銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

2021年の銭湯巡りを総括

2021-12-30 06:36:00 | 銭湯考
この一年も多くの方にブログを読んでいただいて感謝申し上げます。

今回は一年の総括として2021年に巡った銭湯を振り返り、記憶に残った銭湯を改めて紹介したいと思います。

巡った銭湯は、ザッと11月30日時点で、81店。
ほぼ去年と同じ件数でした。
特に意識したわけではないので、これが自分のペースにあった数なのかもしれません。4.5日に一軒は訪ねてる計算になります。

2021年の銭湯巡りを振り返り、印象深かった銭湯をランキング形式で紹介したいと思います。
あくまでも独断と偏愛と完全主観に基づくランキングですので、軽く読んでいただけたら幸いです。



5位
東京・志茂
#HOTランドみどり湯
〒115-0042
北区志茂3−25−9



万人オブ万人向けの銭湯です。まさしく銭湯の王道を驀進(ばくしん)する銭湯でした。設備の完成度が高く、受付の対応がとても良く、清潔感がある。駅からも近い。もう文句のつけようがない銭湯です。
強いて言えば万能すぎて個性に少し欠けるかなと思いましたが、そのへんは好みもあるでしょう。個性=正義ではないので。まず間違いないところとして太鼓判を押せる銭湯です。

4位
東京・落合
#アクア東中野
〒164-0003
中野区東中野4−9−22


こちらもおなかいっぱいの銭湯でした。駅からほど近くて、設備がとにかく充実しています。なにせ露天風呂の中にプールもある! 一粒で二度美味しい銭湯です。
入浴客は年齢層の幅が広く、外国人もいるなどグローバルな銭湯でした。店主の優しい対応も癒されました。


3位
東京・田原町
#三筋湯
〒111-0055
台東区三筋2−13−2



浅草界隈で絶対にはずせない銭湯がこちら。昔ながらの建物ですが、古い銭湯にありがちな汚さとは無縁で、とにかく綺麗。
凛とした佇まいと、浅草らしい下町情緒を堪能できる銭湯です。
全体的にシンプルながら随所にさりげない装飾も見られ、心をなごませてくれます。

2位
東京・雑色
#第一相模湯
〒144-0056
大田区西六郷2−29−2



つい見過ごしてしまいそうな地味な銭湯ですが、研ぎ澄まされた清廉さと独特の柔らかな空気感は忘れられない空間でした。
黎明期の炭酸泉を備えるなどパイオニアとしての片鱗も覗かせ、経営者の静かな情熱や生真面目さを感じます。やや駅から遠いのは難点ですが、とても気に入った銭湯でした。


1位👑
東京・赤土小学校前駅
#ニュー恵美須
〒116-0012 荒川区東尾久4-17-9



古い銭湯のため一部設備が壊れていたり、お湯が熱めだったりとみんなに推奨できる銭湯ではありませんが、そうした欠点を補ってなお今年一番と感じせる銭湯でした。
大阪の業者に設計を頼んだということで、東京では滅多にみられない流風呂を備えているのも興味を引きました。
外気浴ができる庭、容赦ない熱さのスチームサウナ。気持ちよさと苦痛が何度も行き来する熱いお風呂。そして、常に笑顔を絶やさず対応してくれる店主の接客。
あくなきサービスを追求する姿勢は高いプロ意識を感じさせてくれる銭湯でした。












みなさんのおかげで100万回アクセス達成することができました

2021-12-29 06:46:00 | お知らせ







おかげさまで年末の最後に100万回アクセスを達成することができました。
日頃から読んでいただき、誠にありがとうございます。

546回の投稿で、5年目(ブログ開設から1759日目)にあたりますが、まさかここまで読んでもらえるとは始めた当初は思ってもみませんでした。

以前、ガールズバンドで有名なプリンセスプリンセスのメンバーがインタビューの中で「最初の頃にレコードを買ってくれた人達がいたから今がある」というようなことを述べていたのですが、自分も同感でした。
ブログも最初に読んでくれた人たちがいたからこそ、今があると思っています。
またコメントを書いてくれた人たちのおかげでもあります。

とくに同じ銭湯のブログ(「八戸手抜きブログ」)を書いているエイトさんは最初の頃にコメントを書いていただき、違った視点や豊富な知識で指摘してもらえたので、多くの気付きがありました。
銭湯巡りを趣味にされているsun-sunさんも銭湯に関しては大先輩なので、いろんな話を教えてくれて銭湯に関する知識の幅がとても広がりました。
そしてモンモンさんは忙しいのにいつも素敵なコメントをありがとうございます。とても励まされました。

ほかにも夢母さんやお良しさんなど数え切れないほど多くの人たちからコメントをいただき、こうして一つの区切りを迎えることができたと思っています。

なによりも日々たゆまぬ努力で銭湯を経営されている方々がいるおかげて銭湯巡りができることを考えれば、もっとも感謝すべきはそうした方々です。

どんな仕事でも自分1人では完結しないように、ブログ一つであってもやはり色々な人たちのおかげで成り立っていることを考えると、常に感謝の気持ちを忘れないで日々過ごさないといけないなと思いました。

改めてこのブログに関わられたすべての方に感謝申し上げます。


一年を振り返る

2021-12-28 06:37:00 | 日記





今年もいよいよ残り少なくなってまいりました。2021年はどんな年だったのか、ザッと一年を振り返ってみたいと思います。

1月


お正月らしく晴れ渡る天気に誘われて近所を歩いていたら、いつの間にか読売新聞本社前までたどりつきました。



この日は大学駅伝の日だったようです。





ついた時は閑散としていましたが



徐々に人が集まってきました。





黄色い歓声が響きます。





2月


江戸時代では、火災が燃え広がらないように木材を海に近い木場に集めていました。



その木場でみられるのが、早春の桜である河津桜です。





春を先取りしました。


3月


別れと出会いを感傷的にさせてくれるのがソメイヨシノです。



渋谷のハチ公前では、卒業する女学生たちが記念撮影をしていました。



代々木公園では、コロナ禍ということで宴会がひらけないようにメッシュで囲い、静寂の時が流れます。




皇居では雄大に咲く桜が目白押しです。









4月


東急ハンズが10月末に閉店するということで、記念に撮影してきました。



ブクロ(池袋)といえば東急ハンズといえるほど有名なランドマークでした。





ないものはないほど豊富な品ぞろえです。





遊び心とプロ意識がないまぜになった面白い空間でした。

5月


季節が暖かくなると湿度の上昇とともにウィルスは不活性するのですが、なぜか今年は元気になってしまい、5月には緊急事態宣言に至りました。



コロナの影響が一番分かりやすかったのが浅草でした。





シャッターの閉まったお店が散見されましたが



そこそこ人もおり、お店も少しばかり開いていました。明らかに去年の頃と比べて状況が違うように感じられました。



6月

コロナ禍でも積極的にオープンするのがユニクロです。浅草の中心部である六区にお目見えしました。











浅草らしさをふんだんに演出してありました。

7月

紆余曲折を経ながらオリンピックが開催されました。



コロナ禍ということで、聖火リレーも一般市民は閉め出されました。





会場では反対する人たちのヒュプレヒコールが鳴り響き、



混乱とはよそにブルーインパルスが上空を飛行。





蓋を開けてみると一気に関心の高まりをみせました。





















この時期になると、どこのオフィシャルショップも人でいっぱいでした。



最後は無事に閉幕することができました。

8月

オリンピックの次はパラリンピック。どうしても注目は下がりますが、熱心に応援する人たちも見受けられました。



今大会のヒーローはオリパラともに間違いなくボランティアの方々でしょう。





ファンパーク。こちらは東京都民しか利用できない場所でした。





9月


1923年9月に東京を中心とした大地震(関東大震災)が起きて未曽有の大惨事となりました。
特に両国国技館に近い陸軍被服廠(りくぐんひふくしょう)では避難した一般市民3万5千人が火に囲まれて逃げ場を失い亡くなりました
東京都復興記念館は、その場所鎮魂の祈りを込めて建てられました。




 
家族や友人の安否が知りたくて伝言を記した張り紙が交番に多く張られました。



東京を脱出して地方に逃げ帰る人々の姿です。かつて日本にもこうした姿があったようです。



地震による火災は甚大な被害をもたらしました。



これからも語り継ぐべき記憶です。

10月


10月30日はハロウィンの日。
例年通り自粛が呼びかけられましたが、この日は感染者が減ってきたということもあってか、仮装した人々を見ることができました。



人いきれで充満する渋谷。



甲冑姿の人。赤い鎧で一際目立ちます。



メディア関係者も多く見かけました。



11月


つわものどもが夢の跡。
オリンピックが終わって少しずつ舞台の解体が進んでいました。





ファンパークもすっかり空っぽです。





聖火があった夢の大橋もいつもの静寂さを取り戻していました。



この印は、聖火を置いた場所の目印でしょうか?





12月


渋谷から恵比寿方面へと歩くと見えてくるのが「日本一小さな植物園」こと渋谷区ふれあい植物センターです。
こちらは渋谷清掃工場の生み出す電気の還元施設としてオープンしましたが老朽化のために16年間に幕をいったん閉じてリニューアルオープンする予定だそうです。ただし、リニューアル後は運営会社も変わり温室でもなくなるので、実質的な閉店のようです。


中に入ると、こうした植物が出迎えてくれます。



吹き抜けになっていて、テラス席のようなものもありました。



こちらは模型になりますが、世界一大きな花なんだそうです。ちょっとグロテスクな感じですね。








 
温室で水をまいていたということもあって、湿度の高さを感じました。







今年は色々な施設が終わりをむかえ、一つの時代の区切りを感じました。慣れ親しんだ場所がどんどん無くなることは寂しいのですが、終わりがあれば新しい出会いがあるように、また次の新しい出会いを楽しみにしたいと思います。


世界湯(東京・高田馬場)

2021-12-25 06:18:00 | 銭湯
#世界湯






東京メトロ東西線
#高田馬場駅

▲東西線の高田馬場駅


▲場所はこんな感じ。早稲田の隣だ


▲地図で見ると神田川方面を目指す。目的地はまさに南こうせつが歌う神田川と銭湯の組み合わせである


▲今回は出口1番を目指す


▲階段をのぼり


▲のぼったところに改札口


▲改札口を抜けてそのまま真っ直ぐ




▲1番出口の案内がみえてくる


▲階段をのぼり




▲地上に出たところ。いったん目の前の横断歩道を渡る


▲すると手塚治虫のキャラクターたちが描かれている


▲それもそのはずで、高田馬場は、手塚プロの事務所があったところ。その縁で鉄腕アトムなどが描かれているのだろう


▲横断歩道を渡ったら左(上の写真だと壁画を右にして真っ直ぐ進む)








▲西友がみえてくるが


▲最近閉店したようだ


▲劇場がみえてきたら


▲和菓子屋(喫茶店)のところを右折する


▲下って




▲左折する




▲ここら辺はとにかく飲食店が目立つ




▲ここで立ち止まり


▲右折する




▲突き当たりを左




▲真っ直ぐすすんで


▲ちょっと左に曲がり


▲右に進む


▲あとは直進すれば見えてくる




▲右に見えるマンションが世界湯だ




▲奥に進むと


▲優しさだけが怖くなる神田川






出典:東京銭湯ホームページ引用


▲到着


開店は15時だが、5分ちょっと前にシャッターが開いた。
下足箱に靴を預けて中に入ると、最初の空間はマンション銭湯にしては少し広めのロビー。テーブルが並び、奥にはおおきなテレビが置いてあった。
奥にフロントがあり、座るのは50代ぐらいの小柄で清楚な感じの女性。
貸しタオルは有料で20円。
ここは下足箱の鍵とロッカーの鍵を交換するので、受付の女性に支払いと同時に下足箱の鍵を渡す。
「タオルは使い終わったら下にあるカゴに入れてください」と説明された。
男湯は右側で、女湯は左側。


出典:東京銭湯ホームページ引用


のれんをくぐると脱衣場もとても綺麗で整然としている。左側がサウナ専用ロッカーで縦長。奥が一般の使用者向けで普通のサイズ。
ロッカーの上にはカゴが複数置いてあって、このご時世にわざわざカゴを使う人なんているのだろうか?と思ったら、なんと大活躍である。
というのもここはかなりの人気店らしく、めちゃくちゃ混雑して譲り合いながら着替える必要があった。
そんなに時にカゴが重宝する。
いったんカゴの中に服などを突っ込めば、真ん中にある座るテーブルで着替えることができる。


浴室の扉をあけて中に入ると、通常の配置を横に変えた作りの浴室だった。
左に浴槽が並び、右側はカランのスペースであるが、壁沿いをコの字にカランが並ぶ。なので真ん中の島カランも横並び。
右側の壁にあるカランはスーパー銭湯のような仕様で手前と奥のカランのみハンドシャワーだった。
立ちシャワーらしきものはないが、出入り口のところにハンドシャワーが一つついていた。シャワーはみんな勢いがあって使いやすい。


浴槽は一つの湯船で、その中にいくつかの設備が入っていた。
手前(左端)が電気風呂で、その隣がゆるいバイブラ。さらに奥にミクロンバイブラ、座湯、ボディジェットと続く。
白湯で、温度は42℃ほどだろうか。ちょうどいい案配の温度だった。
壁は、モザイクタイル絵で、近くでみるとなんの絵なのかサッパリだったが、遠くでみると滝の絵であることが分かる(イグアスの滝らしい)。


出典:Wikipedia引用
▲この滝のこと


浴室の照明は間接照明のみで薄暗く、天井も低いのもあいまって、すこしアンニュイな気持ちになる。


出典:東京銭湯ホームページ引用


さらにここはサウナがあるのだが、別室のところにあった。扉を抜けると、奥のスペース右側にサウナがある。そこそこ広くて本格的。その奥スペースの真ん中が水風呂で高い手すりに囲まれてある。ちょうど3人ほどが入れる広さで、水温は思ったよりも低く、20℃前後かなと思う。
最後の左側は岩風呂で、こちらもせいぜい3人ほどのスペース。なんら特徴もなく白湯で40℃ほどとぬるめだった。
ここのスペースは完全室内なので、露天風ではない。外気もさほど取り入れてなかったので、外気浴もむずかしかった。


全体的にほぼ装飾はないに等しく、無機質な印象だったが、機能性に関しては計算して考えられてあるので使い勝手は快適だった。
それを裏付けるように、ここは老若男女が集まり、親子連れも来るなど地元から支持された銭湯のようだ。
かなり多くの若者も見掛け、いかにも学生の街らしい銭湯の風景だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 高田馬場
経路 神田川にむかう
周辺の環境 神田川

●空間演出
建物外観 マンション
壁画・眺望 モザイクタイル絵
統一感 あり
置物 なし
照明 薄暗い

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 綺麗
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 電気風呂、バイブラ、ミクロンバイブラ、座湯、ボディジェット
サウナ あり
温度 40~42℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 おしとやか
清潔さ きれい
貸しタオル あり(20円)
備え付け あり

◆人
受付 50代の女性
客層 広い年代


【案内】

住所
〒169-0075
新宿区高田馬場3−8−31

電話番号
03-3371-2409

アクセス
山手線「高田馬場」駅下車、徒歩7分

休日
木曜

営業時間
15:00−25:00

※東京銭湯ホームページ転載

さよなら東急ハンズ池袋店

2021-12-23 06:26:00 | 日記







10月31日ハロウィンの日。この日は東急ハンズ池袋店が37年間の営業に幕を閉じた日でした。
別れを惜しむように空は曇天。のちに雨へと変わりました。
池袋店が開店した日も雨だったようで、雨ととも現れ、雨の日とともに去っていったお店でした。



遠くから記念撮影をする人がたくさんおりました。







開店を待ちわびる人たち。



店員さんが準備に取りかかります。



開店しました。



みんなゾロゾロと入っていきます。



中に入ったところ。
もう閉店ということで閑散しており、お別れのための特集コーナーになっていました。





沢山の寄せ書きがありました。











野比くんも悲しんでおります。





二階にあがると、昔を偲ぶ過去の写真コーナーがありました。







こんな感じで雨の日でした。



すごい沢山並んでますね。雑貨のセレクトショップということで当時としては画期的なお店だったと思います。


 
37年前当時の広告。







ここにも寄せ書きが。



最後は売れ残った商品ばかりなので、非常に寂しい感じでした。

















今時らしくフォトスポットもありました。学生たちが作ったもののようです。創造を支援する店としての位置づけだったので、こうした取り組みは随所にみられました。











12月にはカインズに買収されることが発表されました。
ここ最近は赤字に苦しんでいたようで、アマゾンを代表とするEC業界に追い詰められていたのでしょう。
時代の変化を象徴するお別れでした。