報道陣、福島第一原発の事故現場へ。
細野原発担当大臣の視察に同行という形で、NHKをはじめとした大手メディアの記者が初めて現場に立った。
想像以上のぶっ壊れ方だ。ただフリーのジャーナリストがすでに独自のつてを使って、この無残に壊れた原発建屋の撮影をしていて、週刊誌には掲載されている。
防護服に身を包んでの取材だが、当然のことながら現場の放射線量は高い。
その中で、東電社員、下請け、孫請けの作業員が連日1000人単位で作業しているわけだが、「原発再稼働」を言う人は、政治家も経済人もこの現場に入って作業し、事故終息に少しでも貢献してからそういうことを言ってほしいものだ。
放射能に汚染されたがれきや除染した土の行き場をどうするか、悩ましい問題だが、京大原子炉実験所の助教小出裕章氏は、汚染物質はまず東電の本社で引き受けるべきだと言っている。私もそう思う。
密閉容器に入れて本社の敷地や、会長室、社長室に保管するのがよい。
そうしておいてはじめてとても保管しきれない汚染物質をどこへという話になるのでは。
東電の原発敷地内と、その周辺しか現実的には保管場所はない。
放射能汚染物質はすでに地球上を回っている。汚染度が高いか低いかの違いだけだ。
ただ目に見えない、それと低レベルの汚染物質を浴びても、それこそ事故当初枝野官房長官がこだまのように繰り返した「ただちに健康に影響はない?」ので、みな不安をかかえながら日常生活を送っている。
小出先生は「福島の野菜や米は東京電力の社員食堂、永田町の議員食堂で食べろ。福島の子供達にはなるべく福島から離れたところのものを食べさせるべき。自分は福島のものを食べる」と主張している。これにも賛成。
東電も今まで原発を推進・容認してきた政治家も当事者意識、犯罪を犯したのだという認識がなさすぎる。
チェルノブイリ事故を起こした旧ソ連の原発は?
旧ソ連、コーカサス地方の政治・社会・文化の研究者の話。
旧ソ連の国々ではチェルノブイリ以降、むしろ原発依存が進んでいるという。
事故の影響を受けたヨーロッパ諸国が真剣に「脱原発」を考え始めたのに、当事国がこのありさまだ。現在の日本の状況とよく似てる。
放射能汚染の恐ろしさに無知で、情報が伝わっておらず、「原発はコスト安」と思い込んでいる。
絶望的な気持になった。経済成長の悪霊にとりつかれた人類。放射能汚染に蝕まれ、地球本来の寿命のはるか以前に人類は滅亡するという予感がする。