茶色いシミが沢山ついていた。
無料だから文句は言うまい。


「シャンプーとか浴室の中央にありますからね」と教えてくれるのだが、どうも頼りない客に見えたらしく、満面の笑顔で頭に手をかざして「シャンプーと」、それから胸に手を当てて「せっけん、あるからね」と言われた。
「はい、ありがとうございます」とこたえたが、まさに子供扱い。


男湯は左側ののれんくぐった先にあり、入ると少し狭いかなといった感じのスペースで、汚くはないけどキレイでもない感じだ。
ロッカーは、左側を中心にあって、その真ん中付近に座るテーブル。それと左手前に洗面台とトイレが並ぶ。
マッサージチェアは真ん中手前にあって、けっこう新しい感じ。入浴客が物置代わりに使っていた。
あとは、左側にホントにちっちゃな坪庭。石で敷き詰められた上に観葉植物が2つ。浴室の入り口横には水場がある。


浴室に入ると、まず目につくのが足下などを洗うハンドシャワー。それが右隅にあった。ただ水アカがビッシリ付いていたので、誰も使っていない感じだ。その下に椅子や桶が置かれてある。


出典:品川浴場組合ホームページ引用


カランは真ん中と右壁にあって、奥に浴槽。左側は手前側にサウナ。そしてそのサウナ横にカーテンつき立ちシャワーが2つ並ぶ。
サウナはあるが水風呂がないので、その代用を兼ねたものだろう。


浴室全体はとても狭く、屋根も高くないので、どうしても圧迫感がある。
浴槽は凹の形をしており、左が浅浴槽で、お湯の湧出口は岩で演出されている。
右の方は深浴槽で、ボディジェット、エステジェットと1つずつ並ぶ。
ともに温度は43℃ほど。最初に足を入れると熱く感じるが、慣れれば気持ちいい温度だ。
ただ、外気浴もなければ水風呂もないので、体が熱くなったら立ちシャワーで冷やすしかないのが、ここの欠点か。


そんな感じで駅からかなり近いけれども、地元向けの銭湯といったところだろう。
それと多くの入浴客でごった返していたが、見事なまでに全員が高齢者。
会話などは聞こえてこず、あまり客同士の交流はないようである。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 西大井
経路 住宅街の中へ
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 ビル(自宅?)
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 ふつう
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 ハイパージェット、ボディージェット、バイブラ
サウナ あり
温度 43℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 良かった
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 70代ぐらいの女性
客層 高齢者


【案内】

〒140-0015
品川区西大井1−7−26

電話番号
03-3774-0744

アクセス
横須賀線「西大井」駅下車、徒歩3分

休日
火曜

営業時間
14:45−24:00

※東京銭湯ホームページ転載