山の斜面に建っている宿坊は
3階建ての3階が本殿広場と同じレベルにあり
つまり3階が出入り口になっています。
出口に向かって階段を上がっていくと
途中で人がつまっていました。
どうやら護摩焚きの準備のために
入り口を一旦閉めてあるらしかったのですが
そのことのアナウンスがなかったので
なぜ列が進まないのかわかりません。
中にイラ立っている人がいました。
「何で止まってんの?! 上にいかせてくれよ!」と
下からどなっています。
上のほうから伝言ゲームのように
「戸に鍵がかかってます」と答えが伝わってきました。
連れの人が「上に行きたい理由があるんだ」と言っていました。
「ほんなら上に行ったらいいよ。
通れるやろ、通したって」と誰かが言い
どなっていた人が並んでいる人をかきわけて
どんどん上に上がっていきました。
すると、今度は並んでいた大勢のひとがザッと殺気立ち
入り口に向かって殺到しかかったのです。
やりとりが聞こえていなかったひとたちは
どんどん上っていった人を「割り込み」と思ったかもしれません。
「おいおい~、押さんといて」「危ないよ~」と
穏やかに声をかけてくれる人がいて
一瞬ぎゅっと詰まった人たちが
ふっと落ち着きを取り戻しました… が、怖かった。
将棋倒しの事故はこうやって起きるのか、と思いました。
集まっていた人が、わざわざ祈りを捧げるために
そこに来ているくらいの善良というか
あまりエゴイスティックでない人たちだったことと
階段が昇りであったことで、
一瞬の出来事で済んだと思いました。
よかったです。
そして時間になって扉が開くと、
何もなかったように(もちろん押し合うこともなく)
護摩焚きが行われたのでした。(つづく)
3階建ての3階が本殿広場と同じレベルにあり
つまり3階が出入り口になっています。
出口に向かって階段を上がっていくと
途中で人がつまっていました。
どうやら護摩焚きの準備のために
入り口を一旦閉めてあるらしかったのですが
そのことのアナウンスがなかったので
なぜ列が進まないのかわかりません。
中にイラ立っている人がいました。
「何で止まってんの?! 上にいかせてくれよ!」と
下からどなっています。
上のほうから伝言ゲームのように
「戸に鍵がかかってます」と答えが伝わってきました。
連れの人が「上に行きたい理由があるんだ」と言っていました。
「ほんなら上に行ったらいいよ。
通れるやろ、通したって」と誰かが言い
どなっていた人が並んでいる人をかきわけて
どんどん上に上がっていきました。
すると、今度は並んでいた大勢のひとがザッと殺気立ち
入り口に向かって殺到しかかったのです。
やりとりが聞こえていなかったひとたちは
どんどん上っていった人を「割り込み」と思ったかもしれません。
「おいおい~、押さんといて」「危ないよ~」と
穏やかに声をかけてくれる人がいて
一瞬ぎゅっと詰まった人たちが
ふっと落ち着きを取り戻しました… が、怖かった。
将棋倒しの事故はこうやって起きるのか、と思いました。
集まっていた人が、わざわざ祈りを捧げるために
そこに来ているくらいの善良というか
あまりエゴイスティックでない人たちだったことと
階段が昇りであったことで、
一瞬の出来事で済んだと思いました。
よかったです。
そして時間になって扉が開くと、
何もなかったように(もちろん押し合うこともなく)
護摩焚きが行われたのでした。(つづく)