知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

知的障害者施設の開放化は・・・

2016年08月08日 | Weblog
先週に大きな事件があり、特にこの業界(知的障害者関係)が世間で取り上げられるようになりました。


元々、こういう虐待や死亡等の大きな事故(事件)でない限り、マスコミも取り上げない傾向があるのは、世間がその情報を求めていないからであり、また取り上げたところで、誰も興味を持たない・・・ということがあるからでしょう。
SNSや2ch系の、無駄な意見の交換はともかく、普段口を挟まない評論家やこの関係業界の大学教授等が、いかにも・・・という形で論じ始めます。

それが的確かどうか、正論かどうかは、各読者の判断に任せますが、元来がこの業界がそういう存在であることは、誰も否定しないでしょう。それでも、この業界で生きている法人経営者や職員、直接的に関係する保護者の方等は、世間が気に留めなくとも、現実が目の前にあるわけです。(それはどの業界でも一緒ですね)



私も、現役時代は、少しでも施設やこの業界のことを知ってもらうため、様々なメディアに記事を出してもらえるように交渉しました。新聞社等は、それでも季節ごとの行事などは、積極的に記事に出してくれますし、地元のケーブルTV局等も同様です。
ただ、大手の新聞社やキーTV局になると、余程のインパクトがない限り、記事にはなりません。
それだけ、この業界の話題は、世間一般の興味・関心対象ではないということでもあります。
(同じことを何度も言いました・・・反省)


しかし、逆にこの業界の悪い部分は、お互いの情報をほとんど知りえていないということです。


意外に横のつながりは弱く(一応、知的障害者団体はありますが、最近は活動が盛んではありません)、同じ市町村(自治体)内でさえ、お互いのことを知りえてはいないのが現状です。
これは一番の問題ではないかと思います。

ネット等で、ホームページ等を持っている施設も多いですが、先程の話と同様、特に興味・関心がなければ、わざわざ見ることもありません。
余計に、施設自身は、内に籠る状態になります。



通所支援施設系は、それでもまだお互いの情報交換等を目的に、様々な取り組みはされています。どちらかというと世間的には(というより、利用可能な保護者や利用者には)開放的だと思います。

ところが入所支援施設は、最近は相談事業を立ち上げているところも多いですが、まだまだ(対象利用者や保護者には)開放的とは言い難いですね。
施設同士の交流が盛んだった、20年以上前とは違い、最近は各施設の事業の方法や支援方法等、あまり情報を外には出していません。その意味で、私は2008年頃からブログを立ち上げて、少しでも知ってもらおうとしましたが・・・。


私自身は、過去にその知的障害者施設の団体の広報部にいたことがあり、その関係から、各施設等にも知り合いが多いほうでした。また後半の時期は、ボランティア関係や外部との交渉等、外の団体と接する機会も多く、社会福祉系にそれなりの知り合いも増えてきました。
さらに、一昨年の事業所勤務時代は、B型就労支援にも携わっていたので、世間の業者関係の方とも接していました。
知的障害者に対する見方や対応の仕方等、徐々に理解もされ、興味・関心を持ってもらえる機会も多かったように思います。

元の職場の施設長は、私がそういう業務をこなしていたことは知りません。
だから、私を”嘘の報告”に因り無理に退職させたこと・・・全く施設には、大きな影響はないと考えているようです。
(まあ、そんな話はいいのですが・・・また愚痴になってしまった・・・反省2)



今回の事件でも思ったのは、それぞれの施設内の状況、職員の状況等が、もっと横の連携が取れていれば、ここまで至らなかったのではと思うことです。
もちろん、今回の事件の当事者は、最悪な犯罪者ですが、そこに至る過程が非常に問題ではないかと思うのです。

施設同士が、メディアの情報で初めて、その事件を知った・・・なんて、どれだけ横のつながりがないのか・・・が分かると思います。おまけに、詳細な情報は、一般職員にはほとんど知らされません。管理職クラスで止まっていることが多いです(私も元管理職だったので、それは十分に分かります)。
当然、私が退職した事情や理由なんて、知る余地もありません。


前回、投稿した記事にもあるように、確かに利用者本人の氏名等の詳細は出ていません。それについては、様々な意見もあると思います。(数名の保護者が顔出しをして、気持ちを言っていましたね。)
施設側でも、出来るだけ世間には、情報を開放しようとはしていません。(それは個人情報の・・・とかの問題以前です)



今回のように多くの大きな事件が、マスコミに挙げられますが、小さな事件はおそらく毎週のように起こっていると思います。それが施設内の現状です。もみ消しではなく、内内で処理しようという現れでもあります。


こういう事件をきっかけにして、少しでも施設が中の情報を世間的に公開(開放)出来るようになればと考えます。


そして、世間で苦労されている知的障害者の保護者の方々が、いろんな情報を得て、我が子に一番の方向性を与えられるように、前向きに生きていく状況を作ることが、私たちこの業界人の職務でもあると考えます。
コメント
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