昨年末頃ですが、ある御屋敷の稲荷社を遷座するという事で、御社に納められていた古い御幣をお預かりしていました。
御幣とは紙や金属で作られたお供え物・威儀物です。 年が明けてから新しい場所で改めてお祭りをされるというお話でしたので、本日御幣の新調に取り掛かりました。
本殿に置かれている威儀物としての御幣。金物でできた“金幣”と呼ばれるものです
御幣は元々布をお供えしていたのが形を変えたものと言われています。 御社にお納めしたものなのでおいそれとは取り出せないと仰る方も多くいらっしゃいますが、節目のお祭りの時には新しいものをお供えする、というのがやはり本来の形でしょう。
そう思い勇んで作り始めたものの、今回は資料にも見つけられない珍しい形の御幣で、寸法を測りつつ型紙から作る事になりました。
時代を感じる御幣。開くと裁断の複雑さが見えます
お供えする神様や流派によって様々な形があるのですが、再現するというのはなかなか難しいものです。
予想したより大きな御幣だったという事もあり、心残りではありますが、今日の作業は途中までとなりました。 気持ちを整え、明日には作り終えたいと思います。