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天龍寺とは…公式サイトより。

2011年01月08日 22時36分19秒 | 日記

天龍寺は、京都の観光地・嵐山の、桂川中ノ島から渡月橋を渡って北へ向かう観光客で賑やかな通りに面して門を構える。嵐山・亀山を借景に緑豊かな境内が広がる。観光名所の渡月橋や天龍寺北側の亀山公園なども、かつては天龍寺の境内地であったという。
 天龍寺の開基は足利尊氏である。暦応2年(1339)8月、後醍醐天皇が崩御したが、その菩提を弔うため、夢窓疎石が足利尊氏に進言し、光厳上皇の院宣を受けて開創されることになった。その後、堂宇の建築が進められ、康永4年(1345)秋、疎石を開山に迎えて後醍醐天皇七回忌法要を兼ねて盛大に落慶法要が営まれた。初め暦応資聖禅寺と号したが、比叡山が暦応の年号を寺号とすることに反対し、抗議したため、幕府は天龍資聖禅寺と改めた。
 天龍寺の地は、檀林皇后が創建した檀林寺の跡地で、檀林寺が廃絶した後、建長年中に後嵯峨上皇が新たに仙洞御所を造営し、次に亀山上皇が仮御所としていた地である。暦応4年(1341)7月、地鎮祭を行い、疎石や尊氏が自ら土を担いで造営を手伝ったという。

 足利尊氏は、天龍寺造営のために備後国、日向国、阿波国、山城国などの土地を寄進し、光厳上皇も丹波国弓削庄を施入している。しかし造営の資金には足りず、それを補うため、尊氏の弟直義は疎石と相談し、元寇以来絶えていた元との貿易を結び、天龍寺造営の資金に充てる計画を立てた。いわゆる天龍寺船の派遣である。疎石は、博多の商人至本を綱司に推挙し、至本は、「商売の好悪」にかかわらず五千貫を納める約束をし、一方幕府は、この船を当時瀬戸内海に横行していた海賊などから保護する責任を負った。
 こうして、康永元年(1342)には五山の第二位に位置づけられ、翌2年には仏殿、法堂、山門などが完成し、3年には霊庇廟
(後醍醐天皇霊廟)も落成した。この完成により、翌康永4年(1345)8月に、光厳上皇と光明天皇の臨幸を仰いで、落慶法要と後醍醐天皇七回忌法要を行おうとした。しかしこれを見た延暦寺の僧侶が妬み、疎石の流罪と天龍寺の破却を強訴したため、上皇と天皇は法要当日の行幸を取りやめ、翌日に行幸にて疎石の説法を聴聞したという。

この法要にあたり、朝廷からは金襴衣、紫袍、錦帛、水晶念珠などが下賜され、尊氏からは銅銭三百万、鞍馬三十頭が施入された。さらに観応2年(1351)、疎石は千人収容可能な広大な僧堂を造営している。尊氏は子孫一族家人など、末代に至るまで天龍寺への帰依の志が変わることがないことを誓い、また光厳、光明の両院など、朝廷からも天龍寺は篤い帰依を受けている。
 天龍寺の五山十刹の位置づけは、創建当初の五山第二位に始まる。次に至徳3年(1386)に京都五山第一位となり、鎌倉建長寺と同格と位置づけられたが、応永8年(1401)の改定では相国寺を第一位とし、天龍寺は第二位(鎌倉円覚寺と同格)に格下げされた。しかし応永17年(1410)にはまた第一位に戻っている。
 天龍寺は創建後、たびたび火災に遭っている。まず延文3年(1358)、雲居庵などを除いて焼失したため、春屋妙葩が再建し、貞治6年(1367)の火災後も妙葩が請われて修復している。応安6年(1373)にもまた炎上し、翌年再建を始めている。さら康暦2年(1380)には公文書の多くが焼失する火災に遭っている。文安四年(1447)、雲居庵を除いてことごとく焼失。応仁2年(1468)には、応仁の乱の戦火に巻き込まれ、焼失している。
 この応仁の乱以後、しばらくは火災も少なくなり、復興事業が進められている。しかし、数度にわたる火災の被害は甚大で、天正13年(1585)に豊臣秀吉の寄進を受けるまでは復興はままならなかったようである。秀吉は嵯峨、北山など一七二〇石の朱印を天龍寺に寄進し、この寄進によって本格的な再建が進められた。さらに慶長19年(1614)、元和元年(1615)、寛永10年(1633)にも朱印が寄進されている

 その後文化12年(1815)になって火災に遭い、翌年から再建が始まるが、元治元年(1864)七月には「蛤御門の変」で長州兵の陣所となり、天龍寺は兵火のためにまたも焼けている。
 明治に入り、9年9月、他の臨済宗各派と共に独立して天龍寺派を公称し、天龍寺はその大本山となった。また、上地令を受けて、境内地など所有地が上地されている。そんな中、復興事業も始まり、明治32年に法堂、大方丈、庫裡、大正13年に小方丈、昭和9年に多宝殿などが再建された。


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