またまた通り魔殺人。
今の日本社会は、外に出たら、運悪く殺されてしまうことを覚悟しなくてはならなくなった。
アメリカ社会は、とうにそうなっているだろうけど。日本の場合、凶器はまだ包丁やナイフだが、あちらは銃社会。
そりゃどこにだって、いつの時代だって事件はある。だけど、今の日本やアメリカの犯罪は、「希望のない格差社会」が生み出しているものだということは覆いようもない。
NHKニュースウオッチ9は、急増する高校中退者の存在を伝えていた。その殆どが家庭の生活苦が理由だ。
「底辺校」とされる高校により顕著にその傾向がある。
中退者に正社員の道は閉ざされている。アルバイト、フリーター、派遣、契約、そう呼ばれる「非正規雇用」が彼等に示されている道だ。
大多数の普通の、と言われる若者達をこんな状態に置いておいて、これからの日本の社会が成り立っていくはずはない。
八王子の書店で、いきなりアルバイトの女子店員を刺殺した青年も、板金工場で見習いとして働き始めたばかりだった。
働き始めて一ヶ月ほどで、プレス機に指をはさまれて大怪我をしたという。
機械の扱いなどで、充分な指導は受けていたのだろうか。
「冷遇されている一人」であったような気がする。
私は今年還暦を迎えた。特別能力があるほうでも、特別ガンバリヤ屋でもなかった。それでも生きてこれた。
そして年金などの社会保障の恩恵も受けている。
毎日食べることができ、雨風をしのぐ住まいもあり、衣服もある。たまに旅行にいくぐらいの余裕もある。
自分はそれを享受しながら、若い世代にそういう社会を引き継いでやれないでいる。
「団塊の世代」以上の人達は、それを自分の責めとしなくては・・・。
おっと忘れていた、高齢者も「冷遇の時代」に入っているんだ。(ため息)。
20才ぐらいから政治や社会への関心は高かった。だけど自分の頭や心を働かせて考えてきたか、というとそれほどでもない。
政党や組合の幹部の説く「正論」に従ってきただけのような気がする。
だから駄目だったのだろう。こんな社会にしてしまった責任の何千万分の一は私にもある。
原油高が漁業や農業という、人が生きる根幹を襲っている。
漁業者の一斉休漁や諫早湾潮止め堤防開門の訴えなどのニュースを見ていて、つくづく思うのは、漁業者、とくに漁協などは、そんな状態に追い込んだ自民党長期政権を強力に支える側だったということだ。愚かなり!
しかし大多数の平凡な人間は先の先を見通す目を持っていない。
それこそ「目先の利益にとらわれる」哀しい存在だ。
6億だかの土地改良区のお金を横領したという会計責任者の女性。ペラペラと泣き言を報道関係者の前で並べるその態度にあきれかえるのはもちろんだが、みすみす横領を許してしまう理事長はじめ周囲のぼんやりぶりも問題だ。
どうも農協とか、土地改良とか、漁協とか、こういう組織のトップに、その任に耐えない「無能力者」が就いている気がしてきた。
情実人事、慣例人事の結果ではないか。大分の教員縁故・不正採用を指弾できない。
この土地改良区では、前理事長も横領の罪で逮捕されたという。
全国の土地改良など、解散するしか横領を防ぐ道はないように思う。
これまた自民党の資金源、集票の温床になってきた部隊だが。