昨日に引き続き暑い一日となりましたが、気がつけば蝉の声があまり聞こえなくなっています。
本殿で窓を開け換気をしている最中にトンボが迷い込んでくる事も。夏の終わりを感じさせますが、本格的に秋らしくなるのはもう少し先のようです。
暦の上では今日は『重陽(ちょうよう)』。古くは奇数は陽の数字・偶数は陰の数字と考えられており、一番大きな陽の数字である『九』が重なる九月九日は陽の気が強まる特別な日とされていました。
また旧暦九月はちょうど菊花の季節であるため、『菊の節句』とも呼ばれます。
菊は奈良時代に薬草として中国から輸入されましたが、平安時代にはその姿が賞美され家紋や衣装・小物の紋様へ使用されるようになりました。今も菊花は園芸種として愛好家に人気のある花です。
この日の行事としては長寿を願い菊花を飾る、菊を浮かべたお酒を飲む、などがありますが現代ではあまり馴染みのない日になってしまっています...中国でも日本でも最初は貴族の行事でしたから、まだ田畑の仕事が忙しい時期でもあって庶民には重視されなかったのかもしれません。
しかし大変な時期であればこそ気晴らしが必要とも言えます。普段はあまり気に留めない菊花や菊紋を身の回りに探してみてはいかがでしょうか?