JR横須賀駅から歩いて20秒ほどのところにあるのがヴェルニー記念館です。建物の敷地にある公園からは護衛艦や潜水艦を眺めることができます。
記念館の名前であるフランソワ・レオンス・ヴェルニーとは、幕末の頃に幕府が横須賀製鉄所を建造するにあたって嘱託したフランス人設計者。いわゆるお雇い外国人です。
28歳の時に来日し、政権が幕府から明治政府へと移行する時でも、仕事を投げ出すことなく最後まで完成させました。
最寄り駅はJR横須賀駅。京急の逸見(へみ)駅からだと、歩いて10分ほどで来ることができます
改札口をでて左に曲がれば、ヴェルニー記念館をみつけることができます
この日は護衛艦が停泊していました
調べてみると海自護衛艦いずものようです。ちょうど環太平洋合同演習(リムパック=2年おきに開催される世界最大規模の多国間訓練)へ出港する直前にお目にかかることができました
後ろにも護衛艦があります
帰りはゲリラ豪雨に見舞われました
さっそくヴェルニー記念館に入ってみましょう
最初に目に飛び込んでくるのは、スチームハンマーです。こちらは0.5tタイプになります
上から見るとこんな感じ
通路の右パネルには、ここの主人公であるヴェルニーさんが紹介されてあります
横須賀製鉄所(のちの造船所)を作るにあたって滞在先の中国から招聘されたヴェルニーは、最初の試作として横浜(いまのJR京浜東北線の石川町駅裏側)に小規模な製鉄所を作るよう指示し、その後は横須賀で本格的な製鉄所建造に乗り出します
こちらは戦艦陸奥の模型です
陸奥は横須賀で建造されたもので、建設当時は世界で珍しい40cm砲を搭載していました。世界7大戦艦の一つにも称され、いかに日本が目覚ましい発展を遂げたか分かります
建物がある公園に陸奥の主砲があります
今みてもかなり大きいです
入り口の右奥に見えるのが、ここの目玉である3トンのスチームハンマーです。
これは1996年まで現役だったというから驚きです
なぜこれが重要かといいますと、スチームハンマーがあることではじめて戦艦を建造することが可能だったからです。それまで日本の技術では大きな鉄を加工することはできませんでした。工場の機械もスチームハンマーがなければ作ることはできなかったので、スチームハンマーこそ近代産業のマザーマシンなのです。
これらのスチームハンマーは1865年に製造されたもので、オランダから購入しました。造船所の部品もこのスチームハンマーから作られています
圧倒される巨大さです
なぜこれが重要かといいますと、スチームハンマーがあることではじめて戦艦を建造することが可能だったからです。それまで日本の技術では大きな鉄を加工することはできませんでした。工場の機械もスチームハンマーがなければ作ることはできなかったので、スチームハンマーこそ近代産業のマザーマシンなのです。
これらのスチームハンマーは1865年に製造されたもので、オランダから購入しました。造船所の部品もこのスチームハンマーから作られています
圧倒される巨大さです
スチームハンマーの仕組みが解説されてあります
動画でも紹介されてありますが、鉄を押しつぶす動きは迫力があります
むかしの横須賀製鉄所の写真です
実は今でも現役で、
横須賀米軍基地内で使われています
日本のモノ作りは世界中から高く評価されていますが、その近代産業の原点を探ると横須賀にたどり着くことができます。
ヴェルニーは単に工場としての製鉄所を作っただけでなく、学校も建設して人材育成に尽力しました。
ソニー創業者の盛田昭夫もこの横須賀で航空技術を学んでいます。横須賀を端に発した近代産業の系譜は、現在でも様々な組織に引き継がれているのです。