以下は本日発売された週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである事を証明している。
随分前に、世界中のプリマから大変な尊敬を受けているモナコ王立バレエ学校の老女性教授が来日した。
その時に彼女が芸術家の存在意義について語った言葉である。
『芸術家が大事な存在なのは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する事が出来る唯一の存在だからです。』
彼女の言葉に異議を唱えるものはいないだろう。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、戦後の世界で唯一無二の芸術家と言っても全く過言ではない。
一方、大江…彼については、故人を悪くは言いたくないが(下記の高山正之に倣って言えば)村上、平野等、作家と称する人間達、自分達を芸術家だと思いこんでいる人間達の多くは、芸術家の名にも値しない存在なのである。
何故なら、彼らは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する、どころか、朝日新聞等が作り出した嘘を表現して来ただけの人間達だからである。
彼らの様な存在は、日本に限らず、世界中の国においても同様なはずである。
つまり、真の芸術家とは、極少数しか存在していないのである。
私が、今の世界で、最もノーベル文学賞に相応しいのは、高山正之を措いて他にはいない、と言及している事の正しさを、本論文も見事に証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
韓国人の罠
独逸は反省しているのに日本はちっとも反省していないとかビル・エモットが偉そうに言った。
西独首相ウィリー・ブラントがユダヤ人40万を殺したワルシャワゲットー跡に行って跪(ひざまづ)いた。
「福田康夫も南京に行って頭を下げろ」とこの英ジャーナリストは罵りもした。
康夫は愚かだから本気で南京に行きかねなかった。
しかし南京大虐殺は米国が拵(こしら)えたフェイクだ。
骨一本出ていない。
対してワルシャワで独がやった蛮行は隠れもない真実だ。
実はナチどもはユダヤ人だけではなくスラブ人、とくにポーランド人を嫌って虐待し、殺しまくった。
ポーランドを制圧すると中学生以上の生徒まで独に送ってクルップやワーゲンの工場で働かせた。
小学生は自分の名を書け、500まで数えられるようにしてから働き手に付け加えた。
その総数は150万人に達した。
そんな非道をやりながら独政府は戦後、謝罪も賠償もしてこなかった。
日本は英植民地の民にまで賠償している。
ビル・エモットは何ゆえに独が日本より立派と言うのか。
独の無責任を糺す声は米在住のユダヤ人の間でも起きていた。
弁護士大統領ビル・クリントンがそこで動いた。
米には「外国人が外国でやった犯罪でも、外国人が米国内で事業をしていたら訴えられる」外国人不法行為請求権法(ATS)がある。
これなら個人でも強制労働をさせた独企業を訴えられる。
クリントンはいい弁護士も紹介した。ロスのバリー・フィッシャーだ。
かくて米に支社を持つワーゲンなどに戦時中の強制労働や虐待の賠償を求める訴訟が山と起こされた。
戦争賠償は三十年戦争のウェストファリア条約で国家が行うことにし、勝手な私掠は禁じられた。
しかしクリントンはその私掠を復活させ、企業からカネを取る道を開いた。
独首相シュレーダーは他国の主権に属する法の管轄権を侵す訴訟を非難したが、だからと言って独企業を米市場から撤退させるわけにもいかない。
涙を呑んで独政府と独企業が25億㌦ずつ拠出して「記憶責任未来」基金を置き、ユダヤ人やポーランド人など166万人に賠償金を支払った。
一人40万円ほどになるか。
これで儲けたバリー・フィッシャーは枢軸国日本の企業からもカネが取れると考えた。
それでヘイデン法が作られた。
日本軍の捕虜になった米将兵らが訴えれば、新日鉄などから100兆円は取れるはずだった。
しかしクリントンが退陣した後、米連邦高裁はヘイデン法を違憲と判断、日本企業は助かった。
では、とバリーは支那や韓国の焚きつけにかかった。
支那は孫文の昔から詐欺師の国だ。
すぐ抗日戦争史実維護連合会が話に乗った。
どういうツテか岡本行夫を抱き込んで三菱マテリアルに支那人を強制労働させた償いとして25億円を払わせるのに成功した。
故人を悪くは言いたくないが、岡本はコトの重大さがまったく分かっていなかった。
呆れた男だ。
バリーは次に韓国に飛んだ。
韓国は「違法な植民地支配」とか因縁をつけて5億㌦をたかったのを皮切りに「漢江の奇跡」を作らせるなど日本政府から取れるだけ取ってきた。
もうたかる口実もなくなった時期だ。
今度は民間企業から直に取れると聞かされて飛びついた。
話は簡単だ。
戦前、勝手に日本に働きに行った朝鮮人すべてを強制労働させられたことにして韓国版の「記憶責任未来」基金を作る。
独を手本にし日本企業から1兆円くらいは出してもらおうか。
しかし安倍元首相のおかげもある。
日本人は「約束を破る韓国人」にとっくに愛想を尽かしていた。
尹大統領は「基金は韓国側が肩代わりするから」と言う。
民間から取り立てる糸口は逃せない。
でも日本人は学んだ。
もはや「支那朝鮮に伍して」いく気は毛頭ない。