銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

橘湯(川崎・元住吉)

2019-11-30 06:02:00 | 銭湯 温泉






【橘湯】をザックリいうと
◎露天風呂、黒湯あり
・超地域密着型
・かなり混んでる
・マンション銭湯にしては充実










▲元住吉駅


▲改札口を出た先には、武蔵小杉の高層マンション群が見える。ゴジラと自衛隊が対決した場所だ


▲東口のほうに降りる




▲東口


▲右の商店街へと歩く






▲ファミリーマートのところを横切り




▲パチンコ屋さんも通り過ぎると


▲大通りにでる


▲大通りも渡って




▲「どこ行くんだよー」と言わんばかりの猫の置物とすれ違い


▲川がみえてくる




▲その川沿いを右に進む












▲左のこの橋を渡る














▲大通りにでる


▲いったん、左の横断歩道を渡る


▲この奥の道を進む






▲新幹線の高架線をくぐって






▲まいばすけっとの前を右折




▲すると橘湯がみえてくる




▲到着




▲開店時


入り口に入ると、小さな下足箱。足を踏み入れるとほかと違うなという雰囲気。まず子どもたちの活発な声が響いている。
「忘れ物ないかー」という店主の声も。
靴を入れて、中に入るとロビー。ややちいさくて年季を感じさせる。手前にテレビがあり、子どもがその前にたむろしていた。右側に受付のフロントがあり、座るのは70代前半ぐらいの男性。
貫禄ある感じで「いらっしゃい」と挨拶をしてくれる。
貸しタオルをお願いすると、渋い声で「お湯に入れないでね」と注意も。


男湯は左側にあって、のれんをくぐると、基本的にほかの銭湯と大差はないが、少々変わっている。
まず、寒い。なにせ扉が全開なので、外気が直接入ってくる。
訪れたときは11月上旬だったので、めちゃくちゃ寒いというわけではなかったが…。
真ん中に島ロッカーと、壁際にもロッカーがあり、島ロッカーの後ろにマッサージチェア。奥右側にテレビと自販機が設置してある。
脱衣場はだいぶ混雑しており、気が付くとすぐ後ろでは先ほどの店主がにらみをきかせるように立っていた。
そこへ入浴客が「○○○のお母さんあがってますか?」と店主に聞くと「いるよ」と伝え、浴室にいた子どもに「お母さんがあがってるって」と教えていた。


浴室の扉を開けると、浴室もかなり混んでいた。そしてとにかく賑やかである。いろんな話し声が四方八方から聞こえてくる。巨大な家族風呂のようだ。


左手前にサウナがあって、右手前には立ちシャワーが2つ。
真ん中に島カランと右壁にもカランが並ぶが、左は縦ではなく横に並ぶ。
その左側に水風呂。
水風呂は3人ほどが入れるぐらいの大きさで、それに隣接する形で白湯の主浴槽が奥まで続く。
主浴槽はなにものないスペースが半分で、あと半分は手前からボディジェット、座湯、ハイパージェットと続き、その対面右側に寝湯。水まくらは機能していなかった。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用
▲左に見切れているのが水風呂。その右奥が主浴槽。真ん中に島カラン


浴室右側に目を転じると、奥に立派な階段があるが、その階段下に黒湯の湯船がある。黒湯はかなり濃厚で、肌触りもしっとりする感触。とくに匂いはなく関東ではスタンダードな黒湯だろう。温度は42℃ぐらいか。
階段下にも湯船が続くので、ちょうどT字になっている。


とにかくここは客同士の交流が活発で浴槽の縁(ふち)と床には数人が堂々と座り込んで談笑していたので、道が一部塞がれて通れない。
客層は高齢者が多いが、若い人もかなり目立つ。子どももおり、年齢層の幅がとにかく広い。


一方でそんな騒がしい銭湯であるが、ひとつだけ静かな場所があった。露天風呂である。
階段をのぼって扉を開けると、やや狭いながら落ち着いた雰囲気。
ここもお湯は黒湯で、右に仕切り板があり、かつて打たせ湯があった痕跡だろうが、いまは何も無かった。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用
▲写真で見ると右に打たせ湯があるが、今はパイプだけだった


ところで、なぜ露天風呂にほとんど人がいないのかというと、「近隣迷惑にならないよう、ここで大きな声を出さないでください」と注意書きがあるからだ。
おそらくみんなおしゃべりをしたいので、下にとどまるのだろう。
こうした決まりを客がちゃんと守るということは、それだけ店主がしっかり目を光らせている証か。
さながら店主が地域のお父さん的な存在だとすると、お客さんはその子どもたち。そんな感じの疑似家族的な雰囲気をもった地域密着型の銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 元住吉
経路 住宅街の中へ
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 昭和の建物
壁画・眺望 
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 ふつう
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 黒湯、ジェット、
サウナ あり(無料)
温度 42℃前後
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 貫禄がある
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし

◆人
受付 70代ぐらいの男性
客層 幅広い


【案内】

住所
〒211-0022 
川崎市中原区苅宿36-32

電話
044-411-8010

営業時間
15:00〜22:50

定休日
4日・14日・24日(日祭日の場合は営業)

※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載


第三玉の湯(東京・神楽坂)

2019-11-23 06:18:34 | 銭湯





東京メトロ東西線の神楽坂を下車すると、神楽坂大通りから少し分岐した道沿いに第三玉の湯がある。
2018年にリニューアルしたとあって、あたらしくて様々な設備がてんこ盛りの銭湯だった。

【第三玉の湯】をザックリいうと
◎高濃度炭酸泉、水風呂、露天風呂あり
・ランナーに人気の銭湯
・ビルの谷間にある
・銭湯のコンビニ




▲神楽坂駅構内


▲地図


▲出口1aにでる


▲神楽坂駅出口


▲出て左側


















▲ここのお寺を目印に左折する


▲左に曲がったところ。このまま真っ直ぐ行けば第三玉の湯があるが、写真で分かりやすいように横断歩道を渡る


▲前の横断歩道を渡ったところ


▲左折




▲すると左側に第三玉の湯がみえてくる


▲入り口が両脇のビルに挟まれてる。この位置からみると建物の一部が奥に見える




▲到着


入り口前に立つと、スロープがあり、料金表は英語も併記されていたりと、気遣いを感じさせる作り。
中に入れば、まさに目の前がフロントという近さだ。
手前左右に下足箱があって、その奥左手がフロント。右側にこれまた小さな券売機。


券売機でチケットを購入すると、受付に座るのは、20代半ばぐらいの若い女性。
アニメ声(?)をしていて、「いってらっしゃい」などと声を掛けてくれる。やはり若い人の対応はいい。


男湯は右側(入り口からみて手前)で、のれんをくぐるとやはりというか予想通り狭い。しかも物凄い人の数なので、服を脱ぐだけで大変だった。
脱衣場は横長の作りで、手前に座るテーブル、マッサージチェア、長いす(といっても3人が座れるぐらい)と奥に続いて並ぶ。長いすの前には液晶テレビ。あと一番奥にトイレ。左側奥には洗面台とドライヤー(有料)があったが、体重計はデジタル式で表示部分は背が低いので見づらい。


浴室に入ると、これまた狭いなという印象。しかし、狭いが設備が色々とてんこ盛りである。まるで銭湯のコンビニだ。
まず手前左に立ちシャワー。それと真ん中に島カラン、左壁にもカラン。
右は手前にサウナ。そしてその横に水風呂。主浴槽は入り口から見て奥にある。


天井を見上げると屋根が高く、この建物が木造であることを教えてくれる。ビルに挟まれているので、てっきりここはビル銭かと最初思っていた。
それにしてもずいぶん窮屈な場所に作ったものである(両ビルが勝手に挟み撃ちにしただけかもしれないが)。


主浴槽の中身は、右が炭酸泉。左が少し広めで、左隅っこにジェットバスが2つ。一つは座湯タイプで水枕もしっかり機能してる。その前に囲いがあって電気風呂。
温度は、43℃ほどでまずまずの温度。
右の炭酸泉(残念ながら濃度は低い)は当然ながら38℃ほどだ。
水風呂は、23℃ぐらいでかなり微妙な温度である。


そしてここが凄いのは、こうした狭い浴室でビルに囲まれているのに露天風呂がちゃんとあることだろう。
扉も二重扉になっており、外側に出ると、やはり小さいものの3人ほどが入れる広さ。少し奥行きが狭くなるので、作るときの苦心さが伝わってくる。


こんな感じで狭い銭湯ではあるが、近年の銭湯に求められる機能はほぼ網羅しており、非常に感心した。


客層は、多種多様で高齢者、中高年、若者、親子と多彩。年齢層に幅が広いのは実力の高い銭湯の証だろう。
しかしである。やはり混雑が苦手な自分としては、ちょっとストレスを感じる銭湯だった。
入店したときですでにカランは8割ほど埋まっており、しかも残りは場所取りする人たちが押さえていたので使う場所がかなり限定された。
設備はとても素晴らしいのだが、マナーの悪さと混雑ぶりで正直長居する気持ちにはなれず、また来るとすれば空いてる時間帯ぐらいかなと思った。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 神楽坂
経路 観光地
周辺の環境 飲食店

●空間演出
建物外観 ビルに挟まれている
壁画・眺望 富士山
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビーか脱衣場
脱衣所 少し狭い
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 炭酸泉、ジェットバス、水風呂、露天風呂
サウナ あり
温度 38℃、43℃、44℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 良い
清潔さ きれい
貸しタオル あり(20円)
備え付け あり

◆人
受付 20代の女性
客層 幅広い


【案内】

住所
〒162-0816
新宿区白銀町1−4

電話番号
03-3260-9326

アクセス
都営大江戸線「牛込神楽坂」駅下車、徒歩5分

休日
水曜

営業時間
15:00−25:30

※東京銭湯ホームページ転載


日の出湯(東京・三ノ輪)

2019-11-19 07:09:38 | 銭湯





東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅を下車すると、大通りから住宅街へと入っていったすぐそばのところに日の出湯がある。
古い建物とは裏腹に、中は新しくてちょっと変わった銭湯だった。

【日の出湯】をザックリいうと
◎実母散、鉱石タイルあり
・古風な宮造り
・中は意外と新しい
・趣のある坪庭



▲三ノ輪駅


▲そこを左に曲がる










▲この横断歩道の右側も渡る


▲右に向いたところ


▲渡って左






▲ここを右折


▲曲がったところ


▲するとすぐにみえてくる






▲古風な宮造りだ




▲到着


入り口に入ると、右側が男湯。外見からして昔ながらの番台か…と思ってたら、ちょっと変わっていた。
下足箱にサンダルを入れて半自動扉をあけると、メロディーが鳴るのだが、それがファミリーマートに入るときとまったく同じメロディー。
入った瞬間にコンビニに入ったような気分だった。
さらに戸惑ったのが、番台が見えないことである。
間仕切りには和風というか、お城の外壁を模したようなデザインが施されてあって、受付がみえない。ただ壁から「いらっしゃいませ~」という女性の声が聞こえてくるので、どうやらそれが囲いだったらしい。それにしても少々長い。
すっぽり隠された受付前にまわると、座るのは70代ぐらいの女性。しっかりお化粧をしており、対応もとても丁寧で話し方に品がある。
貸しタオルをお願いすると残念ながらレンタルが無いということで、タオルを購入することに。あわせて550円(増税前)。買うにしてはかなり安い。


タオルを受け取って回りを見渡すと、手前と奥右側にロッカーがあるが、なによりも目を引いたのが、右側にある坪庭。一般の銭湯にしては少し広い。
扉をあけて縁側に出ると、期待を裏切らない素晴らしい作りだ。しっかり手入れがなされていて、奥には小さな池がある。そのさらに奥には大きな岩が積み重なっており、水が上から染み出て流れている風流ある景色だった。 


出典:東京銭湯ホームページ引用


ただなんと言っても一番に驚いたのは、少し上を見上げると、住宅と隣接してることである。
住宅のベランダから坪庭が丸見えなので、スッポンポンの裸だとこれはマズいと思いすぐに退散した。


脱衣場に戻って浴室の扉を開けると、建物の外見とは異なり、けっこう新しいことに驚いた。あとで調べたところ最近リニューアルされたらしく、納得の綺麗さである。
ただ全面リニューアルではなく、カランのシャワーなどは昔のまんま。タイルなどがメインのリニューアルだったのだろう。


出典:東京銭湯ホームページ引用


島カランは2つあるが、一つは短めのもの。左右の壁にもカランがあり、手前右側にも立ちシャワーが2つ。


奥に浴槽で、浴槽はL字型をしている。
右が鉱石タイルを張り付けた半身浴。
いろんな鉱石を砕いて焼き固めたものらしい。

出典:東京銭湯ホームページ引用


その左側がバイブラ。さらに短い仕切りの中に電気風呂がある。
左隣は、座湯が2つ。
さらにその隣が漢方薬湯で実母散を混ぜたもの。漢方らしい匂いが漂っていた。


出典:東京銭湯ホームページ引用


壁絵はペンキ絵でなく白樺の写真が張られてあって、東横線沿いの銭湯でよく見かけた風景だ。
客層は、ほとんど高齢者で、地元の人たちがメインの銭湯だろう。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲これは男湯になかったので、女湯のみにある水槽


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 三ノ輪
経路 大通りを経る
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 宮造り
壁画・眺望 白樺の写真
統一感 微妙
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場兼
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがあるが狭い
浴槽の種類 鉱石タイル、バイブラ、電気風呂、座湯、薬湯
サウナ なし
温度 42℃、43℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 品がある
清潔さ きれい
貸しタオル なし(円)
備え付け あり

◆人
受付 70代ぐらいの女性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒110-0011
台東区三ノ輪1−15−12

電話番号
03-3872-0671

アクセス
東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅下車、徒歩5分

休日
金曜

営業時間
15:00−23:30

※東京銭湯ホームページ転載


小杉湯(東京・高円寺)(朝風呂)

2019-11-16 06:43:49 | 銭湯





JR中央線の高円寺駅を下車して商店街へと進むと、住宅地の小道に小杉湯がある。
たえず進化し続ける若者に支持された銭湯だ。

【小杉湯】をザックリいうと
◎温冷交互浴の聖地
・拡張し続ける銭湯
・遊び心を併せ持つ
・9割以上が若者






▲高円寺駅


▲出て左


▲右側の横断歩道を渡る








▲入るのはこの商店街


▲とりあえず真っ直ぐ進もう










▲突き当たり


▲左に曲がって


▲右側奥に精肉店があるのだが


▲そこを曲がる




▲ストップ


▲デンカランドを目印に左








▲奥に看板が見えるが…。これは手前を右に曲がれという案内板なので、騙されて近づいてはならない


▲なのでクリーニング屋さんのところを曲がると




▲左手に小杉湯がみえてくる






▲入ってきた道を振り返る


▲到着


入り口に入ると、下足箱。右の入り口に向かうと左側にポスターが張ってある。どうやら隣に建物を建てて、そこでサービスを拡張するらしい。どんな食事提供をしてほしいかアンケートも取っていた。
自動扉を開けると、奥に休憩所。そんなに広くはないものの、壁にはビッシリと漫画本が並ぶ。
左にフロント。座るのは、20代前半ぐらいの男性だ。大学生あたりだろうか。いかにもこの年代らしい対応だった。
貸しタオルを訊ねると、「小さい方は無料で、大きい方は40円です」と案内される。小さいタオルでいいので、無料でかりることに。


男湯は右側にあって、ここは暖簾ではなく引き戸。
扉を開けると、通路のところにラミネートされた「銭湯図鑑」が無数に張られてあった。
ここは銭湯図鑑を描いている女性が働いているところなので、当然ながら小杉湯も紹介されている。


▲小杉湯の銭湯図鑑(横浜の銭湯が見あたらなかったのは横浜住人として気掛かりだったが…)


その通路を抜けると、脱衣場の中。
全体的な作りはほかの銭湯と変わらない。入り口手前側を中心にロッカーが並び、左奥に洗面台。右にトイレ。と一見すると普通なのだが、細かく見ると、ここのディテールに対する徹底ぶりが垣間見える。
特にアメニティは凄い。随分コマゴマとしたのがあるなと思って見てみると、化粧水、乳液、ヘアウォーターなどがあって、ティッシュ、綿棒、歯間ブラシ、なんとゴミ箱は綿棒と歯間ブラシ専用まで用意してある。
それらが当然ながら無造作にではなく、統一感あるデザインで置かれてあるのでとてもオシャレな雰囲気。
先鋭的なスーパー銭湯とも比肩する充実ぶりである。これが個人経営で実践されているというのだから驚きだ。
くわえて体重計はデジタルとアナログが両端にあって、血圧計もあった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


ちなみに脱衣場の中を手作りのタスキ掛けした20代ぐらいの女性が、何度も出入りしていた。タスキ掛けはスタッフであることを示す遊び心ある演出だろう。
男の脱衣場にこうした若い女性が出入りすることで少し気後れする人もいるかもしれないが、ほぼ通り過ぎるだけなので問題なし。
むしろ朝風呂でスタッフが複数いることに驚いた。それだけ客数が充実している証か。
同じ朝風呂でも久が原の「ますの湯」は、人件費を掛けられないためか若い女性が一人だけで切り盛りしている。
なので受付はもとより脱衣場、浴室の中までフツーに入ってくる。このあたりになると少し苦手な人もいるかもしれない。
以前、朝風呂から出るときに全身を広げて扇風機で体を冷やしていたら、その横を女性がササッと横切ったり、浴室の扉を開けたら目の前で女性が屈(かが)んでいたりと、その時はちょっと恥ずかしかった。


小杉湯に話を戻すと、扉を開けて浴室を見渡せば、カランは島カランが2つ。右手前に立ちシャワーがあって、立ちシャワーは、固定とハンドシャワーと二種類。



出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらは高齢者向け


島カランの方が、こちらも一見すると変哲のないカランに見えるのだが、座ってみると、アメニティのすごさが実感できる。
「アメニティがアップデートしました」と描かれたポスターには、クラシエの「ZIRA」の特徴が紹介されていた。


出典:クラシエホームページ引用


これは調べたところ、どうやらレジャー施設用の商品らしく、一般では売られてないものらしい。しかしお店が高いお金を掛けて用意してくれてるアイテムだろう。なんとシェービングフォームまであった。


浴槽は奥にあって、L字型をしている。
左からみると、白湯で深浴槽になっていて、ボディジェット、ハイパージェット、座湯と並ぶ。温度は42℃ほど。
座湯は9つものジェットがあり、なかなか刺激的だが、強すぎず気持ちいい。水枕も機能してて冷たい。
そのお隣が薬湯。薬湯は熱めの温度で、44℃ほどか。3人ほどが入れるスペースで、熱くても意外と入ってる人が多い。


出典:東京銭湯ホームページ引用


さらにその右隣にあるのが、小杉湯の看板商品であるミルク風呂。
複数の成分を混ぜたものらしく、贅沢バージョンの薬湯と言ったところである。見た目とは裏腹に強い匂いはなく、しっとりとした肌触りも素晴らしい。
さらに手前側に突き出たのが水風呂で、水温は温度計だと14℃になっていたが、そこまで低いかな?といった感じで、自分の肌感覚だとせいぜい16℃あたり。
こうして並べてみると狭いながら浴槽のバリエーションは豊富で、色々と楽しませてくれる。
ところで一番人気はやはり名物のミルク風呂かと思いきや、意外にも水風呂だった。
どの時間を切り取っても必ず人で埋まっており、3人しか入れないのに、入り口の段差部分に無理矢理入る猛者までいた。
改めて水風呂は人気を獲得する上でマストアイテムであることを再確認する。

これをラグビーの格言にちなんで表現するとー
「One for all, All for one」
“一人はみんなのために、みんなは一人のために(あるいは一つの目的のために)”

を「Hotwater for coldwater, Coldwater for hotwater」と言い換えることができるだろう。

“熱いお湯は、冷たい水風呂に入るために。冷たい水風呂は、熱いお湯に入るために”

永遠に続く幸せのルーティンである。


浴室は、色使いが優しい白色系で梁の部分が淡いピンク色。天井部分も純白で美しい。全体的に過剰演出は控えめで落ち着いた雰囲気。
壁絵は、古典的なペンキ絵であるが、三浦半島から眺める富士山が右隅に小さく描かれている。


客層はというと、見事なまでに若い人ばかり。
ほぼ全員と言っていいほど見た目は20代ばかりだった。それが狭い浴室に十数人とワンサカいる。
いつも高齢者ばかりに囲まれているので、ここは別世界である。
こうした特殊性は高円寺という場所と無縁ではないだろう。
ミュージシャン、絵描き、俳優、コメディアン、漫画家、モデル等々…そうした表現者となるべく希望と野心をもった若者たちが全国から集まってくる街。それが高円寺である。
小杉湯は、そうした若者たちから憩いの場として支持されている。
芸術嗜好と遊び心を併せ持ち、夢見る若者たちと共鳴する感性が経営者にあるのかもしれない。


ちなみに小杉湯が日曜日に朝風呂を始めたと教えてくれた人も、じつは音楽活動をしていて、たまにテレビ出演している。
小杉湯は、とにかくいつも混雑してて、前回来た時は足の踏み場もないほど窮屈だったため、喜んで二度目はないかなと思っていたのだが、「いつも混んでるけど昼の時間帯は比較的空いてるよ」という話を聞いたので、モノは試しにと今回はジャスト12時を目安に訪ねてみることにした。
実際に行ってみると、少し混んでるものの、前回のようなロッカーの空きを待つとか、カランが全部埋まってるとか、並んで入浴するとか、そのようなシチュエーションはさすがになかった。
混雑は嫌いだが小杉湯に行ってみたいという方は、日曜日のお昼頃をオススメする。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 高円寺
経路 商店街を抜ける
周辺の環境 住宅地と商店街の境

●空間演出
建物外観 古い宮造り
壁画・眺望 三浦半島と富士山
統一感 あり
置物 ポスターが多数
照明 ふつう

★設備
休憩所 フロント横に小さなロビー。漫画本が多数
脱衣所 広さは普通であるが、アメニティが充実
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 複数のジェットバス、薬湯、ミルク風呂、水風呂
サウナ なし
温度 41℃、43℃、44℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円、バスタオルは40円)
備え付け あり

◆人
受付 20代の男性
客層 20代がほとんど


【案内】

住所
〒166-0002
杉並区高円寺北3−32−2

電話番号
03-3337-6198

アクセス
中央線「高円寺」駅下車、徒歩5分

休日
木曜

営業時間
15:30−25:45
日曜は朝8時より営業

※東京銭湯ホームページ転載


おふろの王様高座渋谷(東京・高座渋谷)(天晴れの湯)

2019-11-12 07:53:19 | スーパー銭湯





小田急江ノ島線の高座渋谷駅を下車すると、いやが上にも目に飛び込んでくるのがおふろの王様高座渋谷店だ。
ビル型ながら設備は充実しており、多くの人が満足すること請け合いのスーパー銭湯だった。


【おふろの王様高座渋谷】をザックリいうと
◎すべて網羅
・ビルの上階にあるスーパー銭湯
・店員さんの見回りが充実
・コストパフォーマンスが高い





▲高座渋谷駅の改札口


▲高座渋谷駅入り口


▲その右側を向くと




▲すでに目の前にある


▲その前はバスターミナル。左に目を向ければ高座渋谷駅


▲受付は5階なのでエレベーターであがる


▲5階に到着



「高座渋谷」と聞くと、なぜあの東京の渋谷と同じ? 渋谷に憧れてちゃっかり付けちゃった?
と思うかもしれないが、実は高座渋谷の方が由緒正しい地名なのである。
元々、この土地には渋谷氏という豪族がいて、ここの土地を支配していた。
東京・渋谷の地名もじつはこの渋谷氏から来てるのではないかという説があるのだが、当の渋谷区はそんなの空想だからと一蹴している。
そもそも渋谷の地名がどのような由来なのか定説がないにも関わらず絶対ないと否定してるところに、渋谷区のプライドの高さを感じさせる。
ちなみに個人的には、渋谷の由来は渋谷氏説が十分ありえると思っている。
渋谷氏の子孫である東郷平八郎の神社も東京渋谷にあるしね。


出典:東郷神社ホームページ引用
▲地名の由来には直接関係ないが…



さて、本来のスーパー銭湯に話を戻すと、エレベーターで5階まであがって奥に進めば、フロントがみえる。フロント右側に下足箱。
受付に立つのは、40代から50代前後の女性たちだ。さすがスーパー銭湯。みんなしっかりした対応である。
ここの手続きは、最初にコースの入浴料金+レンタルタオル料などを支払い、そのあとで飲み物やアイス、食事を利用した際の料金を支払う。
なのでそのためのバーコードの付いたリストバンドが渡される。購入はすべてバーコードで読みとり、あとで精算する仕組みだ。
左側に進むと入浴施設になるが、その前に色んなものがある。
飲料やアイス、お菓子の自販機が並び、床屋さんも勿論ある。このへんはスーパー銭湯のお約束だろう。
左側には岩盤浴の料金を払った人たちのみが入れるリクライニングスペース「岩盤カフェ」があって、その中には漫画本が大量に並んでいた。飲料サービスもあり、ちょっとしたミニ漫画喫茶といったところだ。


出典:おふろの王様高座渋谷店ホームページ引用
▲やはり若者の利用が多かった


階段をのぼると、中二階にマッサージチェアや休憩室が別途用意されている。ここは誰でも利用できる設備。テレビも設置してある。


さらにその上にあがれば、脱衣場への入り口が見えるのだが、そこでも右手裏側にはマッサージルームがズラッと並び、どれだけサービスを充実させてるのだと驚いた。


ここは週で男女が入れ替わるらしいのだが、今回は右側が男湯だった。「天晴の湯」である。


のれんをくぐって中に入ると、よくあるスーパー銭湯の脱衣場。だいたい一通り揃っている。
島ロッカーに壁際もロッカーが並び、アメニティグッズを用意した化粧台のほか、乳飲料の自販機と日焼けカプセルルームもある。
それとここで特徴的なのは、多目的トイレが2つあることだろう。脱衣場に多目的トイレが2つあるのは珍しい。おそらく男女を週ごとに入れ替えているためか。


服を脱いで浴室への扉をあけると、左に進めば、扉が2つ用意されてある。真っ直ぐ進んだ先が露天スペースに直接出られるもので、右が室内である。その手前側に掛け湯と給水機がある。


最初は体を洗うため右側の扉を開けると、その右手側に整然と並べられたカランがあり、それがほぼ奥まで続く。
手前左側には立ちシャワーがふたつ。
カラン、立ちシャワーともに無難な使いやすさだ。


室内の浴槽は、左側にすべて並ぶ。手前に人工ラジウム鉱泉でバイブラ仕様のぬるい白湯。温度は38℃と誰でも入れることを想定したものだろう。
隣が寝湯で3つほど。
さらにその隣が高濃度炭酸泉。町田店と比べると濃度が少し低く感じたが、それでもしっかり濃度を感じ取ることができる。
その右隣に水風呂が隣接してある。スーパー銭湯にしては少し小さめだが、温度計をみると16℃ほど。手を入れてみると、たしかにそれぐらいの温度かもしれない。かなり冷たい。


その横にサウナ。入ると、これまた特徴がなくて温度計を見ると80℃ほどだが、実際はもっと高い気がした。ちょっといればジンワリ汗も出てくる。
サウナの横にミストサウナで、石の椅子が対面に設置してあり、ここも特徴はなく、ことごとく平均点を狙った作りだ。
ここまでが室内だが、今度は先ほどの入り口まで戻ると、外に出る。 



出典:おふろの王様高座渋谷店ホームページ引用
▲これはミストサウナ


ここの露天風呂は、ビルの構造を利用しており、高低差があるのが特徴。
なので入って左側を向くと、オーバーフローを利用した上と下が繋がった浴槽が目に飛び込む。


出典:おふろの王様高座渋谷店ホームページ引用
▲絹の湯と紹介されてるが、実際の表記は違っていた


上の段にあるのが白濁湯で、その白濁の浴槽から溢れたお湯を受け止めるのが、下にある白湯。
どちらとも40℃。
その階下に降りると、奥右側に囲いがあって、壺湯が3つ並ぶ。


出典:おふろの王様高座渋谷店ホームページ引用
▲壺湯は41℃ぐらいだったかも。「どぼん」と命名されている

さらに、そこから右に進めば、露天風呂のメインとなる人工温泉の白濁湯。
真ん前の柵にはガラス窓がはめ込まれており、その窓からは天気が良ければ富士山を拝むことができる。


出典:おふろの王様高座渋谷店ホームページ引用
▲この写真はおそらく少し古い時期のもので、今は白濁の人工温泉になっていて、窓が設置してあった


しかし残念なことにこの日は曇り空で、しかも時期的にまだ湿度も高く(訪れたのは9月中旬頃)、好天でも富士山は展望できなかっただろう。
せいぜい曇り空の背景に、丹沢山系のシルエットがみえるぐらいだった。


さらに右側には、還元泉のこじんまりとした白濁の湯。独特の臭いがするが、そもそも還元泉ってなんだったっけ?(解説文があったけど、読んですぐに忘れてしまった。ごめんなさい)


出典:おふろの王様高座渋谷店ホームページ引用
▲手前が「ぽかぽか」と表記された還元泉で、奥が寝湯


その還元泉と繋がっているのが寝湯。
なので還元泉に人が入ると寝湯も少し水位があがる。
還元泉は、閑散としていたので手足を広げて空を見上げていたら、いつの間にか女性従業員が真ん前に立っていた。
女性は「失礼します」と言うと、手に持っていたプラスチックの桶をお湯に半分沈めて攪拌し始めた。どうやら薬湯の粉を投入するためだったらしい。
黄色や緑色といった粉がお湯の中で混ぜられると、バスクリンに早変わり。


こんな感じで、高座渋谷店は従業員の見回りが充実していて、カランの椅子や桶は乱れてることがなく、つねに整頓されている。
このあたりのサービスも素晴らしい。


駅前で湯船が数多くあってさほど混雑しておらず、サービスも多彩でスタッフの教育も行き届いており、しかも値段もほかと比べて高くないのでコストパフォーマンスは抜群(大人は休日・祝日が会員料金で950円。一般は1050円。平日はそこから100円安くなる。小学生は一律300円。小学生以下無料)。
これで不満を表明するのはどうかしてるだろう。


と思うのだが、実は出る直前までちょっと物足りなさを感じていた。
先ほども書いたのだが、どうも平均点を狙いすぎてる感じがして、無難過ぎて逆につまらない印象を持っていた。
普段からゴツゴツした癖のある銭湯に通っていると、マッ平らなスーパー銭湯が退屈に感じてしまった。
温度は40℃前後。すべて網羅している。しかし、もっと刺激がほしい!
こんな感じで贅沢な不満なのだが、もう少し個性があってもいいかなと思ったりしていた。
ところで最後にサウナでも入り直すかとサウナの扉を開けると、そのタイミングで突然バケツをひっくり返したような音がするので、ナンだ!?と思って見ると、入り口横にあるオートロウリュウが発動した音だった。


最初入った時はなにかあるな、ぐらいしか思っていなかったのだが、まさかオートロウリュウまであるとは思ってもみなかった。そして稼働してから少し経つと時間差で熱波が押し寄せてくる。
一気に汗が吹き出してきて、若干苦しいけど気持ちいい。モトメテイタ刺激はこれだ!と思った。


熱いお湯が恋しい人にはちょっと物足りないかもしれないが、サウナでガッツリ汗をかきたいゼ!と思う人にはまさに打ってつけの場所だろう。
外気浴の設備も充実しており、なによりもここは冬の晴れ間なら富士山を眺めることもできる。
初心者にも百戦錬磨のサウナーにもお勧めしたい超駅近なスーパー銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 高座渋谷
経路 目の前
周辺の環境 駅

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 富士山が見える。見下ろす町並みが借景
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 充実
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 バイブラ、寝湯、炭酸泉、水風呂、白濁湯、還元泉、壺湯
サウナ あり
温度 41℃
棚 あり
男女入れ替え あり

■サービス
接客 良い
清潔さ きれい
貸しタオル あり(220円)
備え付け あり

◆人
受付 50代ぐらいの女性
客層 高齢者がメイン


【案内】
住所
〒242-0024 神奈川県大和市福田2021-2 IKOZA 5F 
※2018年6月30日より住所表記が変更になります。(変更後)〒242-0023 神奈川県大和市渋谷五丁目22番地 IKOZA5F

営業時間
10:00~0:00(最終受付23:00)

電話番号
046-201-0126


電車でお越しの場合

小田急江の島線「高座渋谷」駅下車西口駅前

横浜駅より乗車約30分
相鉄本線横浜駅より急行海老名行き乗車、「大和」駅下車、小田急江ノ島線・片瀬江ノ島行き乗り換え

町田駅より乗車約19分
小田急小田原線町田駅より藤沢行き乗車、「大和」駅下車、小田急江ノ島線・片瀬江ノ島行き乗り換え

藤沢駅より乗車約15分
小田急江の島線「藤沢」駅より町田行き乗車

お車でお越しの場合

小田急線高座渋谷駅西口IKOZAビル 駐車場163台完備 ※ロータリーからは、駐車場にはお入りいただけません。
お車でお越しの方は、IKOZAビル内駐車場及び第2・第3駐車場をご利用いただけます。
駐車チケットは必ずフロントまでお持ちください。

駐車料金

ご利用時間5時間以内無料5時間以上以降1時間ごとに200円かかります。

※おふろの王様高座渋谷店ホームページ転載