穏やかな日差しに恵まれ、久しぶりに「暖かいな」と思える一日になりました。今日はお宮参りのご家族など、心なしかお参りの方も多いように感じられます。
さて、神社に来た方は本殿の前で鈴を鳴らしてお参りをされますが、本殿の中がどのような作りになっているのかご存知の方は多くないかと思います。この鈴鹿明神社の本殿は『権現造(ごんげんづくり)』という形の建物ですが、実は三つの建物が合わさった構造になっています。
まず一番手前に位置するのが『拝殿(はいでん)』。文字通り礼拝をする、お参りをするための場所で、人が入れるよう最も大きなつくりになっています。お宮参りや厄除けのお祓いでいらっしゃった方に入っていただくのはこの部分ですね。
次に一段高いつくりにになっているのが『幣殿(へいでん)』。「中殿」「石の間」とも呼ばれますが、ここはお供え物を置く為の場所です。食べ物である神饌・多くの威儀物が置かれていますが、我々神主の祝詞も「捧げもの」ですので、この幣殿で祭祀を行います。
最後が『本殿(ほんでん)』、神様のお住まいになる場所です。鈴鹿明神社では幣殿の奥、御簾・階段・御扉を隔てた一際高い所にあり、ここは神主といえどみだりに足を踏み入れる事はありません。
本殿のつくりは神社によってさまざまです。古いお祭りの形を残すため拝殿がない伊勢の神宮や、山そのものが御神体なので逆に拝殿しかない大神神社などの特別な例もありますが、それぞれ歴史を持ったつくりです。神社にお参りの際は一度気をつけて見てみてはいかがでしょうか。